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2018 Jリーグ 第28節 埼玉スタジアム2002 柏レイソル戦

前節はホームで神戸を相手に4得点の快勝。ACL圏内を目標に、上に食いついていくためにもホーム連勝で勝点3を積み上げたい今節は柏レイソルを迎えて。

柏は現在残留争い真っ只中。とはいえ前線には多くのタレントをそろえ、直近の対戦成績でも3連敗中(2017年第14節(アウェー)2017年第25節(ホーム)2018年第10節(アウェー))とここのところあまり相性のよくない相手。残留争い中のチームに噛みつかれて痛い思いをしがちなウチの傾向からしても楽観できない相手です。

2018 Jリーグ 第28節 埼玉スタジアム2002 柏レイソル戦

さて今日のスタメンは最終ラインに岩波、マウリシオ、槙野。中盤はアンカー気味に青木を配置しつつ柏木、長澤を並べた3ボランチ。ウィングバック、右に橋岡、左にウガ。武藤、興梠の2トップという並び。GKは西川。

あと肩の怪我で離脱していたナバウトさんが驚異的な回復力で予想よりもかなり早く戦線復帰。ベンチ入りしています。

システム的には前節同様、3-5-2 を採用をしてきた形ですが、ファブリシオさんが怪我で離脱してしまって、やり方を変えないアプローチで代わりにマリノス戦で使ってみたマルティノスさんもハマらず...... それならということで、ファブリシオさんのようにシャドー1枚に攻撃側にステータスを振った選手を置いて点獲っちゃうってやり方から、中盤を3ボランチにしつつ、興梠さんと武藤さんを2トップで前線に並べるっていうトータルバランスを重視したやり方にしてみたらうまくいったので、これを継続という感じですね。

対する柏は 4-4-2。前線に新加入のオルンガ選手、それにスピードのある瀬川選手を並べ、ワイドにクリスティアーノ選手と江坂選手。中盤に元新潟の小泉選手、大谷選手を配置する形ですが、メンツだけみればなんでこれで残留争いしてんの? と不思議になるラインナップです。

前節の神戸戦は、神戸がバランスを崩してまでボールサイドに人数をかけるため、バイタルエリアにスペースを空けてくれるケースが多く、そこを活用して4得点と、ある意味好き放題やらせてもらいましたが、さすがに今節の柏は中央をそれ程ルーズにしてくれないので、立ち上がりからボールは保持するもののなかなかバイタルエリアのいい位置にフリーで侵入できない時間帯が続きます。

特に大谷選手、小泉選手のボランチの前ではなかなか前を向かせてもらえず、柏の狙いは両サイドのスピードと中央の強さを使ったカウンターなので、ヘタに突っ込んでいって引っかかると強烈なカウンターが飛んでくる緊張感のある試合展開。新加入のオルンガ選手、初めてまともにプレーを拝見したけど、めちゃ身体強いし、槙野さん辺りがはじき飛ばされるの久々に観たかもっていう脅威のフィジカル。こういう選手が前にいるとちょっと嫌ですね。

で、ウチの狙いどころとしてはボランチ2人の裏、最終ラインとボランチの間でうまく前を向ければそこから裏抜けでチャンスという感じ。あとは柏が4バックということもあって、サイドで起点を作りつつ、サイドチェンジで揺さぶってやれば中央でマークもズレるでしょというところ。前者に関しては何度か3ボランチのところから長澤さんや青木さんがそこに抜け出しつつ、ペナルティエリア内に侵入するなどチャンスは作りますが最後のところで決めきれずというのが立ち上がりの展開となりました。

柏はボール保持してもあまり連動性というものはなく、足元、足元にみんながボールを欲しがって各駅停車。手詰まりになると雑に裏に放り込んでくるものの、積極的にウチのディフェンスラインと駆け引きして裏に抜けてくるような動き出しは少なく、持たせている分にはそれ程怖くない感じ。ただ前述したとおり、カウンターは鋭く、とにかくリスクマネジメントしてカウンターだけは喰らわないようにしつつこちらがゲームをコントロールできれば...... と思っていた矢先に見事にカウンター喰らって失点。

35分、中盤で引っかかったところからオルンガ選手にボール奪取されると柏のカウンターが発動。オルンガ選手→江坂選手→瀬川選手→江坂選手の(多分)シュート→オルンガ選手にコース変えられフィニッシュされますが、江坂選手→瀬川選手のダイレクト縦パスの殺傷能力が高すぎてこれ一発で数的優位を作られてしまったのが敗因。一番気をつけないといけないやられ方でやられるっていう形でしたが、とりあえず気を取り直して1点を追いかけます。

ところが今節の素晴らしかった点はすぐに試合を振り出しに戻しただけでなく、前半のうちに逆転して折り返せたこと。たった3分間の間に長澤さん、興梠さんが素晴らしい仕事をやってのけます。

まずは38分、右サイドでボール奪取したところから橋岡さんが興梠さんに預けます。これを興梠さんがサイドを縦に抜けた武藤さんに付けると、武藤さんが中央を併走した長澤さんに速い横パス。柏ディフェンス2人に囲まれた状態の長澤さんへのパスだったのでちょっと無茶には見えましたが、柏ディフェンスが先に触ったボールが運良く走っている長澤さんの前に。これを冷静に胸でトラップするとこのワンタッチでディフェンス包囲網を一気に突破。GKとの1対1に持ち込むと出てきたGKの脇を冷静に射貫くシュートで同点。長澤さんは2試合連続ゴール。

余談ですが3ボランチにして長澤さんが積極的に2列目から前を向いて出て行けるようになったことで、彼の持ち味が活きるようになりましたね。身体の強さは彼の特長ですが、ダブルボランチで守備に時間を割いている状況だとプレーエリアも低い位置になりがちで本来の特性がでにくかったのですが、今はアンカーの青木さんに後ろを守られる形で前でプレーできているので、柏木さんとコンビでよりゴールに近い位置での仕事ができています。

さて、さらにその3分後の41分、柏最終ラインのビルドアップにプレスをかけた興梠さんが相手のフィードを足に当ててコースを変えると、これを武藤さんが奪取。すぐさま裏に抜けた興梠さんにスルーパス。興梠さんはパスを受ける前の一瞬で相手GKの位置を確認すると、ペナルティエリアの外からでしたが、その頭の上を越えるおっしゃれ~なループシュートを冷静にゴールに流し込んでこれで逆転に成功。興梠さんのシュートのうまさ、冷静な判断力には改めてシビれました。

1点リードしたまま試合は後半に折り返し。あとはリードした時間を長く保ちつつ、前掛かりになった柏から追加点奪うか、そのまま試合が終盤に進むなら阿部ちゃんや柴戸さん入れて試合を締めてやればと思っていた60分、何ともフワッとした失点をしてしまいます。

ウチの右サイドからかなり早いタイミングでクリスティアーノ選手から雑なロングボールがゴール前に放り込まれますが、まさかこのタイミングでクロスが入ってくるとは思わなかったのか、マウリシオさんが瀬川選手のマークを完全に外してしまうと、瀬川選手に倒れ込みながらも頭でスラされたボールは西川さんの指先をすり抜けてゴールに吸い込まれてしまいます。スローインでのリスタートからでしたし、ウチがリスタートでちょっと集中が切れた感じのところで安い失点するってのは結構よく観る光景ではありますけども、かなりもったいない失点だったなというのが正直なところ。

同点にされて1点を奪いに行かなければならなくなった状況で73分、橋岡さん→忠成さんとして、忠成さんをシャドーに入れると武藤さんを右のワイドに出します。さらに79分、長澤さん→阿部ちゃんとして中央の守備を補強。阿部ちゃんと青木さんをダブルボランチにしつつ柏木さんを1列前でプレーさせます。

雨も激しくなる中、中盤にスペースができはじめて試合は打ち合いの様相に。興梠さんが絶妙なボレーをクロスバーに当てたり、決まってたらベストゴール確定っていうオーバーヘッドを失敗したり(落ちた時に首を痛めたみたいですが大丈夫だったんでしょうか......)、青木さんのシーズン3ゴール目か、と思わせるようなミドルがポストのわずか外側を通過していったりと惜しいシーンを作りますが決めきるには至らず。最前線で頑張り続けた興梠さんも簡単なボールロストをしたり、ちょっとお疲れ気味に見えてヤバイかなと思い始めた81分、その興梠さんがエースの名に恥じない仕事をしてくれます。

青木さんから左サイドのウガに渡ったボールをウガがダイレクトでクロス。このボールはファーに流れますが、このボールをペナルティエリア内で回収した武藤さんが相手ディフェンスのプレスをうまく外すと中央に折り返し。これに中央で待っていた興梠さん、武藤さんがクロスを上げる瞬間に、一旦ファーに引く動きでマークについていた柏CB、鈴木選手の視界から消えつつ、クロスが上がった瞬間に鈴木選手の前に入ってドフリーでボレーを叩き込むという全FWが参考にしたい芸術的な動き出しでこの日2ゴール目。これが決勝点となってホーム連勝、アウェーマリノス戦から続く連勝も「3」に伸ばすことができました。

85分には興梠さん→柴戸さんとして中盤の枚数を増やすと、接触プレーで倒れた西川さんの治療時間などの関係もあって5分と長かったアディショナルタイムをきっちり守り切って勝利。締めの柴戸さんが定番になり、しかもその期待に彼がきちんと応えてくれているのはよいことです。

ということで、続く第30節はアウェーで仙台と。今節は台風の影響で中止になった試合もあったため、暫定ではありますが、順位を6位まで上げ、3位の鹿島とは勝点「4」差。ACL圏内が現実的に見えてきたところで勝点では並んでいる仙台との対戦はアウェーとはいえ負けられない試合になります。30節が終わると代表戦で少し間を挟んで(現時点では我々が狙う3位につけている)鹿島との直接対決と続きます。そこに向けて勢いを付けつつ、上にプレッシャーをかけるためにも、きっちり勝って戻ってきたいものです。

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試合データ

観客: 26,431人
天候: 雨
試合結果: 浦和 3-2 柏(前半2-1)
レッズ得点者: 長澤(38分)、興梠(41分)、興梠(81分)
警告・退場: -
主審: 松尾 一 氏
順位(暫定):6位(11勝9敗8分/勝点41/得失点差+11)

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