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2017 Jリーグ 第2節(ホーム開幕戦) 埼玉スタジアム2002 セレッソ大阪戦

今年のJリーグ開幕戦、アウェーでのマリノス戦は残念な結果になりましたが、その後に行われた今シーズンホーム初戦のACL、FCソウル戦では5得点の快勝と、その勢いを持ったまま公式戦連勝といきたい今シーズンのJリーグホーム開幕戦は、昨年プレーオフでJ1昇格を決めたセレッソ大阪を埼スタに迎えて。

セレッソさん自体はメンツ的にも力のあるチームながら、昨シーズンはプレーオフでJ1昇格してきたチームですから、ウチとしてはホームゲームと言うことも含めて確実に勝点3を奪わなければならない対戦。とはいえ2014年に対戦して以来久々の対戦ということもあってどうなるか未知数でしたが終わってみれば3-1で快勝し、リーグ戦初勝利、公式戦としては2連勝して序盤の厳しい5連戦を一旦乗り切ってくれました。

2017 Jリーグ 第2節(ホーム開幕戦) 埼玉スタジアム2002 セレッソ大阪戦

さて、今日のスタメンは、最終ラインに森脇、遠藤、槙野。ボランチは阿部ちゃん、青木コンビ。両ワイドが関根、ウガ。2シャドーに武藤、興梠。ラファエル・シルバのワントップ。GKは西川。

筋肉系の故障で離脱中の柏木さんは今節も帯同せず、代わりにボランチは阿部ちゃん、青木さんコンビ。特に昨年から続く青木さんの高パフォーマンス、安定感が柏木さんの穴を確実に埋めてくれるのは大きい。

また、負けはしましたが前節も2得点と絶好調のラファさんを1トップに、その下に興梠さんと武藤さん(今シーズン、リーグ戦では初出場ですね)を並べる布陣でのスタートとなりました。

対するセレッソはオーソドックスな4-4-2。セレッソは今年から監督がユンさんにかわって、中盤での運動量豊富、かつハイプレスな鳥栖的なサッカーになったらめんどくせーなと思っていたのですが、少なくともまだ時間が足りないのか、まったくもって中盤での球際の強度、寄せのスピードもたいしたことなく、ウチは比較的余裕を持っていつも通りのやり方ができていました。

セレッソもウチ対策としては定石ともいえる、後ろ4-4でブロックを作ってそこに入ってきたボールを潰してからの2トップを使ってのカウンターという狙いは透けて見えましたが、いかんせん中盤に入ってきたところでの寄せが遅すぎてほぼ後追いの守備。

さらにボランチの山口蛍選手、ソウザ選手も、1人1人はボール奪取能力の高さをみせつつも、距離感がわるく連動しないため、ウチとしてはそこでボールを奪われる気がしないのと、奪われてもウチのもう一つの約束事であるすぐにプレスかけて再度奪いきる守備がきっちり実践できていたことや、相手の2トップが元々前線でロングボールを収めるのがそれ程うまくない杉本選手、柿谷選手ということもあってセレッソの攻撃は形にならず。結果としてボール支配率でウチが圧倒。特に前半に関してはほぼハーフコートでウチが一方的に攻撃しているような状態という、ワンサイドゲームになりました。完璧と言っていい前半だったと思います。

そんな中、先制点は22分。最終ラインでのゆったりとしたボール回しから遠藤さんにボールが入ると、少し縦に持ち出しつつスイッチを入れた遠藤さんから興梠さんのところに縦の楔。これを興梠さんがまたぎでスルーすると裏にいた武藤さんへ。

そのまま興梠さんがゴール前にディフェンスを引っ張りつつ走り込んでいくと、興梠さんにフリックすると見せかけた武藤さんが逆側にターンしつつ抜群の腰のひねりで逆サイドにミドルシュート叩き込んでくれました。興梠さん、武藤さんの連携と、武藤さんの個人技が生んだ素晴らしいゴールでした。

さらに、37分には高い位置で武藤さんが強烈なプレスをかけて相手からボールを奪うと、ペナルティエリア内にフリーランニングしたラファさんにスルーパス。これをラファさんがシュートしたボールは一旦相手GKに弾かれますが、そのこぼれ球を逆サイドから冷静に詰めた興梠さんがしっかり流し込んで2点目。

前述したとおり、前線からの守備もきっちりハマり、セレッソにほぼ何もさせないまま前半を終えることができました。

後半も立ち上がりから攻撃の手を緩めず、52分には中盤で森脇さんがうまく相手のパスコースを限定しつつプレスかけたところで、青木さんがボール奪取。そのまま一気に縦に持ち出すと、裏に抜けたラファさんにスルーパス。パス自体はちょっと足元に入ってしまいますが、この難しいボールをラファさんがいとも簡単そうにワンタッチでうまくシュート打てる位置にトラップすると、飛び出してきたGKを冷静に見つつちょこんと浮かしたシュートで流し込んでこれで3点目。ほぼ試合を決めてくれました。

何かラファさんがやるととっても簡単にやってるようにみえちゃうんですが、青木さんからのスルーパスは決して簡単なパスではありませんでした。にもかかわらず、スピードを緩めないまま絶妙な位置に収めるあたり、その技術力の高さが垣間見られてすげぇなと思いました。

課題はリードしたあとの試合運び

で、ここまではほぼ完璧な試合展開でしたが、59分にコーナーキックからヨニッチ選手に1点返されることになります。

このセットプレー(コーナーキック)からの失点の仕方については、前節マリノス戦と同様、ニアサイドに置いたフリーの味方選手(ストーン)を超えつつ、ニアサイドに入ってくるボールに対する、マーカーの対応という点で共通した失点でした。

ウチのセットプレーの守備は基本的にマンツーマンですから、やられた場合の責任はある意味明確です。今回の場合、得点者であるヨニッチ選手のマーカーは槙野さんでしたが、ニアサイドに走り込まれた際に一瞬ではありますがマークを引き剥がされていて、前でボールに触られてしまっている点で対応ミスと言えばそれまで。

ウチは被コーナキックの際はニアサイドにストーンを置きますが、当然ここではじき返せれば問題ないのと、ファーサイドまでボールが飛んで、待ち構える形で対応できれば、比較的ウチの最終ラインは全員対人が強いのでなんとかなります。

ですが、マリノス戦も同様、ストーンを超えつつニアサイドに入ってくる速いボールに対する守備でマークがずれる傾向があり、ここは修正の必要ありといえるでしょう。とはいえこれは守備の致命的な崩壊などという大げさな話ではなく、マークにつく選手と、ニアサイドをケアする選手との間でしっかりと問題点の把握や対応方法の修正さえできれば改善する話だと思いますので、次節以降は同じやられ方しないように守備陣には期待したいところ。

個人的に、この失点シーンがどうこうよりも、どちらかというと課題はリードした状態で残り時間が比較的長く(30分以上)にある場合の試合運びにあると思います。

というのは、ウチは点を獲ろうと攻めている時は前線と最終ラインの距離感も適切に保たれ、中盤でのプレスもハマるのですが、リードしたしもう無理に攻めなくてもいいでしょとなった途端に中盤にスペースができてプレスがハマらなくなり、前線と最終ラインが間延びすることで結果としてオープンな展開にしてしまってピンチを多く作られたり、中盤でのプレスがハマっていないにも関わらず最終ラインが高いラインをとっていることで裏のスペースを使われて失点するというケースが多々あります。

終盤の試合運びという点では今年に関わらず以前から課題と言われている点ではありますので特に驚くことでもないのですが、ここについてはもうヘタにペースダウンして時間を使いに行くくらいなら、どんなにリードしようがひたすら畳みかけるくらいでよいのかもしれません。

まぁ目的は試合に「勝つこと」であって、別にそれが絶対に無失点でないといけないというわけですから、今節のような3得点してセーフティリードを作っておいてからの1失点くらいならとやかく言うことではないのかもしれませんけども。

ちょっと前半戦はACLを含めた連戦との兼ね合いなどもあり、選手もリードしたし、体力を温存できるならしておこうという心理が働いてしまうことが影響している可能性はありますね。今年はある程度各ポジションにバックアッパーもそろいましたから、欲を言えばうまく選手交代しつつ、90分相手を押し込んだ状態で試合を終わらせられるようになるといいなとは思います。

終盤は選手を温存しつつうまくしのいで勝利

68分にはラファさん→忠成さんとしてラファさんを温存。ラファさんは移籍初年度ですが、すでにワントップとしての役割をきっちり果たし、素晴らしいフィット具合。しかも彼を下げても興梠さんをワントップに戻してシャドーに忠成さんという、相手からすればベストメンバーから選手交代したのにまだベストメンバーじゃねぇかという嫌がらせのような選手層の厚さ。

さらに79分には青木さん→那須さんとして連戦の青木さんもケア。最後のカードは86分、興梠さん→ズラタンさん。短いとはいえズラタンさんにもコンスタントに出場機会を作り、コンディションを上げてもらうための時間を与える余裕が感じられました。

結局ピンチらしいピンチは、失点したコーナーキックと、あとは終盤にトップ下に入ってきた山村選手(セレッソは前線の2枚にボールが収まらないので、その後ろにターゲットマンとして彼を入れたと思われる)が頭で合わせてゴール右にそれたヘディングシュートくらいという状況に抑え、危なげなく試合終了。勝点3をゲットしてくれました。

2017 Jリーグ 第2節(ホーム開幕戦) 埼玉スタジアム2002 セレッソ大阪戦

さて、これで一旦連戦はひと段落。次は10日、金曜日にホームで行われる甲府戦まで少しだけですが間が空きます。ここでしっかり体力を戻して頂きつつ、今回出た課題を修正して、リーグ戦連戦できるようにお願いしたいところです。

試合データ

観客: 43,826人
天候: 晴れ
試合結果: 浦和 3-1 C大阪(前半2-0)
レッズ得点者: 武藤(22分)、興梠(37分)、ラファエル・シルバ(52分)
警告・退場: ウガ(警告×1/ラフプレー)
主審: 飯田 淳平 氏
順位(第2節終了時点):暫定7位(1勝1敗0分/勝点3/得失点差+1)

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