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AFCチャンピオンズリーグ2022 グループステージ MD5 ライオン・シティ・セーラーズ(シンガポール)戦

AFCチャンピオンズリーグ2022 グループステージ MD5 ライオン・シティ・セーラーズ(シンガポール)戦

写真は「DAZN」中継映像から引用

セントラル方式で開催されている2022年のACL、グループステージは前節から折り返して、各チームとの2戦目が始まっています。今節は、初戦で対戦したシンガポールのライオン・シティ・セーラーズとの2戦目。この試合が終わると、グループステージも最終戦となる山東泰山戦を残すのみとなりました。

少しだけ今節開始前時点での状況を整理しておきましょう。

第4節終了時点で、我々が所属するグループ F は、消化試合とそこまでの戦績の関係で、見かけ上はウチが首位に立っている状態になっていますが、この首位にはあまり意味がなくて、実際には残り2試合、ウチがどんなに大量得点して連勝したとしても、大邱FCが同じく連勝してしまえば彼らが首位通過、ウチは2位通過という結果になります(大邱FCとの直接対決戦績により)。

ウチが2連勝する前提で、首位通過できるとすれば、大邱FCが残り2戦を2連勝以外の結果で終わったときですが、まぁ現時点で可能性は低く、あくまで他力本願ですからそうなったらラッキーですねくらいの意識でいるくらいでちょうどいい。

よって、グループを2位通過したとして、決勝トーナメントに進めるのかが現時点では最も注目すべき点になりますが、グループ2位に関しては、全チームが決勝トーナメントに進めるわけではなく、東地区全5グループの2位通過チームのうち上位3チームのみ。逆にいえばグループ2位で抜けたチームのうち、下位2チームはグループステージ敗退ということになります。

じゃあ各グループ2位通過チーム間での順位決定方法は? というと普通に勝点、得失点差、総得点...... という順で比べていきますので一見わかりやすいんですが、ここでちょっとくせ者なのが、東地区に関しては、グループ最下位との対戦を除く4試合の成績でグループ間の順位を比較というレギュレーションになっていること。

これは神戸が所属するグループ J の上海海港が今大会を辞退し、当該グループが3チームによって進められていることが要因です。つまり、グループ2位通過チーム同士を比べるとき、その勝点や総得点などから、グループ4位のチーム(ウチでいえば恐らくは山東泰山)との対戦で得たものは引かれるってことですね。

もし山東泰山がこのまま最下位で終わると仮定すると、彼らとの対戦で得た(+次節得るであろう)勝点「6」と、得点(現時点で5得点+最終節で獲った点数)がなかったことになるわけですが、各グループの最下位が確定するまで無効になる勝点や得点数がわからないですし、現時点で勝点的に最下位確定してるのが川崎が所属するグループ I の広州FCだけ? あとはウチのグループの山東泰山がまぁほぼ決まりでしょというくらいで、予測が難しい状況になっています。

今節が終わるとかなり見通しがよくなる気がしますが、前述の通り、ウチのグループは山東泰山が最下位だと仮定すると最終節は10点獲ろうが、20点獲ろうが2位通過した場合は関係なくなる消化試合。もちろん、大邱FCとライオン・シティ・セーラーズの最終節の結果によっては首位通過の可能性もあるので勝つってのは必須ですけども。

結果として重要になるのが今節の結果ということに。今節得た得点数(得失点差)はグループ2位で通過した際の比較に影響しますので、勝つのは当たり前として、できる限り大量に得点した上で無失点で終わらせたいということです。大量得点で勝っておいて、あとは運を天に任せるということですね。

ということで前置きが長くなりましたが、そういう狙い通りの戦いができるか、事実上の最終節、ここが頑張りどころの一戦となりました。

スターティングラインナップ

AFCチャンピオンズリーグ2022 グループステージ MD5 ライオン・シティ・セーラーズ(シンガポール)戦 スターティングラインナップ

さて今節のスタメンは、最終ライン左から明本さん、ショルツさん、岩波さん、馬渡さん。ダブルボランチに柴戸さんと平野さん、左のSHに関根さん、右にモーベルグさん、トップ下に小泉さんを配置し、1トップにシャルクさんを置いた 4-2-3-1 スタート。GKは西川さん。サブには知念さん、宮本さん、敦樹さん、岩尾さん、大久保さん、安居さん、松崎さん、江坂さん、松尾さん、そして彩艶さんが控えます。

ここにきてGKを西川さんに。疲労を考慮してか、前述したように今節の得失点が重要なことから安定感で西川さんを選択したか。これ書いている時点でまだリカさんの試合後コメントとかの情報がないためわかりませんけども。

前節痛めたっぽい酒井さんのところには馬渡さんが。ボランチに平野さんが久々に先発として戻ってきてくれましたが、前節、終盤に入ってからの動きを見ている限り待ってましたので復帰。ワントップはシャルクさんが連続してスタメンですが、ユンカーさんは第3節でかなり手を痛そうにしてたのでここでベンチ外に2試合連続で外れたのはちょっと心配。

対するライオン・シティ・セーラーズは、最終ライン左からペドロ エンリケ選手、ハリス ハルン選手、アミルル アドリ アズミ選手。ダブルボランチにシャーダン スレイマン選手とアダム スワンディ選手。左のWBにイクラム リフキ選手、右のWBにヌル アダム アブドゥラー選手。インサイドハーフにファリス ラムリ選手とハイカル パシア選手を配置し、ワントップがアミルルディン アスラフ選手という並びの 3-4-2-1。GKはハッサン サニー選手。

前節は中盤トライアングルの 4-3-3 → 守備時 4-4-2 ブロックで挑んできたライオン・シティ・セーラーズですが、今節は並びを変えてきました。守備時5バックでの守備を前提とした3バックシステムに変更。さらにWBとインサイドハーフにある程度守備で強度が出せるタイプを置いてきた感じで、前回対戦でウチに好きなようにやられたサイドでの守備を修正する意図がみられました。

結果的に前回対戦ほどゆるゆるな守備ではありませんでしたけどもまぁそれでも時間が経つにつれて2列目のスライドは遅れたり、インサイドハーフが2列目から出ていっても最終ラインの押し上げが連動しないみたいな色々と守備的なほころびもあり、あとはウチがしっかりフィニッシュのところでクオリティを出せるかっていう展開になりました。

狙い通り大量得点、かつ無失点で勝利。
結果的に決勝トーナメント進出も決める

ウチのビルドアップは、柴戸さん、平野さんが頻繁にショルツさんと岩波さんの間に落ちる形の疑似的な3バックを形成してのもの。2CBの脇に落ちるのではなく、左右に開かせて間にボランチが落ちるというのは守備面、特に被カウンターを考えればリスクなんですけども、柴戸さんはもちろん、平野さんも守備強度低くないですし、相手との実力差を考えれば問題ないという判断か。ある意味アグレッシブなやり方。

あとショルツさんと岩波さんの立ち位置が試合開始10分くらいで入れ替わってましたけど、これによってショルツさんが右サイドに流れながらドリブルで持ち上がって馬渡さんやモーベルグさんに付けたり、内側でサポートした平野さんを使って前進するなど、効果的に相手を押し込みます。

右サイドは基本的にモーベルグさんが幅を獲り、その内側を馬渡さんがサポートするというやり方。モーベルグさんは左利きの右サイドなので縦突破→クロスってのはあまり期待できないですけども、ワイドに張ってフリーで受けた時には一発個人で崩せる能力があるのでここで相手が引っ張られれば周囲が空きますし、馬渡さんが内側をサポートしつつ縦に侵入すれば彼は縦突破→右足クロスで正確なボール入ってくるので、左で起点作っといて右へ展開して相手をスライドさせたスペースを活かすっていう狙いは立ち上がりから可能性を感じさせました。

で、先制点は突然に。14分、平野さんからの斜めのパスをモーベルグさんがワンタッチで縦に。これに連動して抜け出した馬渡さんがペナルティエリア内右角へ縦に侵入すると同時にダイレクトで思い切って振り抜いた右足のシュートは、スピードもありつつ相手GK手前で落ちてバウンドする処理が難しめのシュートに。これを案の定、相手GKがうまく処理できず身体には当てるもののそのままボールはゴールに吸い込まれてこれが大量得点の幕開けに。

先制した直後にも馬渡さんの鋭い縦パスを受けた小泉さんが(一瞬相手に引っかかったものの即時奪還して)キープ。大外から裏に抜けたモーベルグさんに縦パスで相手最終ラインをブレイク→中央へのグラウンダークロスにペナルティエリア内でシャルクさん、あとは当てるだけっていう決定機がありましたが(手前でボールが微妙に跳ねたのか)まさかの当て損なってゴールならず。

シャルクさん、39分にペナルティエリア左側角でボール受けて少し強引にキープしたところからの右足一閃のスーパーゴール叩き込むんですけども、シチュエーション的にファーサイドに巻いて蹴りたくなるところを腰の回転でニアサイドに強いシュートぶち込むあたり、その体幹の強さ、筋力的な強靱さを感じさせる一方で、本来彼が得意なプレーってこういうので、横から入ってくるボールにワンタッチであわせてゴールみたいなのはそこまで得意じゃないんだろうなっていうのがここ数試合観てての印象。

今はワントップに人がいなくて彼がここで起用されてますけども、本来は江坂さんみたいな立ち位置でやらせてあげた方がミドルレンジからのパンチ力もあるし、攻守にわたってしっかりハードワークするし、もっと活きそうな気がします。重ね重ねワントップ特性のスペシャリストがユンカーさん以外にもう一人くらいいてくれたらなーなんて無い物ねだりしたくなります。

話を試合に戻しましょう。

前半を2点リードで折り返すと、後半の立ち上がり48分に小泉さんがねばってキープしたところからのクロスにモーベルグさんが頭で合わせる3点目、52分には関根さんの縦パスにうまく相手最終ライン裏を獲った小泉さんが左足で強烈なシュートをニア上に叩き込んで4点目。後半開始早々に相手を突き放し、試合的には楽な展開に。

59分にはモーベルグさん→松崎さん、シャルクさん→松尾さんと2枚替え。4点差付いてますけど、交代のメッセージ的には「もっとやれ」。

松崎さんはそのままモーベルグさんがいた右サイドに。松尾さんがワントップに入る形で残り試合時間は約30分でしたが、この途中交代で入った松尾さんが62分、90分と2発ぶちかまして結果的には6得点。終盤には相手のカウンターからゴールに迫られるシーンもあり、キム シヌク選手のヘディングシュートなんかは相手の決定機でしたけども、西川さんがビッグセーブ。さらに高さを活かしたいライオン・シティ・セーラーズのクロスを、冷静なハイボール対応でしっかり抑えると、無失点で試合を締めてくれました。素晴らしい。

さて、この結果によってグループ内で2位以上が確定しました。仮にですが最終節、ウチが負けたとしても、大邱FCとライオン・シティ・セーラーズの結果にかかわらずウチは2位以上です(大邱FCが引き分け以上なら2位で突破、ライオン・シティ・セーラーズが勝つと勝点では3チームが並びますが直接対決の戦績によってウチが首位、ライオン・シティ・セーラーズが2位という結果に)。

さらに、冒頭でレギュレーションの関係で今節終わってみないとまだ2位通過だった場合の状況がわかりにくいって書いたんですが、大邱FCと山東泰山の試合が終わってウチのグループは山東泰山の最下位が確定。他のグループの結果などを見てみたところ、対山東泰山戦で獲った勝点を除いても勝点「7」を確保したウチに対して、他グループでこれより勝点が低い2位がいるグループが確実に2グループ(グループ I と G)あるため、「グループ2位通過 5チーム中 3位以内」という条件をすでに満たしました。

あとは、最終節。ウチはもう2位以上確定なので思い切った選手の入れ替えなど試すことができます。同時間に行われる大邱FCとライオン・シティセーラーズの試合でライオン・シティ・セーラーズが頑張ってくれれば棚ぼたの首位通過もありますし、昨日の敵は今日の友ということで、ライオンさん、マジがんばってください。

試合ハイライト

試合データ

会場: ブリーラムシティスタジアム / タイ
観客: 313人
天候: 晴 / 気温 34℃ / 湿度 80%
試合結果: 浦和 6-0 ライオン・シティ・セーラーズ(前半0-0)
レッズ得点者: 馬渡(14分)、シャルク(39分)、モーベルグ(48分)、小泉(52分)、松尾(62分)、松尾(90分)
警告・退場: -
主審: オマル・モハメド・アルアリ 氏

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Yoshiki Kato / burnworks
Yoshiki Kato
埼玉県出身。サッカー、フットサル (観戦 / プレー)、モータースポーツ観戦、格闘技 (主にボクシング) 観戦、インターネット、音楽鑑賞、筋トレ、腕時計収集が趣味。サッカー 4 級審判員、ウオッチコーディネーター(上級 CWC)資格認定者。好物はゼリー、グミ、お酒、ラーメン。