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2021 Jリーグ 第1節(リーグ開幕戦) 埼玉スタジアム2002 FC東京戦

2021 Jリーグ 第1節(リーグ開幕戦) 埼玉スタジアム2002 FC東京戦

今シーズンもいよいよ開幕ですね。昨シーズンから引き続き、コロナ禍で行われるシーズンとなってしまいましたが、チーム的には新監督を迎え、新たな気持ちで挑む今シーズン。どんな戦いをみせてくれるのか、楽しみな開幕戦となりました。

さて、今シーズンの開幕戦はホーム埼スタからスタート。開幕戦の対戦相手はFC東京です。例年、リーグ開幕戦はアウェースタートで、ホームでの最終節というのがお決まりのようになっていましたけども、久しぶりのホーム開幕。

2007年にホーム開幕して以来、14年ぶり? ということですが、本来なら満員のスタジアムで初戦を迎えたかったところ、コロナ禍、かつ関東1都3県に発出されている緊急事態宣言の関係で観客動員数は上限5,000人という制限付きでの開催に。まぁ残念ではありますが、それを言ってもしかたないので、感染対策ルールを守りつつ、許された範囲でなんとかいいスタジアムの雰囲気を作るしかないですね。

ということで、開幕戦はメインスタンドから観戦してきました。

これ完全に余談なんですけども、シーズンチケットをずーっと更新してきて、席種はゴール裏だったんですけども、コロナ禍になる前、2019年シーズンの終わりくらいにそろそろゴール裏やめて指定席の方に席種変更しようかな~なんて考えていたんですよ。2020年はなんだかんだ席種変えずに更新したらコロナ禍になっちゃって、結局シーズンチケットは無効? っていうか都度チケット買わないといけなくなったので、そこからはずーっとスタジアム行くときは指定席観戦になっています。

で、シーズンチケットが通常通りに戻るのが来シーズンなのか、それとももう少し後なのかはわかりませんけども、もし指定席に移動するとした場合に、どこの席種が一番しっくりくるかなってのを調べるついでに、試合ごとに同じ指定でもメインスタンドにしてみたり、バックスタンドにしてみたり、たまにアッパーからも観てみたりしてるんですが、今回観てたくらいの位置(実際には今回いたのがプレミアムシートだったのでシーチケ対象ではないんですが)が高さ的には観やすいですね。となるとSAバックとかがいいのかな...... なんて考えたりしていました。

2021 Jリーグ 第1節(リーグ開幕戦) 埼玉スタジアム2002 FC東京戦

脱線したので話を試合に戻しましょう。

スターティングラインナップ

2021 Jリーグ 第1節(リーグ開幕戦) 埼玉スタジアム2002 FC東京戦 スターティングラインナップ

監督がリカさんに代わって、新加入の選手も数多くいる中、開幕のスタメンがどうなるかは興味深い部分だったのですが、上記のようになりました。

最終ライン、左から山中さん、槙野さん、岩波さん、ウガ。ボランチに阿部ちゃん(キャプテン就任おめでとうございます)と今シーズン、流通経済大学から新加入の伊藤(敦)さん、左のSHに汰木さん、右に栃木SCから加入の明本さん、トップ下にFC琉球から加入の小泉さん、ワントップに杉本さんという並び。GKは西川さん。

フォーメーション的には 4-2-3-1 という並びになると思いますが、リカさんのサッカーでは守備時には小泉さんが杉本さんと横並びになる 4-4-2 でブロック作りますし、例えば右のSHといっても、実際にはインサイドに絞って2トップっぽくプレーしてみたり、ビルドアップの局面では相手のトップの人数によってボランチが1枚落ちて3バックになったりと、相手の立ち位置に合わせて流動的にポジションを獲るため、スタートのフォーメーションがそれ程重要な意味を持ちません。なので上の図はあくまで便宜上という感じですかね。

開幕直前にSC相模原とトレーニングマッチを行っていて、その時の1試合目前半のスターティングラインナップから、ある程度は各ポジションにおける序列っぽいものを予測することはできましたが、その時は小泉さんあたりはコンディションの問題で外れていたり、未知数の部分もありました。

また、興梠さん、西さんが負傷により現在は離脱中、デンさんもコンディション不良みたいでトレーニングも別メニューみたいですね。その辺も踏まえて、シーズンが進むと多少の入れ替えなども起こるとは思いますが、ひとまず今節のスタメン+ベンチメンバーが、現時点でのファーストチョイス候補となると思います。

対するFC東京は、最終ライン、左から小川諒也選手、森重真人選手、渡辺剛選手、中村帆高選手。アルトゥール・シルバ選手をアンカーに、安部柊斗選手、東慶悟選手の2列目。最前線は左からレアンドロ選手、ディエゴ・オリヴェイラ選手、渡邊凌磨選手を配置した 4-3-3 のフォーメーション。GKは波多野豪選手。

FC東京は前シーズンから大きな人の入れ替えもなく、狙いとしては前線からの強度の高いプレスによって中盤で回収→外国人選手を活かしたショートカウンターを基本に、永井選手のスピードを活かした突破、あるいは東選手、三田選手など精度の高いクロス供給元と高さを活かしたセットプレーからの得点力などがストロングポイントとなるチーム。

前線3枚のプレスがハマってスピードに乗らせると面倒くさい相手で、特に先制点を与えてしまうと、リードされている方としては前掛かりにならざるを得ない状況で裏のスペースに一発で仕留められる能力を持ったFWが前線にそろうFC東京のめんどくささはJ1でもトップクラス。

実際にFC東京は先制点を奪っている試合での勝率が非常に高く、相手のペースに持って行かれないためにも「先に失点しないこと」は重要。ウチとしてはいかに前線プレスを外して中盤で相手アンカー脇のスペースを使えるか、また攻撃面でも単純なクロスの供給では森重選手を筆頭にデカくて強いCBが待ち構える相手ゴール前ではじき返されるだけですので、その辺をどう攻略するかといったあたりがポイントの試合となりました。

新加入選手(若手)勢の躍動、ベテラン勢のバックアップ

スタメンをみるとわかりますが、前線に新加入選手も含め、ある程度若手がそろっていて、最終ラインとボランチの1枚が所謂ベテラン選手という構成になっています(岩波さんや山中さんは年齢的にはベテランって程ではないですけども思いますがJ1での経験って意味で)。

リカさんがそういう点まで意識しているかはわかりませんけども、前線でチャレンジングなプレーをする若手と、それを後ろから支えるベテランっていう感じで、個人的にはとてもバランスのよい選手構成になったなってのが試合を観ての最初の感想。

例えば新加入の小泉さんなんかは中盤でうまくポジションを調整しながらいいところに顔を出し、狭いところでもボールを受けたら前を向くことをプレーのファーストチョイスにしているように見えましたし、伊藤(敦)さんも、思い切ってアタッキングサードに入っていくシーンも多くみられ、明本さんも前線からガンガンプレスのスイッチ入れるし、汰木さんも1対1でスペースがあれば持ち前のドリブルで仕掛けるようなプレーを多く見せてくれていました。

チャレンジするプレーが多いということはミスったりボールロストする可能性も増えるわけですけども、あ、ちょっと今の失い方よくないな...... と思った刹那、阿部ちゃんが猛然とカバーリングしてボール奪取したり、槙野さんや岩波さんがガツンと潰しにいってくれたりと、最終ラインを支えるベテラン勢から前線の選手に対して、「ミスを恐れず思い切ってプレーしてこい」っていう感じの後押しというか、雰囲気みたいのを感じたりして。まぁそれは私の単なる思い込みかもしれませんけども。

スタメンだった新加入選手の3人、小泉さんは中盤でとてもうまくスペースを見つけてポジションを獲るのですげぇいいなって思いましたし、そこでパス受けると素早く前を向くし、ファールになっちゃいましたけども68分くらいでしたか、ウチのコーナーキックを相手にクリアされたところからレアンドロ選手がボール持ってカウンターが発動しそうなところで、カウンター対策で残っていた彼がきっちりそこを潰しにいってFC東京のカウンターが発動するのを防いだり、守備面でも身体張れる強さがあって素晴らしいなと思いました。あと金髪のおかげでどこにいるかわかりやすい。

明本さんは相手ゴール前で起点を作ったと思えば、自陣ゴール前までブレスバックしてボール奪取したり、マジかよっていう運動量でしたし、森重選手と身体ぶつけながらペナルティエリア内に侵入したシーンなんかを観るに、体幹も強く、まったく当たり負けしないのには驚きましたし、阿部ちゃんとボランチのコンビを組んだ伊藤(敦)さんも、本当に今年入った大卒かよっていう落ち着き、視野の広さを持っていて、すげぇなと(語彙力)。阿部ちゃんとコンビを組むことで学ぶことも多いでしょうし、今後どこまで伸びるのか楽しみな選手です。

新加入の選手が3人、開幕のスタメンに名を連ねただけでなく、プレーでも非凡なものをみせてくれたことは、今シーズンの補強が即戦力として当たりだったということを示していると思いますから、その辺はとてもポジティブな要素ではないでしょうか。

思ってたより完成度高くね? っていううれしい誤算

ひとつ前の記事で書いたんですが、リカさんが求めるサッカーは、「相手の立ち位置に対して、自分たちが正しいポジションを獲る」ことがベースになるため、ビルドアップではボランチが1枚最終ラインに下りましょうとか、SHはワイドに張ってSBは内側のレーンを...... みたいな単純なルール化やパターン化で何とかなるものではありません。

よって「機械的に」ボランチが最終ラインに落ちて~ なんてやっているうちは完成には程遠いわけですけども、FC東京は試合開始当初、守備ブロックを 4-5-1 みたいな形で作っていて、前線はディエゴ・オリヴェイラ選手1枚がウチのCBに対してプレスに来る形でしたが、その状況ではボランチは無理に最終ラインには落ちず、槙野さんと岩波さんだけでボール保持、ボランチは相手守備ブロックの1列目と2列目の間にきちんと中間ポジションを獲っていました。つまり相手の立ち位置に応じてポジショニングできていたとこいうことです。

この辺、ウチのボランチコンビはさすがの戦術理解力だなと思ったわけですけども、同時に相手が前線3枚でプレスに出てきた場合にはボランチが最終ラインに落ちたり、SBが少し落ちて各局面で確実に相手の人数に対して +1 を作りだすということがきちんとできていましたし、SHも立ち位置的に相手WBとSBの中間ポジションを獲れていたので、そこにボールが入って1対1になることで相手SBを所謂ピン止めしつつ、その内側をトップ下やボランチ、あるいはインサイドワークしたSBが使うなど、明確なプレー原則が垣間見られて、観ていて久しぶりに楽しかったですね。

また、ボランチが1枚最終ラインに下がった局面では、サイドに開いたCBに押し出される形でSBが高い位置を獲り、それに押される形でSH、例えば右でウガが前線に押し出された際は明本さんがインサイドに絞って小泉さんが中盤に落ちるみたいな、徳島でのやり方から事前に予想していた反時計回りのポジションチェンジによる3バック化なんかもかなりスムーズにできている感じがありました。この辺は選手が法則を守ろうとしすぎた結果、もう少しエラーが起こってもおかしくないと思っていましたが、想定より完成度高いなという印象。

西川さんのキック精度も改めて活かせる形になっていますし、地味な部分なんですが、槙野さんなんかも、相手がプレスに出てこなければドリブルで持ち出したりといったセオリー通りのプレーがきちんとできていましたね。昨シーズンもビルドアップで槙野さんがドリブルでアクセントを付けたりはしてたんですが、周りがそれに全く反応しないので出しどころがなくて詰まっちゃうみたいなことが起こっていました。今シーズンは槙野さんが持ち出せばそれに呼応して周囲がきちんとポジションを獲ってくれるので彼の持ち出しがきちんと機能しますし、求められるプレーのひとつになると思います。

全体としては、開幕戦ながら、すでにアタッキングサードに侵入するところまではビルドアップもかなりスムーズにできる状態になっていて、この辺はさすがだなと思いましたけども、最後のフィニッシュにいたる部分、相手ペナルティエリア付近までボールを運んだあと、そこからどうやってペナルティエリア内の深い位置に侵入していくのか、みたいな部分ではもうひと工夫必要かなという感じでした。

さすが、FC東京も前線でプレスがハマらないと判断すれば素早く全員が帰陣して深い位置にブロックを作ってくるので、ウチのカウンターに対しても簡単にはフリーでやらせてくれない状況でしたし、ブロックをセットされちゃうと単純なクロスでは全部はじき返されちゃうので難しい。

ペナルティエリア付近のハーフスペース(つまりペナルティエリアの手前側両角付近ですね)を獲れたときに、そこからもうひと連動して、ニアゾーンの深い位置を獲りにいくようなプレーが増えると面白くなってくると思いますが、とはいえ、いきなりそこまでの完成度を求めても仕方ないので、これから徐々にそういう細部が煮詰まってくればいいなと。

杉本さん、ゴールは幻と消えるも一連の流れは素晴らしかったよね

そういえば前半5分にあった、杉本さんの幻のゴールなんかは、ウチの狙いがとてもよく出たシーンでしたよね。

このシーン、中盤で一旦はボールをロストしますが、キープしようとしたアルトゥール・シルバ選手に対して阿部ちゃんが素早くタイトなチェックを敢行。前を向けなくした瞬間にバックパスのコースは杉本さんが、左右を小泉さんと汰木さん消しに行くという連動した守備のスイッチが入ったところでアルトゥール・シルバ選手から横並びでパスを受けた渡辺選手(?だったと思う)が苦し紛れのヒールパス。これを待ってましたとばかりに山中さんがインターセプトすると、いいポジションでフリーになっていた小泉さんに縦に入ったところで相手中盤を一発で裏っ返す形に。

この瞬間相手ディフェンスラインの裏に抜けた杉本さんにスルーパス→あとは冷静にGKとの1対1を杉本さんが決めきった形でしたが、ボールロストした瞬間、阿部ちゃんが即座にプレスを敢行、しかもそれに周囲がきちんと連動して相手の選択肢を削り取り、ミスを誘発して短時間で再奪取につなげたところや、山中さんがインターセプトする瞬間には、すでに小泉さんは相手の中間ポジションでフリーな位置を獲っていた点と、山中さんもそれを見逃さずダイレクトで縦にそこに付けるっていう正確な判断をしたあたりは、短い時間ながらリカさんがトレーニングを通して落とし込んできたものが発揮された形じゃないでしょうか。

また、山中さんからの楔を受けた小泉さんが受けて前を向いた瞬間の杉本さんの裏への抜け出しなんかは、以前から何度か書いていますが、これこそ杉本さんの真骨頂だと思いますし、結果的にはオフサイドになってしまいましたが、あんなのVARでリプレイみなきゃ絶対わからんだろっていうレベルの微妙なタイミングでのオフサイドでしたから、ああいう抜け出し方ができるシーンが増えると、開幕前に書いた「今年はもしかしたら杉本さん大爆発あるで」という予想(というより妄想)が現実になるかもしれません。楽しみになってきた。

阿部ちゃんのゴールで先制も失点は想定内な感じのやられ方

ウチは試合を通してかなりいい形でアタッキングサードには侵入できていたこともあって、コーナーキックの回数も多かったわけですが、キッカーとしては山中さん、あと小泉さんが右で蹴るってのが基本でしたね。得点につながったのは小泉さんが右足で蹴った、右サイドからのコーナーキックでした。

ニアで明本さんがスラしたところに槙野さんが突っ込んでスライディングしながらのボレーシュート→これは相手GKに弾かれ、ディフェンスにクリアされるも、そのクリアボールが阿部ちゃんの前にいったところで阿部ちゃんがうまく右足で合わせて流し込んだ形。昨シーズンまで少し出場機会も落ちてコンディションも上がらずだった阿部ちゃんが、久しぶりにキャプテンに主任してスタメン、そして開幕戦で開幕ゴールを決めるっていう、なんかすげぇなって思いました。さすがですよ。

先制点が74分だったので、うまく交代枠使いつつ時間を使って1点を守りつつ、あわよくば前掛かりになったFC東京に対してカウンターでとどめ刺せれば完璧でしたけども、86分、セットプレーから途中出場の三田選手の正確なクロスに森重選手に頭で合わせられる形で失点。三田選手のクロスはピンポイントでしたし、内側に巻きながら枠に向かって飛んできた上にそこにFC東京の選手が一気に突っ込んできた形なので、ディフェンスラインとしても守りにくい状況でしたし、西川さんにとってはほぼノーチャンスだったと思いますからあれはもう仕方ないかなと。

結果的には1対1の同点、引き分けという開幕戦でしたが、試合全体をみれば狙いを出せていたのは浦和だと思いますし、これから徐々に相手に研究されたり、過密日程の中でどこまでコンディションを保てるのかなど未知数の部分はありつつも、総じてポジティブな印象が残る内容となりました。今はそれで十分だと思います。

ちなみに選手交代は75分に小泉さん→田中達也さんで、明本さんをトップ下に、田中さんが右のSH。87分には阿部ちゃん→柴戸さん、汰木さん→武田さんと同時交代で、計3枚の交代となりました。次のルヴァンカップなどでは少し人の入れ替えもするでしょうし、日程が過密な分、色んな組み合わせが観られそうでその辺も楽しみかもしれません。

ということで、まだまだ様子見な感じの開幕戦レビューとなりましたが、今回はこれで。

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試合ハイライト

試合データ

観客: 4,943人(5,000人上限の入場制限付きマッチ)
天候: 晴 / 気温 8.1℃ / 湿度 20%
試合結果: 浦和 1-1 FC東京(前半0-0)
レッズ得点者:阿部(74分)
警告・退場: -
主審: 木村 博之 氏
順位: (暫定)7位(0勝0敗1分/勝点1/得失点差±0)

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Yoshiki Kato / burnworks
Yoshiki Kato
埼玉県出身。サッカー、フットサル (観戦 / プレー)、モータースポーツ観戦、格闘技 (主にボクシング) 観戦、インターネット、音楽鑑賞、筋トレ、腕時計収集が趣味。サッカー 4 級審判員、ウオッチコーディネーター(上級 CWC)資格認定者。好物はゼリー、グミ、お酒、ラーメン。