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2017 Jリーグ 第24節 IAIスタジアム日本平 アウェー 清水エスパルス戦

ミッドウィークに開催されたACL準々決勝 第1戦から始まった連戦ウィークですが、週末はアウェーで清水エスパルスさんとの対戦。久しぶりの日本平にお邪魔してという形になりました。

前回日本平に行ったのが昔過ぎて記憶が曖昧ですが、個人的には試合見やすくて結構好きなスタジアムのひとつ。今回は結果的も付いてきたし、久々の日本平を楽しめました。ただ帰りに渋滞ハマって家ついたら夜中だし、運転時間長いし、次の日仕事だしで疲れましたけども。

2017 Jリーグ 第24節 IAIスタジアム日本平 アウェー 清水エスパルス戦

さて、今日のスタメンは最終ラインに遠藤、マウリシオ、槙野。ボランチに阿部ちゃん、矢島。両ワイドに菊池とウメ。武藤、ラファエル・シルバをシャドーに、興梠のワントップ。GKは西川。

ACL準々決勝、ウォーミングアップ中に痛めて急遽青木さんと交代した柏木さんは、内転筋の肉離れということで3~4週間程度の離脱が確定。森脇さんやウガ、あとズラタンさんや那須さんも引き続き負傷からのコンディション調整中となかなか人がそろわない状況ではありながらもそれでもなんとかやりくりしないといけない台所事情。

それでも新加入のマウリシオさんを中心に、守備陣は何とか回しつつ、柏木さんの不在には矢島さんがボランチに抜擢、さらにウメちゃんが1年ぶりとなるリーグ戦スタメン復帰を果たすなど、見どころも多かった今節。

対する清水は鄭大世選手が負傷離脱中ということもあって前線の怖さは半減しているものの、長谷川悠選手、金子翔太選手を前線に置いた 4-4-2 のフォーメーションでスタート。

守備時もそのまま4バックでブロックを作るため、中央については人数がいるものの、ウチとしてはサイドチェンジでスライドを連発させてやればサイドでズレが生じそうな点、また清水は最終ラインの守備がそれ程強くもタイトでもないので、興梠さんなどが裏のスペースをガンガン突いていきつつ相手の最終ラインをうまく押し込むことができるか、という点が立ち上がりのポイントとなりました。

清水の両CBは、ポジションを頻繁に下げる興梠さんに付いていくのかボランチに任せるのかというところでの判断が少し甘い印象で、結果として中途半端にマークを外しては興梠さんに縦に侵入されていました。

実際に立ち上がり早々(5分とかそれくらいだったと思いますが)、中盤でマウリシオさんからのボールを受けてうまく前を向いた矢島さんから相手CBの間をうまく裏抜けした興梠さんへの絶妙なスルーパスは、角田選手にファールで止められましたけども通っていれば試合開始早々に1点というくらい素晴らしいものでしたので、これを続けられるか、あとはこの相手最終ライン対興梠さんの駆け引きによって空けたバイタルのスペースにうまくシャドーの2人やボランチが入ってこられるかで得点も見えてくるかなという感じ。

清水の攻撃に関しては、中盤での繋ぎ、サイドを起点にした攻撃に関しても思ったより質が高くなく、前線の長谷川選手にボールが収まってしまったり、ミッチェル・デューク選手などを起点に速攻からサイド深くに持って行かれたりすると厄介なものの(一方で彼がフリーで折角ボール受けてるのにミスで自分からボールロストしたりしてくれたのは結構助かった)、遅攻においては崩しのアイデアもそれ程みられず全体的には安心して観ていられる流れ。前述したとおり鄭大世選手がいないことで前線の迫力、ミドルレンジから一発やられるといった怖さもなく、あと注意すべきなのはセットプレーからの失点くらいかなという感じで観ていました(まぁ実際にそのセットプレーから先にやられたのであれですけども)。

そんな、立ち上がりからある程度ウチのペースでゲームを進められている悪くない流れの中、ワンチャンスをやられた失点は30分にコーナーキックから。角田選手に頭で合わせられたものですが、これについては大外から中央にいい入り方をした角田選手に対して、マークに付いていた槙野さんが振り切られる形でマーク外されてという失点でしたので、個対個の話。

角田選手の頭に当たったボールが槙野さんに当たってディフレクションした感じでしたので、西川さんにとってはちょっと厳しい位置にボールが飛んでしまったのは不運ながらも、角田選手がセットプレー時のターゲットになることは当然わかっていたことで、それに対して対人で強さのある槙野さんが付いていたわけですから、そこで負ければやられるのは当然。この辺は槙野さん自身がしっかり反省すべき点は反省して、次につなげて欲しいところ。

とはいえ、時間的にはまだ焦るような時間帯ではないこと、ゲーム全体を見ればウチの狙いはしっかり出せていることからも、個人的には引き続きしっかりボールを動かして、冷静に攻撃を組み立てれば十分追いついて逆転も可能なイメージでしたし、実際に選手たちも暑い中、引き続き質の高いプレーを見せてくれていました。後半立ち上がり早々にはオフサイドになりましたが、中央での見事な連係から武藤さんがゴールネットを揺らすなど、徐々に得点の匂いもし始める試合展開に。

63分には少し疲労した感じに見えた菊池さんを→駒井として彼を右サイドに、右サイドにいたウメを左サイドにまわす交代策で先にウチがカードを切ります。

そんな中、待望の同点ゴールは64分。コーナーキックは一旦清水ゴール前ではじき返されますが、これを拾ったウメからコーナーキックを蹴ってサイドに残っていた矢島さんに展開。これに対して同様にサイドに流れていた武藤さんがうまくディフェンスラインの裏に抜けながらボールを引き出すと中央に折り返し。これを中にいた興梠さん、さらに上がったまま残っていた槙野さんが合わせにいきますがここは合わず。ところがその奥でもう1人上がったまま残っていた遠藤さんがうまく収めると、うまく抑えたシュートを左足で叩き込んでのもの。いい時間帯に追いついてくれました。

その後は駒井さんの投入もあってサイドからの攻撃も活性化し始めると、一気に逆転すべくウチは攻勢を強めます。そんな中、決勝点となった2点目のゴールは70分。

左サイドでボールを受けたウメが仕掛けると見せかけつつ柔らかいクロスをペナルティエリア内にポジションをとった興梠さんへ。これを興梠さんがとんでもない身体能力というか体幹の強さで収めると相手ディフェンスを3、4枚引きつけつつフォローしてきたラファさんに優しい落とし→ラファさん冷静に相手GKを逆をとりつつ流し込んでのものですが、もう80%くらいは興梠さんの得点といってもいいくらい。ラファさんが完全にフリーでシュートが打てるという状況を、相手ディフェンスを引きつけることによって興梠さんが1人で作ってしまいました。素晴らしい。

その後、77分には足攣った矢島さん→長澤さんとして、彼をボランチに。89分には武藤さん→忠成さんとして前線をリフレッシュすると、終盤は運動量が落ちた清水を相手にうまく時間を使いながらそのまま試合を終わらせ、アウェーで勝点3をゲットしてくれました。

今節、久しぶりに戻ってきてくれたウメは後半、左サイドにまわされたあとも攻守にわたって運動量も衰えず、リーグ復帰戦とは思えないほど非常によい仕事していましたし、今後彼のパフォーマンスがトップフォームに上がってくればサイドの厚みが増しそうで期待。

柏木さん不在の中、ボランチで先発を任された矢島さんも、途中足攣ってしまったものの、しっかりとボールを中盤で受けては前につけつつ、自分もゴール前に顔を出すという難しい仕事をある程度しっかりこなせていましたので、よかったんじゃないでしょうか。清水は前線の2人がウチのボランチのところを消しにくる守り方をしていたので、なかなかボールをフリーで受けるスペースはなかったのですが、相手の間で受けて、素早くターンして前を向くシーンも何度かみられ、あとはもう少し細かい動き出し、ボールを引き出したり、周りを使いながら自分がゴール前に入っていくアクションという部分での質が上がるとより面白くなるんじゃないかなと思います。

毎度、彼のシャドー起用ってどうなのとちょっと厳しめのこと書いてしまっているラファさんについて、今節はそのシャドーでのスタートでしたが、攻撃時の周りとの連携についてはまだ改善の余地はありそうなものの、彼なりにしっかりプレスバックもしてたり、シャドーに求められるものをきちんとやろうという意思がみえてよかったです。細かいところですが、そういう部分での運動量は大事ですので。加えて今節は得点もできましたので、彼にとっても今まで溜まっていたストレス発散が多少なりともできたんじゃないでしょうかね。後半戦、再度前半戦のような大活躍を見せてもらいたいです。

この試合までである程度現在の立ち位置が見えた感

ACL 川崎戦は攻撃に特徴がある強豪相手に対して守備から入るという、要するにリアクションから入ったやり方をして、結果的には守り切れずに敗戦。一方でリーグ戦前節のFC東京戦では慎重にプレーしつつも自分たちからゲームをコントロールしに行く姿勢をしっかり見せつつ、前線のコンビネーションもきちんと発動させた結果の勝利。今節もある程度慎重にという試合の入り方は共通しているものの、きちんと自分たちからアクションを起こしてゲームをコントロール。先に失点はしたものの、試合全体を通してみればしっかりゲームを支配し、逆転勝利することで甲府戦からの連勝を3に伸ばしました。

清水、東京という、昇格組、あるいは大変失礼ながら実力的にJリーグ中位のチームであれば、しっかりと自分たちからアクションを起こして攻撃の形を作り、しかもきっちり得点もして勝ちきることができるというのはある程度見えたと思います。その意味ではプラス材料な点も見えますが、一方で上位チームを相手にリアクションから入った場合、とにかく守り切ろうみたいな引いた入りをした場合は、元々そういう守備の仕方が得意ではないメンツでやっていることもあって苦戦したり、結果として守り切れずにやられるといった流れが発生しそうな感じという2つの面がある程度はっきり見えてきました。

今は自分たちの実力、立ち位置を謙虚に受け止め、多少相手に合わせたやり方を選択したとしても、まずは1つずつ勝つことで徐々に自信を取り戻させるという過程の途中ですからそれが悪いことだとは思いません。このあと、ルヴァンカップでC大阪、ACLでも川崎ともう1試合、さらに天皇杯では鹿島、リーグ戦も次は柏と、現在リーグ戦で上位を占めるチームとの対戦が続きますので、そういう難しい相手との試合でどういう試合が見せられるのか、注目したいなと思います。

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試合データ

観客: 16,194人
天候: 晴
試合結果: 清水 1-2 浦和(前半1-0)
レッズ得点者: 遠藤(64分)、ラファエル・シルバ(70分)
警告・退場: 李(警告×1/ラフプレー)
主審: 扇谷 健司 氏
順位(第24節終了時点):8位(12勝9敗3分/勝点39/得失点差+12)

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