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2019 Jリーグ 第26節 埼玉スタジアム2002 セレッソ大阪戦

先週行われたルヴァンカップの方は残念な結果でしたが、気を取り直して迎える金曜夜のJリーグは、第26節、対戦相手はセレッソ大阪をホーム埼スタに迎えて。

リーグ戦は前節のアウェー湘南戦で先制しながら最後の最後に追いつかれて勝点「1」、通算勝点も「31」の11位とここ1ヶ月半ほど足踏み状態で残留の安全圏といえる勝点までまだまだ足りていない状況。そんな中で迎える今節のセレッソ戦、さらに続くアウェーでの鳥栖戦、ホームでの清水戦と続く直近の対戦は、残留争いにおいて何が何でも勝点を積まなければならない重要な試合が続きます。

セレッソは現在勝点「40」の6位、直近のリーグ戦では3連勝中と強敵。さらにロティーナ監督体制でのセレッソは、流動的な選手のポジションチェンジにより、局所的なミスマッチを生じさせて相手のポジションギャップを突く、ポゼッションを主体とするチーム。この手のチームは今のウチのサッカーとは相性があまりよろしくない(守備がハマらないとボコられる)厄介な相手ではありますが、うまく守備をハメて攻略できるのか、その辺に注目しつつの対戦となりました。

2019 Jリーグ 第26節 埼玉スタジアム2002 セレッソ大阪戦

さて、今日のスタメンは最終ラインに岩波、鈴木、槙野。ディフェンシブハーフに青木、阿部。ウィングバック、右に関根、左に汰木。インサイドハーフに武藤、長澤。興梠のワントップ。GKは西川。

ルヴァンカップの第2戦で負傷交代し、前日練習でも別メニューだったため心配されていた興梠さんがスタメン。個人的にはあまり無理して長期でお休みされる方が怖いので杉本さんをスタメンにして興梠さんはACLに備えて温存でもよかった気がしますが、まぁなかなかチームトップスコアラーを外すってのは難しいですよね。汰木さんはルヴァンカップ第2戦から引き続き左のウィングバックで先発。第2戦の前半は左サイドでのボールの受け方としてはいいプレーも多かったので期待がかかるところです。

対するセレッソはCBにマテイ・ヨニッチ選手、木本選手のコンビ。SB、左に丸橋選手、右に松田陸選手、中盤、ダブルボランチに藤田選手とレアンドロ・デサバト選手、SH、左に柿谷選手、右に水沼選手、2トップは奥埜選手とブルーノ・メンデス選手を並べた 4-4-2。

開幕当初はウチと同様、3-4-2-1 を採用していましたが(ちなみに前回アウェーでの対戦はウチが勝利)、シーズン途中から 4-4-2 に切り替えて結果が付いてきているセレッソさん。冒頭にも書いたとおり、各選手が流動的にポジションチェンジをしながら、中間ポジションをとってくるのでこれをうまく捕まえたいというのが守備時の課題。一方でセレッソの守備ブロックがオーソドックスな 4-4-2 であること。さらに選手間の距離をコンパクトにしたいセレッソは、ボールサイドに思い切って人を寄せるため、同サイドに人は多いが逆サイドにスペースが生まれやすいという特性を、ウチのシステム的な特性と、サイドチェンジを活用して逆手にとりたいというのが攻撃面での狙い。

前半、守備面では中盤をマンマーク気味にしっかりマークを捕まえ、サイドはウィングバックが相手サイドバックに対してタイトにマークに付くことでうまく前からいけたときは相手陣地に押し込むという流れが作れていましたが、前線のプレスに対して後ろが付いてこないという課題は修正されず、前のプレスをを外されると中盤のスペースを使われて押し込まれ、守備が後手に回ってゴール前でなんとか身体に当ててしのぐというシーンも多く見られました。基本的にはセレッソの流動的なポジションチェンジを伴うビルドアップがウチを上回り、こちらは動かされる中で個々の頑張りでなんとかしているような状態でしたので、守備がうまくハマったなという印象はありませんでした。

一方の攻撃面でもなかなか効果的なサイドチェンジが発動せず、両ウィングバックの汰木さん、関根さんが深い位置でフリーでボールを持てるようなシーンが少なかったのは残念。この辺、ルヴァンカップ(第2戦)の鹿島戦ではうまくできていたのに今回はサイドチェンジを活用しようという意識が少し薄かったような感じがして気になりました。関根さんと対角線上の左ストッパーは槙野さんですが、ここからワイドに張ってフリーになっている関根さんにいい形でサイドチェンジが飛んだのは1回くらいしかありませんでしたし、岩波さんから汰木さんというのも効果的なものはそれ程多くなかったので、両ウィングバックがフリーで深い位置に行けるシーンがほとんどなく、ちょっと物足りなかったなと。

前半は相手の攻撃に対応するため特にウィングバックがそれ程高い位置をとれず、ボール奪取しても攻撃開始位置が低いため、なかなかサイドが高い位置で攻撃に絡めないという状況になっていたのが影響していると思いますが、今のシステムを活かすにはやはり高い位置でポジティブトランジションするようなシーンを作らないと厳しいですね。

ウチの決定機といえば、40分手前くらいに右サイド、関根さんからのフィードに抜け出した興梠さんがうまく相手CBの裏をとってゴール前に迫る決定機を作りますが、最後、武藤さんへのパスはつながらず......というシーンくらいでしょうか。できれば興梠さんに自分で打って欲しかった状況でしたが、少し角度が付いてシュートコースがなかったと判断したのか、武藤さんへの折り返しを選択しますがこれがズレてという流れ。それ以外ではほぼ得点の匂いがするようなプレーはなく、前半に関していえばプレーのインテンシティは高く、中盤での主導権争いは激しかったものの両チーム共に決定機は少なく、それ程見せ場のない展開に。

後半、ホームのウチとしては少しギアを上げて攻撃的に出ようという姿勢が見えました(ウィングバックの立ち位置、ボランチも高い位置をとりにいった立ち上がりでした)が、立ち上がり早々に先手をとったのはセレッソ。後半早々の47分に試合が動きます。

GKからのパスを左サイドで受けた丸橋選手、これに対してウチは長澤さんが対応しますが丸橋選手は中途半端に寄せた長澤さんを振り切る形で縦にドリブルを仕掛けます。ここに同サイドの関根さんがサポートとしてチェックに行きますが、関根さんが簡単に外されてしまったことで丸橋選手の前にスペースができると一気にドリブルを加速してハーフスペースに侵入されます。この時点でウチの3バックはボールサイドに寄せられ、左サイドの汰木さんが最終ラインに戻って4枚になっている状態。しかし左サイドのインサイドハーフ(武藤さん)が戻っていなかったことでこのぽっかり空いたスペースを完全にフリーな状態で上がってきた松田陸選手に使われると、丸橋選手からのグラウンダーの横パスを水沼選手がスルーしたところに走り込んできた松田選手。ダイレクトで右足を振り抜いたシュートはゴール左隅に吸い込まれて失点。

ギアを上げて入った後半の立ち上がりにそのスキを突かれて先に失点してしまったことで試合は難しい流れになってしまいましたが、55分、汰木さん→荻原さんとして左サイドをリフレッシュすると、一時的にではありましたが流れをウチに引き寄せます。左サイドに入った荻原さんがボールを持つなりガンガン積極的に仕掛けて左サイドをひっかき回します。

60分、自陣右サイドの深い位置でボールを繋いだところから長澤さんが相手に引っかけられながらもうまくターンして抜け出すと、中盤をドリブルで運んだところから左サイドを駆け上がった荻原さんへ。ペナルティエリア角付近でボールを受けた荻原さんは、縦に仕掛けた流れから多少強引に左足を振り抜きシュートを放ちますが、これはファーサイドのポストに直撃。しかしここにしっかり詰めていた興梠さんが跳ね返ったボールを冷静に足元に収めて流し込むと、これで試合は振り出しに。相手に先手をとられながらも何とか試合の流れを取り戻してくれました。

とはいえ、荻原さんの強引な突破は諸刃の剣。2対1みたいな数的不利でもガンガン仕掛けるので、彼のところで引っかかってカウンターを喰らうというシーンも何度かあり、これが彼を先発で使いにくい要因かなと思います。もう少し状況をみつつ、仕掛けるところ、周りを使うところの判断ができるようになると素晴らしいんですけども。実際、阿部ちゃんの2枚目のイエローカードのシーンは、荻原さんが数的不利な状況にも関わらず無理に仕掛けたところでボールロスト→中央へのフィードをポストプレーされて右サイドで途中交代の鈴木孝司選手にフリーで収められて一気にドリブルで縦に行かれそうになったところを引っかけてという流れでしたので、チームに勢いをもたらす反面、バランス的にはかなり崩れていたことがわかります。

感情的な面を抜きに冷静に今の状況を考えれば、この試合は順位でも上のチームに対して引き分けで終わっても全く問題ありません。重要なのは勝点を「1」でも積むこと。この次の2試合が残留を争うチームとの直接対決ということを考えれば、セレッソとの引き分けは全く問題ないわけです。同点にした時点でまずは勝点「1」を念頭に試合を落ち着かせ、あわよくばこれを勝点「3」にするチャンスを待つ、くらいの冷静さが欲しかったところですが、77分には長澤さん→杉本さんとして守備ができるインサイドハーフを1枚削って前への圧力を高めるなど、2点目を狙ってバランスを崩した結果、ディフェンシブハーフの1枚が退場するという最悪の結果になってしまいました(もちろん、阿部ちゃんのプレー自体が一番の問題なのは当然です。カードを1枚もらっている状態でするプレーとしては軽率でしたし、相手の緩急を付けた突破に対応できずに遅れて引っかけてしまったという部分でも色々残念なプレーでした)。

この退場を受けて83分、興梠さん→柴戸さんとしますがこれはもう仕方ないでしょう。前線を1枚削って足りなくなった守備の枚数を増やすというセオリー通りの交代です。ただ今節最悪だったのは、この交代の直後(84分)にあっさり失点してしまったこと。しかも交代で入った柴戸さんが不用意に松田選手に突っかけたところでワンツーから簡単に外されてバイタルエリアへの侵入を許し、そこでディフェンスが引っ張られたところを田中亜土夢選手にズドン...... という形でしたので(いや、まぁ田中選手のシュートはすごかったので蹴った方を褒めるべきかもしれませんけども)、1人少ない状況で前から行くのか、割り切って引いて守りきるのか、その辺の意識が選手間で共有されていたのかなというのは少し気になるところです。

リードを許した状況で残り試合時間はアディショナルタイムを含めて10分程度。しかしこちらは1枚少ない状況で前線に人数をかけると中盤に人が足りなくなります。結果として中盤を省略し、最終ラインから前線に放り込む、要するにパワープレーを選択しますが、ウチは特にパワープレーをオプションとして強みにしているチームでもなく、角度も付けずに縦に放り込むだけなので相手最終ラインにはじき返されては人がいない中盤でボールキープされるという流れでほぼ可能性を感じないまま時計だけが進み、結局1点リードされたままむなしく試合終了の笛を聞くことになりました。

うーん、とても残念。せめて勝点1でも積んでくれれば多少は気持ち的にも楽だったんですが、これで続く鳥栖戦、清水戦は勝利がマストになりました。16位、鳥栖との勝点差はたったの「4」(鳥栖さんは明日試合があるのでそれによっては勝点1差まで詰め寄られる可能性があります)。そろそろ笑っていられなくなる時期ではありますが、かといって今さらできることは少ない。次は週明け早々にACL、準々決勝の2ndレグ(vs上海上港)。そして天皇杯を挟んでリーグ戦というスケジュールとなっていますが、まずはタイトルがかかるACLと天皇杯をしっかり勝ち抜いて頂いて、続く鳥栖戦にいい流れを作ってもらいたいものです。

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試合データ

観客: 22,640人
天候: 晴
試合結果: 浦和 1-2 C大阪(前半0-0)
レッズ得点者: 興梠(60分)
警告・退場: 阿部(警告×2 退場/反スポーツ的行為×2/次節出場停止)、関根(警告×1/ラフプレー)、鈴木(警告×1/反スポーツ的行為)
主審: 西村 雄一 氏
順位: 暫定 12位(8勝11敗7分/勝点31/得失点差-12)

試合ハイライト

おまけ

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