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2018 Jリーグ 第15節 パナソニックスタジアム吹田 アウェー ガンバ大阪戦

ミッドウィークに行われたルヴァンカップ、広島戦では広島の堅い守備を忠成さんが左足一閃のミドルでぶち破り、グループステージ首位突破。リーグ戦、前節は鳥栖を相手に得点できず、得点力という点ではまだまだ課題が残るものの、攻守転換と相手ボールホルダーに対する寄せの速度、奪いきる球際の強度とその連続性といった所謂インテンシティの高さは徹底されており、指揮官の狙いは明確に見えてきている状態。

この状況を個人的にはポジティブに評価していて、中断期間に攻撃面の整理が行われれば、確実に上に行けるだけの期待値を感じさせる状況だと思っていますが、そんな中、ルヴァンカップから中2日でむかえる今節は、アウェーの地、吹田に乗り込んでのガンバ戦。中断前最後のリーグ戦ということもあって、しっかり結果を出して、いい流れで中断期間に入りたい試合となりました。

2018 Jリーグ 第15節 パナソニックスタジアム吹田 アウェー ガンバ大阪戦

画像は DAZN 中継映像からのキャプチャ。現地行けなかったので自宅にてのんびりテレビ観戦。現地の皆さんお疲れ様でした。

さて、今日のスタメンは最終ラインに遠藤、マウリシオ、槙野。ダブルボランチに青木、長澤。ウィングバック、右に橋岡、左にウガ。シャドーに柏木を置いた上で、トップに武藤、興梠という並び。GKは西川。

ルヴァンカップでは4バックを採用していますが、リーグ戦では前々節の鹿島戦、前節の鳥栖戦と同様のスタメンで、やり方的にも、青木さんをアンカーの位置に残したまま長澤さんが柏木さんと横並びになる形での 3-5-2(3-3-2-2 or 3-1-4-2)という形を継続です。

対するガンバは 4-4-2。ウチはもとより、ガンバも攻守転換素早く、守備時の出足の速さ、ボールサイドに人数をかけて囲い込んでくるアグレッシブな守備は非常に見応えあり、下位に低迷しつつもこの試合にかける両チームの意気込みが垣間見える立ち上がり。

ガンバはウチのボールホルダーに対して積極的に複数人でプレッシャーをかけてくるため、判断が遅れると囲まれてボール奪取され、ショートカウンターを喰らう流れに。逆に囲まれたところをうまく外せれば、前線や特に逆サイドにはスペースがあり、ウチからすればガンバの守備をいかに外してスペースをとれるかというのがポイントという試合になりました。

そんな中、さすがの動きをしたのは左のウィングバックに入ったウガ。絶妙なタイミングで何度もサイドを抜け出してはフリーでクロスを上げるところまではいけていましたので、あとはフィニッシュに至る部分の精度やアイデア、意思疎通というところで、もうひと段階レベルアップすればコンスタントに得点できるようになるんじゃないかなという印象。

サイドを持ちだした時の中の入り方も、人数がそろわない時もあるものの、多くの場面では比較的しっかりニア、真ん中、ファーサイドとさらにそれぞれギャップを作りながら入ってこられていたので、その点も悪くはなかったんじゃないかなと思います。

まだ攻撃面、ビルドアップの部分は明確なものが構築されていないため、各選手の球離れが少し遅いシーンがあったり、ダイレクトプレーがあまり見られず、プレー速度が遅いことで相手ディフェンスに対応されやすいという面もあり、ボールを持たされてしまうとどうしても単調な攻撃になりがちな点は課題としてありますが、その辺は中断期間でのレベルアップに期待といったところでしょう。

さて、前半はお互いにチャンスを作りながらも決めきるまでには至らず、スコアレスのまま後半へ折り返し。互いに中盤での激しいボールの奪い合いからなかなかフィニッシュまでには至らない展開ではありましたが、どちらかというとガンバペースで進んだ前半。

後半も前半同様、中盤での主導権争いが続く展開。お互いに失点はしたくないですし、試合展開的にも悪くはないので、選手交代でバランスを崩したくないという空気の中、どちらがどの程度リスクをとりに行くのかという点には注目していましたが、後半途中から積極的に交代カードを切って勝負に出たのはアウェーのウチ。

選手交代は71分にウガ→マルティノスとして、武藤さんを左のウィングバックに移動させると、マルティノスさんを興梠さんと2トップの形に。さらに76分、柏木さん→阿部ちゃんとして、中盤の守備を強化します。青木さんとダブルボランチで並べる形にしてトップ下には長澤さんが残るやり方。

ある程度中盤を使われるのは覚悟した上で、そこは阿部ちゃんと青木さんで固め、前のマルティノスさんをうまく活かしたいという意図が見られる交代作でした。

ただ、個人的にはウガの交代は結構影響大きかったかなと思います。橋岡さんは身体のサイズもあってハイボールに対する守備も強いですし、90分走りきれるので、どちらかのウィングバックを交代させるならと考えたときに、終盤、失点するリスクをより減らすには、となるとウガの方という判断なんだと思います。それ自体は判断として正しいとは思いますが、攻撃面でウガが抜けた穴は思ったより大きかったんじゃないかなと。

というのも、橋岡さんはウガと異なり、予備動作でのポジショニングがまだまだ発展途上。ウガは状況を見つつフリーで抜け出せるポジションをオフザボールできちんと取っていて、それによってサイドチェンジのボールが出た時に、ほぼフリーで相手ディフェンスの「前」をとって抜け出せるのに対して、橋岡さんはその辺はまだうまくないので、サイドにボールが出ても、相手ディフェンスに前をとられてしまうケースが多く、なかなか彼のサイドからの攻撃が機能しません。

橋岡さんは、決してウガよりスプリント能力で劣るわけではないと思いますが、この辺のポジショニングスキルの差は非常に大きい。ウガが下がってしまったことで、サイド攻撃が停滞気味になり、結果として終盤はガンバに押し込まれてなかなか前に出て行けない状況になってしまったのは少しもったいなかったなと思います。

最後の交代カードは87分、興梠さん→忠成さんとして、マルティノスさん、忠成さんというルヴァンカップでも得点しているコンビに託しますが、前述したとおり終盤は押し込まれてしまったことでなかなか相手ゴール前でプレーする時間が作れず、マルティノスさんの抜け出しからのアーリークロスにファーで忠成さんという惜しいシーンもありましたが得点までとはいかず、スコアレスのままタイムアップ。両チーム勝点1ずつを分け合う結果となりました。

ガンバの守備も非常によかったですし、一方でウチも西川さんがビッグセーブで複数回ピンチをしのぐなどお互い90分集中力を切らさずプレーし、内容的にはドローが妥当な試合でした。もちろん勝って1つでも上の順位で中断期間をむかえたかったというのはありますが、アウェーで勝点1、内容的にも悲観するものではありませんでした。

さて、これで長かった15連戦も終わり。ワールドカップによる中断期間に入ります。代表に招集されそうな(まだ確定ではないですけども)槙野さん、遠藤さんに加え、U-21の方で招集されている橋岡さん、あとオーストラリア代表の方に入りそうなナバウトさんあたりはそちらで離脱しますが、それ以外の選手はひと息つける状況に。中断期間のトレーニングでどれだけレベルアップできるかが、後半戦に大きく関わってきますので、この中断期間を有意義に活用してもらいたいなと思います。

中断期間とはいえ、6月頭にルヴァンカップのプレーオフステージ(甲府戦)が2試合あるのと、天皇杯(2回戦)もあるので、その辺では上記した代表で離脱する人たちに代わってスタメンを託される選手の活躍にも期待したいところです。

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試合データ

観客: 25,361人
天候: 晴
試合結果: G大阪 0-0 浦和(前半0-0)
レッズ得点者: -
警告・退場: -
主審: 荒木 友輔 氏
順位:13位(4勝6敗5分/勝点17/得失点差-1)

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