Keep on Jumpin'

2023 Jリーグ 第5節 浦和駒場スタジアム アルビレックス新潟戦

2023 Jリーグ 第5節 浦和駒場スタジアム アルビレックス新潟戦

前節はアウェーで神戸を破り、連勝を2とし、リーグ戦を4試合終わって2勝2敗と勝敗を五分に戻しましたが、続く第5節の対戦相手は、神戸同様今シーズンリーグ戦ではまだ負けなしと好調の新潟と。

新潟は久しぶりのJ1復帰ということで、リーグ戦で対戦するのは2017年以来。現FC東京監督のアルベルさんが2020年に監督に就任後、所謂ポジショナルなサッカーを志向し、松橋監督もそれを引き継いで完成度を高めてきたチーム。J2だけでなく、J1リーグを見渡した内でも、プレス回避に関しては相当高レベルな相手ですので、下手に前線が出ていって中盤にスペースを与えると普通に裏っ返されてやられる可能性もあり、ビルドアップ能力では優位と思われる相手に対してどこで奪いどころを設定し、相手の嫌がるポイントにパスを付けていくことができるのか、注目の一戦となりました。

それにしてもめちゃくちゃ寒かったですねぇ。冬装備で行きましたけど、試合終わる頃には寒すぎて辛かったです。早く暖かくなって欲しい......

スターティングラインナップ

2023 Jリーグ 第5節 浦和駒場スタジアム アルビレックス新潟戦 スターティングラインナップ

さて今節のスタメンは、最終ライン左から明本さん、ホイブラーテンさん、ショルツさん、酒井さん。ダブルボランチに岩尾さんと敦樹さん、左のSHに小泉さん、右に関根さん、トップ下に大久保さんを配置し、1トップに興梠さんを置いた 4-2-3-1 スタート。GKは西川さん。サブには岩波さん、荻原さん、モーベルグさん、安居さん、平野さん、リンセンさん、そして彩艶さんが控えます。

前節からの入れ替えは右のモーベルグさん→関根さんのみ。大久保さんのトップ下スタートも前節から継続で、ある程度基本的なメンバーは定まってきた所で、その時のパフォーマンスによって人を入れ替えるやり方をスコルジャさんは採用しているように見えます。

対する新潟は、最終ライン左から渡邊 泰基選手、トーマス デン選手、舞行龍ジェームズ選手、新井 直人選手。ダブルボランチに島田 譲選手と星 雄次選手。トップ下に伊藤 涼太郎選手。左のSHに三戸 舜介選手、右SHに太田 修介選手、ワントップに鈴木 孝司選手を配置した 4-2-3-1 スタート。GKは小島 亨介選手。

中盤で浮いたポジションを獲りながら神出鬼没にゲームをコントロールする伊藤選手、両サイドの太田、三戸選手はアタッカーとしての能力も高く、2CBはボール保持に長け、ビルドアップ能力も高いため、冒頭にも書いたとおり、現時点におけるリーグ内でもプレス回避の能力に関しては相当レベル高いチームです。

再現性があるようには見えないけど、とりあえず力で押し込む2ゴラッソで逆転勝利

新潟、ボール非保持の基本は 4-2-3-1 のまま1トップ+両SHがウチのビルドアップに対して初期の規制をかけにくる形でしたが、ウチは岩尾さんが頻繁に最終ラインまで落ちる策を獲っていたので、岩尾さんマークで新潟の伊藤選手が1トップと横並びになる形の 4-4-2 ブロックにもなっていて、この辺は流動的。

ウチのボール保持時は、岩尾さんに付いてくる伊藤選手と、その背中でうまく立ち位置を獲る敦樹さんの関係をうまく活かしてショルツさんからの縦パス一発で相手1列目を越えるシーンも何度か作れていて、立ち上がりからシンプルに相手ゴール前に迫ったのはウチの方。ニアゾーンを獲った敦樹さんからのクロスに興梠さんがファーで走り込んだ前半9分のシーンなんかは、興梠さんに合ってれば見事な先制というシーンでしたがここを活かせなかったのが残念。

一方で新潟のボール保持に対してウチの守備は少しうまくハマっていない立ち上がり。スマートにボールを繋ぐイメージのある新潟ですが、攻守転換も素早く、球際での強度も高いですし、2CBのボール保持能力も高いので新潟ボール保持時にプレスをはめて奪いきるのは結構大変。

ウチは相手GKまで出ていってそこで規制かけつつ、中盤の特に中央エリアを締めてここにボールの奪いどころを設定しているような動きをしていましたが、相手2CBの立ち位置の獲り方や身体の向きの作り方がうまくて、結構簡単に初期プレスが外されちゃう。しかもウチが中盤締めてるのわかるとその外側を使ってくる臨機応変さも。

実際に10分に喰らった失点は、相手GKまで大久保さんが出ていった所で背中のデン選手→中央でパスを受けた島田選手の動きに対してウチの中盤が絞った所で舞行龍ジェームズ選手を経由して大外を一発で新井選手に使われたことで、中に絞っていた小泉さんが慌てて戻りながら守備させられる形になり、新井選手のクロスが小泉さんに当たってディフレクションするという不運もありながら、全体として後ろ向きに守備をさせられたことでマークがずれ、ハーフスペースに入ってきた太田選手はフリーでファーストタッチできる状態でしたので、相手最終ラインでのボール保持からうまくボールを前進させられてやられた形。

簡単にやられたように見えますが、相手の立ち位置によってウチがうまくポジションを動かされ、空いたスペースを活用されることで喰らったという点では完全に新潟の狙いを出されたといっていいでしょう。現地で観ていて普通に強ぇなとちょっと感心してしまいました。

失点後に(これはベンチからの指示なのか、ピッチ内の選手たちの独自判断なのかはわかりませんが)少し守備を変更したみたいで、GKまで追うような動きは少し自重して、中盤の人数を厚くしてある程度人数合わせに行くようなやり方にしていましたが、あわせて流動的に動く新潟の伊藤選手に対してかなり厳しめにマーカーを当てて自由にボール保持できない状況を作るなど、相手の良さを消すやり方が徹底できたことが徐々にウチが試合のペースを握る結果につながったと思われます。

同点ゴールは35分、敦樹さんからの縦の楔に大久保さん→関根さんとワンタッチで中央から侵入するもボールが浮いて少しゴール前でガチャガチャする状況に。ペナルティエリア内での混戦の中からこぼれてきたボールに最後は酒井さんが右足一閃、ワンステップで蹴ったシュートはゴール右隅にブッ刺さるゴラッソ。

酒井さんのゴールはもちろん素晴らしかったですが、その前、浮いたルーズボールに興梠さんが2度くらい競って相手にクリアをさせなかったことで結果として押し込んだ状況から酒井さんのゴールが生まれたので、やはりゴール前での興梠さんの存在は大きいなと改めて。

さらに前半終了間際のアディショナルタイム、右からのコーナーキックにキッカーは岩尾さん。ファーに飛ばしたボールにショルツさんとホイブラーテンさんが突っ込んで浮いたボールが逆サイドでゴール前にいた明本さんの元へ。滞空時間のあるボールでどうするかなと思ったら明本さんがまさかの左足ダイレクトボレー。これがシュートブロックの隙間をぶち抜いてゴールに突き刺さるゴラッソ。前半で逆転する最高の展開に。

リードして迎えた後半は69分に関根さん→モーベルグさん、興梠さん→リンセンさんと疲労が見える部分をリフレッシュ。さらに76分には小泉さん→荻原さん、大久保さん→安居さんと、ここ数試合の鉄板カードを切って中盤の強度を増し増しに。ウチとは対象的に人の入れ替えによってクオリティを保つのが難しい新潟を押さえ込んで試合をコントロールし、危なげなく試合をクローズしてくれました。

2得点自体は狙い通り崩しきったというより、ゴール前の混戦からゴラッソ2発なので、これに再現性を見いだすのは難しいのが正直な所ですが、こういう力でねじ伏せるような勝ち方ができるというもの長いシーズンを考えれば重要ですし、うまく波に乗っているところでこの勢いを味方に付けてもらえればと思います。

ということで、次はルヴァンカップですね。対戦相手は清水。駒場スタジアムでの試合ですが、ここも勝って駒場全勝といきたいものです。

試合ハイライト

試合データ

観客: 15,167人
天候: 雨 / 気温 8.7℃ / 湿度 90%
試合結果: 浦和 2-1 新潟(前半2-1)
レッズ得点者: 酒井(35分)、明本(45+2分)
警告・退場: 小泉(警告×1/ラフプレー)
主審: 福島 孝一郎 氏
順位: 6位(3勝2敗0分/勝点9/得失点差-1)

記事をここまで御覧頂きありがとうございます。
この記事が気に入ったらサポートしてみませんか?
スタジアムでのビール代にさせて頂きます。
Categories
Publish
Modified