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第96回天皇杯ラウンド16(4回戦) 等々力陸上競技場 川崎フロンターレ戦

今年もリーグ戦の方はレギュラーシーズンを終えて、年間勝点1位を獲得した我々はチャンピオンシップ決勝へとシード。実際にチャンピオンシップが始まるのは11月後半と言うことで、それまでの間に天皇杯の4回戦と、代表戦ウィークが組まれている状態。

今年の天皇杯は、4回戦からの出場となる浦和が初戦で対戦するのはリーグ戦でもギリギリまで年間勝点1位を争った川崎フロンターレ。なんていうか、事実上の決勝戦みたいな組み合わせが4回戦で実現しちゃうっていう、もったいないというか、大変な天皇杯初戦となりました。

とはいえチャンピオンシップでも対戦する可能性がある相手。お互いに代表選手の離脱や主力を怪我で欠くなど完全なベストメンバーではないとはいえ、ここでどう戦うかで次に当たったときのメンタル面、試合の進め方にも多少影響を与える可能性がある重要な対戦。そういう意味ではきっちり勝っておきたかった試合でしたが......

第96回天皇杯ラウンド16(4回戦) 等々力陸上競技場 アウェー 川崎フロンターレ戦

まぁ結論から書くと3回もリードしておきながら都度追いつかれて勝ちきれず、最後はPK戦にまでもつれ込んで負けるっていう疲れしか溜まらない感じの試合になっちゃいました。帰ってきてレビューを書く気にならず、日曜日もちょっと出かけてしまったのでこんな時間にやっと試合を思い出しながら書いておりますが、簡単にまとめます。

さて、この日のスタメンは、最終ラインに森脇、遠藤、ウガ。ボランチは阿部ちゃん、柏木コンビ。両ワイドが関根、駒井。2シャドーに武藤、高木。興梠のワントップ。GKは大谷。ということで、代表招集で不在の西川さん、槙野さんに代わり、GKはいつもの通り大谷さん。最終ラインは一時期怪我で離脱していたウガが復帰と同時に槙野さんの位置へという並びになりました。

大谷さんはいいとして、ウガの最終ライン起用は、この試合に限っては評価が分かれるところでしょうね。ウガの最終ライン、今年はルヴァンカップの準々決勝(神戸戦)をきっかけに、2ndステージの第12節、東京戦翌第13節の広島戦で採用していて、結果は出ていますので、あの位置でウガを使うこと自体は問題ないと思いますが、気になるのはウガがルヴァンカップ決勝以降、1ヶ月近く、怪我で離脱していて公式戦に出ていなかったということ。

槙野さんがいない場合のオプションとしては、那須さんを中央に入れて森脇さん左、遠藤さん右という手もありますが、『那須さんはコンディション整えて準備万端で安心感あるけど、森脇さんは左に回しちゃうと本領発揮できないよね』と『負傷明けのウガを使ってでも森脇さんは右で使った方が全体としてはいいと思う』を天秤にかけた結果の後者を選択した感じなのでしょう。

まぁ順当に考えればそうなるよなと思うので。個人的にはそこは仕方ないと思いますが、結果として相手のパワープレーからウガがマークしているところをきっかけに2失点してるので微妙な印象になっちゃったのは確かだと思います。

川崎は3-4-3スタートで、守備時には5-3-2になるやり方。あちらはあちらで憲剛選手、小林悠選手、大島選手と主力を欠いて、中盤に大久保選手を入れる(スターティングポジションはボランチでしたが実際には3トップの両側を基本にフリーマンとして色々前線でポジション変えてましたね)かなり苦肉の策っぽいやり方をしていましたが、ウチも川崎も中盤でミスが多く、お互いのミスで攻守が入れ替わってフィニッシュまで行かないって言う、ちょっと全体的に低調な試合展開になってしまいました。これはリーグ戦から少し時間が空いてしまったことでのコンディションや集中力的な問題なんですかね。

多少流れがよくなったのは後半開始と同時に高木さん→忠成さんとした後。なんとか前線でのコンビネーションが出始めて、さらにパフォーマンス的には低調だった柏木さんを早々に諦めて青木さんを入れると、少しオープン気味だった中盤を締めつつ徐々にウチがペースを握る展開に。

さらに71分には武藤さん→ズラタンとして早々に3枚目のカードを切ります。もう90分で試合決めてこいっていうミシャさんからの強烈なメッセージ付き交代ですが、ズラタンさんを入れて興梠さんがシャドーの位置に下がった途端の71分に森脇さんからの見事なロングフィードに興梠さんが2列目から裏に抜け出して絶妙なトラップでコントロールすると、そのままキーパーをかわして無人のゴールに流し込んで先制。

相手GKのチョン ソンリョン選手は守備範囲的にはそれ程広くなく、ああいった裏へのボールに対しても比較的自分は出て行かずにゴールマウスで構える傾向がありますが、そのおかげでうまくディフェンスラインとGKの間のスペースで興梠さんがボールを受けられたのがよかった。

で、まぁこのまま1点リードを守りつつ、隙があれば追加点ってのがベストだったわけですが、85分に大久保選手のシュートが森脇さんの腕に当たったところでPKを喰らって試合は振り出しに。家帰ってリプレイ見ましたが、ちょっと厳しいなと思いつつもまぁハンドはハンドなんで仕方ない感じ。手に当たったら全部ハンドというわけではないですが、あのシーンで森脇さんはあからさまじゃないにしても意図的に腕を微妙にボール側に寄せて当てに行っていますからね。あれはとられても文句言えない感じでしたし、彼自身もやっちまったと思ったんじゃないですか? あんまり抗議してなかったですもんね。

だからハンドはもう仕方ないんですよ。問題はこの後。

1-1に追いつかれて残り時間はまだアディショナルタイム含めれば10分近くある状態。90分で試合を決めるために気を取り直して攻撃を再開すると、失点からたった2分後の88分に、忠成さんが放ったヘディングシュートを相手GKが弾いたボールが川崎ディフェンスに当たってそのままゴールに吸い込まれ、オウンゴールで勝ち越し。やっと追いついた川崎を凹まして、もう完全に流れはウチじゃないですか......

ところが、アディショナルタイム、川崎の、川崎らしくない終盤の雑なパワープレーで放り込まれたボールにウガが目測を誤ってクリアミスした裏で森本選手にうまくボールをコントロールされるとそれを押し込まれてまさかの同点。あと数分ってところで延長戦に突入するはめに。

それでも延長前半には素晴らしいカウンターから中央、長い距離を上がってきた青木さんが見事なシュートたたき込んで再度勝ち越し。このカウンターは本当にお手本のようなカウンターで、この勢いで一気に試合を決めちまえればと思っていたら、延長後半、またも雑な放り込みにファーでウガが競り負けて落とされたボールをエドゥアルド選手にヘディングで押し込まれて再度同点。そのまま120分が終了しPK戦へと突入。結局ウチが2人外すっていう結果で敗戦となってしまいました。

PK戦はね、もう仕方ないのでいいんですけども、3回もリードを奪っておきながら3回追いつかれる、しかもそのうちの2回は川崎が川崎の本来やりたいパスワークができないので、もうやけくそって感じで雑にゴール前に放り込んできたやつでやられるって言う、なんていうか正直お粗末な失点。

もちろん、ウチの最終ラインは高さがないので、パワープレーに対しては比較的弱い傾向はありますが、今季それでもそういうパワープレーであまりやられてなかったのは、ボールの出し手に対してしっかりプレッシャーをかけるっていう守備ができていたから。ところがこの試合でやられているシーンでは相手のボールホルダーに対してほぼノープレッシャーの状態でクロス上げられていて、今までできていたことをきちんとやらなかった結果の失点と言えます。

この体たらくがリーグ戦が終わって集中力が切れてしまったのか、公式戦の日程が少し空いてコンディション調整的な問題が発生したのかわかりませんけども、この後チャンピオンシップがあることを考えると、ちょっと心配になる敗戦でした。そこはきちんと修正してもらいたいなと。

それにしても川崎に勝ってチャンピオンシップ前に(決勝が川崎とになるかはわからないですけど)苦手意識を受け付けてやるどころか、逆に川崎にベストメンバーでなくてもやれる、先制されても追いつけるっていう自信を与えてしまったのはちょっと痛いなと思いました。

さて、これでウチにとっての今年の天皇杯は終了。次の試合となるチャンピオンシップ決勝までまた少し時間が空きます。コンディション調整を含めた準備に期待しつつ決戦の日を待ちたいと思います。

試合データ

観客: 20,009人
天候: 晴れ
試合結果: 川崎3-3浦和(前半0-0 / PK4-1)
レッズ得点者: 興梠(71分)、オウンゴール(88分)、青木(97分)
警告・退場: 森脇(警告×1/反スポーツ的行為)、駒井(警告×1/反スポーツ的行為)
主審: 上田 益也氏

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