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天皇杯 JFA 第101回全日本サッカー選手権大会 準々決勝 パナソニックスタジアム吹田 ガンバ大阪戦

リーグ戦の方は柏レイソルを相手に気持ちよく大勝したことで少し勢い的には戻ってきた感が出た先週末でしたが、週明け、ミッドウィークの水曜日に行われるのは天皇杯の準々決勝。対戦相手はガンバ大阪です。

ガンバさんとは前々節のリーグ戦で対戦。特に前半に関しては一方的に押し込みつつも得点を奪うには至らず、試合終了間際のPKでやっと先制したと思ったらリスタートでPK献上して結果引き分けと、試合内容からすると納得しにくい引き分けに終わりました。今回は一発勝負のトーナメント戦。この前の借りを返すという意味でもきっちり得点を奪って倒し、ALCに直結する天皇杯で準決勝に駒を進めたいところです。

天皇杯 JFA 第101回全日本サッカー選手権大会 準々決勝 パナソニックスタジアム吹田 ガンバ大阪戦

写真は「Spoox (スカパー!オンデマンド)」中継映像から引用

スターティングラインナップ

天皇杯 JFA 第101回全日本サッカー選手権大会 準々決勝 パナソニックスタジアム吹田 ガンバ大阪戦 スターティングラインナップ

さて今日のスタメンは、最終ライン、左から山中さん、ショルツさん、岩波さん、酒井さん。ダブルボランチに柴戸さんと平野さんを配置。左SHに汰木さん、右に関根さん、トップ下に江坂さん、1トップにユンカーさんを置いた 4-2-3-1 スタート。GKは西川さん。サブのメンバーとしては槙野さん、ウガ、敦樹さん、達也さん、大久保さん、小泉さん、それに彩艶さんが控えます。つまりは、リーグ戦の前節、柏レイソル戦と全く同じメンツということですね。

対するガンバ大阪は、最終ライン左から黒川 圭介選手、菅沼 駿哉選手、佐藤 瑶大選手、柳澤 亘選手。ダブルボランチに奥野 耕平選手と井手口 陽介選手。左のSHにウェリントン・シウバ選手、右に小野瀬 康介選手(ただし、このSH2枚は試合途中で左右入れ替え)、2トップに宇佐美 貴史選手、パトリック選手を配置した 4-4-2。GKは東口 順昭選手。

平野さん→ユンカーさんラインが2試合連続開通
山中さんのクロスも活きて2得点勝利で準決勝進出

ガンバは守備時 4-4-2 ブロックからウチのボール位置に応じて両SHを2トップ脇に上げての3枚によるビルドアップへの規制。ただしこの守備はそこまでハメられた印象はなく、被ショートカウンターの脅威は限定的。

一方で柏のように前線と2列目がガッと前にプレスに出て行ったときに最終ラインが連動せず、2列目後方にスペースができるといった部分は、この日のガンバに関しては事前のスカウティングの結果か比較的ケアされていたようで、最終ラインの押し上げによってディフェンスブロックはコンパクトネスが保たれており、また、パトリック選手もあの見た目(と言ったら失礼かもしれませんが)によらずさすがにインテリジェンスが高いというか、2トップの背中を獲る柴戸さんや平野さんへのパスコースはきっちり消す立ち位置をとりますし、さらにセントラルに配置された井手口選手などはさすがの運動量と強度で真ん中への侵入でなかなか時間を与えてくれないため、簡単に裏っ返してという流れにはなりませんでした。

ガンバは前線にパトリック選手がいますし、そこまでボール保持のクオリティが高いわけではないのでウチがきっちりボールを保持して押し込む状況が作れれば、あとはパトリック選手や宇佐美選手をターゲットにしたロングカウンターにだけ警戒してやればそこまでピンチの数も多くはないのかなと予想しながら見ていたんですが、私が個人的に想像していたよりもガンバのボール保持から崩されるシーンが多かったように思いました。

特に初期配置で右のSHに入っていた小野瀬選手のインサイドワークと2列目から飛び出してくる動きに関しては非常に捕まえにくく、左サイドに流れる宇佐美選手と初期配置で左SHに配置されたウェリントン・シウバ選手によるコンビネーションに、逆サイドから中央に絞ってくる小野瀬選手の立ち位置のとり方は結構厄介だったなと。

とはいえ、ウチもガンバの堅い守備ブロックをいつも通り各選手が中間ポジションを獲りながら攻略していきます。開始5分過ぎあたりに平野さんからの縦パスに江坂さんがゴール前で決定機未遂のシーン(トラップが止まっていればって感じでしたけども)、6分過ぎにもガンバにゴール前に迫られたシーンから西川さんのキャッチ→素早いフィードで汰木さんが縦一発抜け出してGKと1対1に近い状況を作る(シュートの決断が半テンポ早ければ枠飛ばせてたかも)など、相手ゴールに迫り、そして開始10分、ユンカーさんが早くも先制点。

この先制のシーンはガンバGK、東口選手のゴールキックによるリスタートからでしたが、これをパトリック選手と柴戸さんが競ったこぼれ球が平野さんの元へ。

これを平野さんがダイレクトで縦にぶっ込んだ瞬間を中継映像からお借りしたのが下記なんですけども、

天皇杯 JFA 第101回全日本サッカー選手権大会 準々決勝 パナソニックスタジアム吹田 ガンバ大阪戦 先制点につながった平野さんからのパスが出た瞬間

写真は「Spoox (スカパー!オンデマンド)」中継映像から引用

平野さんがボール蹴った時点でユンカーさんはまだ裏に仕掛けておらず、蹴る前の平野さんも柴戸さんが競る直前にちらっと周囲の状況は見てますが、ユンカーさんの動き出しを見て蹴ったわけではないんですね。

前節もそうでしたけども、平野さんはあの位置関係でボールが来た場合、相手ディフェンスライン裏に蹴ればユンカーさんなら反応するし、イケるやろ的な感覚で蹴ってるんだと思いますが、今回もドンピシャというか、このダイレクトに入れた縦パス一発で狙い通りユンカーさんがぶちかましてくれました。

そしてユンカーさん、彼がやるとなんか簡単に決めてるように見えるんですが、平野さんのパスへの反応速度、一瞬で相手ディフェンスを置き去りにするスプリント能力、そしてワンタッチ目で相手がコンタクトできない場所にボールを置くボールコントロール能力に、ここしか通せないっていう狭いシュートコースを絶妙のタイミングでしっかり打ち抜くシュート技術。ちょっと感動するレベルのエグいフィニッシュでした。マジでこの人が味方でよかった。

柏戦もそうでしたが、やはりユンカーさんがいることで相手はディフェンスラインのコンパクトネスを保ちにくくなります。不用意にライン上げると縦一発で裏に抜けられてえげつねぇ決定力でぶち込まれるし、だからといって中央締めて受けると今度はフリーになったサイドから山中さんの容赦ない高速クロスが飛んでくるし。

柏戦もこの試合も攻撃面ではそういう「あちらを立てればこちらが立たず」的な混乱を相手に与えることができていて、さらに中盤と最終ライン、そしてGKの西川さんがしっかり身体を張ることで少ないながらも訪れたピンチをしっかりしのぎきる。守備面ではボランチがサイドに引っ張られたりしたときに中を使われてというシーンは何回かあったりと完全に狙い通り相手を押さえ込んだわけではないと思いますが、それでも個々がしっかり役割を果たすことで攻守にわたってバランスのよい状況が作れているなというのは感じます。

2得点目は山中さんからのクロスを絶妙のタイミングで相手ディフェンスライン裏に抜けてフリーになった江坂さんの落とし→関根さんでフィニッシュという形でしたが、江坂さんがフリーで抜けた時点でそのままシュートでも十分決定機だった気はします。ただ、ちょっと山中さんのクロスが伸びたみたいで、江坂さんはシュートではなく落としを選択。そこにしっかり関根さんが走り込んでいたことで厚みのある攻撃になりました。

ここはウチが一旦中央で作ったことでガンバの守備が中央を締めに集約したところを大外でフリーになった山中さんを使ってという形でしたが、この辺も相手をうまく動かして混乱させた成果ですね。

後半に同じような感じで江坂さんの落としを小泉さんがグラウンダーのシュート叩き込んだ素晴らしいゴール未遂があったんですが、惜しくも江坂さんのところでオフサイドの判定。江坂さん、パスも出せるしポストプレーもできるし、加えて自分でも決められるし、まさにパーフェクトヒューマン。すごい。

選手交代としては58分にユンカーさん→小泉さん。この辺は次の川崎戦のことも見越して温存か。同様に76分には関根さん→達也さん、汰木さん→大久保さんとして両SHをリフレッシュ。関根さんが交代直前に足つってたのでこの辺は両SHの負荷を考えれば当然の交代。

さらに90分には山中さん→ウガ、平野さん→敦樹さんとして守備面を強化しますが、最後、ガンバもパトリック選手めがけて蹴り込んでくるかなと思って警戒していたものの、終盤はウチがうまくボール保持しながら時間を使い、あまり終盤のパワープレー的な流れを相手に作らせなかったので、比較的穏やかな感じで、ゆとりを持って試合を締め、結局 2-0 の完封で天皇杯、準決勝進出を決めてくれました。

ということで天皇杯の準決勝は12月12日、しばらく間があきますね。対戦相手はまたかよって感じではありますが、セレッソ大阪さんです。ルヴァンカップの借りを返すためにも、次はきっちり叩いて決勝に駒を進めましょう。

で、とりあえず直近では来週の水曜日にリーグ戦、アウェーでの川崎戦、その週末に同じくアウェーでの鹿島戦と、アウェー連戦、しかも首位の川崎に順位の近い鹿島と難しい試合が続きます。川崎に至っては試合結果次第でリーグ優勝が決まるかもしれないとかいう状況ってことで、ウチとしては絶対に負けられない試合になりますし、11月のスタートを勢いを持って切れるようにサポートしましょう。

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試合ハイライト

試合データ

観客:5,553人
天候:晴れ / 気温 16.3℃ / 湿度 36%
試合結果:G大阪 0-2 浦和(前半0-2)
レッズ得点者: ユンカー(10分)、関根(42分)
警告・退場: -
主審: 西村 雄一 氏

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Yoshiki Kato / burnworks
Yoshiki Kato
埼玉県出身。サッカー、フットサル (観戦 / プレー)、モータースポーツ観戦、格闘技 (主にボクシング) 観戦、インターネット、音楽鑑賞、筋トレ、腕時計収集が趣味。サッカー 4 級審判員、ウオッチコーディネーター(上級 CWC)資格認定者。好物はゼリー、グミ、お酒、ラーメン。