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2024 Jリーグ 第17節 埼玉スタジアム2002 ヴィッセル神戸戦

2024 Jリーグ 第17節 埼玉スタジアム2002 ヴィッセル神戸戦

先週末はホームで町田に悔しい敗戦をして、首位との勝点差は「11」と二桁台に。そんな状況で迎える今節はまたも上位との対決。前節終了時点で勝点29、3位につける神戸をホーム埼スタに迎えて。

2週連続の6ポインターですけども、そのうちの1つは負けちまったので今節、同じ失敗は許されない状況。しっかり勝って、上位との勝点差を詰め、いいイメージで約2週間の中断期間に入ってもらいたいところ。

神戸は町田同様に中盤での守備強度も高く、さらに前線とサイドに強力な選手を取り揃えたチーム。前回レビューでも書いた通り、今のウチはどのような守備形態をとるチームに対してもアタッキングサードまでボールを前進させることは問題なくできるようになっていて、その部分はリーグでもかなり高いレベルにきていると思いますが、問題はフィニッシュの一歩手前での精度やプレー選択の部分。

当然ながらそこがサッカーにおける攻撃面で一番難しい部分なので、山を8合目まで登ったからといって「あぁもう登頂目前だぜ、もう楽勝」なんて言っていられるような状況ではなく、ここから下手すれば8合目でずーっと停滞みたいなこともありえるわけです。

だから、一朝一夕、突然この試合で問題点が全部解決するなんてことはないですけども、少しずつでもよいので前に進んでいる様子、工夫を見せる必要はあるわけで、今節、神戸を相手にどういう戦い方ができるかに注目の一戦となりました。

スターティングラインナップ

2024 Jリーグ 第17節 埼玉スタジアム2002 ヴィッセル神戸戦 スターティングラインナップ

スタメンは前節、町田戦と同様、岩尾さんがアンカーで先発し、安居さん、敦樹さんのインサイドハーフ、ソルバッケンさんが連続スタメンで、はよコンディション上げて活躍しろというヘグモさんのメッセージが聞こえてきそう。朗報としては、ベンチに中島さん、大久保さんが復帰して、後半から一段ギアを上げていけるような、ワイドの選手に選択肢があることでしょうか。

対する神戸は、大迫選手をワントップ、右に武藤選手、左に佐々木大樹選手と、強くてパワーがあって、スピードがあるっていう3トップを中心とした、4-1-2-3 でのスタート。システム的にはかち合う形で、サイドからの突破力を狙いとする点でも、そこまでに至るまでの細かいディテールは異なりつつも、狙いとしては似ている同士の対戦となります。

前半停滞と不用意な失点、後半押し返して相手を追い詰めるも決めきれず。悔しいが妥当とも言えるドロー

立ち上がりにペースを握ったのは神戸の方。相変わらず大迫選手や武藤選手は強ぇ。特に大迫選手はほんと前線で信じられないくらい後ろ向きのボール収めるし、潰されながらもワンタッチでのポストプレーとかめちゃするし、半端ねぇ。そこで起点作られると、サイドを武藤選手や佐々木選手が追い越してくるし、比較的シンプルに蹴ってくるクロスも、ウチのディフェンスラインが完全にセットする前に速いボールを入れてきたりするので緊張感ある。

実際にキックオフ直後に大迫選手にポストされたところからオープニングシュート打たれて与えたコーナーキックからいきなり大迫選手のヘディングシュートであわや失点(西川さんが神セーブ)しそうな流れもあったし、立ち上がりから心臓に悪い。

神戸のボール非保持は大迫選手とインサイドハーフの井出選手を最前線にした 4-4-2 ですが、前線からハイプレッシャーでウチの2CBに対して規制をかけつつ、両ワイドがウチのSBに蓋をしにくるため、ここで詰まると面倒くさい。

岩尾さんがうまく相手前線2枚の背中を獲ってボールを引き出す、もしくは相手を引き込んでおいて縦一発という感じでボールを前進させますが、縦一発でもサンタナさんとソルバッケンさんの関係性で立ち上がりだけでも2回ほどよい形を作れていたので、この2人の関係性は今後に期待というところ。

前半に関してひとつだけ不満というか、もう少しこうすればよいのになという点としては、ホイブラーテンさんが縦に少し持ちだした時に、逆サイドの前田さんへの斜めのフィードをもう少し積極的に狙ってくれてもいいのになという点。というか、これは今節に限らず、毎度言ってる気もするんですが、ホイブラーテンさんは左足で対角線に鋭いフィードを蹴る能力を持っているにもかかわらず、なかなかそれを発揮してくれないのがもったいないなと。

もしかするとホイブラーテンさんはドリブル時の視野の問題で、逆サイドが見えていない、もしくは見えてるけど味方の動き出しが見えないので躊躇してるかのどちらかなのかも知れませんけども、そういうの関係ないんですよ、とにかく蹴るの。蹴っといて味方がそのスペースに走ってなかったら、「なんで走ってねぇんだよ」ってキレるくらいのメンタリティでよいと思う。

だって、神戸みたいにハイプレスでボールサイドにきっちりスライドするチーム(というかほとんどのチームが守備時はブロックをコンパクトに保とうと、ボールサイドに圧縮するので神戸に限った話ではないんですけども)の場合、左サイドでCBが縦に持ち出だせる状況では逆サイドの奥は絶対フリーなので、そこをシステマティックに狙って行くという選択肢はあっていいと思うんですよね。ホイブラーテンさんがそんなボール蹴れないって人なら別なんですけども、彼は50mくらいのロングフィードを正確に蹴れるでしょ。もっと活かそう。

そうそう、この「そのスペースにいない方が悪い」メンタルに関しては、後半に入ってきた中島さんが、左サイド寄りのハーフスペースでボール受けたところからターンしつつ、ほぼノールックで右サイドの奥のスペースにバシッと鋭いサイドチェンジ飛ばしたとき、そのサイドにいた石原さんが全く感じてなくてボールがタッチライン割ったシーンがあったんですけども、なんで走ってねぇんだよみたいな感じでめちゃキレてたんすよ。あれですあれ。あのメンタルが必要。「空いてるスペースを感じて先に動いとく」というプレーがもっとできるようになるとより効果的に相手を崩すことができると思うので、そこを高めていって欲しいです。

話が逸れたので元に戻します。

で、前半に関してはそこまでうまくボールを前進されられたとは思いませんが、別にそれならそれでいいんですよ。焦る必要は全くなくて、ボールをしっかり動かして、相手が出てきたら裏返す、裏に蹴るタイミングじゃなければボールを左右に動かして相手を走らしつつ、穴を探す。そうやって 0-0 で前半を終えておいて、後半ギア上げるとかでもいいわけです。

そう割り切るなら蹴るときは蹴る、繋ぐときは繋ぐ、相手の攻撃に対しても、連続性のある攻撃にさせないように、どううまく流れを切っていくかみたいなハッキリしたプレーをして欲しかったんですけども、15分、相手のクロスをタッチラインやゴールラインに逃げて切るっていうことができずになんとなく左右からクロスを複数回上げられる状況を作ってしまったことで、ゴール前に人数はそろっていながら大迫選手のポストプレーから井出選手に決められて早めの失点。相変わらず試合運びが下手だな......

失点してしまったものは仕方ないということで、まずは1点奪わないことには仕方なし。できれば前半のうちに追いつきたかったけれどなかなかアタッキングサードで効果的なプレーができず、フィニッシュの一歩手前で引っかかるいつもの感じ。

ハーフタイムに岩尾さんと前田さんを下げて、中島翔哉さんとグスタフソンさんを投入。これで一気にギアを上げます。っていうかやっぱり今のウチには中島さんが不可欠。彼がいないとスイッチ入れる人が不在みたいな感じになるんですけども、彼は逆にスイッチ入れっぱなしの人なので、一気に前線が活性化するというか、彼の動きに周りが反応し始める。

本当は中島さんがいなくても、もっと両ワイドの動きに対して周囲が連動して欲しいというのはあるんだけど、中島さんは自由にポジションを動かしつつ、うまく自分が活きる形でボールを受けてゴール方向に向かうので、彼が、なんだろ、ビリヤードで言うキューボールみたいな感じになって、周りの選手がそれに弾かれたように動き出すみたいな。例えがわかりにくいな。まぁいいか。

そうやってウチのギアが1段上がったのと、神戸の運動量が前半に比べれば多少落ち始めたところでウチが神戸を押し込む展開に。そんな流れの中で右サイドからドリブルでカットインしてきたソルバッケンさんのラストパスを中央で受けた中島さんが右足で放ったミドルシュートは、見事にゴールに突き刺さって同点。

このボール受ける直前の中島さんもうまいなぁと思ったんですが、縦にスイッチが入って、サンタナさんと敦樹さん、さらに自分を追い越す形で安居さんがペナルティエリア内に入っていくところを、うまーく速度を落として相手最終ラインと戻りが遅れた相手前線選手との間のスペースに浮いてる状態を作ってて、ソルバッケンさんからのパスを受けた瞬間にはもう相手最終ラインのプレスは間に合わないっていう絶妙な受け方してるんですよね。

まぁ最後のシュートの部分はもう個人のクオリティみたいな話になっちゃうんですけども、この一連の動きとフィニッシュの精度はさすがだなと感心させられました。

61分に同点にして残り時間もたっぷりある中で、完全に流れはウチの方だったので、ここから畳みかけたいところ。69分に安居さん→大久保さんとしたのは、ヘグモさんからの、このままの勢いで押しきるぞというメッセージを感じましたけども、相手の足も少し止まりはじめて、こちらがボールを保持してアタッキングサードまでは持っていける、ってなった時に、いつものフィニッシュの一歩手前の工夫や精度が...... っていうやつに。

それでも何度か決定機っていうシーンはあったんですけどね。肝心なところでシュートが枠に飛ばず、78分にはソルバッケンさん→大畑さんとして、渡邊さんを右のウィングに出して最後の力を振り絞りますが、ゴールは遠く。結局1得点に留まって、ドローとなりました。

勢い、埼スタの雰囲気的には後半、1、2点叩き込んで逆転勝利っていう空気でしたけども、客観的に内容を見れば引き分けが妥当な試合だったかなと。ただ、ソルバッケンさんが徐々に調子上がってきてる感じもしますし、中島さんや大久保さんが戻ってきたりと、よい兆しも見えていますから、ここからもう一段、チームが成長することに期待したいところです。

ということで、来週はインターナショナルマッチウイークということで、リーグ戦はお休み(ルヴァンカップある人たちは試合ですが、ウチは早々に負けちゃったからね......)。中断明けはアウェーでセレッソとの対戦です。リーグ前半戦は次のアウェーセレッソ戦、そして翌週のホーム鹿島戦で終了。後半戦に折り返します。

2チームとも面倒くさい相手ですが、ここで勝点を積んで、後半戦に勢いをつけられるよう、中断期間を有意義に使ってもらいたいところ。あとソルバッケンさん、マジで契約延長してくれ。

試合ハイライト

試合データ

観客: 45,976人
天候: 晴 / 気温 23.2℃ / 湿度 43%
試合結果: 浦和 1-1 神戸(前半0-1)
レッズ得点者: 中島(61分)
警告・退場: ショルツ(警告×1/反スポーツ的行為/次節出場停止)
主審: 中村 太 氏
順位: 8位(7勝6敗4分/勝点25/得失点差+4)

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