2017 Jリーグ 第32節 県立カシマサッカースタジアム アウェー 鹿島アントラーズ戦
前節はアウェーで広島を相手に1点を守り切って勝利。今年のリーグ戦も残すところ3試合となった第32節は、アウェーで鹿島アントラーズと。
前節はリーグ戦では久しぶりのクリーンシートとなって守備面での安定感も出てきたのかなと思いがちですが、相手の広島があまり効果的な攻撃をしてこなかったことも大きく影響しているため、あの試合をもって守備をどうこういっても仕方ない感じはありました(もちろん、最後ビッグセーブでチームを救った西川さんはじめ、素晴らしい仕事をしてくれましたが)。
今回の対戦相手は現在首位の鹿島。ミシャさん時代の3バックシステムではある程度ウチの方が優位に立つケースが多かったですが、鹿島にとって4バックの相手は本来の特徴を活かしやすいですし、実際に天皇杯でもボコられてることもあって、鹿島を相手にどの程度守れるのか、あとはここのところ沈黙気味の興梠さんが古巣を相手にきっちり得点できるのかに、個人的には注目したいゲームとなりました。
超早起きして車走らせて、帰りは渋滞だったので疲れたっす...... 眠い目をこすりながら書いておりますので誤字脱字ありましたらごめんなさい。
さて、今日のスタメンは最終ラインに遠藤、阿部、マウリシオ、槙野。アンカーに青木、インサイドハーフに柏木、長澤、両ワイドにラファエル・シルバ、武藤。ワントップに興梠。GKは西川。
前節はベンチ入りはしたもののお休みしたマウリシオさん(お髭がなくなってすっきりしてましたね)が最終ラインに復帰。その他、ACLでも信頼を得たメンツが並ぶスタメンとなりました。
対する鹿島はレオ・シルバ選手、三竿選手をボランチに、土居選手、金崎選手を2トップに置いた4-4-2。まぁ鹿島さんのオーソドックスなフォーメーションで、右サイドに遠藤選手を配置していましたが、ここだけここ数試合の鹿島のスタメンと異なるところだったでしょうか。
鹿島の狙いとしてはかなり明確で、レオ・シルバ選手にボールを収めておいて、両サイドの遠藤選手、レアンドロ選手がサイドで起点を作る→これをサイドバックが追い越して行く形でウチのサイドのスペースを攻略し、クロスに対して中で金崎選手や落としたところで土居選手がフィニッシュみたいな流れ。それに対してウチは集中してマークを外さないように対応していたため、前半に関しては鹿島が押し気味に試合を進めつつも、両者決定機と言えるようなシーンはほぼなく、一進一退の攻防と言ったところ。
ウチの攻撃に関しては長澤さんが前線で頑張って前向いて起点を作ったり、青木さんが非常にいいスペースカバーで相手の攻撃を摘んでは前線とのリンクマンとして機能するなど悪くなったとは思いますが、やはりどうしても攻撃が単発というか、連動性がないため各選手が考えながらプレーしている感は強く、鹿島の強固な4バックを崩したと言えるようなシーンはほとんどありませんでした。
前線での連動性が足りないという点は今に始まったことではなく、堀さんに監督が交代して4-1-4-1を採用後はずーっとなんですが、それでもピンポイントでクロスが入った時や、縦一発で裏に抜けられた時などはビッグチャンスになります。そういうのを今までは興梠さんなどが職人芸的な(というか神業的な)決定力で決めきってきたわけですが、さすがに得点王が見えてきて、相手チームも徹底的に興梠さんを消しにくる状況ではあの少ないチャンスでしっかり決めきってくれというのも酷な感じになってきています。やはりもう少し前線で複数人が絡む崩しができないと、このレベル相手にはなかなか得点まで行けないかなと言う印象が強く残りました。
唯一連動らしい動きといえば、確か前半終了間際だったと思いますが、サイドからのグラウンダーのパスにラファさんまたぎ→興梠さん折り返しでラファさんが抜けたシーン(結局、鹿島にギリギリでクリアされましたけど)くらいだった気が。ああいうプレーがもう少し増えないとなかなか相手のマークもズレないかなと思います。
(個人的にあまりジャッジについては文句言わない主義ですが、もう少しアドバンテージを適切にとるジャッジをしてくれたらカウンターからチャンスになったシーンも1,2回あった気もしますけどね~ 負け惜しみになるから言いませんけども(心の声))
さて、試合的には両者とも大きなチャンスは少ない、堅い試合ではありましたが、ウチにとって不運だったのは74分に青木さんが負傷交代してしまったことでしょうか。ズラタンさんを代わりに投入してワントップに、長澤さんをアンカーに、興梠さんをインサイドハーフに下げる策をとりますが、これでズレたマークが失点につながりました。
80分、こちらのロングフィードをはじき返されたところを途中交代で入っていた鹿島、鈴木選手にポストプレーされ(ウチからみて)左サイドに展開されると、西選手からのクロス→ファーサイドでレアンドロ選手に合わせられて失点。この時、レアンドロ選手に対しては柏木さんが懸命に戻って付きに行きましたけども間に合わず(遠藤さんが中央で鈴木選手に付く形で絞っていたので、本来はラファさんがプレスバックしてスペースを埋めて上げないといけないシーンでしたけど、まぁラファさんにそれを期待してもね)。ニアで金崎選手、中央で鈴木選手にディフェンスが付いて、鈴木選手が競った裏でフリーのレアンドロ選手だったので、さすがに西川さんも対応できずという感じ。
その後、83分に柏木さん→高木さん、88分に武藤さん→森脇さんとしますが、特に大きな変化もなく、鹿島に1点を守り切られて終了。わずかに(とはいっても元々絶望的ではありましたが)残っていたACL圏内の可能性も完全に消滅。残り2試合で取れる勝点6をプラスしても、今年の最大勝点は「55」となり、ウチは5位以下が確定しました(現在、4位の柏と5位のマリノスが「55」、6位の磐田が「54」、柏と磐田の直接対決が残っていて、どちらか勝点「56」以上になることが決まっているため)。
まぁなんて言いますか、以前、清水戦のレビューで「この試合までである程度現在の立ち位置が見えた感」と書いたんですが、まさにそこで書いた通り、下位には勝って、中位に引き分けて、上位に負けるっていうそのまんまシーズンが終わりそうですね......
まだACLが終わっていない状況であまり厳しいことを書きたくはないのですが、(ACLの結果はまず置いておくとして)来年もこの体制のまま行くんすかねというのがとても気になります。クラブはACLの結果待ちなんでしょうけども、個人的にはACLの結果関係なく、現体制での来期以降の続投には正直疑問です。
堀さんの4-1-4-1システムはある意味ミシャさんのシステムを継承している面はあります。というのはミシャさんのシステムの攻撃時は4-1-4-1に近い形になる仕組みでしたし、ミシャさんのシステムから小難しい可変システムを排除して、シンプルにした結果としての4-1-4-1と考えれば、継続性はあるんでしょうね。しかし、あまり比べるのもあれですが、広島がミシャさん退任後、彼のサッカーの守備面での課題を森保さんがきっちり整理してリーグ優勝に導いたのに対して、現状のウチは本来持っていたよい部分を全部消し去った上で、ごく普通の特徴のないサッカーをやるチームになってしまいました。前線での連動もミシャさん時代の名残でたまに出る程度、守備が安定したとも言えず、逆に4バック特有の穴が空いたまま、攻撃は個人の能力頼みです。
もちろん、堀さんが本来やりたいサッカーに対して選手層は前任者のサッカーに特化した人たちなので難しいタスクを与えられていることは十分理解していますし、堀さんの仕事はリスペクトするわけですが、じゃあ来年大きく人員を入れ替えてゼロからスタートみたいな感じになるなら、結局今までやってきた5年間(正確には5年半か)はリセットじゃねーかと。リセットするなら特にJリーグでの指導歴で大きな実績を残しているわけでもない堀さんを継続させる意味って何? というのが個人的な考え方。リセットするんならもっと実績のある監督の下でリセットした方がよくない? その方が来季の復調の可能性も高くなるんじゃないかなと。
で、一方で堀さんを信じて継続させるなら、ACLの結果待ちみたいな状況はやめて、現時点で堀さんに来年もお願いする、堀さんが結果を出せるようにクラブが全力で補強とかサポートするからさって意思表示でもすればと思うんですが、そういうのもないとちょっとモヤる。
あくまで個人的な考え方で、堀さんが継続する、しないに関わらずもちろん来年も目の前のチーム、選手たちをサポートすることに変わりはないんですけども、何かこういう主体性がないというか、クラブの哲学が見えにくいところは、何年経っても浦和らしいなと思ったりしました。
何か最後愚痴っぽいけど次は大事なACL決勝の1stレグ。その前に代表に選出された選手たちはブラジル、ベルギー戦とありますけど、折角呼ばれたからには少しでもいい経験を積んでもらって、あわよくば試合で世界のスーパーな選手たちのプレーを体感することでひとまわり成長を。そしてACL決勝に向けていいコンディションでのぞめるようにがんばって欲しいなと思います。
ACL決勝の1stレグ、私はテレビ観戦になりますが、現地に行かれる方々、とにかく気をつけて楽しんできてください。
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試合データ
観客: 33,356人
天候: 晴
試合結果: 鹿島 1-0 浦和(前半0-0)
レッズ得点者: -
警告・退場: ラファエル・シルバ(警告×1/ラフプレー)、武藤(警告×1/ラフプレー)
主審: 佐藤 隆治 氏
順位(第32節終了時点):7位(14勝10敗8分/勝点49/得失点差+12)
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