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2017-2018 オフシーズンの浦和レッズ移籍情報まとめ

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2017年シーズンも終わり、新シーズン(2018年)に向けた移籍の話が色々と出はじめていますので、とりあえず公式に発表された移籍情報だけに絞ってまとめておくページ。適時情報更新していきます。

公式発表された移籍情報

2018-01-18 更新 / ラファエル・シルバ選手の移籍の発表を受けて寸評に少し追記しました。

選手の敬称略。順不同。なお、新聞などでの報道は無視して浦和レッズ、もしくは各クラブから公式に発表があったものだけを扱います。

完全移籍(期限付き移籍からの復帰含む)

ポジション IN 加入(前所属) OUT 退団(移籍先 / 浦和在籍年数) メモ
FW 高木 俊幸
(セレッソ大阪 / 3年)
右足から繰り出される正確なクロスやプレースキック、ミドルレンジからのパンチ力のあるシュート力が持ち味。足元のテクニックも確かで個人で局面を打開する能力も兼ね備えたストライカー。
ミシャさんの下ではそのプレースタイルを評価され、ぶ厚い選手層に阻まれて不動のスタメンとはならなかったもののスーパーサブとしてカップ戦などでは活躍。徐々にリーグ戦での出場機会を増やし、チームの勝利にも貢献していましたが、堀さん体制下ではワイドで出場機会を与えられたものなかなか目に見える結果を出せず。今回、残念ながら完全移籍にてセレッソ大阪への移籍が決まりました。セレッソも同ポジションは相当選手層暑いですから大変だとは思いますが、ぜひポジション奪い取って活躍を。
石原 直樹
(ベガルタ仙台 / 3年(内1年は期限付き移籍))
オフザボールの質、ゴール前での駆け引きのうまさ、一瞬のスピードと決定力はJリーグでも屈指のストライカー。2015年広島から加入後、すぐにレギュラーの地位を獲得するも同年のリーグ戦 第5節(川崎戦)での負傷によって離脱。大きな怪我だったこともあり完全復帰に時間を要して今シーズンも数試合の出場にとどまる残念な結果に(結果として石原さんの代わりに出場機会を得た武藤さんが大ブレイクして、復帰後も彼の牙城を崩せずという感じになっちゃいましたね)。
結局2017年は出場機会を求めて仙台への期限付き移籍。仙台の2017年シーズンはリーグ戦二桁得点、J1通算200試合を達成するなど徐々に本来の石原さんを取り戻していましたが、その間にウチは監督交代があったこともありレンタルバックとはならず、そのまま仙台への完全移籍が確定となりました。
ラファエル・シルバ
(武漢卓爾職業足球倶楽部 / 1年)
抜群のスピードとテクニック、シュートセンスを活かして相手ディフェンスを引き裂くアタッカー。2017年に新潟から加入。シーズン序盤、ミシャさん体制下ではワントップ起用されていましたが、堀さんに監督が代わってからはワイドでの起用が増え、特にACLではその特徴を活かしたプレーで得点を重ね、10年ぶりのアジア制覇に大きく貢献してくれました。
移籍に関しては違約金満額払うって言われた上にウチよりいい条件を提示されたら防ぎようがないですよねということで諦めるしかないんですが、チームの構想に入っていた主力がシーズン開始直前のタイミングで抜かれるのはさすがにキツイっすね。
MF 山田 直輝
(湘南ベルマーレ / 期限付き移籍から復帰)
2015年に湘南に期限付き移籍、しばらくは湘南でもなかなかレギュラーの座をつかめず苦労しましたが、2017年についに彼の持ち味が開花。3-4-2-1 のトップ下で起用され、前線でしっかり起点になりつつ豊富な運動量でゴール前に入っていくようなプレーが目を引きました。また年間を通して怪我なくパフォーマンスを維持できたことも大きかったと思います。
堀さん体制ではインサイドハーフでの起用が予想されますけども、今シーズンのプレーを観ている限りはハマるんじゃないかなと個人的に期待しています。柏木さんと直輝さんのインサイドハーフなんてすごい面白そうな組み合わせだし観てみたいですよね。
マルティノス
(横浜F・マリノス)
Jリーグでも屈指のスピードを誇るレフティ。キュラソー出身。適正ポジションは左右のウィングで、マリノスでは状況に応じて両サイドで出場していましたが、ウチでの適正ポジションは右にラファさんを置いた場合は左ワイドになるんですかね。
特徴はとにかくスピード。特にドリブルでのチャンスメイク能力はずば抜けていて、カウンターで彼にとりあえず預けとけば相手DFぶっちぎってクロスまでは行ってくれると思いますので、攻撃の起点として機能することは期待できそう。
一方でマリノスでのプレーを観ている限り性格には多少ムラがありそうで、終盤、疲れてくるとあからさまに守備をサボってたり、ちょっとしたことでパタパタ倒れて時間稼ごうとする感じはまぁなんていうか外国人選手では見慣れた感じ。ちょっと感情のコントロールがうまくいかずに熱くなりやすい点もみえるので、その辺をうまく周りがコントロールしてあげることも大事な気がします。
武富 孝介
(柏レイソル)
埼玉県、旧浦和市出身。今季リーグ戦、柏では主にセンターFW、左のサイドハーフを主戦場に、スタメン起用自体はそれ程多くなかったものの(17試合)途中交代で入ってくるスーパーサブ的な選手として、そのスピードとドリブルテクニック、攻守でハードワークできるフィジカルを活かしたプレーでチームに貢献。裏抜けのうまさ、ゴール前にタイミング良くマークを外して入り込んでいくオフザボールでの動きの質はJリーグでもトップクラス。昨シーズンはリーグ戦9得点と、特にその決定力の高さは話題になりました(26試合出場 9得点)。っていうかよく柏も放出したな。
ウチでの適正ポジションとして、まずは左サイドのアタッカーになるでしょうか。その他にもインサイドハーフ起用で興梠さんとの縦関係、興梠さんのバックアップとして1トップ起用、場合によっては2トップにも対応可能と、前線でのバリエーションを増やせる可能性大。武藤さんあたりにとっては強力なライバル出現となりそうですが、かなりの確率で活躍を期待できる選手ではないかと思いますので早くチームにフィットしてくれることを注目しています。
矢島 慎也
(ガンバ大阪 / 期限付き移籍から復帰後1年)
本職はトップ下ですが、2015年から期限付き移籍で加入したファジアーノ岡山ではボランチとして起用され新境地を開くと不動のレギュラーを獲得。岡山サポからも惜しまれつつの2017年浦和復帰となりました。
ミシャさん体制ではボランチ、トップ下共に強力なライバルの牙城を崩すには至らず、堀さん体制になってからレギュラーのチャンスは掴みますが、インサイドハーフで柏木さんとコンビを組んだ際、長澤さんに比べるとその球際の強さや前線でのキープ力などで見劣りするケースも多く、いまいちインパクトを残せない状態で完全移籍となりました。
梅崎 司
(湘南ベルマーレ / 10年)
ACL制覇の翌年、2008年に浦和に加入するもその後タイトルからも離れ、自身もケガとの戦いという苦労の10年間でしたが、苦しいときにはいつもウメちゃんがチームを救ってくれたよね。そんな記憶に残る選手が彼。在籍10年という節目を迎え、新たな活躍の場を求めて湘南への完全移籍が決まりました。出て行ってしまうのは悲しいけれど、在籍最後の年に彼がACLのトロフィーを掲げられたことはいちサポとして素直にうれしい。ぜひ新天地での活躍を。そして埼スタでの再会を楽しみにしています。
斎藤 翔太
(移籍先未定 / 3年(内2年は期限付き移籍))
浦和レッズジュニアユース→浦和レッズユース→トップチーム昇格と進んできた所謂生え抜き選手。各年代別の日本代表にも招集されるなど期待される若手ミッドフィルダーでしたが、浦和では出場ゼロ、2年目となる2016年シーズンから水戸への期限付き移籍となりますが、水戸でもほぼ出場機会をつかめずということで契約更新されずという厳しい結果となってしまいました。
井澤 春輝
(浦和レッズユースよりトップ昇格)
各年代別代表にも名を連ねる攻撃的ミッドフィルダー。浦和レッズユース所属中の2017年、トップチームに2種登録されていましたが、2018年シーズンに向けてめでたく昇格となりました。ユース3年生として出場した2017年の日本クラブユースサッカー選手権(U-18)ではワントップ起用されつつも、トップ下のポジションに下りてボールを引き出すプレーや、ゴール前にタイミング良く飛び込んでいく得点感覚に優れたプレーを見せ、同大会チームトップの4得点。決勝進出の原動力にもなりました。ちなみに昇格1年目となる2018年は、すでに徳島ヴォルティスへの期限付き移籍が確定しています。まずはきちんとプロのプレーになれて、徳島でレギュラーを獲得できるところまで成長して欲しいなと思います。
荻原 拓也
(浦和レッズユースよりトップ昇格)
彼も2017年に2種登録済みからのトップ昇格。U-18では代表招集経験もあるなど期待のレフティ。ユースでは左ウイングバックとしてその縦への突破力、鋭いカットインからのシュートに加え、90分途切れないスタミナ、左足から繰り出される精度の高いクロスやプレースキックでチャンスメイクに貢献していました。堀さん体制下における左ワイドの適性がある選手としてとても期待できる新人さんですね。期待してます。
DF 岩波 拓也
(ヴィッセル神戸)
攻撃的な守備では定評のある若手CB。ジュニアユース時代からヴィッセル神戸一筋だった生え抜きですが複数クラブからのオファーがあると噂される中、浦和への移籍を決めてくれました。2017シーズンはリーグ2位となるシュートブロック数「30」、リーグ4位のインターセプト数「72」、リーグ5位のタックル数「50」を記録。186cmの高身長な割には空中戦でそれ程強烈な強さがなかったり、たまに自陣でとんでもないパスミスしたりみたいなお茶目な面もありますが、前向いてボール奪取に行かせたら相当な手練れ。CBはマウリシオさんがいるものの、堀さん体制でコンビを組んだ阿部ちゃんは本来CBの選手ではなく、本職で高さのあるCBは1枚欲しかったところですから的確な補強かと思います。
那須 大亮
(ヴィッセル神戸 / 5年)
行く先々で「闘将」って呼ばれちゃう熱い男、それが那須のアニキでしたが、5年間の浦和在籍に終わりを告げて、神戸へと完全移籍となりました。
2013年の浦和加入直後はボランチでの出場機会を得ますがACLや途中交代が中心。その後当時CBでレギュラーをはっていた永田さんが負傷したこともあってCBでの出場機会を得ると、一気にチームの柱として主力の座を奪い取ります。しかし2016年に同ポジションで強力なライバルとなる遠藤さんが加入すると徐々に出場機会は減り控え組へ。それでもベテラン選手として模範を示し、チームに貢献してきたわけですが、那須さんも年齢的にはキャリアの終盤、出場機会を求めて移籍先を模索するのはプロとして自然なことでしょう。
彼が抜けるのは寂しいですが、対戦相手としてまたあの熱いプレーを見せてもらえればと思いますので、神戸できっちりレギュラーの座を奪い取って埼スタでまた会いたいものです。
柴戸 海
(明治大学)
大学No1ボランチ(ストッパー)と言われた期待のディフェンダー/ミッドフィルダー。ボランチを主戦場としながらもセンターバックもできる、どっかで聞いたなそういう選手...... そう、ウチの偉大なるキャプテン、阿部ちゃんとプレースタイル的には近い選手。そこそこサイズもあって(180cm)、対人能力も高い。派手さはないものの、とにかく冷静で堅実なプレーができる選手。足元の技術にも定評があり、まさにウチのボランチや最終ラインにはマッチしそうですし、大卒ルーキーは即戦力になるケースも多いので、期待したい選手の1人です。
橋岡 大樹
(浦和レッズユースよりトップ昇格)
浦和レッズジュニアユース→浦和レッズユースの中心選手として活躍し、2017年にトップチーム 2種登録。各年代別代表にも名を連ね、さらに浦和トップチームでの試合出場もすでに経験(ルヴァンカップ 準々決勝 第1戦では途中出場、第2戦はスタメン)済みという期待のディフェンダー。身体が特別デカいということはないのですが(182cm/73kg)、対人の強さには定評があり、実際に出場したルヴァンカップでもJ1クラブの選手相手に全く当たり負けせず、10代の選手のデビュー戦とは思えない働きを見せてくれましたし、今後が楽しみな選手の1人です。
田村 友
(アビスパ福岡に復帰 / 1年)
福岡大学から2015年アビスパ福岡に加入した大卒Jリーガー。元々はボランチの選手ですが、井原監督の下、右のCBにコンバートされて起用されると、その恵まれたフィジカルと1対1の強さを活かして終盤はレギュラーに定着。2015年シーズン、福岡の終盤の快進撃、およびJ1昇格に大きく貢献しました。
2017年シーズンから浦和に期限付き移籍。カップ戦では出場機会を掴みますが、DF陣の中で確固たる地位を築くまでには至らず、期限付き移籍期間の終了に伴い、福岡に復帰となりました。
GK

期限付き移籍(復帰は完全移籍の方に記載)

ポジション IN 加入(所属) OUT 移籍(移籍先) メモ
FW オナイウ 阿道
(レノファ山口FC)
年代別代表でも活躍する期待のFW。お父様(ナイジェリア人)の血か、抜群の身体能力をもち、そのフィジカルの強さと、とんでもない跳躍力による空中戦の強さ(身長は180cmと特に大きいわけではない)が売りのワントップ候補として2017年に千葉から加入しましたが、ワントップではなかなか出場機会をつかめず、2018年シーズンはレノファ山口にて武者修行とあいなりました。
MF 駒井 善成
(北海道コンサドーレ札幌)
キレのあるドリブルと90分、攻守にわたりハードワークできるスタミナが持ち味のアタッカー。ミシャさんにそのプレースタイルを認められ2016年シーズンに京都から加入。右のサイドアタッカーとしてほぼ不動の地位を築きますが、堀さんのサッカーでは逆にそのプレースタイルがなかなかハマらず出場機会を失う形に。
長距離での絶対的なスピードよりも、動き出し一瞬のスプリント能力で相手を置き去りにする縦への突破が彼の持ち味ですが、堀さんのサッカーでは同ポジションの選手にカットインからのシュート能力や、時に中に絞ってトップ下の選手のような動きを要求する傾向が強いことから、彼の持ち味とはミスマッチになってしまった感があります。
ということで、2018年シーズンはミシャさんが監督として就任することが決まっている札幌へ。まぁなんて言うかその方が彼にとってはよい選択なのかもしれません。
伊藤 涼太郎
(水戸ホーリーホック / 育成型期限付き移籍延期)
作陽高校から2016年に加入の高卒ルーキー。新加入ながら、同年のJリーグ開幕戦ではベンチ入り、さらに4月に行われた1stステージ第9節の名古屋戦では途中交代でJ1デビューと順風満帆に見えましたが、その後はウチのぶ厚い選手層に阻まれる形でベンチ入りもままならず、2017年も同じ状況が続いたところで10月から水戸への育成型期限付き移籍が発表されました。
終盤での期限付き移籍だったので昨シーズンの出場は6試合(全て途中交代)にとどまりましたが、今シーズンはキャンプからしっかり入れるので、ここできちんと出場機会を掴み、主力の座を確立してくれることに期待。そして成長した姿を来年以降、戻ってきたウチで見せてもらいたいです。
DF 岡本 拓也
(湘南ベルマーレ / 期限付き移籍延期)
2016年シーズンから湘南に期限付き移籍していますが、2018年も継続ということで決まりました。2017年シーズンは湘南でほぼレギュラーの地位を固め、リーグ戦30試合出場とチームの中心選手に成長しました。その力を求められているチームでしっかり活躍してさらなる成長を遂げてくれることを願います。
茂木 力也
(モンテディオ山形 / 期限付き移籍延期)
2016年シーズンから愛媛FC、さらに2017年シーズンからは山形に期限付き移籍していますが、2018年も山形への期限付き移籍が継続ということで決まりました。2017年シーズン、山形ではリーグ戦34試合出場(内31試合先発)と、センターバックとしてほぼ不動の地位を獲得していますから、2018年も引き続き活躍してもらって、ぜひチーム躍進の原動力って言われるくらいに成長して欲しいなと思います。
GK

移籍情報がある程度出そろった時点での寸評

2018年1月9日 追記
まだ一次キャンプ開始まで少し時間はあるものの、一旦噂になっていた移籍については公式に発表され尽くした感がありますので、この辺で一度、今シーズンの補強についての個人的な感想をまとめます。

2018年1月18日 追記
ラファエル・シルバ選手移籍の発表を受けて各部少し修正と最後にラファさんの移籍に関して追記しました。

全体評

まず、全体的な感想ですが、今年に関してはうまく補強したなと言うのがまずは個人的な感想。

感情的な部分を抜きにして、昨年の実績だけをみれば、今オフで他クラブに移籍した選手に昨シーズン、不動のスタメンと言われた選手は入っておらず、全て出場機会的には厳しめだった選手のみ(その中でも若手は期限付き移籍にしてうまくつなぎ止めてる)。

それに対して(ユースからの昇格やルーキーは一旦置いておいて)、他クラブから獲得した選手は、ほぼ前所属クラブにおいて主力級の働きをしていた選手(直輝さん、岩波さん、マルティノスさん、武富さん)ばかり。しかもそのうち、直輝さんを除けば全員J1クラブからの移籍というのも大きい。チームの総力的にはうまく向上させたと言っていいのではないでしょうか。

各ポジションごとの補強

次に各ポジションごとにみたとき、堀さんが目指すであろうサッカーに対して的確な補強はできているか、という点を考えてみたいと思います。

まず堀さんが昨シーズンから採用しているのは 4-1-4-1 を基本フォーメーションとした戦術。ユース監督時代から堀さんの十八番とも言えるやり方ですが、各ポジションには大雑把に下記のような能力が求められると思われます。

  • 最終ライン(4バック)
    中央のCB2人には圧倒的な守備力。ゴール前でハイボールをはじき返す、相手FWに仕事をさせないといった守備陣の要としての基本的な能力が求められます。ある程度デカくて、強い人が必要。
    一方のSBに関しては、4バックディフェンスにおける基本的な能力に加え、縦方向への運動量、機を見た適切な攻撃参加と場合によっては逆サイドからのクロスに対するフィニッシャーとしての役割などが求められるでしょう。難易度高いです。
  • アンカー
    このポジションに求められるのは自陣バイタルエリアを広範囲に監視して危険の芽を摘めるディフェンス面の能力に加え、攻撃時にはインサイドハーフと連携して相手バイタルエリアに侵入し、アシスト、あるいは直接フィニッシュに絡めるようなプレーが求められます。ぶっちゃけチーム内でも1番って言ってもいいんじゃねーかってくらい超難易度高いポジション。
  • インサイドハーフ
    2列目として攻撃に絡むことはもちろん、守備時には素早いファーストディフェンスや、アンカーの両サイドまで下りてスペースを埋めるなど、上下にとてつもない運動量を求められるポジション。前線でワントップと適切な距離感を保ちつつ攻撃を作らないといけないし、ボール奪われれば攻守転換素早くスプリント...... 体力的にも頭脳的にも負荷が非常に高いポジション。
  • ウイング
    ミシャさんから堀さんになって大きく役割が変わったポジションの筆頭。堀さん体制下でのウイングは、フィニッシャーとしての役割がかなり求められていることが昨年の選手起用方法からもわかります。例えばラファさんや武藤さんがファーストチョイスだったわけですが、この2人は元々インサイドやワントップでゴールを直接狙うタイプ。その選手をウイングに置くことで、サイド攻撃時にカットインからのシュートやインサイドに絞って1トップやインサイドハーフと連携しつつフィニッシュに絡むような働きをさせようという意図が見えます。ここに入る選手次第で結構試合の内容も変わりそうだなという、キーとなるポジションだと思われます。
  • 1トップ
    前線でタメを作れること、他の選手との連携能力、その一方で孤立した中でもフィニッシュまで持っていけるだけの個人能力、そして少ないチャンスでも決めきる決定力が求められるこれまた難しいポジション。結局去年は興梠さんしかいねぇってなったポジションです。
  • GK
    ミシャさんの時ほど足元の技術、ビルドアップ能力は求められていないけど、引き続き正確なフィードは攻撃の起点にもなるし、とにかくピンチでビッグセーブぶちかましてくれる最後の砦としての存在感が重要なポジション。まぁ今年も西川さんが不動なのはほぼ決まりとして、榎本さんらがどの程度西川さんのポジションを脅かせるか、それが重要そう。

それを踏まえて、各ポジションを見ていってみましょう。

センターバック

まずCBの補強としては神戸から岩波さんが新加入。その他適正がある選手を加えてCBの候補としては下記の通りになるかと思います。

  • マウリシオさん
  • 阿部ちゃん
  • 岩波さん
  • 遠藤航さん
  • 槙野さん
  • 柴戸さん

あくまで個人的な予想ですが、まずは昨シーズンのコンビ、マウリシオさんと阿部ちゃんを主軸に、岩波さんがそこにどうからむかっていうのが注目ポイントになるんじゃないかなと。

そろそろ阿部ちゃんの年間フル稼働も無茶な感じになってきていますし、岩波さんがマウリシオさんとCBで安定して、阿部ちゃんがスタメンやフル出場は減ったとしても、CBやアンカーで常にいいコンディションを保った状態での出場ができれば、かなり守備的には安定するんじゃないかなと。ということで、キャンプでは岩波さんのフィット感にとても注目しています。

サイドバック

適性がありそうなのは下記の選手たち。

  • 遠藤航さん
  • 槙野さん
  • 森脇さん
  • ウガ
  • ヒラさん
  • 橋岡さん
  • (菊池さん)

昨年同様、左は槙野さんvsウガ、右は遠藤さんvs森脇さんのポジション争いをベースに、ユースから加入の橋岡さんがどの程度食い込めるかに注目しています。

個人的にはSBを本職でやっている選手の補強が1枚くらい欲しかったかなというのが正直なところですが、まだ完全に補強の話が終わったわけではないのでその辺は期待しつつも、よくみればメンツ的にはすごい人たちがそろっていますので、堀さんが求めるプレーをキャンプでしっかり理解し、体現できるようになれば何とかなるのかなという感じはしています。

アンカー

もうここは適性のある人が限られるのですが、昨年不動のアンカーで地位を確立した青木さんを筆頭に下記のような感じでしょうか。

  • 青木さん
  • 阿部ちゃん
  • 遠藤航さん
  • 柴戸さん

ファーストチョイスはもちろん青木さんになると思いますけども、阿部ちゃんもCBとしてのフル稼働から解放した上でこのポジションに専念させればそりゃ素晴らしい適性がありますし、遠藤さんもSB以外にこのポジションができそうな選手の筆頭。さらに大卒ルーキーですが、柴戸さんにはかなり期待していて、いきなりでもウチのアンカーできるんじゃねーかなと。

インサイドハーフ

昨シーズンは柏木さん、長澤さんがメインで起用されていましたが、今年のインサイドハーフ候補としては下記のような感じになるんでしょうかね。

  • 柏木さん
  • 長澤さん
  • 直輝さん
  • 武藤さん
  • ズラタンさん
  • 忠成さん
  • 武富さん

もちろん、まずは柏木さん、長澤さんが主軸になると思いますが、柏木さんはほぼ当確として、長澤さんのところ(柏木さんの相方)はポジション争いが熾烈になるんじゃないかなと。

昨シーズン、湘南でのプレーを見ている限りでは直輝さんも即スタメン奪えるくらいのできでしたし、フィニッシャーとして得点力アップに期待がかかる武富さんは個人的にも即ハマるんじゃねーかなと思っているくらい期待の選手。さらに(どちらかというと人がいない関係で)昨年はウイングでの起用が多くなった武藤さんも、本来はこのポジションが適正ポジション。加えて昨年後半は出場機会は減ってしまっているものの、忠成さんやズラタンさんだって黙ってはいないでしょうからね。

その意味では柏木さんも安泰ではないのがインサイドハーフのスタメン争いになりそうです。ここの人選がどうなるかはかなり楽しみにしているところ。

ウイング

色々組み合わせて試合ごとにスタメンが変わりそうな予感がするのがこのポジション。

  • 武藤さん
  • ラファさん
  • マルティノスさん
  • 武富さん
  • 菊池さん
  • 荻原さん
  • (ズラタンさん)

まずはマルティノスさんについては期待大。ラファさんとマルティノスさんの両ワイドとか相手にとっては最悪の両翼になりそう(まぁウチの守備が大丈夫かっていう不安も生じますが)。※ラファさん抜けてしまったのでこの強烈な両ワイドは実現しなくなりました......

さらに武富さんはサイドからの突破に加えてそこからゴール前に侵入してのフィニッシャーとしても機能するでしょうし、武藤さんもその決定力を考えれば引き続きウイング起用される可能性が高いと思われます。また、昨年は不本意だったと思う菊池さんがその特性を活かしてチャンスをつかみ取ってくれるのかなど、楽しみなメンツがそろいました。

ちなみに、いきなりのスタメンは難しいとは思いますけども、ユースから上がってきた荻原さんはプレースタイル的にはまさに堀さん体制下でのウイングにどハマりする選手なので密かに期待しています。

とにかく、今年のチームの出来は、このポジションの選手がしっかりハマって、サイドからの攻撃が機能するかにかかっていると思っていますので、キャンプでもその辺については注目しています。

1トップ

  • 興梠さん
  • ズラタンさん
  • 武富さん
  • 忠成さん
  • ラファさん

まぁなんて言うかここに関しては興梠さん以外に適任者が見当たらないんですが、昨シーズン、興梠さんに依存しすぎた結果として、中盤戦以降はケガを抱えながらのプレーを強いてしまったこと、それによって終盤はパフォーマンスが上がらずに苦しんだことを踏まえれば、興梠さんの代わりをどう補強するのかというのが1トップに関しては急務でした。

で、今回の補強で1トップ特性がある選手としては武富さんのみですかね。その意味では外国人枠も1枚残っていることですし、武富さん以外にも、年間10点くらい期待できそうなセンターFWを1枚補強とかできたら完璧とは思いますが、そんな簡単ではないですね。とはいえ、前線の他ポジションの補強により、興梠さんとの連携がより密な状況を作り出すことができれば、結果として彼の負担も減るし、得点機会も増えるんじゃないかと思いますので、そちらに期待しつつ、興梠さんには今年も得点王争いを期待しております。

GK

前述したとおり、西川さん1強という状態を、他の選手がどれだけ下から突き上げられるかが重要。その中で西川さんが圧倒的なパフォーマンスを見せれば、ワールドカップに向けて代表招集の可能性も上がるでしょう。

まとめ

ということで、個人的には満点とは言えないけれど、概ね及第点の補強をしてくれたんじゃないかなというのが感想。所謂「大型補強」と言われるような選手を獲得しているわけではないので地味っちゃ地味ですが、2017シーズンのメンバーである程度土台はできているので、そこに足りないピースを足していったという感じではないでしょうか。

現時点(ラファさんが移籍すると発表された2018年1月18日時点)で「25人枠対象」選手としては21人まで埋まっている状況。A契約の選手をあと4人(内2枠は外国人枠も利用可能)という状態ですので、ラファさんの抜けた穴を埋める補強は最優先として、それに加えて欲を言えば1トップができる外国人FWや日本人選手、J1でSB起用時間が長い主力級の選手を1人くらい獲得してもらえるとなーみたいなのが個人的な希望を勝手にいえばありますけどね。

あとはキャンプなどで堀さんが目指す形が明確になってくるともう少しシーズンインに向けて予想もしやすくなるんじゃないかなと思います。

ラファエル・シルバ選手の移籍について

ラファさんに関しては昨シーズンの夏にもスペイン(ジローナFC)からオファーの話があったという報道がされていましたし、その後のACLでの活躍もあって、年末にはサウジアラビア方面からオファーがあったなんて話も聞いています。なので、中東や中国方面からの獲得オファーは想定内でしたし、条件の良いクラブがあれば移籍してしまう懸念はあったので、「移籍」自体には特に驚きはないです。今回は武漢卓爾職業足球倶楽部って、ノーマークの所からの話が急に決まった感があるのでそこだけ驚きましたけども。

ちなみに、ジローナFCの話が出たときにラファさんに設定されている移籍金補償金(所謂、違約金です)が500万ユーロって話があって、現在の為替ルートだと約6.8億円。武漢卓爾職業足球倶楽部はこの違約金を満額お支払いしますよって言ってきているらしいので、クラブとしてはあとは選手本人の希望、判断に任せるしかない状況。

ラファさんとしてもプロサッカー選手として、自分の市場価値を最大化すること(簡単に言えばよりたくさんのお金を稼げる方に進む)を最優先するのは当然ということで、オファーが魅力的なら移籍しますよねっていう単純な話。

なので、ウチは最大限の防御策として設定した違約金が数億円はいってきてハッピー(当然、主力級を抜かれるのは痛いけどさ)、武漢卓爾職業足球倶楽部も欲しい選手が買えてハッピー、ラファさん本人もより高い評価をしてくれるチームに移籍できてハッピーと、3者 win-win-win でよかったねという風に考えた方がいいでしょう。

あとはラファさんの移籍で受け取った違約金をどのように活用できるかの方が重要です。

シーズンインまでにはあまり時間がないし、仮に獲得できたとしてもチームへのフィットには多少時間が必要ですから開幕からしばらくは、ラファさんを除いた、上で書いたメンバーでチームを作って戦うしかなさげ。ウイングの候補としては武藤さん、マルティノスさん、武富さん(あと場合によってはズラタンさんも読める)がいるので、この3人(or 4人)でうまくまわすしかないでしょうけども、メンツ的には十分高い戦力を誇るので何とかなるのかな、なんて思っていますがクラブの強化部は頑張りどころですね。

ということで一旦終わり。もし大きな動きがあった場合は追記すると思います。

参考リンク

浦和以外の2017-2018シーズン移籍情報について確認したい場合は下記に全クラブの移籍情報がまとまっています。

ちなみに去年のやつは下記

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