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2022 Jリーグ 第14節 埼玉スタジアム2002 鹿島アントラーズ戦

2022 Jリーグ 第14節 埼玉スタジアム2002 鹿島アントラーズ戦

前節はマリノスを相手に前半だけで3失点する最悪のスタートから後半、ギャンブルに近いようなオープンな打ち合いから3点返してドロー。ギリギリ勝点1をもぎ取る形になりましたが、これでリーグ戦は6戦連続ドローという結果に。そんな中迎える今節は、ホーム3連戦の最後。対戦相手は鹿島アントラーズです。

前節レビューの最後にも書きましたが、ああいう劇的な同点ゲームってのは気持ち的には盛り上がるんですけども、3点リードした状態から一歩も引かずにハイラインを維持してオープンな打ち合いに応じてきたマリノスの、ある意味ロマンチスト志向と、そこにユンカーさんという裏抜けさせたらリーグトップクラスというスペシャルな選手の特性がウチにとってよい方向に合致。そこに後半連発した西川さんのビッグセーブなど、スタジアムの雰囲気に後押しされてチーム全体がギリギリの状況でよいパフォーマンスを発揮してくれた結果であり、あれで現状の課題が全部クリアになるようなものでもありませんし、結果も勝点1しか積めていないという点については冷静に考える必要があります。

その意味で今節の結果が非常に重要。今シーズンの鹿島は正直かなり手強い相手ですが、しっかり叩き潰して上昇のきっかけにしたい一戦となりました。

スターティングラインナップ

2022 Jリーグ 第14節 埼玉スタジアム2002 鹿島アントラーズ戦 スターティングラインナップ

さて今節のスタメンは、最終ライン左から明本さん、岩波さん、ショルツさん、宮本さん。ダブルボランチに柴戸さんと岩尾さん、左のSHに関根さん、右に敦樹さん、ほぼ2トップのような並びで江坂さんとユンカーさんを置いた 4-4-2 スタート。GKは西川さん。サブには知念さん、小泉さん、大久保さん、平野さん、松尾さん、シャルクさん、そして彩艶さんが控えます。

で、便宜上スタートポジションは上記のように 4-4-2 としたんですが、実際にはボール保持時、宮本さんが高い位置に張り出して、最終ラインが右にスライドする形の3バックへと可変(可変というかこっちを基本にしてた感じでした)。中盤は岩尾さんをアンカーにして、その前面に柴戸さんと敦樹さんが並ぶ形。さらに江坂さんとユンカーさんは縦関係をベースに、江坂さんがトップ下っぽい配置で、下記のような 3-3-2-2 あるいは、関根さん、宮本さんが押し上げて 3-1-4-2 のような形になっていました。

2022 Jリーグ 第14節 埼玉スタジアム2002 鹿島アントラーズ戦 3バック可変後ポジション

攻撃時は明確に3バックにしていましたが、守備の時にはそのまま 5バックにするというより、相手の立ち位置を見つつ、鹿島、右SHの和泉選手を捕まえる形で関根さんが最終ライン左に落ちると、ユンカーさんだけ最前線に残した 5-3-1-1 でブロックを作ったり、関根さんが最終ラインまで落ちなければ 4-4-1-1、あるいはいつも通りの 4-4-2 ブロックな守備をしたりとかなり流動的なやり方。

ユンカーさんに関しては常に相手ディフェンスラインの裏を意識させつつ、宮本さんと明本さん左右でバランスをとりながら高い位置を獲ることで相手SHの背中を起点に敦樹さんと柴戸さんが2列目からハーフスペースを攻略しにいくような狙いはみてとれました。また、ビルドアップ時も3枚回しなら相手2トップに対して数的優位でボール保持をスタートできますし。

対する鹿島は、最終ライン左から安西 幸輝選手、三竿 健斗選手、関川 郁万選手、常本 佳吾選手。ダブルボランチにディエゴ ピトゥカ選手と樋口 雄太選手。左のSHにアルトゥール カイキ選手、右SHに和泉 竜司選手、2トップに鈴木 優磨選手、上田 綺世選手という並びの 4-4-2。GKはクォン スンテ選手。

今シーズンの鹿島は前線からの積極的な守備を含む、中盤での守備強度の高さと、2トップを活かした縦に素早くスペースを突いていく戦術が新監督就任から時間も短い中で非常に整理されていてやりにくい相手。

逆にいえば中盤での守備をうまく回避さえできれば、ドン引きカウンターな相手ではないのでチャンスは作れそう。ただし2トップのうち、特に上田 綺世選手はクロスにも強いしミドルレンジからのパンチ力を含めゴール前での怖さがある選手なのでここに簡単にボールが入るようなシチュエーションを作られるとめんどくせぇってことでこちらも攻守の切り替えや中盤での強度を保ちつつ相手に縦のスイッチを入れさせないやり方ができるかが重要です。

失点が早すぎて目眩がしそうになったけど尻上がりに調子を上げて後半はウチの試合に。しかし追加点が遠くまたもドロー

ウチのボール保持時は前述したような可変だったんですが、最前線の動き出しに対して鹿島の切り替え、出足の方が上回った印象で、なかなか効果的なスペースでボールを受ける回数というのは立ち上がりは作れませんでした。

敦樹さんがサイドに流れたりするんですが、宮本さんがインサイドワークあまりできないので宮本さんが上がるスペースを消しただけみたいになっちゃったり。折角上下の運動量を90分保てる宮本さん入れてるんだからもう少し思い切って彼が縦に出て行けるような使い方にしてあげたかったですけども前述の通り鹿島の守備も速くて強度が高いし簡単ではなかったですね。そもそも宮本さんってそんな単独で突破できるタイプでもないですし。

あと気になったのはピッチが濡れていた関係か、細かいトラップミスやターンでスッ転んだりする選手が目に付いた点(まぁ鹿島の選手も結構滑ってたのでウチだけがではないんですがホームなんでね......)。

また、鹿島の前線プレスに対して少しリスクヘッジしたのか、ゴールキックをロングボール蹴る選択を立ち上がりはしていて、ただこれがことごとく空中戦で負けてあまり効果的には見えず、もっと繋ぎに行ってもよかったんじゃないかなと。実際に25分くらいに繋いだところから鹿島のプレスをうまく剥がしてフィニッシュまで持って行ったシーンがありましたし、この辺はもう少しチャレンジして欲しかった。

前半は6分に失点してしまったことでちょっと難しい展開になってしまいましたが、それを差し引いてもちょっとビルドアップ時にユンカーさんで裏ってのを意識しすぎるのか周囲の動き出しが少ない印象で、例えば岩尾さんあたりが中盤でボール持っても縦に付ける場所を探して結局諦めるみたいなシーンも多かったですし、それを打開するためにショルツさんがドリブルで持ち上がったりいいアクション起こしてくれてるんですが、これに対してもなかなか周囲の反応が効果的でないシーンも多かったのが残念。

ついでにユンカーさんを活かすなら足元に緩いボールで相手に囲まれてしまうようなシチュエーションではなく、速めのボールでスペースに出して上げた方がよい気がしますが、ちょっと今節はそういうボールより相手ディフェンスの前面で受けるような形が多く、そこにサポートがないとさすがのユンカーさんも孤立してボールロストしちゃうシーンが目立ちました。この辺も鹿島の守備が集中してたってのがあるんですが。

ちなみに失点自体は守備に人数はそろってたんですけどね。後ろが 5枚の 5-3-2 になったところで中盤3枚の脇のスペースを鈴木 優磨選手に使われたところからのサイドチェンジで少しずらされたところから、バイタルエリアで上田選手がいい身体の向き作ってボール受けたことでちょっと守備対応が後手に回ってしまったのがきかっかけで、岩波さんが上田選手のシュートフェイントにおもっくそ引っかかって滑ってしまったのが致命傷(まぁあれは滑っちゃうよね)。

これでコンパクトに振り抜かれた右足のシュートを西川さんが一旦は素晴らしいセーブしますが、弾いたところにカイキ選手が詰めていたことで押し込まれてしまった形。立ち上がり早々にあっさり失点したのでマリノス戦の前半がちょっとだけ頭をよぎってクラクラしましたがそれでも前半のうちに同点にできたのは大きかった。

39分すぎ、左サイドで落ちてボール受ける動きをした関根さんと入れ替わりで大外からオーバーラップした明本さんに対して柴戸さんから絶妙なフィード。これをペナルティエリア内深い位置から折り返したボールが、鹿島ディフェンス、関川選手の広げた腕に当たりましたが、一旦は流されるものの、VAR→OFRでPKゲット。これをショルツさんが冷静に決めて試合は振り出しに。

後半も基本的なやり方は継続。ただし前半の終盤からやっていた明本さんを高い位置に押し上げる策で敵陣への圧力を高めていきます。68分過ぎくらいでしたか、左サイド深い位置からのフリーキックをキッカーは岩尾さん。これを明本さんがバックヘッドでうまくあわせてゴールネットを揺らしたように見えましたが、その前で岩波さんが相手を押した? という感じでファール判定に。ロケットまで打ち上がったのにね...... 悔しい。

74分には関根さん→大久保さん、敦樹さん→シャルクさん、さらに82分には江坂さん→松尾さん、明本さん→知念さんとして前への圧力を加えると、アディショナルタイムに岩尾さんのクロスバー直撃シュートなどを含めゴールの匂いはしまくる感じで鹿島を押し込みますが、追加点が遠く結局そのまま 1-1 でドローとなりました。返す返すも前半早々の失点がもったいなかったですね。

ということで、結局ホーム3連戦は3連続ドローという結果に。対戦相手はすべて上位チームですし、そこを相手に3引き分けってそこだけをみれば全然悪くない結果なんですけども7連続ドローとなるとさすがに詰めている勝点からも厳しい。とはいえ、今節後半なんかは鹿島を押し込んでよい時間帯を作るなど流れ自体は悪くない。次はアウェーでの 2連戦になりますが、なんとか 1勝してきっかけを掴んで欲しいなと思います。

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試合ハイライト

試合データ

観客: 37,144人
天候: 曇 / 気温 20.1℃ / 湿度 70%
試合結果: 浦和 1-1 鹿島(前半1-1)
レッズ得点者: ショルツ(44分/PK)
警告・退場: -
主審: 西村 雄一 氏
順位: 14位(2勝4敗8分/勝点14/得失点差+1)

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Yoshiki Kato / burnworks
Yoshiki Kato
埼玉県出身。サッカー、フットサル (観戦 / プレー)、モータースポーツ観戦、格闘技 (主にボクシング) 観戦、インターネット、音楽鑑賞、筋トレ、腕時計収集が趣味。サッカー 4 級審判員、ウオッチコーディネーター(上級 CWC)資格認定者。好物はゼリー、グミ、お酒、ラーメン。