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天皇杯 JFA 第102回全日本サッカー選手権大会 2回戦 浦和駒場スタジアム 福島ユナイテッドFC戦

天皇杯 JFA 第102回全日本サッカー選手権大会 2回戦 浦和駒場スタジアム 福島ユナイテッドFC戦

2022年も早いものでもう6月に突入。6月最初の公式戦は、天皇杯の2回戦。浦和駒場スタジアムにて、福島ユナイテッドFCとの対戦です。

リーグ戦の方は直近の福岡戦で一旦中断期間に入り、この天皇杯2回戦が終わると、6月18日の名古屋戦までしばらくお休み。過去にも何度か書いていますが、トーナメント戦は勝つことがすべて。そして一発勝負のトーナメントは、トーナメントならではの難しさもあります。

天皇杯の2回戦はJ1やJ2に所属チームにとっては「初戦」になるわけですけども、その対戦相手となる各県代表チームはすでに1回戦を戦っていて、それを勝ち抜いた勢いをある程度持った状態できているわけですし、チャレンジャーとして失うものない状態で挑んでくることもあり、いかにカテゴリーが下のチームと言えども油断はできません。

「A」と「B」が普通に10回対戦すれば「A」が9回は勝つだろうなという力関係の対戦だったとしても、戦い方、チームとしての勢い...... 色んなものが合わさって「B」がその1回を引き当てたりするのがトーナメント戦の怖いところでもあります。

当然、浦和が勝つのが当たり前だと思われている状況ですからプレッシャーがかかるのはウチの方。そういう難しい試合をしっかり勝って、トーナメントで駒を次に進めるというミッションをしっかり果たすことができるか、注目の対戦となりました。

スターティングラインナップ

天皇杯 JFA 第102回全日本サッカー選手権大会 2回戦 浦和駒場スタジアム 福島ユナイテッドFC戦 スターティングラインナップ

さて今節のスタメンは、最終ライン左から明本さん、岩波さん、ショルツさん、宮本さん。ダブルボランチに平野さんと敦樹さん、左のSHにシャルクさん、右にモーベルグさん、トップ下に江坂さんを配置し、1トップに松尾さんを置いた 4-2-3-1 スタート。GKは西川さん。サブには知念さん、関根さん、大畑さん、松崎さん、岩尾さん、大久保さん、そして牲川さんが控えます。

前述の通り、この試合が終わればしばらくはお休みですし、トーナメントでは万が一にも負けるというのは許されませんから、ベストメンバーともいえるスターティングラインナップは妥当な判断かなと思います。ここでターンオーバーする意味はあまりないですし、リカさんとしてもリーグ戦メンバー間での連携を深めるため、公式戦の機会を最大限活用してプレー時間を稼ぎたいというのもあるでしょう。

対する福島は、最終ライン左から堂鼻 起暉選手、大武 峻選手、雪江 悠人選手。ダブルボランチに上畑 佑平士選手と諸岡 裕人選手。左のWBに北村 椋太選手、右WBに田中 康介選手。インサイドハーフに延 祐太選手と長野 星輝選手、ワントップが高橋 潤哉選手という並びの 3-4-2-1。GKは山本 海人選手。

ただ、大変恐縮ながら私、福島の試合をまともに90分観たことがないので、普段どんな感じなのかわかりません。少し調べた限りでは、直近のJ3、テゲバジャーロ宮崎戦と同じメンバーだったみたいなので、このメンツがベストメンバーなんでしょう。

守備時には両WBが最終ラインに落ちる形の 5-4-1 ブロックを形成。ボール保持時は後ろ4枚とか少し人数を残しつつ、ボランチの2枚が縦関係をうまく作ったりサイドに流れたりしつつウチの守備ブロック1列目、2列目を越えてくるなど、ボールを前進させる部分でのデザインもきっちりしていましたし、プレスバックの速度、球際の強度、90分に渡る運動量など、非常に高いレベルを感じさせるチームだなという印象でした。

そんでJ3の順位見たら現時点で4位じゃないっすか。しかも1敗しかしてないし。もちろん、個々の選手のクオリティ、プレースピードなど、J1とJ3では大きな差があるのは確かですが、けっして楽な相手ではありませんでした。

1-0 の堅い試合でしたけど、決めるとこ決めて勝ち抜いたのでよし

ウチのボール保持に関しては、直近のリーグ戦、福岡戦でもやっていた、右サイドの宮本さんを片上がりに高い位置に押し出し、左SB(福岡戦では大畑さんでしたが)の明本さんが残る形、岩波さんを中央にした疑似3バックを形成。相手守備ブロックが 5-4-1 なので、5-4 の間に前線の選手5枚が入って数的同数を作りに行く立ち位置の獲り方をしていましたが、その狙いに関してはある程度出せていたおかげで、相手からボールを取り上げて自陣に押し込むことはできていたように見えました。

私が観ていた場所がメインスタンドのちょっとピッチに近すぎる位置だったので、ピッチ奥側(つまりバックスタンド側)の状況がわかりにくかったんですが、左サイドはシャルクさんが大外、その内側を江坂さんが獲りに行く配置。右は宮本さんが大外にいて、モーベルグさんがインサイドに絞る感じのポジショニングが多かったですが、アタッキングサードへの侵入、ニアサイド獲ったところからクロスってところまではかなりの回数いけていたものの、最後、フィニッシュをどうするかってところでは引き続き課題が見える展開。

特に味方がニアゾーン獲った時のニアに入る人、マイナスでギャップ作る人、ファーに流れる人、みたいな相手ディフェンスを動かすような連動した動き出しってところではまだ足りない感じがして、相手ディフェンスが大きく動かないからマークがズレないし、跳ね返されやすいということでアタッキングサードに侵入した回数の割には決定機は少なかったなと。

あとボール非保持時に、4-4-2 でセットしているにもかかわらず結構簡単に 2トップの脇から相手に前進された挙げ句、2列目の背中に縦に楔付けられたり、ワイドに開いて角度つけたところからボランチへの斜めのパスで2列目の背中獲られてアタッキングサードに侵入されるみたいなシーンが何度かあり、この辺は両サイドが守備の得意でないシャルクさん、モーベルグさんの組み合わせだった影響もあると思いますが個人的に気になった点。

モーベルグさんやシャルクさん、別に守備をサボってるわけじゃなく、一生懸命やってくれてるんですけども、背中でパスコース切りつつボールに寄せるみたいな基本的なことがあまりうまくないので頑張ってるけどなんか簡単に外されるなみたいな感じになっちゃってるのもったいない。また、モーベルグさんに関してはインサイドワークすることが多かったこともあって、狭いスペースでのプレーを強いられて思ったより怖さも出てなかったかなと。まぁ久々の出場でしたし、(ここのところベンチ外だった理由がわかりませんが)コンディション的にベストじゃなかった可能性もありますけども(とはいえ、後半の明本さんの得点は彼が大きな役割を果たしたのでよい点もありましたが)。

で、スコアレスのまま折り返した後半は、ハーフタイムに平野さんを下げて岩尾さんを投入。後半は前半とは異なり、明本さんを積極的に前に上げる形に変更。記憶が確かならショルツさんと岩波さんの立ち位置も後半は入れ替えていたので、前半とは逆に明確に左サイドを押し上げてという形に変更したものと思われます。

そんな状況で後半立ち上がりの47分、交代して入った岩尾さん起点で先制点が生まれます。

岩尾さんからの素晴らしいサイドチェンジで右サイド大外に流れたモーベルグさん。ダイレクトで内側をサポートした敦樹さんに落とすとダイレクトの戻しを受けつつ内側に侵入→ダイレクトで中央江坂さんに斜めの楔。これも江坂さんがダイレクトでモーベルグさんに落とすとまたまたダイレクトで明本さんへと渡り、明本さんがペナルティエリア付近から左足を思い切って振り抜いたミドルシュートがゴールにブッ刺さって久々の気持ちいいゴール。

右サイドからダイレクトプレーを連続してゴール中央左目までボールが横移動したため、さすがの福島ディフェンスラインも徐々にマークがズレる結果となって、さらに地味ですが左サイドでシャルクさんが相手ディフェンスを引っ張るように裏に走ってくれたことで明本さんの前にシュートコースができた形。

ミドルシュートはこういうプレーで相手をズラしてシュートコースを創出しない限り、真っ正直にぶちかましてもほぼ相手ディフェンスに当たるのでゴールの可能性は低いんですが、今回は複数の選手が絡んで相手ディフェンスを動かし、マークをズラしてシューターの前から相手をどけるという作業をしっかりできたのは素晴らしかった。

あとは1点のリードを確実に守りつつ、相手がリスク獲って出てくればそこを突いて追加点が奪えればよし。とにかくしっかりリードした状態で試合を締めることが残り時間のタスクとなりましたが、50分過ぎくらいだったか、岩尾さんから縦に一発グラウンダーのパスがシャルクさんに通って相手GKと1対1の決定機がありましたが、あれは決めといて欲しかったシーン。結局シュートをGKに当てちゃいましたけども。

後半終了間際、アディショナルタイムに入ってたかな...... 相手右サイドからのクロスにペナルティエリア内ほぼフリーでヘディングシュート合わされたシーンなんかは心臓止まるかと思いましたけど、そこはさすがの西川さんがビッグセーブぶちかまして事なきを得るとそのまま1点リードを守り切って勝利、3回戦に駒を進めてくれました。

ということで、国内ではひっさしぶりの勝利なんですね。3月に磐田戦で大勝ちして以来か。まぁでもこれで安心して中断期間に入れます。

天皇杯の3回戦はザスパクサツ群馬との対戦とのことで、現在の監督は大槻さんですね。久々の再会ですがきっちり勝って次に進む事を祈りつつ、まずはこの中断期間を使って休養をしっかり取っていただいて、コンディションを整えた上で続くリーグ戦、埼スタでの名古屋戦を勝利で飾って欲しいなと思います。

天皇杯 JFA 第102回全日本サッカー選手権大会 2回戦 浦和駒場スタジアム 福島ユナイテッドFC戦 試合終了後の様子

試合ハイライト

試合データ

観客: 6,812人
天候: 曇 / 気温 22.7℃ / 湿度 51%
試合結果: 浦和 1-0 福島(前半0-0)
レッズ得点者: 明本(47分)
警告・退場: 大久保(警告×1)
主審: 岡部 拓人 氏

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