味の素スタジアム 第95回天皇杯 決勝 ガンバ大阪戦
久しぶり(9年ぶり)の元旦決勝に駒を進め、味の素スタジアムで対戦するのは、チャンピオンシップでも悔しい思いをさせられたガンバ大阪。
今シーズンは FUJI XEROX SUPER CUP 2015 での敗戦に始まり、1stステージ、ホームでの対戦では勝利したものの、その後、2ndステージのアウェーでは敗戦、さらにチャンピオンシップ準決勝でも敗戦して決勝への進出を阻まれるなど、ここまで4回対戦して1勝3敗と負け越している相手。だからこそ元旦にきっちり借りを返したかったんですが...... また負けた。残念ながら天皇杯は準優勝という結果で2015年シーズンは終了しました。
実は今回の決勝戦、事前に抽選で申し込んでた特別席が当選したもんで、そこで観戦となりました。表彰台の両脇がその特別席でしたが、運良く最前列の席が取れたので、ウチが優勝してくれれば特等席で表彰式が見られたんですけどね...... 何が悲しくてガンバの選手が喜ぶ姿を間近で見なきゃいかんのじゃクソ(以下自重
さて気を取り直して...... 決勝戦のスタメンは、最終ラインに槙野、那須、森脇。ボランチに阿部ちゃん、青木のコンビ。両ワイドにウガとウメ。トップ下に興梠、武藤。李のワントップ。
残念ながら、準決勝で負傷してしまった柏木さんはベンチにも入らず欠場。代わりに青木さんが先発。準々決勝、準決勝とスタメンだった関根さんも疲労を考慮してか控えに回ってウメが先発。好調の忠成さんは当然のスタメンで、興梠さん、武藤さんとのコンビネーションに期待という1トップ、2シャドーとなりました。
対するガンバは4-2-3-1スタートで、あまりウチの選手のポジションチェンジには食いつかず、しっかりとブロックを作る守備。
さらにパトリック選手、宇佐美選手など、前線の選手がウチの最終ラインのビルドアップにうまくプレスをかけてパスコースを限定しつつ、中盤から最終ラインはしっかりスペースを埋めるポジショニングをしてくるので、なかなか縦に楔のパスを付けることもできず、攻撃面でのウチの良さを出すのは難しい状況に。中央を使えないのでサイドに展開するものの、そもそも中央で起点を作れていない状況で単にサイドに振っても、相手の守備対応も容易で、なかなかサイドでフリーになれずという流れ。
何度か大きいサイドチェンジでサイドでの1対1の状況を作ってはいましたが、ガンバの守備に対してそれ程効果的な崩しができたかというとなかなか難しい立ち上がりとなりました。
柏木さんが不在だと言うこともやはり影響は大きく、中盤の中央でボールを受けてくれる選手がいないために前後分断気味になってどうしてもパスの距離が間延びし、それによって精度も低下してミスが増えるという感じ。これは青木さんが悪いとかじゃなくて、柏木さんと同じ事をタイプの違う青木さんに求めること自体が間違いという話ですが、逆に言えば柏木さん不在では攻撃面での能力低下がヤバイっていう課題が改めて浮き彫りになった形。
ガンバの狙いとしては、しっかりとした守備ブロックでウチの前線に仕事さえさせなければ、あとはボール奪ってからウチのサイドのスペース、要するに森脇さんや槙野さんの裏のスペースですけども、そこに宇佐美選手やパトリック選手を走らせてカウンターから点取っちまおうっていうやり方。毎度のことですがまぁわかっていてもあの2人の攻撃力はハンパないのでちょっと気を抜けばやられる恐怖感はすげぇ。
結局先制点もその槙野さんの裏のスペースをガッツリ使われてのショートカウンターからパトリック選手にやられた形。裏に抜け出した後のスピードと、トップスピードで走りつつ西川さんの肩口を冷静に狙ってニアの狭い方を射貫く決定力には敵ながら感心するしかないゴールでしたが、相手の守備にはめられて攻撃面で停滞している状況でさらに先制点を食らうという最悪の試合展開になってしまいました。
とはいえ、ウチも意地を見せたのがその4分後、ウメのクイックターンから絶妙なクロス→忠成さんのヘディングはおしくもポストに弾かれるも、それを興梠さんがボレー気味にゴール上隅に叩き込んでのもの。すぐに試合を振り出しに戻してくれたことで、悪い流れから先制点を許して少し動揺したであろうチームを落ち着けてくれました。そのまま前半は1-1で終了。
後半は前半なかなか入れられなかった縦の楔の数を、那須さんが積極的に前目でボールを持つことで改善し(柏木さんが不在の場合は、那須さんか、もしくは阿部ちゃんが縦にパスを付ける役割を代わりにやらないとどうしようもない)、そこからサイド攻撃へとつなげることで徐々に本来のウチのリズムを取り戻し、前半に比べるとかなり良い形で攻撃の形を作れるようになった...... と思ってちょっと期待した矢先にガンバの追加点。
しかもコーナーキックから、パトリック選手のマークに付いていた槙野さんが見事にスクリーンされてマークを引きはがされると、ドフリーになったパトリック選手に難なくゴールされるというお粗末な失点。ウチの場合、セットプレーの守備はマンツーマン。簡単に言えば受け持ったマークでやられたらそいつの責任なっていう守備をしているので、槙野さんがマークを外されてしまえば誰もカバーする人はいない状況になってしまうわけで、この時点でもう勝負あり。
マーク外された槙野さんが一番の問題ではあるんだけど、この守備のやり方をしている以上は今までも同じようなことはあったし、今後も起こるってことで、明らかに要注意な相手ゴールゲッターがいる場合には、サポートに入れる位置にバックアップ的に誰かがポジショニングとるとか、少し守備の仕方において改善の余地はあるかもしれません。
とにかく、ガンバみたいに守れるチーム相手に得点で先行されるってのは結構キツイ。実際にこの2点目が入った時点でガンバは4-4-2にして4-4でがっちり守備ブロックを作り、中央を固めて完全な「きっちり守ってカウンター」っていうやり方に割り切ってきましたけど、こうなっちゃうともう崩すの大変。
それに対してウチはミシャさん怒りの2枚替えが炸裂。ウメ→関根、武藤→ズラタンという2枚を一気に投入。さらにその10分後にはウガ→高木として交代枠を使い切って前線に攻撃的な選手をぶっ込む策。
これでとにかく、関根さん、高木さんの両サイドから中央に向かってバンバンクロス入れて行く総攻撃モードになりましたけど、あれ、見た目ではウチが押し込んで一方的に攻め込んでる感はありますが、実際には大して決定機は作れてないんすよね。だってガンバは最終ラインに高さもあるし、崩れていない守備ブロックに対してサイドからクロスいれても余程ピンポイントで合わない限りは得点になりません。
元々前線の1トップ2シャドーが連動して崩すのがウチの特長だし、そこにサイドでのドリブル突破などの強みを持った関根さんあたりが絡むことでより脅威がますものが、単にサイドから中央のズラタンさんめがけてクロス入れるだけのやり方になってしまったため、中途半端なパワープレー状態。なぜならズラタンさんは元々、例えば鳥栖の豊田選手や代表でのハーフナー・マイク選手のようなアバウトな放り込みボールに高さと強さで点取っちまいますよみたいな選手じゃないから。
結局ウチは押し込む、ガンバは跳ね返すという状況が続くも1点が遠く、そのまま試合終了となってしまいました。
ちと納得いかないのは、なぜ最後の最後で自分たちの本来のサッカーを忘れ、本来得意としていないサッカーを選択してしまうのか。ズラタンさんが悪いとは思わないけど、興梠さん、忠成さん、武藤さんの1トップ2シャドーは連携面でも相当レベル高いところまできているし、そこを信じて彼らを活かすやり方をとれないのかという点。結局焦って短絡的な手を打った結果、自滅してる感が強くて非常に悔しいなと。この辺は来シーズン(といってももう今年だけど)は改善されるんですかね......
最後愚痴っぽくなってしまいましたが、選手は最後までよく戦ってくれたと思います。特に試合途中の接触で手を大けがしてた槙野さんなんか、よくあの怪我で最後まで戦ったなと思いますし(自分もサッカー経験者なのでわかりますけど、あれ、シューズの上から踏まれただけでも相当なもんですが、それが生身の手のひらをズサーって削ってったんですからね。俺ならもう速攻で無理って言うわ。実際、試合後病院直行で20針縫ったとか言ってたし)、ガンバの表彰式を見守る選手達は本当に悔しそうだった(ガンバの表彰なんか見たくないからずっとそっち見てたのはナイショ)。
なので、ひとまずは1年間お疲れ様でしたと言いたいと思います。天皇杯に関しては、また来年も元旦決勝行きたいっすね。そう思いながら味スタをあとにしました。
さて、もうここから2ヶ月も経たないうちに2016年シーズンがスタートします。リーグ戦終了後に書いた振り返りにも追記する形で書いたんですけども、天皇杯も準優勝で結果4年間無冠で終わったことで、恐らく2016年シーズンがミシャさん体制にとってはラストチャンスのシーズンになると思われます。さすがに5年やってタイトル獲得ゼロではもういい加減サポもフロントも我慢ならんとなってしまうでしょう。
リーグ戦はもちろん、なんらかタイトル奪取という形で結果を出すことが必須の年になると思いますので、今後発表される(のかな?)追加の補強など含め、どういう体制で臨むのか、開幕までの間、クラブの動向に注目したいと思います。
おまけ
試合開始前の様子と、表彰式の様子を簡単にですが動画撮ったのでYouTubeに上げました。メインスタンドから見たビジュアルは素晴らしかったですよ(普段はその中にいるので外からリアルタイムで見るってことあまりないですから)。
あと、パッカくんたちがお出迎えしてくれたので写真撮っといた。
試合データ
観客: 43,809人
天候: 晴れ
試合結果: 浦和 1-2 G大阪
レッズ得点者: 興梠(36分)
警告・退場: 李(警告×1)
主審: 村上 伸次 氏
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