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2021 Jリーグ 第32節 埼玉スタジアム2002 ガンバ大阪戦

2021 Jリーグ 第32節 埼玉スタジアム2002 ガンバ大阪戦

ルヴァンカップの準決勝を挟んだことで2週間の間隔が空きましたが、久々のJリーグは第32節。ホーム埼スタにガンバ大阪を迎えての対戦です。

リーグ戦に話を絞れば前節は神戸を相手に5失点でボコられて、その後ルヴァンカップでも敗退してしまったことで印象的には少し右肩下がりというか、オリンピックの中断明けから前節までが好調だったこともあって停滞感を感じてしまうのは仕方のないことだと思いますが、ルヴァンカップのレビューでも書いた通り、ここで一旦成長の踊り場に来たと。

チームの成長・成果ってのはずーっと右肩上がりとはいかず、ある程度結果が出ると対策されたりして一旦停滞、その状況を新たなチャレンジとトレーニングの積み重ねによって打破してまた右肩上がりの軌道に乗せていく...... という感じで、どんなにうまく行っているチームでもそういう階段型というか、山あり谷ありの成長曲線を描いていくものです。

神戸戦での大敗、ルヴァンカップでの敗退は非常に残念な出来事ではありましたが、これを契機に残るリーグ戦、そして天皇杯の2つに改めて集中していただいて、最終盤戦に向けてもう一度右肩上がりの成長曲線を見せて欲しいなと。そんな絶好の機会となるホームでの2連戦がここから始まります。まずはガンバ大阪ですが、残留争いに片足突っ込んでる相手を容赦なく叩いて勢いを取り戻したい一戦となりました。

スターティングラインナップ

2021 Jリーグ 第32節 埼玉スタジアム2002 ガンバ大阪戦 スターティングラインナップ

さて今日のスタメンは、最終ライン、左から山中さん、ショルツさん、岩波さん、酒井さん。ダブルボランチに柴戸さんと平野さんを配置。左SHに汰木さん、右に関根さん、トップ下に江坂さん、1トップに明本さんを置いた 4-2-3-1 スタート。GKは西川さん。サブのメンバーとしては槙野さん、西さん、敦樹さん、達也さん、大久保さん、小泉さん、それに彩艶さんが控えます。

メンツをみたときに前線の選手といいますか、簡単にいえばFWの選手がすくねぇなと思ったんですけども、元々FW登録されている選手が少ない上に、興梠さんは怪我が長引き、ユンカーさんも筋肉系の違和感でコンディションが整わずということでしたので、そりゃこうなりますよねっていう。

木下さんはどこ行ったんでしょという疑問はありつつも、加入後すぐに数試合途中出場したのを最後にここまでカップ戦も含めてほぼ出場機会がもらえていないことを考えるとちょっと厳しいんだろうなというところで、今節の明本さんをワントップに据える策は何か明確な意図があってというよりは稼働可能なカードから逆算するとこうするしかなかったのかなという感じでしょうか。まぁ本来は今節、次節と対戦相手的には順位が下のチームですし、その後に天皇杯の準々決勝やアウェーでの川崎、鹿島との連戦を考えると、今節無理させるより、そっちの重要な試合にトップフォームをあわせた方がよいというのは合理的な判断とも言えます。

対するガンバ大阪は最終ライン左から藤春 廣輝選手、菅沼 駿哉選手、佐藤 瑶大選手、高尾 瑠選手。ダブルボランチに山本 悠樹選手と井手口 陽介選手。左のSHにウェリントン・シウバ選手、右に倉田 秋選手。2トップに宇佐美 貴史選手、白井 陽斗選手という並びの 4-4-2 スタート。GKは東口 順昭選手。

2トップは宇佐美選手が少し前目の 4-2-3-1 のようにも見えましたが、宇佐美選手はトップから中盤に落ちてきてゲームを作ったり、サイドに流れてみたりと結構ポジションを変えるフリーマンのような感じ。守備時には 4-4-2 をベースに2トップの左側にウェリントン・シウバ選手が出てくる 4-3-3 に近い形になるなど多少の変化もあり、前線の並びは流動的に見えました。

この内容に対して前半 0-0 という結果は正直納得しかねる

立ち上がりから 4-4-2 ブロックをベースに守備陣を作ったガンバですが、それに対してウチはセオリー通り、汰木さんと関根さんがインサイドに絞って相手SHの背中、相手CBとSBの間、所謂ハーフバイタルに立ち位置を獲ってSBにインサイドを意識させることで中を締めさせると、主に左サイドを起点に大外を山中さんが獲る形で相手2トップの両脇からボールを前進させます。

ビルドアップ時におけるショルツさん、岩波さんのボール保持はかなり高いレベルに達していて、そこに中盤から平野さんや柴戸さんが落ちつつ、相手前線の枚数に応じてうまく数的優位を作り、相手の1列目守備を無効化、相手が中央を締めればサイドから、サイドをケアして中央が間延びすれば縦にスイッチを入れて一気にアタッキングサードに侵入していく展開。

開始早々の1分30秒くらいには中央の平野さんからハーフスペースの汰木さんへの斜めの楔をワンタッチで落とし→中央江坂さんで前向いて、最終ライン裏に仕掛けた明本さんを囮に、江坂さんがフリーでミドルシュートを放つシーンを作ったのをはじめ、7分過ぎには大外の山中さんから斜めにハーフバイタルを縦に抜けた江坂さんに裏抜けのパスが通ったところで決定機、8分過ぎにも最終ラインからドリブルで持ち出したショルツさんからハーフスペースで楔のパスを受けた江坂さんがアウトサイドから斜めに相手最終ラインの裏に抜けた汰木さんにパスを通してマイナスの戻しに明本さんフィニッシュと立て続けに決定機を創出します。

11分過ぎには岩波さんの素晴らしい対角線上のサイドチェンジでフリーの山中さんにボールが渡ると、そこから精度の高いアーリークロスに逆サイドからゴール前に走り込んだ関根さんの頭は相手SB、藤春選手の前にうまく入って先に触る決定機でしたが、藤春選手にコンタクトされたことで微妙にミートできずに枠外。13分にも平野さんの素晴らしい展開からフリーの山中さんが前向きにボール持ってクロスと見せかけての無回転シュートが東口選手にセーブされたり、その1分後には右サイドで酒井さんのフィジカルを活かした素晴らしい突破からのクロスに中央で汰木さんがあわせての決定機(シュートは枠外)......

この辺はタラレバになってしまいますが、やはりこれだけのチャンスを作りながら1点も奪えずに前半の30分を使ってしまったことは以降の試合展開を難しい感じにしてしまいました。さらに不運だったのは35分に明本さんがアクシデントで負傷交代したことで、ピッチ上から最前線で点を獲る仕事をする人がいなくなってしまったのが追い打ちをかけます(ちなみに、明本さんの負傷は恐らく少し前のプレーだと思いますが、ゴール前で後ろ向きでボールを収めようとしたときに後ろから相手CBにコンタクトされた際、ちょっと踏まれたのか、足首ひねったっぽい感じに見えました。交代後は普通に歩いていたので大きな怪我ではないと思いますがちょっと心配ですね)。

明本さんと交代して小泉さんが投入され、江坂さんが1トップに出る形で縦関係になりますが、さすがに飲水タイム後はガンバもギアを上げてきたこともあって立ち上がりのようなビルドアップのスムーズさは減衰。それでも44分にはカウンターから江坂さんの惜しいミドルシュート(枠に飛ぶも東口選手にセーブされる)があるなど得点の匂いはさせつつも最後のところで仕留められないまま前半は 0-0 で終了、後半に折り返します。

やっとの思いで奪ったAT先制点も、
直後にゴール前への放り込みから事故起こされて勝点2が消し飛ぶ結果に

チャンスは多く作ったけれど決めきれませんでしたっていう流れだとどうしてもフィニッシュの精度とか、「決定力」みたいな、個人の能力の話で終わらされてしまうケースは多いですけども、単に誰か、例えばユンカーさんがいれば勝ってたとか、興梠さんさえいればみたいな話ではなく、やはり最後の崩しのところでもう一つ選択肢を増やすとか、よりゴールに近い位置からフィニッシュできるようにするみたいな、ゴール前での動き、入り方、人数のかけ方みたいなチームとしての詰めの部分はもう一歩必要だったんじゃないかなと思います。

もちろん、ユンカーさんがいたら何本かのシュートは枠に飛ばしたでしょうし、もしかしたら決めきっていたゴールもあったかもしれませんが、それでは結局ユンカーさん個人の能力に依存する形になるわけで、○○さんがいないと得点できませんというのは本来ウチが目指しているところではありません。いかに相手ゴール前でイージーに得点できるシチュエーションを創り出すのかという部分が重要ですので、その辺の完成度がまだまだ足りていない、チーム全体の問題だと認識した方がよいでしょう。

それでも試合終了間際の86分に発生したプレーによるVAR→OFRからのPKゲット、後半アディショナルタイムにそのPKを江坂さんが決めて土壇場で先制点を奪った時は、苦しみながらもなんとか勝点3が奪えるというのは大きい、苦労したけど結果勝点3なら報われるって思ってたんですけども、まさかリスタート最初のプレーでこっちもPK献上するなんて思わないよね...... まぁ岩波さんのはボールのはね方とかパトリック選手のプレッシャーとか色々とある中で運悪くああなったってことでそれはもう仕方ないのであまり個人のミスを責めても不毛だと思いますが、後半からパトリック選手が入って、ガンバが多少雑でもゴール前に放り込んできているのはわかっていた訳ですし、ああいうところこそしっかりはじき返す強さが欲しかったですよね。

その後の達也さんの決定機もあれが入らなかったら何が入るねんってくらいの決定機でしたけども東口選手のビッグセーブで得点とはならず。一度は掴んだと思った勝点3が、たった数分で手からこぼれていってしまいました。悔しい。つーか東口選手なんなのあの人、入ったなっていうシュート全部止めるし......

ということで、勝っておきたかった今節はウチからすれば非常に残念な引き分けで勝点1を分けあう結果に。次は来週の金曜日、またホームで今度は柏レイソルとの対戦です。柏も順位的には下で、残留争いに片足突っ込んでいる人たち。とはいえ今節は清水との対戦で勝利していて彼らも残留を確定させるために勝点3が是が非でも欲しい状況での対戦となります。

今節のような苦い勝点の落とし方をしないよう、次こそはしっかり勝ちきって勝点3をゲットしてくれることを祈りましょう。

2021 Jリーグ 第32節 埼玉スタジアム2002 ガンバ大阪戦

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試合ハイライト

試合データ

観客: 10,233人
天候:曇 / 気温 23.4℃ / 湿度 71%
試合結果:浦和 1-1 G大阪(前半0-0)
レッズ得点者: 江坂(90分+1分)
警告・退場: -
主審: 清水 勇人 氏
順位: 5位(16勝9敗7分/勝点55/得失点差+4)

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Yoshiki Kato / burnworks
Yoshiki Kato
埼玉県出身。サッカー、フットサル (観戦 / プレー)、モータースポーツ観戦、格闘技 (主にボクシング) 観戦、インターネット、音楽鑑賞、筋トレ、腕時計収集が趣味。サッカー 4 級審判員、ウオッチコーディネーター(上級 CWC)資格認定者。好物はゼリー、グミ、お酒、ラーメン。