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2017 Jリーグ 第34節 埼玉スタジアム2002 横浜F・マリノス戦(最終節)

水曜日の川崎戦は悔しい敗戦で終わりましたが、中2日で行われる今節は、いよいよ2017年シーズンのJリーグ最終節。ホーム埼スタに横浜F・マリノスを迎えての対戦となりました。

ホーム最終節、横浜F・マリノス相手って言うとあんまりいい思い出がない気もしますが、まぁ気にせずいきましょうってのと、最終節くらいは勝って終わりたかったよねっていうのはありましたけども、なんていうか、この書き出し方で大体結果はお察しの通りでございます。

2017 Jリーグ 第34節 埼玉スタジアム2002 横浜F・マリノス戦(最終節)

さて、今日のスタメンは最終ラインにヒラ、阿部、槙野、ウガ。アンカーに青木、インサイドハーフに矢島、柏木、両ワイドに高木、ウメ。ワントップに興梠。GKは西川。

クラブワールドカップを見越して多少のターンオーバーを行っているのは前節の川崎戦同様。今回はサイドバックでヒラさんが超久しぶりの先発。インサイドハーフには川崎戦に引き続き矢島さんが入りますが、今回コンビを組むのは柏木さん。ウメと高木さんをワイドに、トップは得点王の可能性を残していた興梠さんが受け持ちます。

対するマリノスは4-2-3-1スタート。累積警告でマリノスさんは両ボランチの喜田選手、天野選手に加え、スピードがあって厄介なマルティノス選手も出場停止という状態だったことは、ウチにとっては非常にありがたかったですが、前半はその辺の関係もあって少し引いて入ってくれたマリノスさんに対してウチがある程度試合をコントロールして押し込む展開に。

しかし、ここで得点できなかったのは痛かった。興梠さんの絶妙な裏抜けからゴールネットを2回揺らしますが、両方ともオフサイド(判定自体は正しく、難しい部分をよく見たジャッジでした)という惜しいシーンが連発します。

ただ、ウチの攻撃が良かったかはまた別の問題で、以前から指摘している問題点は残ったまま。結局後半、マリノスさんが前からしっかりプレスをかけてというやり方に修正してくると、この問題点が如実に表れる形で攻撃は停滞し、得点の匂いがほぼしないままの後半45分を苦々しく見つめるだけという展開になってしまいました。

ウチのやり方としては前節、川崎戦のレビューでも書いた通り、ビルドアップ時にアンカーの選手(この日は青木さん)を最終ラインの中央に下げつつ、CBの阿部ちゃんと槙野さんをサイドに展開。これによってサイドバックの2枚を前方に押し上げると、インサイドハーフは中に絞ることで、疑似的な3-4-3を作りだし、サイド攻撃を主体に中央でフィニッシュという狙い。

前節のレビューではこれがその時のメンツに合わせた一時的なやり方なのか、堀さんが目指す完成形がこれないのかわかんないって書いたんですけども、2試合連続で試しているところをみると、最終的にはこの形で完成度を上げたいんだろうなというのはなんとなく見える感じでした。

とはいえ、メンツの問題もあるし、各選手のサッカーインテリジェンス、あるいは戦術理解度的な問題(というより個人差)もあってなかなか攻撃面ではカタチになっておらず、これは来季に向けて大幅な人の入れ替え等考えないと難しいなと言うのが正直な感想でした。

というのは、ミシャさんのサッカーは戦術理解度はかなり高いものを求められますが、実際の攻撃面では人の固定とその固定メンバーによる反復練習によってポジショニング等を身体に染みこませ、オートマティックに連動させることであの高度なゴール前での崩しを実現していました。

もちろん個々の選手の能力は重要ですが、例えば、この位置で入ってきた縦パスをフリックすればここに味方がいる(いない方が悪いという考え方)という前提で各選手が連動していて、誤解を恐れずに言えば、1つ1つのプレーで「次どうしよう」って考えなくてもよい状態を作ってそれに選手も適応していたわけです。

しかし、現在の堀さん体制下では、そのすり込まれた連動性は失われ(違うサッカーやろうとしてるんだから当たり前)、各選手が1つ1つのプレーで考えながら動いている感が強く、パスも一見、つながっているように見えますが、出し手と受け手という1対1の関係でしか行われておらず、そこに絡んでくる3人目や4人目の動きはほぼ皆無です。

結果として、各駅停車のパス、ボールを受けてから次を考えるという連続になり、攻撃には連動性がなく、相手ディフェンスもボールと正対する状態で対応できるため全く崩れない。

この試合の、特に後半のマリノスの最終ラインを見ていればわかりますが、ウチがどんなにパスを回しても、ディフェンスラインの前でボールが動くだけなので、全く相手ディフェンスのポジションが乱れていないのがわかります。この状態からなんとなくサイドに入ってってクロスを上げても、簡単にはじき返されて終わるだけ。

さらに、入れるボールの質も非常に悪く、ニアサイドに速いボール(1本だけ前半にあって、これが興梠さんがオフサイドになった1発目のやつです)や、キーパーとディフェンスラインの間に速いボールを入れたりと言ったことはなく、何の工夫もないふんわりボールを入れるだけ。

これだとウチの攻撃陣は高さが売りではないので、相手のデカいディフェンスの選手に勝てるわけがなく、余程フリーになれない限りさすがの興梠さんなどでもゴールは期待できません。

また、両ワイドの2枚についても、まぁそうしろって言われてるからなんでしょうけど(サイドバックがオーバーラップするスペースを作るため)、何でもかんでもボール持ったら内側へのカットインばかりで、攻撃に全く変化が起こらないし、インサイドハーフとの連動もないので、単にインサイドハーフのプレースペースを消しちゃってるだけという。

4バックの相手ディフェンスを崩すには、何らかの方法でCBをサイドにつり出し、相手ディフェンスラインの距離感を悪くするのがセオリーですが、前線の選手たち(全員ではないですが)にどうやってその状況を起こさせるのかという視点がほぼ感じられませんでした。この辺は選手個人のサッカーインテリジェンスの問題だと思いますが、とても残念です。

で、例えばその辺を臨機応変に考えられる柏木さんや興梠さんあたりがポジションを変えてうまくボールを受けたり、変化を付けようとしているシーンも見られましたが、チャンスになるのはそういう一部の選手の閃きというか、アイデア任せなので回数も少なく、それがチーム全体の意思として統一されていないので単発に終わってしまう。これだとなかなかコンスタントに得点を奪うことはできないです。

この辺が、前から何度も書いている、守備面に難ありの下位チームからは得点できるでしょうけども、守備組織がしっかりしている上位チームからは得点できないという状況を作っていて、実際に最後までその通りの状況のままシーズンが終わっちまいましたね。

さて、試合の方ですが、前半はウチが決定機を逃し続け、後半はマリノスさんがきちんと修正してきちゃったところで早々に試合が動きます。

後半立ち上がりの53分、マリノスがボール保持しつつ前線に人数をかけてきたところでサイドに展開されると、相手サイドバックのオーバーラップに釣られたところでぽっかり空いたバイタルに入った横パスを前田選手に見事なダイレクトミドル叩き込まれて失点。

このやられ方は実は開幕戦でマリノスにやられたのと同じやられ方なんですよね。サイド使われてボールウォッチしたところをマイナス気味に戻されてバイタルからズドン。結局これが相手の決勝点となってしまいました。

今シーズンは堀さんにとっては本来やりたいサッカーに適応する選手の数も限られていて、なかなか難しい状況でチームを作っているわけですから、致し方ない部分が大きいと思います。また、その状況でもACLのタイトルを獲ったことに関しては最大限の評価をするべきだと思います。

しかし、同時に来シーズンは堀さん体制での真価が問われる年になるでしょう。必要な選手をしっかりと獲得し、来シーズンに向けてどういう準備ができるのか、そこについてはシビアに見ていく必要があると思います。

さて、今シーズンも終わりましたね。まだクラブワールドカップがありますから厳密には終わってないですけども、現地には行けないのでテレビでゆっくりウチのチームが世界の強豪相手にどの程度やれるのかを拝見しつつ、来シーズンを心待ちにしようと思います。

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おまけ: CWC 2017 日本でのテレビ中継

クラブワールドカップ 2017 の、日本での放送時間とか下記にまとめときます。現地に行く猛者もいるとは思いますが、多くの人はテレビ観戦だと思いますしね。

ちなみに、今回のクラブワールドカップはUAEで行われますので、日本との時差は +5時間(UAEが UTC+4 に対して、日本は UTC+9 なので)です。つまりこちら(日本)の方が5時間進んでるということですね。

中継ですが、「M4」までは「BS日テレ」で放送、それ以降は地上波「日テレ系列」で放送されます。

まず浦和の第1戦となる「M3」ですが、日本での放送時間(BS日テレ)は下記の通り。

  • 【M3】準々決勝 M1勝者(アルジャジーラ or オークランドシティ) × 浦和レッズ

    12月9日(土) 25:00~(BS日テレ)

で、その試合に勝てると、レアル・マドリードとの対戦になります。日本時間だと平日の夜中です。こちらは地上波で放送予定。

  • 【M6】準決勝 M3勝者×レアル・マドリード

    12月13日(水) 25:39~(日テレ系地上波)

また、ウチにとっての初戦となる「M3」を勝ち抜けば、次の「M6」の結果を問わず、3位決定戦か、決勝でもう1試合やることが確定しますし、もし負けたとしても、5位決定戦があるので、最低でも2試合はやることになります。

3位決定戦、決勝は、どちらも日本時間、12月13日(土)の深夜(日テレ系地上波)、5位決定戦は、12月12日(木)の深夜(BS日テレ)になります。

詳しい放送時間は日テレのクラブワールドカップ 2017 公式サイトで確認できます。

試合データ

観客: 41,618人
天候: 晴
試合結果: 浦和 0-1 横浜FM(前半0-0)
レッズ得点者: -
警告・退場: 矢島 (警告×1/反スポーツ的行為)、ウガ(警告×1/反スポーツ的行為)
主審: 今村 義朗 氏
順位(最終成績):7位(14勝13敗7分/勝点49/得失点差+10)

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