2018 Jリーグ YBC ルヴァンカップ グループステージ 第3節 エディオンスタジアム広島 アウェー サンフレッチェ広島戦
先週末にエコパスタジアムで開催されたアウェー、ジュビロ磐田戦の結果を受けて堀監督が解任となり、後任人事として、ユース監督(兼 育成ダイレクター)だった大槻さんが暫定監督として就任。
暫定監督ということで、あくまで正式な後任監督が確定するまでの繋ぎという形ではありますが、連戦の真っ只中で状況の良くないチームを引き継ぐという難しい役割を任されてしまったわけで、時間のない中、どういう風にチームの調子を上向かせるのか。分析力に定評のある大槻さんの腕の見せどころではありますが、監督交代から中1日で迎えた本日は、アウェーでのルヴァンカップ、広島戦です。
画像は浦和レッズオフィシャルTwitterから引用。現地行けなかったのでテレビ観戦。現地の皆さんお疲れ様でした。
さて、今日のスタメンは、最終ラインに右から森脇、岩波、橋岡、菊池。中盤、中央に直輝と柴戸、ワイド、右にマルティノス、左に荻原を配置し、2トップに李、ナバウトという組み合わせ。GKは福島。
週末のリーグ戦に注力するためか、主力組は思い切って休ませ、若手を中心にメンバーを3日前のリーグ戦からは全員入れ替えてきました。フォーメーションは 4-4-2。この辺は時間がない中で大きくやり方は変えずに細かい修正を加えてきた感じでしょう。
対する広島もフォーメーションは同じ 4-4-2 で、リーグ戦からはメンバーを総入れ替え。U-21代表でパラグアイ遠征に参加した松本選手と森島選手をボランチに、2トップに渡選手とティーラシン選手という配置。
立ち上がりからウチはしっかりブロックを作った上でコンパクトネスを保つ守備。無理に前からハメに行くようなことはせず、選手の距離感を適切に保った上で、間に入ってきた相手を囲んで潰すという守り方がある程度きちんとできていて、まずは守備面の修正を行ってきたことがわかる入り。
サイドバックもチャンスであれば高い位置をとりますが、基本的にはそれ程積極的にオーバーラップするわけではなく、ある程度攻撃は前の4枚に任せる感じでリスクマネジメントを優先したやり方が見てとれました。とはいえそれでもドン引いてしまうと押し込まれてやられますので、最終ラインは勇気を持ってラインを上げつつ、前向きに守備に行く意識が感じられましたので、それが結果として中盤でのコンパクトネスを保てた要因になったかなと。
まぁ何度かその前に出ていく守備が裏目に出て、思いきって食いついた結果、そこを外されてピンチになったり、全てがうまくいっていたわけではないですけども、浦和での試合経験が少ない若手CB、2人が中心となりながら、及第点の働きをしてくれたのではないかと思います。
その点、今日はゴールマウスを守った福島さんの働きは素晴らしかったです。立ち上がりこそ少し判断が遅れて中途半端なプレーが見うけられましたが、徐々に慣れてきたのか思い切ったプレーが随所に見られ、決定機を作られるものの、彼の的確な判断で救われたシーンが何度もありました。今節の俺的マン・オブ・ザ・マッチは彼だったかなと思いますよ。
また、個人的には柴戸さんのプレーを見てみたかったので期待していましたが、直輝と中盤でコンビを組んで、その守備範囲の広さと的確なカバーリング、対人能力の高さがプレーから垣間見られました。前半にティーラシン選手(だったと思うけど)の強烈なシュートを近い距離で一切逃げずにヘディングでクリアしたのには驚きましたが、あの辺の危機察知能力の高さも素晴らしいなと。
直輝に関しても柴戸さんといいコンビネーションをみせ、中盤で頻繁にボールを引き出しては縦に横にリズムよくボールを散らしながら機をみて相手ディフェンスラインのギャップに抜け出したりと、彼の持ち味がよく出ていたと思います。
攻撃陣ではナバウトさんを90分見られたのはよかったかも。磐田戦のレビューでも「(失礼ながら)思ってたより器用な選手かも」って書いたんですが、この試合でも突然中盤の底から忠成さんにとんでもないスルーパス通したり、サイドに流れてクロス上げたり、豊富な運動量と細かいポジション修正で相手ディフェンスラインの間でうまくボールを受けるので、かなりいいアクセントになっていたんじゃないかなと。
前述したとおり、比較的シンプルに前にボール付けに行くやり方をしていたのですが、ナバウトさんはボール収まるし、球離れも悪くない上に、フリーとみるやドリブルで運ぶこともできるので、相手にとっては捕まえにくい選手かなと思います。この日、2トップでコンビを組んだ忠成さんが、味方に使われたり、点で合わせるのがうまい選手なので、ナバウトさんみたいにドリブルで相手引きつけたりしつつも、視野が広くて味方をうまく使える選手との組み合わせは外からはやりやすそうに見えました。ナバウトさんと各選手との関係性がもう少し馴染んでくると面白くなりそう。
また、最近ちょっと出番のなかったマルティノスさんも、ワイドでシンプルに裏に走らせるという使い方をしていたので、彼の持ち味が活きていたかなと。守備面での彼の弱点は後ろに森脇さんがいることでかなりリスクを低減できていましたし、森脇さんが復帰してくれたことは右サイドの攻守にわたってとても大きかったかなと思います。
試合的には、特に前半は広島に比較的ボールを持たれる時間も長く、ある程度我慢の展開にはなりましたが、それでも何度か得点チャンスもありましたし、試合終盤はかなりボール保持して相手を押し込む時間帯も作れましたので、広島もターンオーバーしているとはいえ、久しぶりにちょこっとでも光が見えた感じがしたのはよかったなと。今回試合に出なかった(堀さん体制での)主力組選手達にとってもいい刺激になったんじゃないでしょうかね。
選手交代は後半に3枚。58分に荻原さん→長澤さんとして、長澤さんをそのまま荻原さんがいた左サイドに置きます。これは相手左サイドにかなり高い位置をとられて押し込まれる原因となっていたので、そこに対人に強い長澤さんを当てにいった感がありましたが、この辺の狙いも的確だったんじゃないかと。
77分には忠成さん→武富さんとして、武富さんとナバウトさんの2トップに。この辺からウチがボールを保持できる時間帯が増えて、いいクロスが何本か上がるなど、流れ的にはいい感じに。ここで85分には柴戸さん→ズラタンさんとして、前線に高さを加えます。いい投入タイミングだったと思いますよ。なお、柴戸さんのポジションには長澤さんが落ちる形。
試合終了間際にも何度か決定機に近いシーンがありましたが、惜しくも得点とはならず。結局スコアレスドローで勝点1を持ち帰る結果になりました。とはいえ、無失点って今季初めてなんですよね。リーグ戦だと去年の第31節(この時の対戦相手も広島さんだ)以来のクリーンシートということで、まずはこの結果を前向きに受け止めるべきかなと思います。
さて、次は週末のリーグ戦、対戦相手は現在2位につけている仙台さんと。今回の試合でいい点が見られたとはいえ、楽観できるほどの状況ではありませんが、ホームで上位相手にいい試合ができるよう、我々もきっちりサポートしたいところですね。
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試合データ
観客: 8,697人
天候: 曇(一時雨)
試合結果: 広島 0-0 浦和(前半0-0)
レッズ得点者: -
警告・退場: ナバウト(警告×1/反スポーツ的行為)
主審: 飯田 淳平 氏
順位:グループC 3位(1勝1敗1分/勝点4/得失点差+-0)
おまけ
大槻さん、ユースの指導をされているときでもジャージ着てるイメージしかなかったんですが、スーツ着て、髪の毛をオールバックにしたら、なにこのほとばしるアウトレイジ感。貫禄だけならリーグでもトップクラスでしたね。
浦和新監督から漂う総会屋感 pic.twitter.com/dfyWw35PUg
— UG (@soccerugfilez) April 4, 2018
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