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2018 Jリーグ 第8節 埼玉スタジアム2002 清水エスパルス戦

前節はアウェーで神戸を相手に、先制するも一度は逆転を許す苦しい状況から同点→後半アディショナルタイムにマウリシオさんが頭で叩き込んだゴールで劇的な逆転勝利。今季初どころか、昨年、8月以降(21節甲府戦→24節清水戦までの3連勝以来)の長いことできていなかった連勝でチームの勢いも少し戻ってきた感じ。

そんな状況でホームに戻って迎える今節は、清水エスパルスとの対戦。前節から中3日、さらに翌週はルヴァンカップとはいえ、中2日で試合、週末にまた中2日でリーグ戦と連戦で厳しい状況ではありますが、ホームできっちり勝って景気よく3連勝と行きたいところ。

2018 Jリーグ 第8節 埼玉スタジアム2002 清水エスパルス戦

さて、今日のスタメンは最終ラインに遠藤、マウリシオ、槙野。ボランチに阿部、長澤。ウィングバック、右に橋岡、左に菊池。トップ下に柏木を置いた上で、2トップに興梠、武藤という組み合わせ。GKは西川。

前節は帯同もせずしっかりお休みした槙野さんがスタメンに戻って左のストッパーに。前節、Jリーグデビューを飾った橋岡さんが引き続き右のウィングバックで先発してホーム埼スタデビュー戦。ボランチには阿部ちゃんを投入して長澤さんとコンビという組み合わせで、システム的には継続して 3-5-2 を採用しています。

対する清水は、クリスラン選手、北川選手を2トップに置いた 4-4-2。金子選手、石毛選手というスピードとテクニックのあるサイドのアタッカーを主軸に、中で強さのあるFWがフィニッシュに絡むというサイド攻撃主体のチーム。相手はオーソドックスな4バックの守備ということで、中央で起点を作ってサイド、あるいはサイドに引っ張りつつCBとSBのギャップをうまく使うなど、相手のウィークポイントをうまく突いていきたいところ。

前半は完全にウチのペース。特に槙野さんからの対角線上、橋岡さんへのロングフィードや、興梠さんが左サイドに流れつつ菊池さん、柏木さんあたりとうまく連携してのサイド攻撃、さらに中央では阿部ちゃんや長澤さんが最終ラインから縦のパスを引き出すと、そこから中央での細かいパス交換で相手を中に絞らせてからのサイド展開といった効果的な攻撃が出せていましたし、守備面でもしっかり中盤で前向きに潰しに行くことができたことでセカンドボールも拾えてそこからの2次攻撃と、清水にほぼやりたいことをさせない試合展開に持って行くことができました。

特に清水の最終ラインが、縦にポジションを動かしたり、サイドに流れる興梠さん、武藤さんを捕まえきれずにフリーにしてくれたのが大きかったですが、その辺はウチの2トップのうまさ、大槻さんのスカウティングのたまものかなと。

そのいい流れの中から23分に先制点。中盤で阿部ちゃんと長澤さんの短いパス交換から長澤さんが前方の柏木さんに縦パスを付けます。これを受けた柏木さんが素晴らしいターンで前を向くと、素早く左サイドを駆け上がった菊池さんに展開。これを菊池さんがダイレクトでピンポイントの高速クロスを上げると、ゴール前、相手ディフェンスの後ろから勢いを持って入ってきた興梠さんがドンピシャのヘディングシュート。このシュートがゴールに突き刺さっての先制点。いい時間帯に先制できました。

さらに、その6分後となる29分には、今度は逆サイドから、橋岡さんが上げたクロスをまたも興梠さんが頭で叩き込んで追加点。左右のウィングバックの素晴らしいアシストと、興梠さんの決定力が合わさって、2点リードの状況へ。

2点目については決めた興梠さんはもちろん素晴らしかったのですが、クロス上げる前の橋岡さんの抜け出しが秀逸でした。最終ラインでのビルドアップでボールが左サイドの遠藤さんに渡りますが、そこに対して少し戻りながら同サイドの橋岡さんがパスを受けに行きます。遠藤さんがそこにパスを付けますが、橋岡さんにボールが入った瞬間、中へのパスコースを切りにいった相手SB、松原選手の動きを見るや、即座に縦方向にターンして抜け出すという、素晴らしい判断。

一瞬逆足に体重が乗った松原選手の対応が遅れたことで、橋岡さんは一気に相手ゴール前までドリブルで持ち出しますが、インサイドに切り込みつつドリブルしたことで後追いしてきた松原選手はボールにアプローチすることができず、橋岡さんはスムーズにクロスを上げることができました。この辺のドリブルのコース取りも非常にインテリジェンスを感じさせるものがあり、しかも非常に落ち着いてそういう判断ができるあたり、素晴らしい才能だなと思いました。

ということで、両ウィングバックにそれぞれアシストが付くという素晴らしい展開で前半を2点リードのまま後半へ折り返し。

後半の戦い方が現在最大の課題

さて、後半は立ち上がりからある程度ウチが試合をコントロールする形でスタートしますが、清水もさすがに前からの圧力を高めてきます。後半立ち上がりから守備時、4-4-2 にしていた布陣を、前線を3枚にした 4-3-3 のような形にしてウチのボランチのところへの圧力を強めてきます。

ちょっと誤算だったのは立ち上がりからウチに少しミスが増えてうまくボールを保持することができなくなり、清水にセカンドボールを拾われてという流れの中で、ゴール前でのマークのミスマッチを突かれて早い時間帯に1失点してしまったこと。特に清水が後半立ち上がりからウチの前線の興梠さん、武藤さんをきっちり捕まえにくる修正をされたことで、そこでボールが収まらなくなってしまったのが痛かった。

54分に、清水の右サイドからゴール前のクリスラン選手にロングフィード。本来は槙野さんが対応すべきだったと思いますが、クリスラン選手とマッチアップしたのが菊池さんだったために競り負けて折り返されてしまうと、そこに逆サイドから走り込んできた金子選手に押し込まれてのもの。左右に大きく振られたことでボールウォッチしてしまった橋岡さんは走り込んできた金子選手を全く捕まえることができず、フリーでやられてしまったのはもったいなかったなと。

さらに1点返したところでミッチェル・デューク選手が投入されると、前線に高さと強さのあるFWが3枚そろうことで、清水はさらに圧力を強め、それに対してウチはかなり押し込まれて守勢に回ってしまったことからここから苦しい時間帯が続きます。

ウチのシステム、特に守備時、5-2-3 となるやり方の弱点として、ダブルボランチの両サイドのスペースをどう潰すかというのがあります。このスペースに入ってきた相手に対しては、最終ラインから誰かが潰しに出ないといけないわけですが、相手に頻繁に出入りされることで、徐々にそこの対応が遅れがちになります。

特に運動量が落ちてくる時間帯などは、そのエリアに入ってくる相手に対して出て行けなくなってしまうことで、バイタルエリアを相手に攻略されてしまうため、ラインが下がって押し込まれる結果となります。ここ数試合、どうしても後半でその状況が生まれてしまうのが課題になっていますが、システム上どうしてもそういう時間帯ができてしまうのはある程度仕方ないのかなと。

この押し込まれた時間帯に選手交代などでうまく修正ができればよいのですが、押し込まれた時間帯がまだ早く、中盤に例えば青木さんなど守備的な選手を入れるにしても、間違ったメッセージ(守れという空気)が伝わると余計に受けて引いてしまって状況が悪化する可能性もあり、この辺の判断は非常に難しいところ。

さらに今節は前半20分にマウリシオさんがアクシデントで岩波さんと交代するため、交代カードを1枚切ってしまって選択肢が狭まっていたこともあり、その辺もあわせて難しい判断だったろうなと思います。

結局ウチの交代カードとしては60分に菊池さん→ナバウトさんとして、前線で縦に引っ張れる選手を置きつつ、最終ラインが押し上げる時間を作りに行きますが、これは正直うまくハマらなかったと。ナバウトさん、ほぼ前線でボールを触れず、まだまだフィットまで時間がかかりそうな感じでしたし、とにかく耐える展開は継続。ナバウトさん使ってカウンター当てられる感じになるともう少し楽になるんですけどね......

終盤、青木さんが準備しますが、ボールが切れなかったことなどもあって実際の投入は90+1分とアディショナルタイムに入ってから。柏木さん→青木さんとして、中盤をトリプルボランチのような形にすると、もう割り切ってナバウトさんだけ1トップに残した状態でスペースを消す守備。

最後は橋岡さんが足攣って満身創痍な感じになりつつも、気合いで1点のビハインドを守り切り勝利。内容的には課題も残るものの、大槻さん就任以来、負けなしの3連勝という素晴らしい結果で締めてくれました。

前半の内容が素晴らしかったので、90分とはいわないまでも、もう少し自分たちでコントロールする時間帯を長くしたいというのはありますが、それでもなんとか結果はでていますので現時点での出来としては文句なしでしょう。まだ押し込まれる時間帯を跳ね返すセカンドプラン整備までは至っていないのでしょうし、そこまで短期間で求めるのは無理な話ですから。

一旦ルヴァンカップが挟まることでリーグ戦は1週間空きますから、ここで休ませられる人は休ませて、いいコンディションで次のホーム、札幌戦を迎えられるようにしてもらいたいなと思います。

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試合データ

観客: 28,295人
天候: 曇
試合結果: 浦和 2-1 清水(前半2-0)
レッズ得点者: 興梠(23分)、興梠(29分)
警告・退場: -
主審: 今村 義朗 氏
順位:10位(3勝3敗2分/勝点11/得失点差+-0)

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