2024 Jリーグ 第10節 埼玉スタジアム2002 名古屋グランパス戦
世間は昨日からゴールデンウィークの大型連休。
今年のゴールデンウィーク中に行われるJリーグは、ホームゲーム2試合(今節、名古屋戦と、連休最終日のマリノス戦)と、アウェーゲーム1試合(等々力での川崎戦)の計3試合ですが、前節、前々節と2連敗中であることを考えれば、何よりも勝利が求められる、そういう強いプレッシャーがかかる状況で迎える連休の3連戦となります。
その初戦となる名古屋戦、まずは連敗脱出、そして今シーズンまだ一度もできていない連勝への最初の一歩を踏み出すためにも、勝点3が必須の一戦となりました。
スターティングラインナップ
水曜日にルヴァンカップがあって、そこで何人かの今シーズンまだリーグ戦でチャンスをもらえていない選手達が結果を出したり、よいプレーで期待感が高まったため、ベンチメンバーに関してはルヴァンカップで出場した中から何人か入るだろうなとは思っていたんですが、武田さん、パンヤさん、堀内さん(パンヤさんと堀内さんは過去に1試合ずつすでにベンチ入り経験はありますが)がベンチ入り。
そして安居さんが初のスタメン抜擢で、敦樹さんとインサイドハーフのペアを組む形に。
中島翔哉さんがここ数試合を経て、左のウィングでほぼ確定した感じなので、彼は候補からは一旦外れるとして、インサイドハーフに関しては、敦樹さんを軸に、今節はベンチ外となった小泉さん、現在は負傷離脱中の岩尾さん、関根さんなどがペアを組む候補としてここまで何度か試されてきましたけども、そこに今節は安居さんが名乗りを上げた形。
ここで結果出せば、岩尾さんや関根さんが怪我で少し出遅れている状況で、安居さんが一気にスタメンの座を奪取する可能性もあり、非常に楽しみな今節。
その他、前節は大事をとっての途中交代、ルヴァンカップはベンチスタートでお休みしたショルツさんが引き続きスタメンで、彼が90分しっかりプレーできるようになると非常に心強い。
対する名古屋は、3-4-2-1 スタート。ワントップに永井選手、2シャドーに入る倍井選手、両ウィングバックの和泉選手、中山選手など、スピードがあってガンガン仕掛けてくるタイプを前線に配置し、堅守を軸に、サイドからの縦に速い攻撃による鋭いカウンターが強みのチーム。中盤で変な失い方すると一発でゴール前まで持って行かれる危険性もあり、その辺のリスク管理をしつつうまく相手を押し込めるかがポイントになりそう。
ロングボール主体の現実主義的な戦い方でしぶとく勝点3をゲット。勝利を求める気迫が見えた好ゲーム
名古屋のボール非保持は、1トップ+シャドーの1枚が最前線でウチのCBに対して規制をかけに出てきつつも、中盤はほぼマンマークで、人を消しに来るやり方。
ウチをスカウティングした上で名古屋の強みを活かすとすれば、グスタフソンさんを始め、ウチの中盤トライアングルをしっかり捕まえておいてビルドアップに規制をかけつつ外に追い出せれば、そこで奪ってSBの裏のスペースを突いてのカウンター狙いになるのは当然と言えば当然で、ウチとしてはそういう狙いで来られるだろうなということを前提に、どうやってその網を食い破っていくかの立ち上がり。
それに対してウチのボール保持は、相手が中盤で捕まえに来るなら、インサイドハーフが落ちてボール受けるような体で相手を自陣側に引っぱっておいて、西川さんから相手最終ライン裏に蹴ることで、そのスペースをまずはシンプルに使っていこうというやり方。
幸い、チアゴサンタナさんがその強靱なフィジカルとテクニックを持って最前線である程度はボール納めてくれちゃうのと、収まらないにしても相手CBにいい形でははじき返させないようにしてくれるので、蹴ったセカンドボールが中盤で回収できれば、前向きに相手陣内、アタッキングサードに侵入できるという流れ。
また、いくら相手がマンマークで付いてくるとはいっても、グスタフソンさんなんかは相手を背負っていても隙があれば一発でターンして前向くし、無理なら前向きにサポートした味方を使ってもらい直すことで前を向くみたいなプレーがクソうまいので、序盤、名古屋が比較的前からはめにきた時間帯はロングボールで裏狙いつつ、行っても蹴られるなってことで名古屋の前線が少しプレスを自重し始めてからは徐々にそういう、グスタフソンさんを経由した前進ってのもみられたので、現実的な選択をしつつ、うまく戦ったなという印象。
インサイドハーフの2人、敦樹さんも安居さんも、アタッキングサードに入ってからは積極的にニアゾーンを狙う縦への抜け出しを頻繁に行っていて、安居さんはその動きの連続が得点という結果に結びつきましたし、敦樹さんは得点やアシストこそなかったものの、決定機未遂ということであれば複数回に絡んだので、あとは一発、なんかの拍子にでも点を決めるなりすれば一気にヘグモさんの求めるインサイドハーフとして開花しそうな予感。
それから、ウィングで起用されている中島さんも、特に今節は素晴らしく、多分出場時間が増えたことでコンディションも上がってきたんでしょう。90分落ちない運動量、さすがと思わせる足元の技術と局面打開能力を持って今節の勝利に大きく貢献してくれました。試合終了間際、興梠さんと2人で魅せた、コーナフラッグ付近でのボールキープはさすが変態サッカー小僧(褒めてる)だぜと思わせるうまさでした。
そして復活したショルツさん、いや、ショルツ神はさすがにすげぇ。改めて彼はディフェンスラインにいてくれないと困る人だというのが明確になりました。ショルツさんがいるだけで、そこはやべぇってスペースをほぼ確実に消してくれるし、確実に相手シュートコースを消すようなポジショニングでコースを限定するし、ホイブラーテンさんもショルツさんがいることで迷いなくプレーができているように見えますし、最終ラインの安定感が段違い。
名古屋はサイドにボールが入るとかなり積極的に仕掛けてくるし、それも1対1を個で剥がしてこられるレベルの選手がいるのでそれなりにヤバイシーンは作られているんですが、それでもなんか昨シーズンのような堅さというか、力強さがゴール前に戻ってきた感もあり、名古屋もそれを感じたのか、終盤はボール保持はするものの手数が増えて逆に攻めあぐねるみたいな時間帯が多くありました。
全体的にみると両チームともそこまで決定機を多く作った試合ではありません。シュート数もウチは一桁でしたし、PKも含めて、少ないチャンスをしっかり決めきったと言ってもいい試合。実際、(コーナーキックになった判定にはイラついたものの)試合終了間際に1点返されての1点差勝利という、結果だけ観れば紙一重の勝負でしたし。
それでも攻守の切り替え、前線からの守備、対人局面での強度など、基本的な部分というか、「戦う」という部分では終始ウチが相手を上回ったんじゃないでしょうか。そういう部分で相手に負けていては、戦術云々以前の問題だと思いますので、その点では、今節をみていて非常にポジティブな印象を受けました。
恐らく想定外に負傷者も多く出ていたり、ヘグモさんも色々と妥協したり、調整しつつやりくりしてるんだと思いますし、完成度という点ではまだ先は長いのかもしれません。そういう中でもチャンスをもらった選手が結果を出したりと、ポジティブな兆しは見えていますし、今はこういう勝利を積み重ねて自信をつけていくしかないと思いますので、なんとかうまくチームを勢いに乗せてもらいたいです。
さて、これで連敗はストップ。ここからは連勝を、ということで、続くアウェーでの川崎戦に期待したいと思います。
試合ハイライト
試合データ
観客: 42,265人
天候: 晴 / 気温 27.6℃ / 湿度 20%
試合結果: 浦和 2-1 名古屋(前半1-0)
レッズ得点者: 安居(24分)、チアゴ・サンタナ(70分/PK)
警告・退場: チアゴ・サンタナ(警告×1/反スポーツ的行為)、敦樹(警告×1/反スポーツ的行為)
主審: 荒木 友輔 氏
順位: 10位(4勝4敗2分/勝点14/得失点差+1)
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