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2017 Jリーグ 第18節 埼玉スタジアム2002 アルビレックス新潟戦

前節は、アウェー川崎戦でほぼぶっつけ本番の4バックを採用するもあえなく撃沈。ああいうイレギュラーなことをやられてしまうと、本来の問題点が改善に向かっているのか、全く改善していないのかがわからなくて非常に困るわけですが、その意味で恐らくオーソドックスないつも通りの戦い方になるであろう今節は、非常に重要なゲームの1つになるホーム新潟戦。

新潟は現在最下位に沈んでいる状況、さらに新潟とウチとの対戦成績を考えた時、外からは浦和が勝って当然と思われがちな対戦ですが、毎度そんなに楽な相手でもなし、意地でも勝点を奪いに来る新潟を相手に、状況的に厳しいウチの選手達が本来の持ち味を出すことができるのか、注目したいゲームとなりました。

2017 Jリーグ 第18節 埼玉スタジアム2002 アルビレックス新潟戦

さて、今日のスタメンは最終ラインに森脇、那須、槙野。ボランチに阿部ちゃん、柏木。両ワイドにウガと関根。武藤、興梠をシャドーに、ラファエル・シルバのワントップ。GKは西川。

川崎戦で忠成さんが怪我させられちゃって、ズラタンさんもコンディション整わず、前日練習でも別メニュー調整になっていた関係でベンチ外。ということで前線の駒がちょっと足りない状態なので、選択肢としてはラファさんをトップにした今回の形くらいしか選択肢がない状態。ベンチには高木さん、ウメなど、シャドーができる人がいますが、この辺のレギュラー獲得実績のある人達の頑張りが、この後重要になりそう。

対する新潟は山﨑選手をワントップに、チアゴ・ガヤルド選手を縦関係に配置した4-2-3-1。状況に応じてサイドにスターティングポジションをとった鈴木武蔵選手が山﨑選手とポジションを入れ替えたりしつつの、守備時は5バックを形成し、サイドを含めたスペースを埋めてくるやり方。新潟は前回対戦から監督が呂比須ワグナーさんに交代していますが、基本的なやり方は大きく変わっていません。

ウチは前半立ち上がりから中盤でのプレスも速く、比較的本来のウチのよいときに近い入り方はできていたと思います。両サイドで関根さん、ウガが相手サイドを押し込み、相手のラインを押し下げたスペースに柏木さんなどが2列目から入ってくる厚みのある攻撃もできていましたし、奪われた瞬間のファーストディフェンスも強度とスピードをもって行くことができていました。

一方で少し課題だなと思うのは、まず守備面では攻守転換時のファーストディフェンスを外されるシーンが何度かみられて、そこから相手カウンターが発動するケースが多かったんですけども、やはり少し選手の距離感が遠いことで、ボールロスト時のアプローチが単騎特攻になりがちな点でしょうか。あそこ複数人で囲めると本来のウチの守備が戻ってくると思うんですがもう一歩という感じ。また、強度的にもフィフティなボールに対して相手が先に触るケースが多く(これは今日の試合に限らず)、やはり全体的に守備強度がもう少しというところ。

攻撃面においては、ラファさんのワントップが武藤さん、興梠さんを含めた周囲とのコンビネーションという点でまだ希薄な点がちょっと気になります。

開幕当初にみられた興梠さんとの抜群のコンビネーションは影を潜め、今はラファさんが単独打開しようとする傾向が強く、適切なタイミングでパスが出てこない。あるいは、柏木さんや森脇さんが楔を入れられる位置でボール保持した際の予備動作に難がある(例えば武藤さんがボール引き出しに落ちた時にフリックしたり跨いだりしやすい位置に動き直してあげるといった細かい点)ので、興梠さん、武藤さんの動きに対して適切なポジショニングが取れていないことによってワンタッチプレーによるコンビネーションが発動しない点がここ最近の前線の停滞感を生んでいるひとつの要因かなと。

もちろん、ギャンブルフリックからボールロストしてカウンター喰らうというケースもあるので、なんでもワンタッチプレーすればよいという意味ではありませんが、前線トライアングルのコンビネーションが攻撃時の重要なポイントとなるウチのサッカーにおいて、ここがうまく行かないとなかなか本来の崩しができないので、組み合わせや並びには改善の余地ありかもしれませんが、最初に書いた通り今は選択肢が少し減っちゃってるのと、うまく高木さん辺りが絡んでこれると面白くなりそうなんですけどね。

とはいえ、前線のコンビネーションは少し停滞気味ながら、サイドはある程度攻略できていましたし、サイドに少し流れた興梠さんとウガのパス交換や、前述したとおり武藤さんと2列目から追い越してくる柏木さんとのコンビネーションなどによってある程度よい攻撃はできていて、決定機と言えるものも2、3回作れていましたので、惜しむらくはここでしっかり得点できていればという(なんか毎度言ってる気もしますけど)前半序盤でした。結局ここで試合を動かせなかったことで、前半35分に相手のカウンターからワンチャンス決められて先行されてしまうわけですけども。

失点は複数のまずい対応が重なった結果。自分たちのコーナーキックを奪われて新潟のカウンターが発動。まずここでサイドを持ちだした小泉選手が中央に通そうとしたパスに対する阿部ちゃんの対応のところで潰せず、鈴木武蔵選手に先にワンタッチされて一気に縦にスピードアップされてしまったことで一気に新潟のチャンス、ゴール前は3対2の数的不利に。

さらにゴール前ではじき返すチャンスが2度、3度あったにもかかわらずここでクリアが中途半端になったところを再奪取されて押し込まれたことで最終的には守り切れずやられます。

1度目は山﨑選手に対するウガの対応のところで一旦は引っかけますがこぼれ球の位置もあって那須さんがクリアしきれず、続いてそれをフォローしてきた矢野選手にボール拾われたところでのウガの対応が中途半端(矢野選手の手が当たって少し痛めたのはわかるんですが、あの状況でファールアピールして寄せないとかちょっとありえないです)になったところでほぼノープレッシャーでクロス上げられて、これを西川さんがパンチングするも山﨑選手に当ててしまってクリアしきれず、こぼれ球が逆サイドにいた小泉選手の前に流れたところで頭で押し込まれてしまいます。

ウガのところで一旦相手のスピードを止めた時点で、味方は帰陣してある程度人数もそろっていたんですけども、またも人数がそろうとボールへのチャレンジが曖昧になってやられるというここ最近のウチの悪い癖が出てしまった形。試合序盤、ボール奪われた瞬間の守備に関しては悪くない感じでしたので、多少改善の兆しが見えたかなと思っていたのですが、結局失点の仕方は同じという、ちょっと残念な前半となってしまいました。

後半は立ち上がりからウチは攻める、新潟はカウンター狙いという流れ。選手交代で先に動いたのはウチ。57分に武藤さん→駒井さんとして、関根さんをシャドーに。ウガ左、駒井さん右という布陣に。あえて関根さんをシャドーに残したのは、次の交代(得点後の75分)でウガ→高木さんとして関根さんを左サイドに出しますので、そこを見越してのことだったのかもしれません。

関根さんのシャドー、あまり実戦でみる形ではありませんが、ゴールに近いところでの思い切った仕掛けやゴール前への飛び込みなど、相手にとって怖いプレーができますし、パスも通せますのでオプションとしては面白いですね。

後半は先ほど書いたファーストディフェンスのところでの強度やスピードも多少向上し、相手の攻撃を潰せていましたし、結果として新潟を押し込む時間帯が続きます。あとはゴールをこじ開けるだけですが、きっちり守備ブロックを作る新潟に対して単純な攻撃ではなかなか崩しきれない。我慢の時間が続く中、ついに74分、左サイドでボールを持った駒井さんから右サイドの森脇さんにグラウンダーの鋭いパス。これを受けて持ちだした森脇さんが思いきったミドルを打ち込むと、これはコーナーポストに弾かれるものの、跳ね返ったボールに阿部ちゃんが反応すると、気迫のシュート叩き込んで同点。試合は振り出しに。

森脇さんの思いきったプレーがでたことはプラスに考えていいんじゃないでしょうか。鹿島戦での例の一件以来、どうも自重気味のプレーが目に付いていた森脇さんですが、彼は自重してプレーがよくなるタイプの選手じゃないし、恐れず彼本来の持ち味を活かした思いきったプレーをどんどん出して欲しいなと思います。

なんて思っていたら同点に追いついた5分後の79分、コーナーキックからラファさんが頭で合わせると、キーパーに弾かれたこぼれ球をそのまま自分で押し込む、ラファさんお得意の自分のシュートに自分で詰めるやつで逆転。気持ちで試合をひっくり返してくれました。

84分にはラファさん→オナイウさんとして、オナイウさんにチャンスを与えつつ、ラファさんのところでの守備のリスクを排除。後は無難に試合を終わらせて勝利。勝点3をゲットしてくれました。

もちろん、攻守にわたって課題はまだあるし完全に改善されたわけではない、相手は最下位のチームと厳しい見方をしようと思えばいくらでもできる試合ではありましたが、個人的には選手の気迫も見えて、守備面でも徐々によい流れは来ていると感じさせる内容でしたので、このタイミングでの中断(厳密にはドルトムントとの親善試合などがあるので完全休養ではないのですが)をうまく活かして、続くアウェー2連戦(現在首位のC大阪、札幌)に向けた準備をして頂きたいなと思います。

試合データ

観客: 28,740人
天候: 晴れ
試合結果: 浦和 2-1 新潟(前半0-1)
レッズ得点者: 阿部(74分)、ラファエル・シルバ(79分)
警告・退場: 那須(警告×1/反スポーツ的行為)、阿部(警告×1/反スポーツ的行為)、関根(警告×1/反スポーツ的行為)
主審: 井上 知大 氏
順位(第18節終了時点):8位(9勝7敗2分/勝点29/得失点差+13)

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Yoshiki Kato / burnworks
Yoshiki Kato
埼玉県出身。サッカー、フットサル (観戦 / プレー)、モータースポーツ観戦、格闘技 (主にボクシング) 観戦、インターネット、音楽鑑賞、筋トレ、腕時計収集が趣味。サッカー 4 級審判員、ウオッチコーディネーター(上級 CWC)資格認定者。好物はゼリー、グミ、お酒、ラーメン。