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2022 Jリーグ 第27節 埼玉スタジアム2002 北海道コンサドーレ札幌戦

2022 Jリーグ 第27節 埼玉スタジアム2002 北海道コンサドーレ札幌戦

前節は鳥栖を相手にユンカーさん、リンセンさんの強力2トップ体制で臨んで見事に勝利。戦い方のオプションとして、ハイプレスの相手に対しては2トップで中盤省略してひっくり返すっていうやり方が効果を発揮しました。

惜しむらくは相手が前掛かりになった終盤に複数回あった決定機を決めきっていればもっと楽な試合だったなというところですが、ゴール前、フィニッシュの部分に関しては戦術云々より最終的には各選手のクオリティやコンディションみたいなところもあるため、そこはあまり言っても仕方ない。

ただ、今シーズンは序盤から中盤戦にかけては「チャンス作るのに得点できないですよね」といわれ続けて勝点を積み損ねた思い出があるのでこれがまた終盤になって再び再現されるのはちょっとやめて欲しいなというところ。

そんな中、リーグ戦の方はもう残り今節を入れて3試合。今節はACLの関係で日程が調整されていた第27節ですが、今節を終えると全チーム(直近、天候不良で延期になった試合がある磐田と清水は除く)消化試合数が並ぶことになります。

今節の相手は札幌。今シーズン、アウェーでの対戦は先制しながらもトドメを刺し損ねて 1-1 ドロー。しかも犬飼さんが負傷しちゃったりと色々とうれしくない思い出が残る試合になってしまいましたが、ホームでしっかり勝てるかに注目の試合。

当の札幌は今節、ウチに勝利すればJ1残留確定(32試合消化時点で16位のガンバが勝点「33」理論上勝点「39」までは届くので、32試合消化時に勝点「40」あれば残留確定です)という試合。あちらには明確な目標がある、こちらには...... まぁそんな明確な目標もないみたいな状態で対戦すると、えてして目標がはっきりしている方のチームの勢いに飲み込まれるケースも多々ありますので、そういうチームを相手にしっかり勢いを跳ね返せるか、注目です。

スターティングラインナップ

2022 Jリーグ 第27節 埼玉スタジアム2002 北海道コンサドーレ札幌戦 スターティングラインナップ(4-4-2)

さて今節のスタメンは、最終ライン左から大畑さん、ショルツさん、岩波さん、酒井さん。ダブルボランチに岩尾さんと敦樹さん、左のSHに小泉さん、右に大久保さん、リンセンさんとユンカーさんを最前線に置いた 4-4-2 スタート。GKは西川さん。サブには知念さん、関根さん、明本さん、柴戸さん、モーベルグさん、松尾さん、そして彩艶さんが控えます。

スタメンは、前節鳥栖戦と変わらず。うまくいっているときはいじらないの法則だと思いますが、今節対戦相手の札幌も鳥栖とはアプローチは少し異なるものの、基本的にはオールコートでハイプレスを狙ってくる相手ですから、鳥栖で得た経験や戦い方が活かせる場面も多そうなスタメン起用。

対する札幌は、最終ライン左から菅 大輝選手、高嶺 朋樹選手、岡村 大八選手、田中 駿汰選手。アンカーの位置に荒野 拓馬選手を配置。左のSHにルーカス フェルナンデス選手、右に金子 拓郎選手。インサイドハーフの位置に青木 亮太選手と小柏 剛選手、ワントップにガブリエル シャビエル選手という並びの 4-1-4-1 スタート。GKは菅野 孝憲選手。

試合開始前、札幌は3バックという思い込みがあったのでそういう想定でぼーっとみていたら、4バックでしたね。まぁどうせ可変するので初期の立ち位置が3だろうが4だろうがってのはあると思いますが、2CBの間にGKの菅野選手が入ってビルドアップ、両SHを極限まで高い位置に張り出して幅を獲り、2-3-5 (もしくは 3-2-5) みたいになるアグレッシブな配置はなんていうかミシャさんらしいんですが、同時にリスクも思いっきりとるやり方なのでウチとしてはこの部分をうまく突けるかがポイントか。

前半はリスク回避を優先したか単調な展開、後半盛り返してチャンスを作るもシュートが枠に飛ばない呪いが発動......

札幌はワイドに張った両サイドに対して、ビルドアップの後方から斜めにロングフィードで一発すっ飛ばして、サイドでの1対1局面をまずは作りにくるやり方。ここで積極的に仕掛けて対面の相手選手を引っ張り出し、縦に行けそうならそのまま突破してクロス、無理っぽければ守備ブロックを横方向に間延びさせておいたところから一旦バイタルエリア中央で起点作っといて縦にハーフスペース、間延びしたSBーCBを獲りに来るみたいな形が基本的な崩しのパターン。

やってくることはある程度予測できても、サイドに気を取られすぎてセンターを空ければ普通に縦にぶち抜かれるし、センターを締めることに注力しすぎるとサイドでやりたい放題やられるっていう面倒くさい相手。とにかく愚直に素早くスライドして、1対1の局面勝負で負けないことが求められるタフな試合になります。

一方で最前線に5枚張り出すような配置は、中盤でのボールロストに対して脆弱で、うまく引っかけてショートカウンター発動できれば、手薄な最終ラインと相まって一発でゴール前まで持っていけるチャンスはある。

札幌はそこのリスクをボールロストした瞬間の攻守転換スピードと、ボール失ったときはとりあえず全員で目の前の相手ボールホルダーを最短でぶっ潰せという個人戦術によるハイプレスを徹底することで防ぎきるやり方。この圧力に負けると再奪取から押し込まれるのでボール奪取直後にどれだけ素早くポジショニングで優位性獲って相手の初期プレスを剥がせるかが鍵です。

前半のウチは鳥栖戦同様、かなり自陣でのリスク回避を念頭に置いた入り方。西川さんからのリスタートに関してはほぼ自陣で繋がない、ビルドアップにプレスがかかったらかなり潔く蹴るって感じで、前線2トップにまずは当てに行くやり方。

中盤省略して縦ポンかよみたな意見もあるかもしれませんが、札幌が元気なうちは中盤省略して2トップで相手最終ラインにプレッシャーをかけ、自陣から離れたエリアでプレーしてリスク回避しつつ相手の出足を止めるってのは別に狙いとしてはおかしいことじゃありません。90分トータルで勝つために、どういう逆算をするかの話なので別にそれはよい。

問題は蹴ったあとのことで、今節の立ち上がりは前線2トップにほぼボールが収まらなかった(さすがに相手の2CBも立ち上がりは元気なのでリンセンさん、ユンカーさんの2トップといってもそう簡単にやらせてはもらえなかった)のと、そのセカンドボールに関しても2トップに対して2列目以降の押し上げが少し消極的だったことや、札幌の高強度なプレスに晒されてなかなかキープすることができなかったので、蹴って、裏にプレッシャーかけて相手を少し引き気味にさせるという目的が達成できず、逆にウチが間延びして押し込まれる形になってしまったことでしょうか。

まぁなんていうか、とりあえず前線に蹴って、そこの局面勝負で「勝てば」ビッグチャンスみたいな話は、個の能力に依存したやり方になるので本来リカさんが求めているものではないと思うんですよね。だから蹴るにしてももう少しユンカーさんやリンセンさんが最初の受け方にしても、受けた後の2人の関係性にしても効果的な立ち位置を獲ってフリーでボール持てる状況を作れればよかったと思いますが、正直今節の2トップにそこは足りなかったかなと。

ただ、前半の終盤から岩尾さんや敦樹さんを中心に中盤でうまくポジションを獲って相手プレスを剥がして前進させたり、機を見て小泉さんを中心に前線がプレス強度上げて奪いきったところからゴールに迫るなど、徐々に盛り返す時間帯に。

札幌のハイプレスは選手の体力に依存するため、あのやり方が90分もつとは思えませんから、徐々に落ちてくるのはわかってるわけですけども、前半の劣勢をうまく耐えたことで、特に後半立ち上がりからウチがボールを保持してゲームをコントロールする時間帯も増え、流れ的には悪くない感じに。63分にはユンカーさん→松尾さんとしてボール保持できる時間が増えることを想定した前線の変更。

でもさ、そういう流れでも失点する時ってのはするんですよね。71分、ルーカス フェルナンデス選手に技ありのシュート決められて失点。いい流れだったところで逆に先行される形に。

ゴール前でのサイドチェンジから札幌、青木選手がドリブルで縦に仕掛けたことで酒井さんがそれに対応。これによって酒井さんの外側でフリーになったルーカス フェルナンデス選手が少し余裕を持ってペナルティエリア内でボール保持する状況に。酒井さんがもう少し強くルーカス フェルナンデス選手に出て行ければとも思わなくはないですが、あの位置なのでクロスの方を警戒した対応をしたらまさかの針の穴通すようなシュートを直接叩き込まれるという......

正直、あれは蹴った方褒めるしかないかなという印象でしたが、もったいない失点でした。

71分、リンセンさん→明本さん、敦樹さん→柴戸さんと、失点直前から用意していた交代でセンターラインをリフレッシュ。前線プレスの強度出しつつ足が止まってくる時間帯に札幌を押し込みたい意図が見える交代。

ウチが押し込む時間帯は増え、さらに前線プレスから引っかけて決定機という状況を何度か作りますがここで発動する「シュート枠に飛ばない呪い」...... 何度「マジかよ」「それも決まんねーのかよぉ」と心の中で叫ぶ(一部ちょっと声出た)シーンを乗り越えてるうちに時間は経過する。どんどんなくなる残り時間。

85分過ぎ、右サイドからカットインして少し強引目にシュートにいった大久保さんに対して、ゴール前でシュートブロック入った福森選手がヘディングクリアしようとしたところでミスってハンドリング。これがPKとなってショルツさんによるPK(蹴るコースがエグい)成功により土壇場でなんとか同点に。

アディショナルタイム7分を加えて、最後なんとか1点...... と願いましたが、結局そのまま 1-1 ドローという結果になりました。

負け試合で勝点1を拾ったといえばその通り。作ったチャンスの数からすれば勝点2を落としたと言えなくもない何ともスッキリしない試合になってしまいました。とはいえ終盤1点を追って最後まで必死に戦ってくれた選手たちはよくやってくれたんじゃないかなと思います。でもシュートは枠に飛ばそ

ということで、これで残りのリーグ戦は2試合。今週末は天皇杯の決勝でリーグ戦は中断するので、次は10月29日(土)のアウェーマリノス戦です。マリノスはなんかここ数試合優勝決定間近で足踏みしてますけども、勝てば優勝が決まる可能性がある(川崎の結果次第)試合で気合い入ってることは間違いなし。

ウチも目の前で優勝決められるのは御免被りたいのでしっかり準備して、勝ちに行ってもらいたいです。

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試合ハイライト

試合データ

観客: 18,510人
天候: 雨 / 気温 17.9℃ / 湿度 81%
試合結果: 浦和 1-1 札幌(前半0-0)
レッズ得点者: ショルツ(89分/PK)
警告・退場: -
主審: 谷本 涼 氏
順位: 8位(10勝8敗14分/勝点44/得失点差+12)

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