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2021 Jリーグ 第25節 鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアム アウェー 徳島ヴォルティス戦

水曜日に行われた京都での天皇杯は無事勝利して準々決勝進出を決めてくれましたが、そこから中2日で迎える週末のリーグ戦は遠く四国に乗り込んでのアウェー徳島戦です。

新型コロナウイルス関連でトレーニングが思い通りに行かなかったり、色々と大変な中でのアウェー連戦。とはいえ、現時点で 3位からウチが位置している 7位までが勝点「3」差の中にいる混戦のリーグ戦。ここはしっかり勝ちきって上位に食いついたまま、翌週のホームゲームに戻ってきたいところです。

2021 Jリーグ 第25節 鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアム アウェー 徳島ヴォルティス戦

写真は「DAZN」中継映像から引用

スターティングラインナップ

2021 Jリーグ 第25節 鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアム アウェー 徳島ヴォルティス戦 スターティングラインナップ

さて今日のスタメンは、最終ライン、左から明本さん、ショルツさん、岩波さん、酒井さん。ダブルボランチに柴戸さんと平野さんを配置。左SHに汰木さん、右に達也さん、トップ下に関根さん、1トップにユンカーさんを置いた 4-2-3-1 スタート。GKは西川さん。サブのメンバーとしては槙野さん、ウガ、敦樹さん、大久保さん、江坂さん、興梠さん、それに彩艶さんが控えます。

この試合が終われば一旦ホームに戻ってこられる日程。週末にアウェーがあるものの、近場の湘南、そして翌週にはルヴァンカップでの川崎戦が比変えている状況で、そこまでに新加入戦力と既存戦力の融合を図りつつ、チームとしての練度を上げておきたい状況を考えると、天皇杯を含むアウェー3連戦は、鳥栖戦でのスタメン、及びベンチに入ったメンバーでうまく切り盛りする感じだろうなというのは想像がつきました。

よって、今節も前節鳥栖戦、および水曜日に行われた天皇杯と、帯同しているメンバー自体に大きな入れ替えはなし。スタメンの入れ替え的には天皇杯から4人を変更した形でのスタートとなりました。

具体的なスタメンの変更点としては練習中の接触で頬骨を骨折して一時的に離脱していたユンカーさんが骨折から10日くらいしか経ってないのにスタメン復帰したことと、それに伴い明本さんを左SBへ。2試合先発していた江坂さんを一旦お休みさせて、関根さんをトップ下に。同じく2試合連続スタメンだった大久保さんを汰木さんに変更し、関根さんの代わりに右のSHには達也さんを起用。さらに2試合連続終盤で投入されていたショルツさんが初のスタメンで岩波さんとコンビを組む形に。そしてボランチでは3試合連続スタメンとなる平野さんとコンビを組むのが柴戸さんに変更。

対する徳島は、最終ライン左からジエゴ選手、福岡 将太選手、カカ選手、岸本 武流選手。ダブルボランチに岩尾 憲選手と藤田 譲瑠チマ選手。左のSHに西谷 和希選手、右のSHに杉森 考起選手。トップ下が宮代 大聖選手、ワントップに垣田 裕暉選手という並びの 4-2-3-1。GKは上福元 直人選手。

システム的には完全にミラーゲームになるわけですが、人の配置で相手より優位に立つことが基本コンセプトの両チーム。スタートポジションはそれ程重要ではなく、如何に相手とボール位置との関係性で各選手がよい立ち位置を獲れるのか、チームとしての完成度が試される対戦となりました。

試合に勝って内容では負けるの典型みたいな90分

試合の立ち上がりはユンカーさんの裏への抜け出しが決定機になりかけるなど、互角の入りをしましたが、10分を過ぎたあたりからは徳島がボール保持してウチはなかなかボール保持やビルドアップがうまくいかない状況に。

徳島のビルドアップは最終ラインが右にスライドする形でジエゴ選手、福岡選手、カカ選手という 3バック。右サイドでインサイドに絞ったSH(杉森選手)と大外で高い位置を獲るSB(岸本選手)という立ち位置、左サイドではSHの西谷選手が幅を獲りつつトップ下の宮代選手が内側でサポートするを基本にサイドで起点を作る狙いでしたが、ウチはSH、達也さんと汰木さんのところの守備が決まらない状況がずっと続いてしまいました。

例えば達也さんが相手最終ラインのボール保持に対して守備ブロック最前線のユンカーさん、関根さんと合わせて相手3バックを捕まえに行った時に、達也さんが出ていったスペースで西谷選手がボールを引き出すし、そこに酒井さんが引っ張られると内側で宮代選手に受けられちゃうという形でアタッキングサードに侵入される。

逆サイドでも汰木さんが少し前目にポジションを獲ったところの裏でうまく岸本選手が中間ポジションを獲りますが、明本さん的には杉森選手を気にしてなかなかそこには出て行けないため、余裕を持ってスペースのある状態でボールがサイドに入ってしまう。結果として最終ラインを高く設定することができず、下がらされるシーンが続き、ボール奪取位置も自陣深くになるのでポジトラでも前線に人が足りない、ユンカーさんだけが最前線で孤立して蹴るしかなくなるというスパイラル。

前半の20分前後には徳島にペナルティエリア付近、及びペナルティエリア内に侵入されたところから決定機に近いシュートシーンを作られていて、西川さんのセーブでなんとかしのぐ状況が続きます。

一方でウチのビルドアップは前半に関してはほぼ壊滅。徳島の守備ブロックは、中継だとカメラがちょっとボールに寄りすぎる関係でウチが最終ラインでボール保持している状況での相手最終ラインが画面に映らずわかりにくいんですが、恐らく 4-1-4-1 を基本に、ウチの前線の立ち位置に応じて 4-3-2-1 ~ 5-4-1(5-2-2-1 みたいな並びも) と変化しつつ要所要所でしっかり人を捕まえにくる。

最前線の垣田選手がプレスにスイッチを入れると、2列目、トップ下の宮代選手の位置までダブルボランチの岩尾選手と藤田選手が押し出す形で中盤のスペースを消しつつ、最終ラインも押し上げてスペースを圧縮してくるため、まだ相手の立ち位置やボールの位置に応じたオートマチックなポジショニング修正が完全には浸透していないウチとしてはパスの付け所を探しているうちにスペースを消されて詰まってしまうという流れ。徳島のプレスを回避しようとロングボール蹴ろうにも、この日は風の影響が大きくなかなか狙い通りの場所に蹴れないみたいなジレンマもあって難しい。

特に柴戸さんが最終ラインに落ちてビルドアップを手伝っているときに、中盤の平野さんの周辺に人がいなくなっちゃうし、達也さんがそこにサポートに落ちてきたりはするんですが各選手の動きが単発で連動性がないため、徳島の素早いプレスに対してどうしてもテンポが出ない。この辺は単純に練度の差といってしまうとそこまでなんですが、リカさん体勢での1年目ということを考えればもう少し我慢が必要な部分かもしれません。

結局前半はほぼ徳島の攻撃練習。ウチは徳島の攻撃をはじき返してはセカンドボールを回収されて2次攻撃を喰らうっていうのの繰り返しでボール保持率も35%。別にボール保持率を高くすることが目的ではないですし、ボール保持率が低くてもその内容が重要なわけですが、今節の場合は数字通りに普通に相手も持たれて押し込まれるという状況でしたから、逆にいえばよく無失点でしのいでくれたなと。先に失点すれば一気に流れを持って行かれただろうことを考えるとそこは評価に値する部分だと思います。

後半修正で状況を改善した時間帯に先制点ゲット

ハーフタイムに達也さん→江坂さんとしてポジションを微調整。関根さんを右サイドに出して江坂さんがトップ下という並びで、江坂さんが右サイドに流れて平野さんをサポートしながら相手ボランチの周辺で起点を作るやり方に。

ディフェンス時の守備ブロックはユンカーさん、関根さんが最前線に残る形の 4-4-2 をベースで前半と同様ですが、2列目以降は相手ボールサイドにスライドして圧縮しつつ、相手サイドをきっちり捕まえに行くプレスのかけ方に変更されたため、前半のようにSHが出ていった裏でフリーでボール持たれるという状況は減り、最終ラインも前向きに守備がやりやすくなってボール奪取位置も改善。

また、前半は達也さんがワイドでプレーすることが多く、酒井さんがオーバーラップするスペースを消してしまうケースが多かったんですけども、後半は関根さんがインサイドに絞ることで酒井さんが少し高い位置を獲るシーンも増えていて、この微調整により前半に比べてボールを前進させることができるようになりました。

54分には中央、平野さんと関根さんの縦関係で起点作って左サイド明本さん→クロスにユンカーさんの頭という流れで久しぶりにチャンスらしいチャンスを創出。徐々に試合の流れを押し返せそうな雰囲気を見せます。この辺から現地は雨脚が強まってピッチコンディション的には徐々に悪くなっていくことが予想されたため、早めに先制点を奪って試合を優位な状況にしておきたいところ。

そして62分、待望の先制点。左サイドでスローインのリスタート、同サイドにサポートにきた江坂さんが大外に流れたところからハーフスペースを獲った汰木さんへのパス一発でサイドをブレイクして汰木さんがペナルティエリア内に侵入。ギリギリまでGKを引きつけておいてからの左足、マナスクロスに2列目から突っ込んできた関根さんがうまくあわせてグラウンダーのシュートを叩き込んだもの。

左サイド、4対2の数的不利な状況を江坂さんと汰木さんの2人のパス交換だけで相手包囲網をぶっ壊した形で、汰木さんへ江坂さんへのパスも相手CB、カカ選手の股下を抜く江坂さんらしいお洒落プレー。耐える展開が続いた試合でしたが、ワンチャンスをしっかりものにしてスコアでは先手をとってくれました。関根さんはホームでの徳島戦に続き、対徳島連続ゴールですね。相性。

66分には平野さん→敦樹さん、ショルツさん→槙野さんとして恐らくは守備面での強化を図ります。ショルツさんは初スタメンでしたが、66分のプレー時間、相手を無失点に抑える十分な働き。72分には汰木さん→大久保さんとしてサイドでの運動量を追加。

それでもフレッシュな選手に入れ替えつつ圧力を高めてくる徳島に対して受けに回る時間帯が長く、87分には関根さん→ウガとして守備ブロックを 5-4-1 に変更。ウガを右サイド(WB)に入れて最終ラインを酒井さん、岩波さん、槙野さんの3バックに変更、左は明本さんがWBの立ち位置に、守備時は両WBを最終ラインまで落とすことでサイドのスペースを消す形。

最終版にはウガが最前線から相手最終ラインのボール保持に対してプレスかけに走り回るという総力戦。気合いで 1点を守り切りアウェーの地で勝点3をゲット、鳥栖戦に続く連勝としてくれました。

ということで、鳥栖戦に続き、ポジショナルにプレーしてくる相手に対して内容では上回られる形にはなったものの、結果的には勝点3を奪うという結果に。リカさんも試合後会見で「ポジティブなのは結果だけ(意訳)」的なことをおっしゃっていましたが、まぁその通りでしょう。ただ、内容に関しては今後よくなる方向で期待が持てますし、あまり焦っても仕方ない。今は内容的に苦しい試合でも結果が出ていることを評価しつつ、今後のブラッシュアップに期待しましょう。

さて、次はミッドウィーク、水曜日に駒場でホームゲーム。対戦相手は広島です。しっかり勝って上に食いついて行きましょう。

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試合ハイライト

試合データ

観客: 7,046人
天候:曇のち雨 / 気温 25.2℃ / 湿度 84%
試合結果:徳島 0-1 浦和(前半0-0)
レッズ得点者:関根(62分)
警告・退場:明本(警告×1/反スポーツ的行為)
主審: 荒木 友輔 氏
順位: 6位(12勝8敗5分/勝点41/得失点差+2)

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Yoshiki Kato / burnworks
Yoshiki Kato
埼玉県出身。サッカー、フットサル (観戦 / プレー)、モータースポーツ観戦、格闘技 (主にボクシング) 観戦、インターネット、音楽鑑賞、筋トレ、腕時計収集が趣味。サッカー 4 級審判員、ウオッチコーディネーター(上級 CWC)資格認定者。好物はゼリー、グミ、お酒、ラーメン。