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2022 Jリーグ 第20節 埼玉スタジアム2002 京都サンガF.C.戦

2022 Jリーグ 第20節 埼玉スタジアム2002 京都サンガ戦

週末に行われたアウェーでのガンバ大阪戦は内容的には完全にガンバに持って行かれながらも最終版にギリギリ追いついて勝点1をゲット。あぁいう内容の試合で「負けなかったこと」をポジティブな要素に変えるためにも、続く試合の結果が非常に重要。

そんな状況で迎える今節はホーム埼スタに戻っての京都サンガ戦。ミッドウィーク、水曜日の開催です。この試合が終わると、同週末には同じくホームでFC東京戦とホーム2連戦。少しお休み挟んでアウェー清水戦→翌週の親善試合のパリ・サン=ジェルマン戦を経て、月末のホーム川崎戦という流れ。

ここまで思うように勝点を積めていない状況で、このホーム2連戦は非常に重要な戦い。リーグ戦、現実的な当面の目標は例年の残留ラインとなる勝点「36~40」になるべく早いタイミングで到達することになりますが、現状の勝点がまだ「22」なのを考えれば、このホーム2連戦で確実に「6」を上乗せしたいところです。2連戦の相手はどちらも現状でウチより上位のチームですから簡単な話ではありませんが、ホームで意地をみせて欲しい一戦となりました。

スターティングラインナップ

2022 Jリーグ 第20節 埼玉スタジアム2002 京都サンガ戦 スターティングラインナップ

さて今節のスタメンは、最終ライン左から関根さん、ショルツさん、岩波さん、酒井さん。ダブルボランチに岩尾さんと敦樹さん、左のSHに大久保さん、右にモーベルグさん、トップ下に明本さんを配置し、1トップに松尾さんを置いた 4-2-3-1 スタート。GKは西川さん。サブには知念さん、宮本さん、大畑さん、小泉さん、平野さん、江坂さん、そして彩艶さんが控えます。

週末に行われたガンバ戦のスタメンからは5人のメンバー変更。メンバー発表見て、「あれ?これってどういう並びでやるの?関根さんが最初からSB?マジで?」「あ、普通に明本さんがSBかな?」みたいに思ってたんですが、関根さんが左SBでの先発起用というのは過去になかった形(試合途中からというのは何回かありますけどね)。

スタートポジション的には明本さんのトップ下、松尾さんのワントップという並びでしたが、実際にはこの2人はそこまで明確な縦関係ではなく、2トップに近い形で相手CB周辺でプレー。明本さんが身体張って収めているところで松尾さんが裏に抜けたりといったコンビネーションはしっかり機能していました。

細かい部分ではショルツさんと岩波さんの立ち位置がここ最近のスタートにおける並びからは左右逆。今節は左サイドに関根さん、大久保さんを並べた状態なので、そこにショルツさんの持ち出しによる押し上げをプラスしつつ、高い位置を獲ってくる京都SBの裏のスペースを狙いに行く意図に加え、ボール非保持時には守備的に少し不安のある(主に高さとか)関根さんをショルツさんがサポートするような考えが見える並び。

対する京都は最終ライン左から麻田 将吾選手、メンデス選手、アピアタウィア 久選手、白井 康介選手。アンカーに川崎 颯太選手、インサイドハーフに武富 孝介選手と福岡 慎平選手。最前線は3トップで、左に大前 元紀選手、右に山田 楓喜選手、中央がピーター ウタカ選手という並びの 4-1-2-3。GKは上福元 直人選手。

京都の攻撃の起点はウタカ選手。3トップの左右は基本的には幅を獲りますが、インサイドハーフやSBとポジションを入れ替えながらサイドに起点を作るし、3トップもかなりポジションをローテーションさせてくるので捕まえにくいだけでなく、そこからウタカ選手に一旦当てておいて、その周辺を厚くサポートして追い越したり、囮の動きでウタカ選手をフリーにしたり、仮にそこで奪われても鋭い攻守転換からの即時奪還→ショートカウンターで決めきる力を持っていたりと、ぶっちゃけ今シーズン昇格組のレベルではないしっかりオーガナイズされた攻守の形を持っているチーム。超やりにくい相手。

一方でリスクとをってハイラインをとってくる姿勢や、その高い運動量を90分にわたって保つのには苦労している部分も見うけられ、その辺をウチがどう突いていけるのかが鍵となりそう。

フィニッシュのクオリティが露骨に影響した試合。勝点2を失ったと考えるのが妥当か

平日の試合だったこともあり、帰ってから中継映像を見直す時間もなかったので、今回はスタジアムでの記憶を頼りに簡単にまとめます。ひと言でいってしまえば、質の高いサイドアタッカーがたくさんピッチにいて、相手をチンチンにしてても最後決める人がいねぇっていう今のウチの選手構成から予想される通りの感じになっちゃってますね。辛い。

京都の狙いは前述の通り、相手陣内中央エリアでウタカ選手とその周辺にボールと味方を集めることで、そのエリアである程度ガチャガチャっとした状況を作ってのショートカウンター発動。ウチとしてはそのエリアで変なボールの失い方したくない一方、そこのトランジション勝負で相手の密集を外せればその先にスペースはありますよってことで双方の狙いが明確、かつどちらがそこで上回るかって部分では非常に面白い駆け引きの試合。

立ち上がりからウチはそこまで無理して前プレに出ていかず、前が寄せはするものの、そこで奪いきろうというよりは相手ビルドアップを限定しにいく意図で、どちらかというと京都に持たせてもいいやという入り方をしたように見えましたが、それでも守備ライン2列目を越えられて、ウタカ選手にペナルティエリア内でボール持たれると怖さもあるし、前述の通りそこでの潰しが中途半端になると京都による高い位置での再奪取から押し込まれる要因となるのでプレーが後手に回るのだけは避けたい。

ウチは相手にボール持たれても慌てず、しっかり最後のところだけは締めてチャンスをうかがう流れになりましたが、結果的に内容的に立ち上がりの時間帯を制したのは京都で、フィニッシュまでは持って行かれなかったものの、開始5分くらいまでの間に何度かよい形でニアゾーン獲られるシーンもあったりと、立ち上がりの印象は「京都普通に強ぇ」でした。

ただ、こういう流れでもワンプレーで流れが変わるのがサッカーの怖いところ。ウチの先制点は突然に。

先制点はPK。6分過ぎあたりでしたか、酒井さんが右サイドで相手の縦パスをインターセプトしたところから一発で縦に明本さんにつけたところを明本さんが後ろから倒されてフリーキックゲット。このキッカーは岩尾さんでしたが、彼のボールは一旦は相手ディフェンスに弾かれたものの、セカンドボールを関根さんがボレーで再度ペナルティエリア内にハイボール供給。これを相手ディフェンスと競りながら追った岩波さんが、対応した京都、メンデス選手に倒されて(抑えようとした手が岩波さんの顔に入ったように見えましたが)PKゲット。モーベルグさんが冷静に決めてさい先よく先制。

立ち上がりの相手の勢いを耐えてワンチャンスをものにしたという点では非常にうまく立ち回った感がありましたが、これで少し余裕が生まれると、前半はウチの流れに。36分には中盤でボール奪取した松尾さんがそのままドリブルでディフェンス3枚をぶち抜いてペナルティエリア内まで侵入。

後ろから追ったアピアタウィア 久選手がたまらず倒すと本日2回目のPKゲットで追加点と思われましたが、これはモーベルグさんが激甘コースに蹴ってしまって京都GK上福元選手にストップされると前半は1点リードで終了。ここしっかりPK決めてればもっと楽な試合になってたんですけどね。残念。

ハーフタイムの交代は明本さん→江坂さんでしたが、これはリカさんの試合後インタビューをみる限り明本さんの筋肉系トラブルだったみたいですね。「違和感」みたいな言い方だったので負傷ってほどではないと思いますが、ちょっと心配。

ハーフタイムに京都も人を入れ替えて修正。前半のPK献上時にイエローカードもらっていたメンデス選手に替えて本多 勇喜選手、さらにアンカーの位置で先発していた川﨑選手を武田 将平選手に替えると、(私の記憶が確かであれば)中盤をダブルボランチにして 4-2-3-1 と、ウチとシステムあわせる形にしたように見えました。

そんな相手の変化はありつつも、後半立ち上がり早々に左サイドを大久保さんと松尾さんのコンビで突破し、中央江坂さんへのパスでフィニッシュのチャンスを迎えますが、江坂さんは打てず、結果敦樹さんのシュートが枠を捉えますが、相手ディフェンスに当たってという惜しいシーンを創出。ゴールへの期待は高まります。

直後にもモーベルグさん→サイドに流れた江坂さん→ハーフスペースを獲った酒井さんで完全に相手最終ラインをブレイクしてチャンス(ここは酒井さんのクロスが相手に引っかかってしまいましたけど)を作るなど流れ的には完全にウチが支配してたんですが、このあとのたった2分で試合をひっくり返されることに。

54分、大前選手がキッカーとなった右サイドからのコーナーキックにニアサイドで武富選手に頭で合わせられて失点したのが最初の失点。ウチはゾーンで守るので明確なマーカーはいませんけども、ニアに立っていた酒井さんの前に武富選手が入ったことで先に触られてしまいました。

さらにそのリスタートとなる56分、最終ラインでのボールキープ時に岩尾さんから西川さんに戻したパスを西川さんが再度岩尾さんにつけようとしますが、このパスが1メートルほどズレて岩尾さんがトラップできず。奪取されたボールがウタカ選手に入ったところでもペナルティエリア内ということもあってショルツさんが奪いきれず、こぼれたボールを山田 楓喜選手に左足一閃されてこれが京都の逆転ゴール。

西川さんの岩尾さんへのパスの選択自体は別に悪くなかったと思います。京都のプレスはウタカ選手が西川さんに寄せてきただけで、岩尾さんのところにはプレッシャーかかってなかったですし、あれで岩尾さんが受けて前向けば、普通にウチがビルドアップを開始できるタイミングでしたから。

繰り返しますが、あそこで中央の岩尾さんにパスつけて相手の前プレを裏っ返すというのはごく当たり前のプレーなので、選択肢としては全然間違ってないですし、ミスを恐れてチャレンジしなくなる方が問題なので個人的には何とも思ってませんけども、ただ大して難しくないシチュエーションだったんだからパスは正確に蹴ってねと岩尾さんもあそこは集中して準備しっかりとしかいいようがないといいますかね......

と、まぁちょっともったいない形で逆転を許し、折角いい流れだった試合を難しい展開にしてしまいましたが、その落胆の直後の59分、岩尾さんのナイス判断によるクイックリスタートからモーベルグさんの素晴らしいゴールが生まれて試合を振り出しに戻します。

京都インサイドハーフの福岡選手から武富選手への横パスを岩尾さんがインターセプトしにいきますが、フィフティな状況で武富選手の足がボールにコンタクトしようとした岩尾さんの足を先に蹴っちゃう感じになって主審の中村さんがプレーを止めます。岩尾さんはマイボールだと判断すると、素早くボールをリスタート位置にセットして右サイドを走ったモーベルグさんに鋭いフィード一発。これで武富選手のファウルになったことで納得がいかず、一瞬切り替えが遅れた京都ディフェンスは完全に対応が遅れる形に。

この隙を見逃さず、右サイドからペナルティエリア内に侵入したモーベルグさん、得意のシザーズフェイントから左足を振り抜くと、ボールは逆サイドのネットにブッ刺さるゴラッソ。いやぁモーベルグさん、さすがのクオリティ。一方で対応した京都の選手は多分後半から投入された本多選手だったと思いますけども、モーベルグさんの左を切らない対応はスカウティング不足か、もしくは本人が慌てて忘れたのか...... とにかくモーベルグさんが一番得意な形で持たせてもらえると彼の持ち味が発揮されますね。

追いつかれた京都は大前選手→井上 黎生人選手として3バックに替えたのかな。観ていてボール非保持時の京都最終ラインが 5枚になってたので多分その交代からだと思いますが、これによってウチとしては中盤でボール保持しやすくなり、岩尾さんと敦樹さんが中盤を制圧して押し込む展開に。

85分には関根さん→大畑さんとしますが、切れるカードはここまで。先発時点で攻撃的なカードは最初から出し切っていて、後切れるのがボール保持に特化した選手か、ディフェンスのみ。攻撃面で変化をつけられる人となるとベンチにはいなかったのでここは仕方ないかなと。シャルクさん怪我、ユンカーさんも怪我、木原さんはメンバー入りのクオリティに達せずとなるとお手上げです。

ということで残り時間はピッチ上の11人でなんとかするしかない状況。それでも何度か決定機と呼べるシーンを作るも、ことごとく枠を外す、もしくは江坂さんのシュートのように決まったかと思ったら京都GK、上福元にビッグセーブされたりでゴール期待値バリバリに高い割には結局追加点は奪えず。2-2のまま試合終了となりました。悔しい。

スタッツ的にはシュート前後半トータル20本(枠内12)と、それなりに枠内に飛ばしていますし、過去の試合のように、押し込んではいるけれど、シュートとしては難しいシュートばかり、つまり実際の「決定機」についてはそこまで多くはなかったかな...... という感じとは違い、今節は本当の意味での決定機が数多く発生した試合でしたから、改めてフィニッシュの精度という面が課題として浮き彫りになったなと。

ここはもうリンセンさん本格稼働まで耐えるしかないのでしょうか。というか現メンバー(特に攻撃陣)も「リンセンさん待ち」みたいに思われちゃうことをもうちょっと真剣に捉えて欲しいなと思いますよ。サッカーの目的はゴール獲ることなので、攻撃陣は「チャンスはいっぱい作りました」では評価されないという点を再確認の上、奮起してもらいたいです。

ということで、中断明けの名古屋戦からここまでの4試合で2勝2分け。中断明け以降(天皇杯でのやらかしはあったにしても)負けてないって考えれば調子は上がってきている気はしますが、やはり相手より多くの得点チャンスを作った試合で決めきれずに勝点3を逃すというのは大きな課題として継続中。フラストレーションも溜まりますけど、そこは我慢我慢ということで、次のFC東京戦に備えようと思います。

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試合ハイライト

試合データ

観客: 15,921人
天候: 晴 / 気温 24.4℃ / 湿度 87%
試合結果: 浦和 2-2 京都(前半1-0)
レッズ得点者: モーベルグ(10分/PK)、モーベルグ(59分)
警告・退場: -
主審: 中村 太 氏
順位: 11位(4勝5敗11分/勝点23/得失点差+3)

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