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2021 Jリーグ 第34節 等々力陸上競技場 アウェー 川崎フロンターレ戦

11月に入り今年も残すところ2ヶ月を切りました。今シーズンのリーグ戦も今節を入れて残り5節、あとは天皇杯の(最大)2試合をあわせても7試合で年内公式戦は全日程終了です。早いものですね。

で、終盤ということもあって対戦相手的にも結構厳しいところが続くわけですが、その筆頭ともいえる現在首位の川崎とのアウェーでの対戦が今節。あちらはあちらで今節優勝の可能性がかかっているそうですが、こちらも1つでも順位を上げるためにはアウェーでの対首位といえども負けるわけにはいかない戦いです。

川崎さんとは今シーズンすでに3回対戦していて、今節が4回目の対戦。初回対戦(第6節)は前半いい感じかな~と思ったら前半終了間際の失点を皮切りに後半ボコられ現実の厳しさと彼我の完成度の差を見せつけられましたが、その後、記憶に新しいルヴァンカップでの再戦では2試合とも引き分け(アウェーゴール差でウチが勝ち抜け)、まだまだ相手を上回るには至っていないものの、互角にやり合えるところまでは近づいている実感をさせてくれました。

そんな中で迎える今節。川崎さん、夏(8月)ぐらいはACLとの兼ね合いや連戦の疲れ、あるいは田中碧選手、続いて三笘選手という主力級が海外移籍したことなども影響してか失速まではいかないものの少し勝点を落とす(落とすといっても1敗しかしてないんですけどね)時期もありましたが、気がつけば9月以降(正確には8月末の札幌戦以降)のリーグ戦は全勝っていうアホみたいな強さ。そりゃリーグ戦5節残して優勝の可能性になるわなって感じですが、強い川崎とやってこそウチにとっても現在地の再確認ができるし、よかった点、課題点も明確になるってものです。

ということで非常に楽しみな一戦となりました。

2021 Jリーグ 第34節 等々力陸上競技場 アウェー 川崎フロンターレ戦

写真は「DAZN」中継映像から引用

スターティングラインナップ

2021 Jリーグ 第34節 等々力陸上競技場 アウェー 川崎フロンターレ戦 スターティングラインナップ

さて今日のスタメンは、最終ライン、左から山中さん、ショルツさん、岩波さん、酒井さん。ダブルボランチに柴戸さんと平野さんを配置。左SHに汰木さん、右に関根さん、トップ下に小泉さん、1トップに江坂さんを置いた 4-2-3-1 スタート。GKは西川さん。サブのメンバーとしては槙野さん、ウガ、西さん、敦樹さん、大久保さん、興梠さん、それに彩艶さんが控えます。

前日記者会見でリカさんが 日本に来てから最高バージョンのキャスパー みたいなことおっしゃっていたのでなんかすごそうって期待してたんですけども、スタメン発表されてみればユンカーさんはベンチ外。そこはちょっと意外でしたね。怪我とかアクシデントでなければよいのですが(一応試合後に調べた範囲ではコンディションの問題という話だったので大きな怪我とかではなさそう)。

アクシデントでないとすれば一種の情報戦としての試合前コメントだったか、戦術的な意味でのベンチ外だと思いますが、川崎相手ということで前線からの守備の立ち位置やハメ方を重視して小泉さん、江坂さんの組み合わせを選択したのかもしれません。

代わりにうれしいこととしては久しぶりに興梠さんがベンチに復活。対川崎では最も得点を奪っている興梠さんが満を持しての復活。しばらく戦列を離れていた関係で今節いきなり長時間のプレーってのはあまり想定されていないと思いますし、どのタイミングで投入されるかはわかりませんが、浦和のエースの復活に期待したいところ。

対する川崎は最終ライン左から登里 享平選手、谷口 彰悟選手、ジェジエウ選手、山根 視来選手。中盤の底、アンカーの位置に橘田 健人選手、インサイドハーフに旗手 怜央選手と脇坂 泰斗選手を配置。最前線3トップは左からマルシーニョ選手、レアンドロ・ダミアン選手、家長 昭博選手という並びの 4-1-2-3。GKはチョン・ソンリョン選手。

トップにレアンドロ・ダミアン選手がいることで深さを出せますし、両サイドは幅を獲りつつハーフスペースを確実に獲ってくるインサイドハーフや、いいタイミングでインサイドワークして相手にとって嫌らしい立ち位置を獲る家長選手など、システマティックにポジションを入れ替えつつ隙間隙間に入ってくる川崎の完成度はやはり脅威。

さらに川崎の各選手の「フリー」の感覚はちょっと他チームと比べて(いい意味で)ズレてるっていうか、その隙間でボール受けるの? とか、スペースに強いボール出したと思ったらそこに向けて移動中の選手の足元ぴったりを狙ったピンポイントパスでした、みたいなことを平気でやってくるのでホントめんどくせぇ。一瞬たりとも気を抜けない相手なので観ている方も大変です(いや、実際にやってる選手の方がもっと大変なのは当たり前ですけど)。

お互いの良さを出しつつの高レベルな攻防、
前半の終盤に押し込まれた時間帯を耐えきれず失点するも土壇場で追いつく

立ち上がりから両チームとも攻守転換素早く高い位置からのプレスで相手のビルドアップに規制をかけあう展開。相手ボール保持時にはいつもどおり 4-4-2 ブロックを形成してトップに配置される江坂さんと小泉さんで相手の両CBに規制をかけに行きますが、ここで考えなしに勢いだけで下手に出ていってしまうと背中で旗手選手や脇坂選手、橘田選手などが楔を引き出しますし、そこにウチのボランチが引っ張り出されるとそこから1個ずつ守備がズレるってことになるため、最前線2枚の立ち位置のとり方、プレスのかけ方は非常に重要。

先にも書いたとおり、この辺を気にして小泉さん、江坂さんの組み合わせを選択したんじゃないかと思われますが、その狙い通り、立ち上がりの守備面ではウチがうまく相手のビルドアップを詰まらせて攻守転換することができていました。

ボールを奪って相手ファーストプレスをうまく外し、相手アンカー脇でうまく起点が作れた際には、そこから小泉さんや江坂さん、さらにインサイドワークした両SHを使ってゴールへの最短距離を狙うというのは意図として見えました。開始2分過ぎの江坂さん→小泉さんで相手CBの真ん中を抜きにいったシーンや5分過ぎに小泉さん→インサイドワークした汰木さんで同じく相手CBの真ん中を抜きにいったシーンなどは、パスが足元にしっかり通っていれば決定機という感じでしたが、惜しくも一歩およばず。

ただ、こういう奪って縦に速い縦パスで一気にゴールに向かうのであれば、それこそユンカーさんがいてくれたらなぁっていうのもあり(コンディションの問題じゃ仕方ないんですけども)、この辺はなんとも悩ましい感じですね。

一方でサイドの攻防に関してはさすがに川崎に上回られましたね。特に立ち上がりから前半に関しては山中さんがほぼ高い位置を獲れず、幅を獲りつつオーバーラップしてくる山根選手や家長選手、さらにサイドに流れてくる脇坂選手や旗手選手への対応に追われて攻撃面での彼の強みを活かす展開にはなりませんでした。

こちらのビルドアップに関しては、相手が3トップということもあって、2CBでのボール保持に対しては数的不利になりがち。しかしそこはうまく西川さんがビルドアップに参加しつつ、いいタイミングで平野さんや柴戸さんが相手最前線の背中や脇に落ちることで相手1列目を越えていくことは、特に前半の飲水タイム後くらいからはきちんとできていて、こちらがボール保持してもう少し時間を使うような展開にできたような気もしますが、前述の通り、中盤からアタッキングサードでは比較的縦に速くフィニッシュまで持って行くことが意識されていたようにみえましたので、厚みのある攻撃になったかというとちょっと物足りない感じではありました。

先に前半は山中さんが高い位置を獲れなかったよねと書いたんですが、相手を少し押し込むような展開にしないとさすがにSBはそこまで大胆には相手陣地に侵入できないので、山中さんの問題というよりチーム全体の傾向がそうさせたというところでしょうか。

とはいえ、25分過ぎには西川さんをうまく使ったプレス回避から相手1列目をうまく外して平野さんが中盤でボールを前進させたところから、右サイド、小泉さんとのワンツーで酒井さんの強引な突破→中央への折り返しに汰木さんがミスキック→こぼれ球を江坂さんがフィニッシュ。弾かれたボールをさらに関根さんが放ったシュートはゴールライン上で川崎、谷口選手に弾き出されるという決定機を迎えます。これは決めておきたかった。

この決定機で少しウチに流れがきたかなと思った前半30分過ぎから川崎の波状攻撃。33分、相手のパスワークに何度か球際頑張ってはじき返すもすぐに相手にセカンドボールを回収されて押し込まれてという流れで与えたコーナーキックから、これも一旦ははじき返すもののクリアが小さくなったところを山根選手に回収され、再度放り込まれたボールにレアンドロ・ダミアン選手が競ったこぼれ球をジェジエウ選手に押し込まれる形で失点。うまく押さえ込んでたと思うとこういうセットプレーでやられるってのはもったいなさもありますけども、逆に言えば完全に相手を崩せないならセットプレーからでも得点を奪えるってのが川崎の強さなんでしょう。

中継における前半スタッツは川崎が70%弱のボール支配率。数字ほど一方的に押し込まれるような展開ではありませんでしたが、ある程度速い攻撃を意識したウチと、しっかりボールを握ってチャンスをうかがった川崎で、前半に関してはあちらに少し分があったという展開で試合は後半へ。

後半は立ち上がりから少し山中さんが高い位置を意識する入り方。48分過ぎには山中さんのアーリークロスに中央で汰木さんというところで惜しいシーンを作るなど、1点を追ってアグレッシブな入り。

しかし50分過ぎに少しアクシデント。柴戸さんが膝を痛めてしまったようで58分に敦樹さんに交代(少し前、53分くらいにヘディングで競ったシーンの着地かなと思うんですが、ちょっと痛そうな感じにしてたので心配です)。あわせて汰木さん→大久保さんとし、そのまま左のSHに配置します。

75分に川崎がレアンドロ・ダミアン選手→小林 悠選手、登里選手→車屋 紳太郎選手、マルシーニョ選手→大島 僚太選手として中盤に枚数を増やし、どちらかというと少し守備側に舵を切ったように見えましたが、それを受けてかウチも一気に2枚を投入。78分に平野さん→興梠さん、山中さん→ウガとし、興梠さんで深さを作りつつ、相手陣地に人数をかけてボール保持で相手を押し込む展開を狙いに行きます。

興梠さん、久々の出場でしたが動きにはキレがありましたし、狭いスペースで相手を背負ってもきっちり収める、裏に仕掛けるタイミングの的確さなど、さすがだなと思わせるプレーをしてくれました。84分くらいに興梠さんがスッと最前線から落ちてきて中盤でボールをサイドの酒井さんに落としてそのままスルスル最前線に入っていき、インサイドワークした関根さんとのパス交換から大久保さんのミドル→こぼれ球をウガのミドル、って感じでチャンス創出にも絡んでたり、もうシーズンも終盤ですがここからラストスパートでぜひ結果を出してもらいたいものです。

興梠さん投入後、82分過ぎ、さらに前述した84分のシーンなど、相手ゴール前に押し込んでミドルシュートを含む波状攻撃で決定機とまでは行かないまでも相手ゴールを脅かすとその勢いを持ったまま試合は終盤へ。

なんとか1点こじ開けたい流れの中で迎えた89分、相手陣、深い位置での川崎のスローインからリスタート。このリスタートをなんかちょっと雑にやってくれたもので敵陣の高い位置で敦樹さんがボール奪取、江坂さんへと落とします。

後ろ向きに敦樹さんからボールを受けた江坂さんですが、入れ替わりに背中側をオーバーラップする敦樹さんにお洒落ヒールでパスを流すと、一気にペナルティエリア内に持ち出した敦樹さんがペナルティエリア角、ゴール斜め45度の位置からコースを狙ったコントロールミドルシュート。このシュートを川崎GK、チョン・ソンリョン選手が前に弾いてくれたところに、ものすごい勢いで詰めてきていた酒井さんがカバーにきた谷口選手と激しく衝突しながらも右足のアウトサイドで押し込んだボールは川崎ゴールに吸い込まれて同点。土壇場で同点に追いつき、勝点1を引き寄せます。

ゴールシーンでの衝突が激しかったので酒井さんを心配しましたけども、交代で入った西さんは酒井さんじゃなくて関根さんとの交代。なんですかね、あの酒井さんのフィジカル。普通の人なら怪我してもおかしくないでしょっていう状況で、しかも担架で運び出されてんのに普通に戻って最後までプレーしていました。強い。

試合時間は残りアディショナルタイムを含めて5分程度。勝って優勝を決めたい川崎が最後猛攻を仕掛けてきますが、ここをしっかり耐えしのぎ、試合をクローズして勝点1をゲット。首位を相手に完全に互角とまではいわないものの、十分戦えることを示してアウェーで奪った勝点「1」。結局4回対戦して1敗3分けと、さすがに1シーズン内では相手を上回ることはできなかったものの、これは価値のある勝点といえるでしょう。

さて、続く週末の第35節はアウェーで鹿島との対戦。鹿島とは直接的に順位を争う対戦になりますから、絶対に負けられない戦い。アウェーですが勝点3を奪って戻ってきてくれることを祈りつつ、応援しようと思います。

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試合ハイライト

試合データ

観客:11,603人
天候:晴 / 気温 21.5℃ / 湿度 30%
試合結果:川崎 1-1 浦和(前半1-0)
レッズ得点者: 酒井(89分)
警告・退場: -
主審: 木村 博之 氏
順位: 6位(17勝9敗8分/勝点59/得失点差+8)

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Yoshiki Kato / burnworks
Yoshiki Kato
埼玉県出身。サッカー、フットサル (観戦 / プレー)、モータースポーツ観戦、格闘技 (主にボクシング) 観戦、インターネット、音楽鑑賞、筋トレ、腕時計収集が趣味。サッカー 4 級審判員、ウオッチコーディネーター(上級 CWC)資格認定者。好物はゼリー、グミ、お酒、ラーメン。