2018 Jリーグ 第9節 埼玉スタジアム2002 コンサドーレ札幌戦
リーグ戦、前節はホームで清水に勝利、リーグ戦では3連勝という好調をキープ、続くルヴァンカップでも人を入れ替えつつ、武富さんがPKで奪った1点をしぶとく守り切りガンバに勝利と、大槻監督が暫定監督として就任後、負けなしの4勝1分け、公式戦4連勝という状況で木曜日(19日)に入ってきたのが元鹿島監督でもあるオリヴェイラ監督就任の知らせ。
新監督が25日の第10節、柏戦から正式に指揮を執るとのことで、大槻さんの暫定監督としての仕事はこの札幌戦で一旦終了ということになります。大槻監督勇退前の最後の対戦相手がミシャさん率いるコンサドーレ札幌というのもなかなか粋な取り合わせですが、ここはホームできっちり札幌を倒して、大槻さんを無敗のまま送り出したいところ。
さて、今日のスタメンは最終ラインに岩波、阿部、槙野。ボランチに遠藤、長澤。ウィングバック、右に橋岡、左にウガ。トップ下に柏木を置いた上で、2トップに興梠、武藤という組み合わせ。GKは西川。
ルヴァンカップ、ガンバ戦では両ワイドにスピードと前への推進力があるマルティノスさん、ナバウトさんを置きつつ、サイド攻撃を効果的に発動するためと思われる 4-4-2 を採用していましたが、今節はいつも通りの 3-5-2(3-4-1-2)にシステムを戻してのスタートとなりました。
また、スタメンをみて、いつも通り、遠藤さんが右のストッパー、阿部ちゃんがボランチだと思っていたのですが、今日は遠藤さんをボランチにして長澤さんと組ませ、阿部ちゃんをリベロの位置へ。右のストッパーには岩波さんを出す形でのスタートとなりました。この辺は同じ3バックのシステムでマッチアップする札幌との関係上、特に中央に入ってくる楔を遠藤さんの出足でインターセプトして攻撃につなげたいという意図かもしれません。
遠藤さんはビルドアップ時に最終ラインまで落ちたりする一方で、長澤さんは遠藤さんと縦関係を作って柏木さんとの距離感を保つといったやり方をしていて、そこに武藤さんがトップから下りてきて絡むことで相手ボランチのスペースで数的有利を作れるので、これは効果的だったかなと。当然、長澤さんが前に出て行くと遠藤さんのところで人が足りなくなりますが、ここにはウィングバックが中に絞り目にポジショニングすることでカバーというやり方が見てとれました。
対する札幌は、もうウチも慣れ親しんだミシャさんの 3-4-2-1 で、都倉選手をワントップに、三好選手、チャナティップ選手を2シャドーに置いた形。本来なら右のワイドに駒井さんが入ってくるわけですが、期限付き移籍中の彼は契約の関係でウチとの試合には出場できないため、荒野選手が入る形。
前線の並びが少し異なるものの、システム的にはほぼ同じ形でマッチアップするため、各局面で激しいボールの奪い合いが発生し、なかなか見応えのある試合になりました。
札幌もミシャさん就任からまだそれ程時間が経っていない、しかも連戦でなかなかまとまったトレーニングの時間がとれない中でもチーム戦術がある程度浸透しているようで、中盤の底からの楔、都倉選手のポストプレーに対してシャドーが連動してくるポジショニングやワンタッチでのコンビネーションなど、ミシャさんのやり方の特徴がよく発揮されていたのはさすがだなと。選手個々のクオリティの問題で、例えばサイドで1対1の局面を作りながらクロスを上げきれないとか、そういう課題はかなりあったように思いますから、そこはもったいない気がしますけども。
それに対してウチは守備時 5-4-1 で中盤のスペースを消すやり方を選択。過去の試合では守備時には 5-2-3 でラインを作るのが通常でしたが、ボランチと最終ラインの間のスペースに入ってくる楔をケアしたかたのではないかなと。5-2-3 にすれば相手の3枚回しに対して数的同数が作れますが、前からプレスでハメに行くと思うつぼになりがちなミシャさんのやり方に対して前線からのプレスはあまり良い策ではないので、そこには興梠さんを1枚だけ置いて中央のケアの方を優先させたのでしょう。
札幌は 5-2-3 でブロックを作るやり方をしていましたが、前述した長澤さん含めた前のポジショニングが功を奏して比較的ボランチ脇のスペースをウチが使える展開が続き、前半に関しては押し込んだ状況は作れたんですが、何度かあった決定機(コーナーキックから遠藤さんのシュートは運悪くGK正面、興梠さんの絶妙な裏抜けも僅差でオフサイド......)で決めきれず、札幌もペナルティエリア内に人数置いて、とにかくフリーではやらせないという守備が強固で一進一退の攻防。
比較的ウチが中央からの崩しにこだわった点も、相手ディフェンスを中央集結させてスペースを消してしまう要因になったような気もしますが、中でしっかりブロック作られて外からのクロスではなかなか決定機を作りにくい状況でしたので、ある程度は仕方なかったかなというところ。
試合はスコアレスのまま後半へ。札幌はハーフタイムにボランチの深井選手を早坂選手と交代させます。また、前半から比較的ウチが使えていた相手ボランチ横のスペースに関しては、62分に三好選手→兵藤選手として、その直後からチャナティップ選手を前に残したまま、2トップ気味にして、守備時のブロックを 5-3-2 に変更してからは、札幌がそこで潰して前に出てくる時間帯が増え、後半は札幌が押し返してきます。
ウチもさすがに運動量が少し落ちたところで徐々に興梠さんが孤立気味になってなかなか前で起点が作れない時間帯が続きますが81分には長澤さん→青木さんとして、中盤での守備を整備。86分にウガ→武富さんとして武藤さんをワイドに出すと、前線での武富さんの働きに期待しますがちょっと時間が足りなかったかボールにはほぼ絡めず。90分に興梠さん→忠成さんとしますが、結局堅い札幌の守りをこじ開けるには至らず、スコアレスのまま試合終了。両者勝点1を分け合う結果となりました。
ホームですし、勝ちたかった試合ではありますが、とにかく大槻さん体制では負けなしの3勝1分(ルヴァンカップを含めると4勝2分)という文句の付けようがない結果で新体制に引き継いでくれました。オリヴェイラ監督のもとでどういう浦和が作られていくのか、まだ未知数な部分も多いと思いますが、柏戦がその最初の一歩となるので、期待しつつ次に備えようと思います。
今日のMDPは大槻さんで売れ行きよさげ。そして監督コメントも相変わらずアチい pic.twitter.com/bw5rMxjETg
— Yoshiki Kato (@burnworks) 2018年4月21日
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試合データ
観客: 39,091人
天候: 晴
試合結果: 浦和 0-0 札幌(前半0-0)
レッズ得点者: -
警告・退場: -
主審: 井上 知大 氏
順位:9位(3勝3敗3分/勝点12/得失点差+-0)
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