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2023 Jリーグ 第8節 埼玉スタジアム2002 コンサドーレ札幌戦

2023 Jリーグ 第8節 埼玉スタジアム2002 コンサドーレ札幌戦

前節は名古屋を相手にスコアレスドローで勝点1を分けあう結果。残念ながら連勝という意味ではそこでストップしてしまいましたが、3節以降は負けなしで勝点でも上位混戦の中よい位置に付けている上々の序盤戦。

そして迎える今節は、芝の張り替えでしばらく使えなかった埼スタに久しぶりに戻ってのホームゲーム。対戦相手はコンサドーレ札幌です。

埼スタの事情もあって前半戦はアウェー比率が少し高めの日程になりましたが、ここから今節、平日のルヴァンカップ、湘南戦がホーム埼スタ、アウェー川崎戦を1つ挟むと、次はいよいよACLの決勝が始まるという、今シーズン前半における一番の山場を迎えます。リーグ戦でのタイトル奪取を目指すためにも、ACLにつなげるという意味でも、リニューアルした埼スタでしっかり勝って勢いを付けたい重要な一戦となりました。

スターティングラインナップ

2023 Jリーグ 第8節 埼玉スタジアム2002 コンサドーレ札幌戦 スターティングラインナップ

さて今節のスタメンは、最終ライン左から荻原さん、ホイブラーテンさん、ショルツさん、明本さん。ダブルボランチに岩尾さんと敦樹さん、左のSHに大久保さん、右に関根さん、トップ下に小泉さんを配置し、1トップに興梠さんを置いた 4-2-3-1 スタート。GKは西川さん。サブには岩波さん、 馬渡さん、柴戸さん、安居さん、モーベルグさん、カンテさん、そして彩艶さんが控えます。

酒井さんが前節負傷(ハムストリング肉離れ)して離脱してしまったので、今節は明本さんを右SBに移動させて、左に荻原さんを先発。ここまで途中交代での出場が続いていた荻原さんですが、巡ってきたチャンスにしっかり結果で答えたいところ。ベンチメンバーではしばらくベンチ外が続いていたモーベルグさんが復活。新加入のカンテさんが引き続きベンチ入り。この辺は、以前ホイブラーテンさん加入直後にずーっとスタメンさせてチームへの順応とコンディション調整を狙っていたのと同様にコンスタントに出場機会を与えてコンディションを上げていこうという考えかと思います。

対する札幌は、最終ライン左から中村 桐耶選手、岡村 大八選手、田中 駿汰選手。ダブルボランチに福森 晃斗選手と荒野 拓馬選手。左のWBに菅 大輝選手、右に金子 拓郎選手。インサイドハーフに青木 亮太選手、浅野 雄也選手を配置し、ワントップにキム ゴンヒ選手という並びの 3-4-2-1 スタート。GKはク ソンユン選手。

相手のマンツーマンを逆手にとる策で一時的には一方的な展開になるかと思いきや......

札幌のボール非保持はここ数年、札幌でのミシャ監督の代名詞ともなっているマンマーク守備。ウチで指揮を執っていた頃のミシャ監督のサッカーとはかなり異なり、札幌のサッカーはある意味、根性と技術の複合みたいな感じ。守備時は「1対1で負けたらお前の責任な」っていうブンデスリーガも真っ青の超絶根性サッカー。カバーリングもほとんど来ないし、とにかく球際の強度と運動量で守り切る。

一方でボール保持においてはミシャ監督の真骨頂だと思いますが、ワンタッチ、ショートレンジでの細かいパスワークと大胆なサイドチェンジによる左右への揺さぶりを交えながらアタッキングサードにガンガン人数かけてくるダイナミックなサッカーで、どのチームにとっても楽な相手ではない。めちゃくちゃな打ち合いして、3点獲ってるのに4点獲られて負けるみたいな試合が多いのも外野から観ている分には面白いですけど、サポだったら色々と複雑だろうなと思いますが、まぁそれもミシャ監督の特徴。

で、そうなると当然、ウチが相手のマンマークに対してどういう対策をとるのかというのがまずは注目ポイントでしたが、ここに関しては立ち上がりからかなり明確に狙いがみえるやり方をしていました。

相手は自分の受け持ちのマーカーに対してある程度食いついてくるのはわかっているわけですから、自分が動けば相手マーカーも動くわけです。そこを逆手にとって、例えば興梠さんがワントップからマーカーを引き連れて降りてくる、それでできたスペースに2列目から追い越して入っていく、そこに対して前線で優位な1対1局面が作れそうなら西川さんなどを中心にロングフィードを入れたり、無理そうなら後方で繋ぎながら、札幌の食い付きを待ちつつ、スペースを見つけては前進する。

恐らく事前に準備されていたであろうこれらプレーを繰り返すことで、相手陣内での1対1局面を多く創り出すことに成功すれば、あとは単純な話、そこの1対1で上回ればチャンスじゃんっていう。そして大久保さんはじめ、アタッキングサードでの1対1局面を個の力で打開することができる選手は揃っているので、自然とチャンスの数も増えると。

早い時間帯に相手に退場者をだしたのも、この相手陣内での1対1の創出で、こちらの能力が相手を上回ったことが要因。退場したのは札幌の3バック左に入っていた中村 桐耶選手ですが、小泉さんから興梠さんにパスが出た時点で興梠さんと1対1。しかも興梠さんが完全に優位な体勢で仕掛けられる状況だったのに対して中村選手は身体の向きが中途半端な状態でしたので、もうこの時点で相手にとっては分が悪い。

そこに興梠さんがうまくドリブルで中村選手の背中を獲った上に、一気にスピード上げて抜け出し、中村選手の前に身体を入れたため、中村選手の選択としてはせめて興梠さんを外側に追いやるようにコース切って併走するくらいしかなかったと思いますが、若さ故か後ろから引っぱって倒すっていう一番やっちゃいけない対応。倒れた瞬間「あ、DOGSO」って思わず声出ちゃうレベルのプレーで一発レッドカード。34分の時点で相手が1人少ない状況というウチにとっては非常にやりやすい展開に。

ただ、さすがに札幌の守備もハードワークするし、逆に1人少なくなったことで前線からの守備をキッパリ諦めてある程度引いてブロック作る形になってしまったこともあってボール保持はできるけどゴール前堅いな......という展開になって前半は結局 0-0 で折り返し。

後半もある程度割り切ってカウンターに徹する札幌を崩しきれずに時間は進みますが、そんな状況を打破したのがショルツさん。札幌の縦パスを鋭い出足でインターセプトすると、そのまま一気に縦にドリブルで侵入していきます。

この辺が札幌のマンマーク守備の弱点でもあるんですが、本来ショルツさんに対してマークに付かないといけないはずの中島選手(途中交代)がインターセプトで入れ替わる感じになってしまったことでショルツさんには完全に置いて行かれる状況に。そうなるとマーカーがおらず、どフリーでドリブルしてくるショルツさんに対してインサイドハーフにいた青木選手が付かざるをえなくなりますが、札幌の守備にはマークを受け渡す的な部分があまりないので、今回のようにショルツさんが関根さんとのワンツーでペナルティエリア内まで入ってくるみたいになるとさすがに追い切れない。

結果、関根さんの素晴らしいリターンパスに、青木選手のマークをうまく外して(青木選手が一瞬目を切ったタイミングで背中に隠れるあの動き...... CBの動きじゃねぇ)フリーになったショルツさん、飛び出してきた相手GKの股下を抜く技ありシュートで先制点をゲットしてくれました。ゾーンディフェンスで守る相手であれば突入してくるショルツさんに対して相手ディフェンスの誰かが自分のマーカーを捨ててでも対応してきたと思うんですが、そういうカバーリングをする選手がいなかったことで、ドリブル→ワンツー→フィニッシュという見事な崩しが発動した形。

さらにこの直後にも関根さんの幻のゴール(オフサイド判定でノーゴール)があって、一気に2点差を付けたような流れになったのでこれは圧勝モードかなと油断したのもつかの間。ショルツさんの先制点直前に小泉さんとの交代で入っていたカンテさんがまさかの一発レッドやらかして退場、10人対10人にお付き合いしてあげる状況に。カンテさん、加入直後で早いこと結果出したいという気持ちはわかるんですが、無茶なアタックをして退場ってのはさすがに試合をぶっ壊しかねず、もう少し冷静にプレーして欲しいというのが正直なところ。まぁやっちまったものは仕方ないけど。

それでも89分に興梠さんのシュートが相手ディフェンス(青木選手だったと思うけど)のハンドリングを誘ってPKゲット。ショルツさん2点目かと思ったらまさかの興梠さんが蹴るっていうサプライズはありましたが、興梠さんもPKの名手。あっさり決めて2点差に。

2点差になった所で関根さん→モーベルグさん、興梠さん→安居さんと前線をリフレッシュするための交代を準備しますが、交代直前、札幌の菅選手に半ば強引にペナルティエリア内に侵入されたところから1発喰らって1点差(敦樹さんと明本さんが2人で対応しながら間抜けられたのはちょっと対応的に軽かったかなという印象)。さっきのPKなかったらヤバかったぜという流れ、かつ札幌が勢いを増してめんどくせぇ感じがする展開でしたが、アディショナルタイムにまさかのゴールラッシュ。

まずは安井選手とのパス交換で右サイドを一気に抜け出したモーベルグさんがそのまま相手をぶっちぎってペナルティエリア内に侵入。狙いすましたグラウンダークロスにファーで大久保さんがどんぴしゃりのタイミングでしたが、その手前で札幌ディフェンスが触ってオウンゴール。ディフェンスが触らなければ大久保さんが触ってゴールだったので大久保さんにとっては惜しいというか、悔しいシーンだったと思いますが、あそこにしっかり走り込んでいたことを評価するべき。

さらにアディショナルタイムに入ってから荻原さんと替わって投入された馬渡さんが相手陣内、好位置でのフリーキック。鋭く曲がるクロスは相手ディフェンスが触るも、クリアしきれずフリックしたような形になったボールがゴール前に突っ込んできたホイブラーテンさんのところへ。これをホイブラーテンさんがうまく頭で合わせて加入後初ゴール。終わってみれば 4-1 という快勝に。ホイブラーテンさんのゴール、速いボールが相手に当たって自分のところに飛んできているので見た目ほど簡単なボールではなかったと思いますが、うまく頭に当てたのはさすがです。

ということで、スコアだけ見れば 4-1 の大勝でしたが、時間帯によってはイーブンな展開もあり、とはいえ、試合全体を通してみればウチがうまくコントロールして優位に進めた90分だったんじゃないかなと思います。勝たないといけない試合でしっかり勝ったこと、時間は短かったですけどもモーベルグさんのキレが戻ってきた感が見えたり、2CBの素晴らしいゴールなど、ポジティブな要素も多く、今後に期待が持てるホームゲームとなりました。

さて、次は週が明けた水曜日のルヴァンカップ。ルヴァンカップの方はなかなか勝てずに苦戦している状況ですが、ホーム埼スタでしっかり勝って、リーグ戦のよい流れを継続できることを願います。

2023 Jリーグ 第8節 埼玉スタジアム2002 コンサドーレ札幌戦

試合ハイライト

試合データ

観客: 38,574人
天候: 雨 / 気温 16.1℃ / 湿度 90%
試合結果: 浦和 4-1 札幌(前半0-0)
レッズ得点者: ショルツ(68分)、興梠(83分/PK)、オウンゴール(90分+5分)、ホイブラーテン(90分+8分)
警告・退場: 荻原(警告×1/ラフプレー)、ホセ カンテ(退場/著しく不正なプレー)
主審: 御厨 貴文 氏
順位: 4位(5勝2敗1分/勝点16/得失点差+5)

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