天皇杯 JFA 第102回全日本サッカー選手権大会 3回戦 正田醬油スタジアム群馬 ザスパクサツ群馬戦
リーグ戦の方は週末の名古屋戦で久々の勝利、かつ3得点の快勝ということで溜まっていたストレスも少し発散されてここから反撃開始という空気感。そんな中迎えるのは天皇杯の3回戦。対戦相手はJ2、ザスパクサツ群馬。建前上は中立地ということになっていますが、実質アウェーとなる正田醬油スタジアム群馬での対戦です。
正田醬油スタジアム群馬、前に行ったのいつだったかな~って調べてみたら2010年のワールドカップ開催による中断期間中にプレシーズンマッチで群馬とやったとき以来でした。ずいぶん昔ですね。もうその時の記憶はほぼないですけども、トイレがキレイになった気がする~ とか座席が新しくなってる気がする~ みたいな小さな発見はありました。メインスタンドで観戦してましたけど、比較的試合は観やすかった印象。
で、群馬は浦和の監督も務めた大槻さんが現在は監督をされていたり、(今はリーグ戦序盤におった負傷で離脱しちゃってますけど)細貝萌選手が所属していたり、あとウチの江坂さんがプロデビューを果たしたクラブだったりと、地味に関係性があるチーム。大槻さんは攻撃面での戦術や作り込みに定評がある監督さんではありませんが、守備面、相手の良さを消すという部分に関してはその分析力もあって面倒くさい相手なので一発勝負のトーナメントでは油断できない相手です。
過去何度も書いていますが、トーナメントは勝てば満点、負けたらどんなに良い試合してもゼロ点ですから、まずはしっかり勝ち抜いて次のステージに駒を進めること。このタスクをきちんとこなせるのか、注目の一戦となりました。
ちなみに現地行って帰ってきたらもう日付け変わる直前で、試合映像も見直してないので記憶を頼りに簡単に書きます。現地でメモ取りながら観てるわけじゃないので薄れゆく記憶を辿りつつになりますが。こういうとき中継が DAZN さんだとささっと観たいところだけ再確認しやすいんですけどね......
スターティングラインナップ
さて今試合のスタメンは、最終ライン左から大畑さん、岩波さん、ショルツさん、宮本さん。ダブルボランチに岩尾さんと敦樹さん、左のSHに関根さん、右に大久保さん、トップ下に江坂さんを配置し、1トップに明本さんを置いた 4-2-3-1 スタート。GKは西川さん。サブには馬渡さん、知念さん、モーベルグさん、柴戸さん、松崎さん、松尾さん、そして牲川さんが控えます。
メンツ的には直近の名古屋戦と全く同じ。うまくいっている時はチームをいじるなというのはある意味鉄則ですが、サブも含めてほぼ人の入れ替えはなく、名古屋戦でできたことに対してリカさん的にもある程度手応えがあったのかもしれません。そのいいイメージのまま今回の試合にのぞんだ形。
対する群馬は最終ライン左から高橋 勇利也選手、城和 隼颯選手、川上 優樹選手、岡本 一真選手。ダブルボランチに奥村 晃司選手と久保田 和音選手。左のSHに天笠 泰輝選手、右SHに田中 稔也選手、最前線に髙木 彰人選手と平松 宗選手を配置した 4-4-2。GKは櫛引 政敏選手。
残念ながら群馬の試合を普段観ていないので、どういうサッカーしているのか全くわかんないんですけども、直近のJ2、長崎戦(0-2で敗戦)とは大きくメンバーを入れ替えていることから、あちらは大幅なターンオーバーをしてきたということなんでしょう。カテゴリは違えどあちらも今シーズンはあまりうまくいっていないようでリーグ戦直近5試合で4敗1分、順位的にも18位と厳しい状況。あちらにとってはリーグ戦の方が優先度高いのは明かなので、ターンオーバーは必然か。
大槻さんの策にハマって良いとこ消された90分。ワンチャンスをものにされて3回戦で無念の敗戦
群馬はオーソドックスな 4-4-2 を採用し、守備ブロックについても同じ、4-4-2 のままセットする形。前線の2トップだけはウチのビルドアップに対して規制をかけに出てきましたけども、後ろ2列、4-4 のブロックは絶対に無理して出てこない。
ウチは大畑さんを残し気味に、宮本さんを高い位置に張り出す疑似3バックがビルドアップ時の基本形になりますので、群馬の右SHに入っていた田中選手が2列目から大畑さんのところに出てくることはありましたけども、後方2列を崩してまで追ってくるということはしてなかったので、ここは徹底されていた部分なのでしょう。
ウチも試合序盤はかなり慎重に入った印象はありました。名古屋戦なんかではボランチが最終ラインに落ちずに後ろの人数を減らしてでも前に人数をかけるやり方をとっていましたけども、今回は立ち上がりに関しては岩尾さんが最終ラインに落ちて人数をかけたビルドアップをしていていました(途中から岩尾さんが落ちるのやめてましたけど)。
群馬が 4-4 ブロックをコンパクトにしていることから、岩尾さんが相手2トップの背中を獲って前向いても2列目が無理に食いついてこないし、ライン間のスペースもないことからそれだけでは崩せない、じゃあってことで岩尾さんが2CBの横に落ちてボール受けて、対角線上にサイドチェンジのパスを通して相手をスライドさせるみたいな意図を感じましたから、そこに関しては適時ピッチ上で判断してうまくやってた印象はあります。
ただ、こういう感じでサイドを起点に攻撃を組み立てましょうとなったときに今回ちょっともったいなかったのは、左に関根さん、右に大久保さんと、いつも通り逆足のSH配置になってたことでしょうか。群馬の守備は中には行かせないっていう点で徹底していたので、自然、関根さんも大久保さんも縦に仕掛けることになります。で個人能力に差があるのである程度縦に抜けられるんですけども、特に関根さんなんかは縦突破した後の左足クロスがことごとく精度を欠いて相手ゴールキックになるっていう。
後半から関根さんと大久保さんの左右を入れ替えてたんですけども、もう少し早めにここの対処ができていたらなぁってのはたらればですが思ったところです。
当然のようにウチがボール保持できていて、ネガティブトランジションでも前線からしっかりプレスかけて相手の時間とプレー精度を奪い、結果、群馬の攻撃は散発的。ただし、群馬のコンパクトな守備ブロックに難儀してなかなか最終局面のところまでは持っていけないという試合展開。観てる方としてはもどかしいですけども、個人的にはまぁ焦らずじっくり相手を左右に動かして足が止まった後半に1点獲れれば...... みたいに思っていたらまさかの失点。
前半35分、相手を押し込んだ状況で江坂さんにつけようとした横パスを引っかけられたのがきっかけですが、このネガトラに対する初期プレスで緩いプレーが出てしまったことで相手カウンター発動のきっかけに。大畑さんの内側を縦に抜けた群馬選手(誰だったっけ......と思ってハイライト映像見たら右SBの岡本選手でした)に一気にペナルティエリア内まで持ち込まれたところで中央へのパス。ダイレクトでシュート喰らいそうなシーンでしたがここには宮本さんが逆サイドから気合いで戻って一旦はなんとか防いだように見えたものの、こぼれたルーズボールをFW、髙木選手に反転シュート決められて1点を追う展開に。
ただでさえ守備が堅く面倒くさい相手に先制点を許すっていう厳しい状況ですが、試合時間はまだ十分残っている状態でしたし、まずは1点返して試合をイーブンに戻さなければなりません。群馬が最終ラインの人数を増やして守備を固める中で果敢に攻めますが中央を固める相手にアタッキングサードでの完成度という今シーズンずーっと課題になっている部分での足りなさが改めて浮き彫りになる形で決定機まではいけず。
後半も65分に関根さん→松尾さん(松尾さんを1トップに、明本さんをサイドに出す形)、78分には松崎さんと馬渡さんを、大畑さん、宮本さんと交代させてSBを1枚削ってでも攻撃的な松崎さんをサイドに入れて追い込みに行きますが、最終ラインに人を並べて耐える群馬を最後まで崩しきれず。ワンチャンスものにされた1点を守り切られて試合終了。今シーズンの天皇杯は3回戦での敗退となりました。
以前にも書いていますが、トーナメントは A と B が10回戦って A が8回、9回勝つのがわかってるような組み合わせでも、その数少ない勝利を B がものにしちゃうことがよくあるのが怖いところです。特にカテゴリが異なるチーム同士の対戦の場合、当然ながら誰もがJ1の浦和が勝つのが当たり前だと思っているわけですし、浦和側からすれば相手に対して対策をとるというより受けて立つ形にならざるを得ません。
一方で失うものがない群馬の方はとにかく相手の良さを消してワンチャンスに賭けるってことをやってくるわけで、今回はその狙い通りにやられちまったと。もちろん、そういう状況でも相手をきっちり上回っていくのが強いチームですから、ウチが不甲斐ないということは間違いないんですけどね。
さて、これで天皇杯のチャレンジは終了。残すは国内リーグ戦、ルヴァンカップ、そしてACLとなりました。まず重要なのはリーグ戦で1つでも上に行くこと。そのために重要な対戦が週末にあります。今回やっちまったもんは仕方ない。しっかり切り替えて、神戸戦でよいパフォーマンスをみせてもらいたいなと思います。
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試合ハイライト
試合データ
観客: 5,893人
天候: 曇 / 気温 25.8℃ / 湿度 68%
試合結果: 群馬 1-0 浦和(前半1-0)
レッズ得点者: -
警告・退場: 松崎(警告×1)
主審: 高山 啓義 氏
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