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AFCチャンピオンズリーグ2022 ノックアウトステージ 準決勝 埼玉スタジアム2002 全北現代モータース(韓国)戦

AFCチャンピオンズリーグ2022 ノックアウトステージ 準決勝 埼玉スタジアム2002 全北現代モータース(韓国)戦

いよいよここまで登ってきました。日本での集中開催となった今年のACLノックアウトステージは、ラウンド16~準決勝までが7日間で開催、各試合、中2日しか間が空かない過密日程で一気に実施されますが、その最終戦となるのが今試合。準決勝の相手は韓国、全北現代モータースです。

ACLで目指すは優勝。東地区決勝戦となるこの準決勝ですが、ここで負けては今までの勝利が無に帰すことになります。まずは来年開催予定の決勝進出を決める。話はそれからだと言うことで厳しい戦いになることは予想されましたが勝ってACLタイトルへのチャレンジ権を手に入れる。勝利が必須の一戦となりました。

スターティングラインナップ

AFCチャンピオンズリーグ2022 ノックアウトステージ 準決勝 埼玉スタジアム2002 全北現代モータース(韓国)戦

さて今日のスタメンは、最終ライン左から大畑さん、ショルツさん、岩波さん、酒井さん。ダブルボランチに岩尾さんと敦樹さん、左のSHに関根さん、右にモーベルグさん、トップ下に小泉さんを配置し、1トップに松尾さんを置いた 4-2-3-1 スタート。GKは西川さん。サブには知念さん、馬渡さん、明本さん、安居さん、柴戸さん、大久保さん、松崎さん、江坂さん、ユンカーさん、そして彩艶さんが控えます。

スタメンは準々決勝から変更なし。準々決勝ではベンチ外になっていた大久保さんがベンチに戻って攻撃的なサブメンバーも充実。相手は全北現代、ここまでの2試合のように早い時間帯に点差を付けてという流れにはならないと思いますが、後半の交代策も含めて総力戦が予想されます。

対する全北現代は、最終ライン左からキム ジンス選手、ク ジャリョン選手、パク ジンソプ選手、キム ムンファン選手。ダブルボランチにメン ソンウン選手とリュ ジェムン選手。2列目左からソン ミンギュ選手、キム ジンギュ選手、ペク スンホ選手を配置し、最前線ワントップにグスタボ選手という並びの 4-2-3-1 スタート。GKはイ ボムス選手。

諦めない気持ちが引き寄せた劇的なPK戦勝利。埼スタで今シーズン最熱の試合を制し決勝進出

全北現代はモダンなサッカーをするチームではなく、堅守して前線の強烈なアタッカーを活かしたカウンターに特徴がある、そういう意味ではわかりやすいチーム。韓国の選手たちは身体も強いですし、フィフティでガチャガチャっとぶつかり合うようなボールをマイボールにするのがうまいので、まともに局面強度で勝負すると面倒くさい。

最前線に入る外国人選手、グスタボ選手は高さがありますし、ベンチスタートながら途中投入が予想されるバロウ選手なんかもスピードと強さがあるので、中盤締められて変なボールの失い方すると、裏にシンプルに蹴られたところから競られて落とされてセカンドボールで2次攻撃みたいな流れを作られることが想定され、前線で競られた場合のセカンドボール回収部分でどこまで相手を上回れるかみたいな運動量や献身性、そして動きの連続性が求められるタフ状況。

そんな中で立ち上がりから予想通り中央をきっちり締めつつ前線から規制に出てくる全北現代の守備ブロックにいつものようには前進できない立ち上がり。

リーグ戦も合わせ、7月以降の試合ではウチの各選手のポジションチェンジは非常にスムーズで、序盤にあったような特定の誰かが機能しなくなるとチーム全体がボールを前進させられなくなるという状況はなくなり、全員が有機的にポジションを動かしながら相手に対して優位な立ち位置を獲って間、間で受けることができるようになっています。

また、状況的に中盤、相手の守備ブロックが強固でボールを引き出せない場合は、相手を最終ラインで引き込んでおいて裏一発狙いでひっくり返す判断なども非常に素早く、的確にできるようになってきたことで、相手のプレスワークに押し込まれて自陣で苦しい状況になるなってことはほぼなくなっているんですが、さすがに全北現代の中盤での守備強度は高く、守備もサボらずに中間ポジションを獲ったウチの選手に対してきっちり捕まえに出てくるので、なかなか余裕を持って前を向かせてもらえる状況は少なかったかと。

とはいえ、ボール保持の状況で相手を上回ったのはウチで、11分にはスローインのクイックリスタートからモーベルグさんの技あり浮き球パスに酒井さんがニアゾーン獲ったところからの折り返しに中央で松尾さんがあわせるという完璧な形で先制。全北現代は34分に(恐らく想定より早いタイミングで)バロウ選手を投入するなど、前半に関しては相手のプランをうまく崩して優位に進めることができた印象。

ただ、全北現代はここまでの試合を観ていても、前半は少しスローで入って後半ギアチェンジ→終盤に点獲って逃げ切るみたいなとても強かな戦い方をするチームなので油断禁物。

前半、グスタボ選手選手の高さを活かしてセカンドボールっていう策についてはさすがに対応したのがショルツさんだったこともあってそこまで相手のプラン通りには進みませんでしたが、バロウ選手投入後、彼のスピードと推進力を活かしてのカウンターはマジで強烈で、さらに後半から投入されたキム ボギョン選手がトップ下でさすがのキープ力を発揮し、想定通り後半にギアを上げてきたなというところ。

自分たちのコーナーキックからでも少しボールが甘いとガツンとはじき返されたところからとんでもねぇ速度のカウンターが飛んでくるので、緊張感がハンパない。51分にはバロウ選手に持ち運ばれたところから斜めのパスにペナルティエリア内でボールを受けたソン ミンギュ選手を大畑さんが倒してPK献上。

このPKに関しては個人的にはあまり納得していなくて、大畑さんのチャレンジはボールに行っていましたし、その大畑さんのチャレンジに対してソン ミンギュ選手が自ら足を入れてイニシエイトしたように見えましたので、OFRになった際にはこれで映像を確認すれば判定が変わるかなと期待したんですが結果はそのまま......

このPKを決められて1-1の同点、試合は振り出しに。

全北現代の圧力はさすがに楽な相手じゃないぜと改めて思わせるに十分なもので、岩尾さんが相手1列目の背中、中盤でボール引き出せず最終ラインに落ちてプレーする時間が長かったことからも中央エリアでのプレッシャーは相当なものだったと思われます。結果ボール保持位置が少し自陣よりになったことで相手に押し込まれる状況になったのは流れを難しくした要因か。

62分には関根さん→大久保さんとして左サイドをリフレッシュ。さらに79分には小泉さん→江坂さん、松尾さん→ユンカーさん、大畑さん→明本さんと3枚替えしてユンカーさん・江坂さんユニットに明本さんの猪突猛進パワーを加えて相手を裏っ返しに行きます。

後半アディショナルタイムにはユンカーさんの気合いのキープからモーベルグさんで決定機。さらに江坂さん→ユンカーさんホットライン開通でユンカーさんのボレーがポスト直撃した決定機(ここは入ったと思って勢いで周りの席の人たち含め総立ちになっちゃったのでポストに当たったところが見えず)と、試合を決めきるチャンスもありながら決めきれず試合は延長戦へ。

そして延長後半、残り時間も5分を切ったところで相手ショートコーナーへの対応が遅れたところを突かれて失点。確か、前半にも同じようなショートコーナーをされたときに、ファーストディフェンス、誰が行くのか少し曖昧な状況が生まれてフィニッシュまで持って行かれたシーンがあって、ここは明確に改善ポイントだと思います。全北現代は高さもあるので、素直に蹴ってくるだろうって方に全員の意識が行ってしまったのかもしれませんけども。

ただ、この失点で誰ひとり諦めなかったのが結果からすれば勝因。カウンターから3失点目喰らって終わりそうなシーンも西川さんのビッグセーブでしのぎ、ラストチャンスに賭けますが、ここでぶちかましてくれたのが酒井さん。右サイド、相手がドリブルで持ち上がるところをエグい深さのタックルで刈り取ると、モーベルグさんに預けて自分も大外を攻撃参加。

モーベルグさんが中をけん制しつつフェイントかけてるところで、うまく速度調整してオフサイドに引っかからないタイミングからニアゾーン攻略→折り返しは一旦相手ディフェンスに弾かれますが、これをダイレクトで大久保さんがボレーシュート。ボールは少しミートし損ないますが、明本さんの頭へ結果的にはナイスクロス→明本さんのヘディングシュートを相手GKが右手一本でギリギリ弾いたところを詰めていたユンカーさんが冷静にニアを打ち抜いて同点。

さらに勝ち越しを狙ってアディショナルタイムも攻め続けますが結局120分を戦って勝負は付かず、PK戦に突入します。

ただね、ユンカーさんの同点ゴールから完全に流れはウチでしたので、心の中ではこれは勝てるって思ってたんですけども、こういう流れはよい方に転がるもので、主審のコイントスはきっちり北側ゴールを引き当てるし(競技規則ではPK戦を行う場合、「主審がコインをトスしてキックを行うゴールを決定する」となっています)、お膳立ては完璧。

そして案の定、我らが西川(神)さんが初っぱなの2本を連続ストップして勝利を引き寄せると、4人目のキッカー、江坂さんが決めたところで決着。PK戦 3-1 で勝利して、決勝進出を決めてくれました。

ゴール裏卒業して指定席に移ってからは、試合観戦で疲れるなんてあまり考えてなかったんですけども、この試合はびっくりするくらい体力を消耗した試合でした。もうマジで疲れたよ。でも最高の試合でした。

さて、これでACLは一旦ひと段落。1週間ちょいのお休みを挟んでリーグ戦が再開します。再開初戦はアウェーでの鹿島戦。非常に重要な戦いになりますので、選手の皆さんにはしっかり休養を取っていただいて、終盤戦に挑んでいただきたいと思います。

AFCチャンピオンズリーグ2022 ノックアウトステージ 準決勝 埼玉スタジアム2002 全北現代モータース(韓国)戦 試合終了後の様子

AFCチャンピオンズリーグ2022 ノックアウトステージ 準決勝 埼玉スタジアム2002 全北現代モータース(韓国)戦 試合終了後の様子

試合ハイライト

試合データ

観客: 23,277人
天候: 曇り / 気温 26.6℃ / 湿度 70%
試合結果: 浦和 2-2 全北現代(前半 1-0 / 延長戦 1-1 / PK戦 3-1)
レッズ得点者: 松尾(11分)、ユンカー(120分)
警告・退場: 伊藤敦樹(警告×1)、大畑(警告×1)、岩尾(警告×1)
主審: アリレザ ファガニ 氏

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