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2018 Jリーグ 第26節 日産スタジアム アウェー 横浜F・マリノス戦

前節、ホームでのセレッソ戦後、代表戦ウィークにより2週間の中断を挟んだ今節、第26節はアウェーでのマリノス戦。マリノスは第25節終了時点で14位と、順位的には低迷。ハマったときとハマらなかった時の落差が大きい試合が続いていて、残留争いに巻き込まれないためにもホームで勝点3が必須の試合。

一方のウチとしても前節、前々節と連敗していて今シーズン、ひとつでも上を目指すにおいては、アウェーとはいえ勝点3を持ち帰ることが同じく必須となる試合。勝点差も今節開始時点で「3」しかなく、下位とはいえお互いに負けられない事情がぶつかり合う注目の対戦となりました。

2018 Jリーグ 第26節 日産スタジアム アウェー 横浜F・マリノス戦

さて今日のスタメンは最終ラインに岩波、マウリシオ、槙野。ダブルボランチに青木、長澤。ウィングバック、右に橋岡、左にウガ。2シャドーに武藤、マルティノスを置いた上で、1トップに興梠という並び。GKは西川。

前節の負傷でファブリシオさんが残念ながら全治7カ月の診断(左ひざ前十字靭帯損傷)、今シーズンは治療に専念することになってしまったので、ウチの外国人枠としてはズラタンさん、ナバウトさんに続いての負傷離脱。ここまで興梠さんの次を支える得点源として活躍していたファブリシオさんの離脱は痛ぇなんてもんではないですが、負傷してしまったものは仕方ないので現有戦力で戦うしかありません。

今節は前節のファブリシオさん負傷退場後と同様に忠成さんのシャドーでの起用も選択肢にはあったと思いますが、前日練習での布陣からの予想通り、マルティノスさんが左のシャドーに入っての先発となりました。

マルティノスさんにとっては古巣相手の試合ですし、レギュラー争いのためにもその奮起に期待がかかるスタメン抜擢となりました。役割的にはファブリシオさんと同ポジションでのスタメンということでゴール獲ってこいというのは明確ですね。その他、柏木さんがコンディション不良で帯同せず、長澤さんが代わりを務めます。

対するマリノスは 4-1-2-3 のフォーメーション。最前線の3枚は、伊藤翔選手を中央に、右に仲川輝人選手、左に遠藤渓太選手というアジリティとスピードのある選手を配置するのはこのフォーメーションのセオリー。アンカーに扇原選手を配置しつつ、両サイドバックのイッペイ・シノヅカ選手、山中亮輔選手がビルドアップ時にインサイドハーフに絞る、所謂、偽SB(バイエルン・ミュンヘンでいうところの「アラバロール」)が特徴。この辺は前回ホームでの対戦時にも体験済みですが、この時は堀さん体制で、フォーメーションを 4-4-2 にして対応したものの残念ながら負けています。

対マリノスの狙い所としてはアンカーの扇原選手はそれ程ボール奪取能力に長けた選手ではないので、ここの左右でうまく起点を作ってやれば中央にポイントを作れるという点と、4バックで中央を絞るため、サイドチェンジでうまく揺さぶってやればサイドにはある程度スペースが作れるという点。この辺、ウチは最終ラインに対角線上のよいフィードを蹴れる選手がいるので(岩波さん、マウリシオさん)うまく活かしたい。

あとはマリノスが仕掛けてくる前線、中盤からのハイプレスをどう外して高いディフェンスラインの裏を狙うか、この辺も注目となりました。逆にいえばある程度ポゼッションされるのは仕方ないという割り切りも必要ですし、相手がファイナルサードに入ってからの守備のインテンシティは高く保ちたいところ。

試合は前半立ち上がりから両チームがバチバチにやり合う強度の高い試合に。特に両サイドでの駆け引きはかなり見どころが多く、ウガと仲川選手、逆サイドでは橋岡さんと遠藤選手が激しいマッチアップを繰り広げます。マリノスはサイドアタッカーのポジショニングに連動して2列目から大津選手や天野選手がワイドに出たりハーフスペースに入ってきたり、ワイドにウチのサイドが引っ張られたところでインサイドに絞ったSBからハーフスペースを縦に裏を狙うパスを通してきたりと、気を抜くと一発でやられる感じ。

それに対してウチは無理せずゾーンを形成して迎撃するスタイル。武藤さん、長澤さん、青木さんが中央スペースで身体張ってスペースカバーと攻撃時の起点を作りつつ、奪い取ったら左右に大きい展開で両サイドを活かす展開に。さらにマルティノスさん、興梠さんが積極的に相手ディフェンスラインの裏を狙いつつ虎視眈々とゴールを目指します。

基本的には前述したとおり、割り切ってマリノスに多少主導権を与えても最後のところでやらせずしのぎ、ボール奪取位置によっては早いカウンターと、カウンターがハマらないなら左右に振ってサイドからの崩しを狙っていきます。中断期間でリフレッシュできたこともあってか、守備のインテンシティも非常に高く、緊張感のある試合となりました。

そんな中先制したのはウチ。前半終了間際の43分、ペナルティエリア手前、左側からのフリーキックにキッカーは武藤さん。ゴール前に入れたボールは一旦はマリノスディフェンスにはじき返されますが、このボールをバイタルエリアで拾ったウガが右足を一閃。相手GK前でバウンドしつつゴール右隅に流し込む絶妙なミドルを突き刺してくれました。いい時間帯に先制して試合は後半へ折り返し。

後半立ち上がりからマルティノスさんに代えて荻原さんを投入。マルティノスさんは残念ながら前半のみでの交代となり、十分にアピールできたとはいいがたいと思います。何度か裏に抜けて得意な形でボール保持するシーンもありましたが、ドリブルして引っかかったり、ファーストタッチをミスって決定機にできないなど、もったいないプレーが多かったです。こういう所でしっかり結果が出せれば次につながるんでしょうけども......

さて、後半はマリノスが1点を奪いに前半にも増して前掛かりになってきたことで一時押し込まれる展開になりますが、マリノスの中盤でのプレス強度が少し弱まったところで最初に書いた扇原選手の周辺エリアでウチが起点を作れる時間帯が増え、縦に突破力のある荻原さんが前線で思い切った仕掛けを繰り返すことでウチが押し返します。

マリノスは65分、ウーゴ・ヴィエイラ選手を投入して前線を2トップ気味にするとこれと同時にウチも66分に橋岡さん→ヒラさんとして右サイドをリフレッシュします。しかしこの右サイドから直後に失点。

69分、右サイドを裏に抜けた遠藤選手にスルーパス。これをヒラさんが裏をとられてしまったことで対応が後手に回ると、サポートしてきた槙野さんとの2枚で遠藤選手には対応しますが、ここで両者の守備が少しはっきりしなかったことで2人の間を抜かれてペナルティエリア中央に横パスを通されてしまいます。

これを受けたウーゴ・ヴィエイラ選手が溜めて溜めてのフェイントにマウリシオさんが付いていけずにコケさせられた隙間をうまく流し込まれて失点。試合を振り出しに戻されてしまいました。

サポ的にも、先制して追いつかれる展開に嫌な空気がよぎる流れですが、実際に選手もそういう空気になったのか、ここから立て続けにマリノスに押し込まれ、これをマウリシオさんのがんばりや西川さんが神セーブでしのぐ展開に。

そんな嫌な流れをたたき切ってくれたのが長いこと得点から遠ざかっていた武藤さん。79分、武藤さんの絶妙なタイミングでの裏への飛び出しに青木さんからのこれまた絶妙な縦へのフィード。この一連のプレー一発で裏をとった武藤さんがあとは相手GK、飯倉選手の位置をよく見て丁寧にゴールに流し込むと、これが決勝点。

武藤さんは今シーズン、リーグ戦ではやっと2得点目ですかね。攻守にわたって貢献度が高く、替えの効かない選手であることに間違いはないものの、やはり背番号「9」を背負う身としては得点が欲しかったでしょうし、サポも彼の得点を見たかったわけですが、1点が欲しい状況で見事にそのFWとしての仕事をしてくれましたね。

その後は押し込まれながらも終盤に阿部ちゃんをボランチに投入するなどして何とかしのぎきっての試合終了。

ということで、苦しみながらも勝点3を奪って4位までの勝ち点差も「6」の位置を死守。続く試合はホームでの神戸戦。イニエスタさんに注目が集まり、チケット完売で満員が予想される試合になりますが、きっちり連勝して上を目指しましょう。

2018 Jリーグ 第26節 日産スタジアム アウェー 横浜F・マリノス戦

今日は指定席からの観戦でした。改めてですが、日産スタジアムの1階席はちょっと試合が見にくい......

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試合データ

観客: 41,686人
天候: 晴
試合結果: 横浜FM 1-2 浦和(前半0-1)
レッズ得点者: ウガ(43分)、武藤(79分)
警告・退場: 青木(警告×1/ラフプレー)、マウリシオ(警告×1/遅延行為)
主審: 飯田 淳平 氏
順位(暫定):9位(9勝9敗8分/勝点35/得失点差+6)

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Yoshiki Kato / burnworks
Yoshiki Kato
埼玉県出身。サッカー、フットサル (観戦 / プレー)、モータースポーツ観戦、格闘技 (主にボクシング) 観戦、インターネット、音楽鑑賞、筋トレ、腕時計収集が趣味。サッカー 4 級審判員、ウオッチコーディネーター(上級 CWC)資格認定者。好物はゼリー、グミ、お酒、ラーメン。