2022 Jリーグ 第33節 日産スタジアム アウェー 横浜F・マリノス戦
さて、しばらく時間が空きましたね。ここ2週間は天皇杯やルヴァンカップの決勝という残念ながら我々には関係なくなってしまった試合が行われ、第三者目線でテレビ観戦するくらいの暇な週末。
そんな十分な休息期間を経てのリーグ戦再開は、第33節。ついに今シーズンリーグ戦も残り2試合となりましたが、その対戦相手は優勝争い真っ只中であらせられる横浜F・マリノス。アウェー、日産スタジアムでの対戦です。
こちらはもうリーグ戦に関して何の目標もなくなっちゃった身。あちらはこの試合で勝って、川崎が引き分け以下なら優勝決定という、我々、横浜までわざわざ行って下手すると目の前で優勝の瞬間を見せつけられるという拷問みたいな会になる可能性もあるわけですけども、そこは一矢報いてなんとか目の前での優勝だけは阻止し、最終節までリーグ戦が盛り上がるお手伝いをさせて頂きたい、そんな気持ちで挑む一戦となりました。
スターティングラインナップ
さて、今節のスタメンは、最終ライン左からショルツさん、岩波さん、酒井さん。ダブルボランチに岩尾さんと敦樹さん、左のWBに大畑さん、右WBに大久保さん、トップ下に松尾さん、江坂さん、ワントップにユンカーさんを置いた 3-4-2-1 スタート。GKは西川さん。サブには馬渡さん、知念さん、小泉さん、柴戸さん、松崎さん、明本さん、そして彩艶さんが控えます。
珍しくスタートから3バックを採用。これはマリノスの布陣に恐らくはあわせた形だと思いますが、ユンカーさん、江坂さんユニットを最初から使うなど、前半から勝負かけに来たなというスタメン選択。
対するマリノスは、最終ライン左から永戸 勝也選手、エドゥアルド選手、岩田 智輝選手、小池 龍太選手。ダブルボランチに渡辺 皓太選手、喜田 拓也選手。トップ下に西村 拓真選手を配置し、最前線の3トップに左からエウベル選手、アンデルソン ロペス選手、水沼 宏太選手を並べた 4-2-1-3。GKは高丘 陽平選手。
見事にボコられすぎて試合の記憶が薄いよ...... (川崎さんのおかげで)目の前で優勝決められなかったことだけが救い
恐らくマリノスの前線3トップに加えてトップ下、ボランチを含めた2列目、3列目が最前線に入り込んできてアタッキングサードで数的優位を作られることを嫌っての初手からの5バック守備を採用。大久保さんと大畑さんが3バックの両脇に落ちる形で 5-3-2 ブロックを作るやり方をしていましたが、最前線にユンカーさんや松尾さんを置くことで、5バックで固めたところに相手を引き込んでおいて、縦に裏っ返すイメージが見てとれるやり方。
マリノスの中盤配置は2ボランチの1トップ下で所謂三角形。これに対してウチのダブルボランチから1枚、敦樹さんが前に出て行って江坂さんと2シャドー、岩尾さんがアンカーのように残るとちょうどウチは逆三角形になって相手の中盤と数合わせしやすくなりますし、ユンカーさんと松尾さんで相手2CBを規制しに行きつつ、両SBに対しては大畑さんと大久保さんで蓋をしに行くとある程度人を捕まえに行く守備がしやすくなるので、その辺を狙ったか。
実際にリカさんの試合後コメントでも『前からのディフェンス』って部分と『1対1で完全にはめに行ってボールを奪う』という狙いに関しては話されていたので、その辺を意図したやり方だったんだと思いますが、結果論ながら人を捕まえに行って局面勝負に持ち込んだ結果、そこの強度と個人の能力で上回られたって感じだったので、ある意味今のウチの立ち位置を痛感させられる試合になってしまったなと。
ということで、試合の感想としてはハーフタイムに現地でつぶやいた↓がすべてでした。
3バックにして最初の10分くらいはうまく戦ってんなと思ってたらあっさり失点して2点追う展開...... 用意した策は悪くなかったと思うけど普通に地力の差を見せられてる感じ
— Yoshiki Kato (@burnworks) October 29, 2022
ぶっちゃけ現地で試合見て打ちのめされて、さらに中継映像を見直す気にもならなかったので、今回は簡単に覚えている範囲で気になった点だけまとめておきます。
1失点目は下がりながら受けに行ったアンデルソン ロペス選手に対して最終ラインから岩波さんがハーフウェーラインを越えるところまで潰しにでていったところで横にフリックされて裏っ返された時点でウチは最終ラインの2枚に対して確か相手は3枚か4枚いる数的不利。
ショルツさんサイドから水沼選手が打ったシュート(クロスかも)がディフレクションしながらも逆サイドまで流れていったところにエウベル選手に詰められて(大久保さんが一生懸命戻ってきたけど間に合わずって感じ)のものでしたが、気になったのは岩波さんがあんな位置までぶっ潰しにでていく必要があったのかという部分。
前述したとおり、チームとして「人を捕まえに行こう」って意思統一があった可能性がありますが、そうなったら状況考えずにとにかくそれだけを愚直にやるってのは日本人の良いところでもあり悪い部分って言われちゃう典型みたいなつり出され方でした。ちょっと無理っぽいなと思ったら無茶して出ていかず、ブロック作る方を優先すればいいと思うんですが、ちょっとその辺の判断が甘かったように見えます。
2失点目はコーナーキックのこぼれ球をエウベル選手に拾われたところから一気にペナルティエリア内にドリブルで侵入されてフィニッシュされたやつ(それでも最初のシュートは西川さんが弾いてるのでGKはできる最大限のことやったと思いますけども)ですが、ここはユンカーさん、江坂さんが中途半端にアタックしたことで門作っちゃってその間ぶち抜かれる典型的な守備の失敗。
3失点目は中央で落ちてボール受けた江坂さんがファーストタッチミスったところを詰められてボールロスト→エウベル選手に岩波さん、ショルツさんの間をぶち抜かれてフィニッシュされたもので、大量失点するときのぐだぐだな感じが出ちゃってる失点。
4失点目はコーナーキックからニアでエドゥアルド選手にスラされたところをアンデルソン ロペス選手で決められたもの。この直前のコーナーキックでも西川さんがビッグセーブしてくれたもののフリーで相手にあわせられていて、セットプレーでも上回られた形に。
もう失点の仕方を思い出すだけでも辛いんですけども、やはり局面強度、攻守転換速度といった部分で完全に相手に上回られた完敗でした。ユンカーさんの1点はありましたけど、4失点してからの1得点、しかもチームとして崩したという再現性のあるものではなく、個人技の結果としてのゴールなど大した意味もなし。
90分を通してペナルティエリア内までボールを運んでもシュートで終われない、クロスはことごとく相手に引っかかるか精度を欠く、終盤はだんだんイライラしてきた選手が無駄なファールやアピールをしだして明らかに集中力を欠いているなというシーンもみられたり、こりゃ駄目だという状態に。
そもそもなんですけど、前から1対1でハメにいくってことならなんでユンカーさん先発させたのかも謎。守備強度低いのわかってんだから彼と江坂さんのセットを後半に回して、まずはきちんと守備強度を出せて、初期プレスで規律を守れる人でスタメン組んだ方がよかったんじゃねーのとか思いましたが、言ってもまぁそれは結果論なので仕方ないか。ただ実際に前線からの守備は全くハマってなくて、結果として結構簡単にマリノスにアタッキングサードまでボール運ばれちゃうので最終ラインがてんやわんやみたいな状態になっていたのは残念。
上から(今日はメインスタンドの2階席から観戦してました)見てると結構相手ボランチの両脇やトップ下の間にはスペースがあって、うまく立ち位置獲れればそこを起点に押し崩せるかなって思う部分もあったんですけど、マリノスはボールへの寄せも速かったので前述の通り、立ち上がりの10分くらいまでは別として、あとはほぼやりたいことやらせてもらえなかったですから、スタメンが変わっても特に結果に変化はなかったかもね。
今シーズン序盤は守備的に安定していて失点は少なく、なかなか勝てないもどかしさはありながらも、あとは得点力さえ備われば徐々に勝てるようになりそうっていう所謂「伸びしろ」的なものを感じながら夏前にモーベルグさんの加入なんかがあってその辺が徐々に解消しはじめ、夏にやっと調子が出てきたと思ったところまではよかったんですけどね。
ACL準決勝終了後は頼みのモーベルグさんやユンカーさんの稼働率も低く、得点力の課題が再燃しただけでなく、よかったはずの守備まで安定しなくなっちゃったみたいな。純粋に各ポジションでもう一段階クオリティを上げないと優勝争いに絡んでいくのは難しいだろうなと思わせる終盤戦になっています。どうしましょ。
そこに来てスタジアムから帰ってきてひと息ついてたらリカさん退任の噂話が飛び込んでくるし踏んだり蹴ったりだよ。
公式に発表されない限りはあくまで噂なので、基本的には静観になりますけども、個人的には「リカさんの継続が目的化」してはいけないと思いますし、重要なのはクラブがどういうビジョンを持って監督や選手を獲得し、リーグタイトルという目標に対して前進していくのかという部分の方が重要だと思いますから、リカさんにその能力がないと判断されるなら、結果がすべてのプロの世界、退任という選択肢も残念ではありますが仕方ないと思います。
ただ、過去にウチのクラブがそういう長期的なビジョンもなく、その場その場でなんとなく監督ガチャ回して失敗してきたのを何度も見ている側としては、ここでもしリカさんに見切りを付けるなら付けるで、後任人事についてはある程度の一貫性を見せてくれよなと。少なくともここまでの2年間を全部無駄にして最初からやり直しみたいな方向性だけはやめて欲しいなと切に願います。
リカさん駄目ってなると、やっぱりポジショナルにやるのは難しいからハイプレスでガンガン前から行くサッカーがいいんじゃないかとか、いや、縦に速いカウンターサッカーがどうこうみたいな話になりがちなんですけども、例えば「カウンターサッカー」か「ポゼッションサッカー」か、みたいな2択なんてのは現実にはありえなくて、強いチームってのはボール握っても戦えるし、ハイプレスがハマるなら前から行くし、無理なら引き込んでカウンターみたいに、ハイブリッドに戦うものです。つまり引き出しが多い。
どれかひとつの戦い方しかできないなんてチームはすぐに相手に対策されて勝てなくなるのは必然ですし、折角リカさんでポジショナルに立ち位置で優位性を獲るやり方を少し手に入れているわけですから、ここに別の引き出しを上積みできる人を選択してほしいものです。
繰り返しになりますがまだ公式に決まったわけではないので、リカさんで来年もやるってことならそれはそれで自分は賛成というか異議なしです。ただ、補強に関しては相当頑張らないと厳しいだろうなというのは正直なところ。その意味では監督を続投させるにしても、替えるにしても、来シーズンはかなり本気の補強で、タイトルを獲りに行く姿勢をクラブとして示さないといけないでしょうね。
と、話がだいぶそれてしまいましたので戻しますが、これで残すは最終節、ホームでの福岡戦のみ。
福岡は残留争い真っ只中。勝てば残留確定、負ければ最悪入れ替え戦になる16位の可能性がありと、あちらからすれば勝利必須の状態での対戦。今節は優勝かかってる人たち、次節は残留かかってる人たちと、なんか色々めんどくせえ相手との対戦が続きますが、最終節くらいきっちり勝って終わって欲しいと思いますので、選手たちには奮戦を期待します。
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試合ハイライト
試合データ
観客: 46,387人
天候: 晴 / 気温 20.1℃ / 湿度 23%
試合結果: 横浜FM 4-1 浦和(前半2-0)
レッズ得点者: ユンカー(67分)
警告・退場: 酒井(警告×1/反スポーツ的行為/次節出場停止)
主審: 佐藤 隆治 氏
順位: 8位(10勝9敗14分/勝点44/得失点差+9)
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