2019 Jリーグ 第5節 埼玉スタジアム2002 FC東京戦
代表戦ウィークによる中断期間、約2週間を経て、久しぶりにホーム埼スタに戻って来たJリーグ第5節は、開幕から好調を維持し、負けなしで前節ついに首位に立ったFC東京を迎えて。
東京さんと言えば埼スタでは2003年に敗戦したのを最後にウチが負けなしのままはや16年、相手からすれば鬼門以外の何者でもない感じだと思いますが、過去の対戦成績にかかわらず今回もきっちり勝って再開後リーグ戦のスタートを気持ちよくきりたいところです。
さて、今日のスタメンは最終ラインに森脇、マウリシオ、槙野、ウガ。中盤は青木、エヴェルトン、柏木、長澤を配置。武藤、興梠の2トップという並び。GKは西川。
青木さんと武藤さんが待望の戦列復帰(あと武藤さん、J1リーグ通算200試合出場おめでとうございます)。直前の練習で4バックを試していたことから今節でのシステム変更が予想されていましたが、その予想通り 4-4-2 スタート。青木さんと柏木さんをインサイド、アウトサイドにエヴェルトンさん、長澤さんを配置するというスタートポジションでしたが、青木さんをアンカー気味に配置した上で、他の中盤3枚はかなり流動的にポジションを変更するやり方。
ビルドアップ時には青木さんが2センターバックの真ん中に落ちることでマウリシオさんと槙野さんが幅を取りつつ、主に森脇さんの右サイドを起点にボールを運びますが、2CBが開くことで高い位置に押し出した両SBと、2列目の3枚+2トップがポジションを変えつつ相手ディフェンスの間に顔を出すことで前節までに比べればかなりビルドアップでのスムーズさは出てきたという印象。
対するFC東京もシステム的には同じ 4-4-2 ですが、強さとうまさがあるディエゴ・オリヴェイラ選手と凶悪なスピードを誇る永井選手の2トップを2列目から大森、髙萩、両選手が支えつつ、サイドには東選手という布陣は、中盤で自由なスペースを与えると非常に厄介。ウチの守備的には中盤をコンパクトに、特に永井選手にスピードを活かして裏に抜けるような仕事をさせないこと、東選手にフリーでボールを持たせないことが重要でしたが、その点に関しては、攻守の切り替えも早く、ボールを失っても素早くスペースを埋めて相手に時間を与えず、FC東京のストロングポイントをうまく消しに行くやり方はできていたかと思います。
一方でウチの攻撃面がとてもよかったかというとそれもまだ発展途上で課題も多く、ビルドアップのスムーズさは多少出てきて、アタッキングサードまではボールを運べるものの、そこからどうやって相手にとって危険な場所、ペナルティエリア内に入っていくかという点ではまだまだ未確定な部分も多いというのは開幕からの課題でそこは大きく変化なし。相手ゴール前ではどうしても足元へのパスが多くなることから、特に試合時間が経過して相手ディフェンスがウチのリズムになれてからはフィニッシュまで持っていけない時間帯も多く、結果としてお互いにシュート数の少ない堅い試合展開となりました。
とはいえ、やっと戦力的に元に戻ったような状態で、システム変更もあり、まだ攻撃面は仕込み始めたばかりという状況。まずは守備面がある程度安定しているだけでも御の字でしょう。気になったのは橋岡さんが遠征帰りということもあって抜けて、西川さんからのフィードの的がいないことでゴールキックや一旦西川さんに戻してからのロングフィードがあまり有効に使えていなかった点くらいでしょうか。今節のような中盤で主導権争いしているような堅い試合の場合、GKからのフィード一発で収まるところがあると相手のラインも下げられるし少し楽になるんですが。
試合は両者決定機を作れないままスコアレスで後半へ折り返し。ウチのアクシデントとしては前半途中に膝を痛めたっぽい柏木さんが前半のみでマルティノスさんと交代したこと。一応試合後にピッチを歩いてたので、大きな怪我ではなさそうなのはひと安心でしたが、柏木さんが離脱してマルティノスさんが同じポジションに入ったことで試合展開的には多少オープンな展開に。そんな中、62分にFC東京が永井選手→久保建英選手と交代カードを切ると、久保選手のプレーで流れを持っていかれます。
75分、相手ゴール前、左サイドペナルティエリア角でマルティノスさんが少し強引目にシュートを打つもシュートブロックにあってボールが跳ね返りますが、このボールを久保選手に収められると、FC東京のカウンターが発動。
青木さんが久保選手に身体を当てに行きますが、これをうまくいなされて前を向かれると、ディエゴ・オリヴェイラ選手へのスルーパスは一旦失敗して跳ね返るも、ボールは再度久保選手へ。
これを追い越すようにスペースにスプリントした東選手に久保選手から絶妙なスルーパスを通されると東選手からのクロスをディエゴ・オリヴェイラ選手に頭であわせられて失点。一瞬、浮いたボールを頭で東選手に流そうとした久保選手でしたが、それだと東選手のスピードを止めてしまうと、瞬時の判断でグラウンダーのパスに切り替えたセンスに、観ていてマジかと思いましたけども、ウチもちょっとボールの失い方が悪かったのでもったいなかったなと。
とはいえウチも負けじと交代選手がしっかり結果を出します。82分、青木さん→杉本さん、ウガ→山中さんと2枚同時交代。武藤さんをワイドに出して杉本さんと興梠さんの2トップに。
山中さんはそのままウガのポジションで残り試合時間はアディショナルタイムを含め10分ちょっと。狙い的にはなるべく山中さんを使ってサイドからのクロスに興梠さん、杉本さんの決定力を活かしたいところでしたが、なかなか山中さんからクロスが入る回数も増えずにもどかしい展開。87分過ぎには、和製ロベカルと言われた山中さんの左足から放たれた超絶フリーキックがクロスバーを直撃するなど、惜しいシーンもありつつ試合はアディショナルタイムへ。
アディショナルタイムに入っても細かいミスからボールをロストしてFC東京ボールの時間が長く、フラストレーションも溜まる展開でしたが、90分+4分、ラストワンプレーというところで右サイド、スローインからのリスタートを中央でフリーになっていたエヴェルトンさんへ展開。ここから左サイドの山中さんへとボールが入ると、中央への折り返しはグラウンダーの丁寧なクロス。これを逆サイドから入ってきた森脇さんが中央であわせて土壇場での同点ゴール。FC東京の、鬼門突破の淡い夢を叩き潰しつつ、勝点1をもぎ取る値千金のゴールが決まった瞬間試合終了のホイッスル。1-1の引き分けとなりました。
山中さんのクロス、中央で興梠さんと杉本さんが縦に相手ディフェンスを引っ張ったところでできたスペースをしっかり狙った素晴らしいクロスでしたし、そこに入ってきた森脇さんも素晴らしかった。山中さん、インタビューで興梠さん、杉本さんの動きと相手ディフェンスの位置、中央のスペースとそこに入ってくる森脇さんまできっちり見えた上でのあのボールだったと語ってましたが、素晴らしい判断力。途中交代での出場自体は本人的に不本意とは思いますが、交代で入って2試合連続のアシストと結果も出しているのはさすがです。
さて、次は平日開催ですが、来週、金曜日のホーム、横浜F・マリノス戦。今シーズンのマリノスは、特にサイドからの崩しが素晴らしく機能して、非常に厄介なチームへと仕上がっていますので、また難しい試合にはなると思いますが、そこはホームできっちり叩き潰して、勝点を積み上げたいものです。
このレビュー記事について浦和レッズサポーター向けFacebookグループでメンバーの方々との意見交換などもしています。詳しくはこちらをご覧ください。
試合データ
観客: 39,055人
天候: 曇り
試合結果: 浦和 1-1 FC東京(前半0-0)
レッズ得点者: 森脇(90+4分)
警告・退場: -
主審: 木村 博之 氏
順位:8位(2勝1敗2分/勝点8/得失点差+-0)
試合ハイライト
この記事が気に入ったらサポートしてみませんか?
スタジアムでのビール代にさせて頂きます。