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天皇杯 JFA 第98回全日本サッカー選手権大会 準々決勝 vsサガン鳥栖

リーグ戦は週末にホームで鹿島と対戦して3得点の快勝。続くミッドウィーク、水曜日に開催されたのは、天皇杯の準々決勝。ラウンド16のヴェルディ東京戦に続き、今回も熊谷に出向いてJ1、サガン鳥栖との対戦。

今シーズン、リーグ戦では鳥栖と2回対戦して、1分(第14節)1敗(第21節)と勝っていない相手ということもあり、ここできっちり叩いて借りを返しつつ、ベスト4に進出したいところ。

天皇杯 JFA 第98回全日本サッカー選手権大会 準々決勝 vsサガン鳥栖

さて今日のスタメンは最終ラインに岩波、マウリシオ、槙野。中盤は青木、柏木、長澤を並べた3ボランチ。ウィングバック、右に森脇、左にウガ。武藤、興梠の2トップという並び。GKは西川。

スタメン的には先週末の鹿島戦と同じ。この試合が終わると、ルヴァンカップ決勝などの関係もあって今週末は我々は試合がないため、次の週末に開催されるホームでの第31節まで1週間半のお休みを挟みます。今年はタイトルの可能性を残すのがこの天皇杯だけということもあり、所謂ガチメンバーでのスタートとなりました。

ウチのやり方としてはここ数試合定番の 3-5-2、3ボランチ、2トップ。元々はファブリシオさんが残念ながら負傷離脱してしまったことをきっかけに採用したシステムですので、怪我の功名みたいな感じではありますが、このシステムによって中盤に陣取る青木さんと長澤さんのスペースカバー能力、対人の強さとボールを前に運ぶ能力がいかんなく発揮されていることに加え、元々インサイドハーフで攻守にわたってある意味過剰なタスクを課せられたことで、貢献度は文句なしに高いもののゴールからは少し遠ざかってしまっていた武藤さんが、少し役割を整理されつつゴールに近い位置で仕事ができるようになったことで覚醒するなど、プラスに働いた面が非常に大きく、今となってはウチの定番システムの様相を呈してきました。

また、U-19で不在の橋岡さんに代わってスタメンに名を連ねたのは鹿島戦同様に森脇さん。彼がワイドで担う役割は非常に大きく、橋岡さんもチームを離れている間に強力なポジション上のライバルがいい仕事をしているということでおちおちしてられないという、よい競争が生まれそうな空気。これも終盤戦に向けて頼もしい要素です。

で、試合に話を戻すと、対する鳥栖は トーレス選手、小野選手を2トップにおいた 4-4-2。守備時には最終ラインを 5枚にしてウチのワイドにあわせるようなやり方をしていましたが、鹿島戦同様、4-4-2 システムに対して 3-5-2 の利点をうまく活かしてペースを握ったのはウチの方でした。

鳥栖は立ち上がり、かなり前からボールに寄せてきていて、サイドハーフの1枚が2トップと連動してウチの3バックによるビルドアップに果敢にプレスを仕掛けてきました。しかしこれに関してはどちらかというとウチにとっては思うつぼで、ワイドの森脇さん、ウガが相手サイドハーフが空けたスペースで最終ラインからのパスコースを作ってボールを引き出すと、ハーフスペースに入ってくる柏木さんや長澤さんを経由して相手プレスに対する出口を作ります。

そこで前が向ければ裏に抜けた興梠さんや武藤さん、あるいは彼らがトップの位置から落ちてきたときに、相手センターバックが食いついてくればそのギャップを使って2列目から出ていくというような連動した崩しができていて、鹿島戦同様、ここでしっかり得点できればという流れ。

特に鹿島戦から中3日での試合ということもあって、球際などのプレー強度に関しては立ち上がりから少しゆるめの感じもあり、疲労から後半運動量が落ちそうなことを考えると、先手をとって主導権を握ってしまいたいなと。あまり 0-0 のまま長引くといかに押し込んでいてもセットプレーなどワンチャンスでやられる可能性はありますし、鹿島戦のような先行される流れになると引いた鳥栖を崩すのは結構難しいですからね。

と、そんな心配をよそに16分、ウガが見事なミドルシュートを左サイドから叩き込んで試合を動かします。右サイドでのビルドアップから中央を経由してフリーの左サイドでパスを受けたウガ、思い切ってカットインからシュートを放つと、このボールはシュートブロックに入った鳥栖の選手(吉田選手ですかね?)に軽くあたる形でゴールへ。このワンタッチで少し軌道が変わったことで、相手ゴールキーパーの指先をかすめつつ、ゴール右隅に吸い込まれるナイスゴールとなりました。

鳥栖は立ち上がりから行ってきた前線のハイプレスをウチにうまく外されると最終ラインと前線との間に人がいない状態。バイタルエリアをウチがある程度好き放題使えたことで前半に関してはほぼウチのペースで試合が進みます。特に鹿島戦でも顕著でしたが、岩波さん、森脇さんのサイドからの攻撃は凄まじく、岩波さんがビルドアップにおける持ち出し、長短パスの精度、タイミングのよいオーバーラップという強みを発揮することで攻撃面をリードしていきます(一方で岩波さん、森脇さんが上がった際の裏のスペースはウチにとっては弱点といいますか、相手にすれば狙い所。鳥栖もボールを奪うとここのスペースは狙ってきたため、マウリシオさんが裏に抜けそうなボールを猛然と追いかけてカバーっていう場面が何度かありました。この辺のバランスをどうするかはひとつの課題ではあると思います)。

そんな流れの中の31分、右サイドの攻撃参加にバランスをとる形でここのところめっきり攻撃への参加が減り、黙々と守備をこなしていた感のある槙野さんがうまくコースを突いたミドルシュートでゴール。槙野さんがセットプレー以外、あと頭以外でゴール決めるのって久々な気がする......

中央、バイタルエリアでボールを受けた柏木さん、ここから興梠さんに裏に抜ける絶妙なスルーパスが通ります。ゴール右隅の深いところでボールを受けた興梠さんがシュートフェイントから相手ディフェンスを外すもゴールとの角度と距離が苦しくなってしまったことでシュートを一旦諦めてペナルティエリア内をドリブル。

パスコースを探しているところにフォローしてきた槙野さんへ興梠さんが優しいパスで戻すと、これを槙野さんがダイレクトでゴール右上の角に流し込む技ありのミドルシュート。いい流れから前半のうちに2得点できたことで、試合的にはかなり楽な流れに。

ハーフタイムに鳥栖は2枚替え。特に高橋秀人選手を投入することで中盤の守備を整備し、小野選手のポジションを下げることで前半ウチに使われまくっていた中盤、バイタルエリアを埋めにくる策をとりますが、これでバランス的には修正されてしまい、鳥栖の選手達の中盤での距離感が改善されたことで流れを押し返されます。ただ、ラッキーなことに57分、鳥栖のキム・ミンヒョク選手がこの日2枚目のイエローカード(異議)をもらって退場に。流れ的には鳥栖が持って行きそうな後半でしたが、これで人が減った鳥栖のバランスが再度崩れたことでここからは比較的安心して観ていられる展開になりました。

相手が1人減って、少し余裕が出たところで試合的に緊張感は減りますが、オリヴェイラさんは73分に柏木さん→柴戸さんとして中盤を締めに行く策。終盤には81分、森脇さん→ナバウトさん、さらに88分にはウガ→マルティノスさんとしますが、ウガの場所にそのままマルティノスさんを入れるっていうのには少し驚きました。

あそこのポジションは攻守にわたって運動量が求められるポジションですし、本来なら1列前の選手であるマルティノスさんをあえてあそこで使ったのはもちろん鳥栖が1枚減っていてリスクが低かったというのもあると思いますが、オリヴェイラさん的にマルティノスさんに新たな可能性を広げさせるための起用だったのかもしれません(要するにもっと走れってことになるとは思いますが)。

さて、試合はこのまま 2-0 で終了。無事ベスト4へ駒を進めることができました。ベスト4の相手は鹿島 or 甲府なんですが、鹿島がACLの関係でこの試合が行われるのが11月21日なので、それまでは対戦相手未定です。まぁどっちが上がってきてもしっかり勝って決勝に駒を進めたいですね。

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試合データ

観客: 7,867人
天候: 晴
試合結果: 浦和 2-0 鳥栖(前半2-0)
レッズ得点者: ウガ(16分)、槙野(31分)
警告・退場: -
主審: 村上 伸次 氏

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