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2021 Jリーグ YBC ルヴァンカップ プライムステージ 準決勝 第1戦 埼玉スタジアム2002 セレッソ大阪戦

2021 Jリーグ YBC ルヴァンカップ プライムステージ 準決勝 第1戦 埼玉スタジアム2002 セレッソ大阪戦

前節はそこまでの好調、堅守の印象からすればある意味ショッキングな敗戦を喫したわけですけども、落ち込んでいる暇もなく、中3日でやってくるのはルヴァンカップの準決勝。対戦相手はセレッソ大阪です。

この戦いはホーム&アウェーの2戦方式で戦うため、所謂180分マッチ。まずはホーム、埼スタでの第1戦からスタートですが、いつも通り、アウェーゴールを与えずに勝つのがベストっていう試合。何度も同じようなこと書いていますが、選手起用も含め2試合トータルでどう戦うかを考えながらのまずは前半戦という感じになります。

セレッソとは今シーズンすでにリーグ戦で2回の対戦を終えていますが、4月にアウェーで戦った際は 0-1 の敗戦。9月のホームゲームでは 2-0 勝利と五分の状況。とはいえ、直近のホームゲームでは相手にほぼ何もさせない状況での鑑賞といっていい出来だったこともあり、対戦相手としての印象は悪くありません。しかし油断は禁物。特にリーグ戦の方でちょっとよくない試合をしてしまった直後ですので、あれはたまたまだったと思わせる内容が求められる一戦となるでしょう。

スターティングラインナップ

2021 Jリーグ YBC ルヴァンカップ プライムステージ 準決勝 第1戦 埼玉スタジアム2002 セレッソ大阪戦 スターティングラインナップ

今日のスタメンは、最終ライン、左から山中さん、ショルツさん、槙野さん、西さん。ダブルボランチに伊藤敦樹さんと平野さんを配置。左SHに汰木さん、右に大久保さん、トップ下に江坂さん、1トップにユンカーさんを置いた 4-2-3-1 スタート。GKは彩艶さん。サブのメンバーとしては岩波さん、明本さん、金子さん、達也さん、小泉さん、関根さん、それに塩田さんが控えます。

酒井さんがいつもの代表戦でお留守。そこには西さんが入ります。山中さんが久しぶりのスタメン復帰で左SBに。ユンカーさんも久しぶりの先発ですね。トップ下に江坂さんを入れて縦関係。GKはルヴァンカップでは引き続き彩艶さん、塩田さんのコンビを起用し、西川さんはお休みです。

対するセレッソは、最終ライン左から丸橋 祐介選手、瀬古 歩夢選手、西尾 隆矢選手、松田 陸選手。ダブルボランチに原川 力選手と奥埜 博亮選手。左SHに乾 貴士選手、右に坂元 達裕選手。2トップが加藤 陸次樹選手、山田 寛人選手という組み合わせの 4-4-2。GKはキム・ジンヒョン選手。

複数得点しておきたかった前半に1失点で済んでよかったなという後半

ちょっと時間の関係で中継映像を見直す暇がなかったため、スタジアムで観てきた記憶を頼りに書きますが、2戦方式の第1戦が終わっただけということもあり、記憶に残っている範囲で気になった点だけ簡単に書いて今回は終わろうと思います。

試合は立ち上がり、セレッソがそこまで前から出てくることなく、4-4-2 ブロックをコンパクトにセットする方をまずは優先した入りをしてくれたため、前半ペースを握ったのはウチでした。セレッソは乾選手だけが2トップの左脇に出てきたりして 4-3-3 のような形になりつつも、前プレはウチがボールを下げた時に前線の2トップのみが出てくるという感じでしたので、基本は最終ラインから山中さんだけを高い位置に押し出しつつ、ショルツさん、槙野さん、西さんの3枚回しでビルドアップをスタート。

平野さんが相手2トップの背中に立つ、大外に張る山中さんのスペースを作るようにインサイドに絞った汰木さん、トップ下から右に落ちる江坂さん、そして敦樹さんが相手守備ブロック2列目、つまりダブルボランチの背中や脇に立ちつつ配置の優位性を確保。ユンカーさんが相手最終ライン裏のスペースをけん制することで相手ディフェンスを縦にストレッチさせるというのはセオリー通り。

相手が前3枚でハメてきそうな場合は素早く平野さん、もしくは敦樹さんが最終ラインにサポートに落ちて常に数的優位を作るなど、この辺は今までやってきたことを踏襲しつつ、うまくバランスもとれていたかと。

まずはショルツさんを使って左サイド相手2トップの脇から前進。山中さんはタッチラインを踏むくらいワイドに張ることでショルツさんのボール保持に対して坂元選手が出てくればその裏で山中さんがフリー。いい形でボールが入ればクロスボール発射台としての山中さんの威力がいかんなく発揮されるような狙いも見えましたし、実際に立ち上がりから何度かフリーでボールを受けた山中さんからのアーリー高速クロスもあって期待値は高まる展開。

この辺は前節、中央で潰されてカウンターという展開を多く作られたこともあり、大外の山中さんを使うことで中央でのリスクを少し低減しつつ、外からのピンポイントクロスと中央のユンカーさんという殺傷能力の高い組み合わせでリスクの高いゾーンを飛ばしてゴールに迫るという意図もあったのかもしれません。この辺はリカさんの試合後インタビューなどでも特に語られていなかったので推測ではありますが。

そんな中、12分に早速試合が動きます。相手の前プレに対して彩艶さんから一発で山中さんへのロングフィード。すばらしい精度で相手のプレスを回避すると、一旦はスピードダウンさせられますが、ショルツさんにボールが戻ったところでうまく坂元選手を引きつけたショルツさんから大外でフリーの山中さんへ。山中さんが前を向いた瞬間、相手最終ライン、2CBの間にうまく入り込んだユンカーさんに山中さんからのピンポイントアーリークロス。これをうまく面を作って右足でダイレクトにミートしたユンカーさんのシュートはゴール左隅に突き刺さって先制。

山中さんのクロスはユンカーさんの足元にピンポイントでしたし、それをダイレクトであわせるユンカーさんのフィニッシャーとしての能力もさすが。2つのスーパープレーが生んだ素晴らしい先制点でした。

セレッソとしては前半、無理な前プレは控えて守備ブロックを作り、ある意味慎重な入りをしてきた感はありましたが、その隙間をうまく突いて10分過ぎに先制点。ここまでは相手のゲームプランをしっかりぶっ壊す最高の立ち上がり。さらにその後もうまく相手守備ブロックの中間ポジションを獲った配置でゲームを優位にコントロールし、この前半のうちに追加点が1つか2つ入っていればそれで試合は決まってたなというところでしたが、結局得点は1点のみにとどまった状態で試合は後半へ。

繰り返しになりますがこの試合は2戦合計で争うため、この1試合の勝ち負けはそこまで重要ではありません。セレッソからみても1点差で負けてホームに戻る分には、とりあえずホームで 1-0 でもいいから勝てばいいだけ(それで延長戦突入になればアウェーゴール関係なくなるし)って感じになるのでそこまで大きなプレッシャーにはなりません。

逆に1点でも返して終われればセレッソにとっては十分って中で、本来であればその1点を狙って出てくるセレッソをうまくいなしてあわよくばトドメの追加点ってのが理想なわけですし、ウチのコンセプト的にはそれが一番得意なシチュエーションなはずなのですが、これが相手の勢いにうまくハメられて前後半で全然違う内容になっちゃいました。

埼スタのクロスバーさん大活躍でなんとか失点は最小限に......

後半、セレッソはSHの立ち位置を少し調整したように見えました。ボランチの両脇に絞る形で中央を厚めにした守備ブロックを形成し、ウチの両サイドはSBに任せる形で江坂さんや敦樹さん、インサイドに絞った汰木さんなどが使いたいスペースを消しにくる立ち方。さらに前半は前線の2トップが前プレに行っても、2列目以降はそこまで押し上げてこなかったので2トップの背中で平野さんなどがうまくボールを受けられたんですが、後半は前線の前プレを裏っ返したところに2列目がかなり高強度なプレスをかけてスペースと時間を奪いにきたため、前半のようなゆとりを持ったビルドアップができない流れに。

要するに後半のセレッソはウチの立ち位置に対して立ち方をあわせてくるというか、人を捕まえにくるやり方に切り替えてきたわけですけども、神戸戦同様、これを高強度でやられて局面での対人勝負みたいにされてしまうとやはり難しくなる傾向がありますね。

それでも立ち上がりは中央の堅いところをうまく回避してサイドで山中さんや汰木さんがスペースに抜けるような動きも出ていて、1点を追って強度を上げてきたセレッソと、それをいなしにかかるウチという構図がはっきり出た面白い流れだったんですけども、時間が経つにつれ、カウンター当てたい前線と、無理にリスクとりたくないように見える最終ラインのライン設定から、ちょっと前線が孤立気味になってセレッソにボールを回収される機会が増えます。

守備のやりかたも前からハメるよりしっかりブロックを作って待ち構えようっていう空気になったのでセレッソがボール保持する時間が増え、そこにセレッソがサイドの優位性を活かす左右に大きな展開を増やしてきたことでそこからのクロスに中央であわされる形で後半10分過ぎくらいの時間帯に2回連続クロスバーにシュートが直撃する決定機を作られるという嫌な展開。いやクロスバーさんありがとう。

この流れを嫌ってか60分に江坂さん→小泉さん、大久保さん→関根さん、山中さん→明本さんという3枚同時交代。明本さんの投入はわかりやすくサイドでの守備強度。前線でのプレスや運動量、ボールの収まりどころとしての小泉さん、突破力のある関根さんでサイドをリフレッシュすることで前からでてくるセレッソの勢いを逆手にとろうという意図は見えましたが、結果的にはそこまで狙い通りになったようには見えませんでした。

66分、少しカウンター当たりそうな場面で明本さんが出ていったタイミングでボールロスト。明本さんが空けたスペースを坂元選手に使われ懸命に戻った明本さんが追いつきはするものの1対1からクロスを上げられると、中央、槙野さんの背中をうまく獲った山田 寛人選手に合わせられて失点。

左利きの坂元選手がカットインすることを警戒して対応した明本さんと、その裏をかいてうまく緩急をつけた縦突破から右足クロスを入れた坂元選手の駆け引きで負けたこと、坂元選手のクロスの動きに一瞬ボールウォッチしてしまったことで槙野さんがあっさり背中を獲られてしまったあたり...... ウチはしっかりゴール前に戻って人数は足りていましたし、ゴール前に入ってきた相手は山田選手1枚だけだっただけに残念な失点となってしまいました。

73分には汰木さん→達也さんとし、関根さんを左に移動させて追加点の機会をうかがいますが、結局追加点は奪えず。同点のまま試合終了(試合終了間際にペナルティエリア内でのハンドリングの疑いでVAR入って少しだけ期待したんですけども結局ハンドじゃなかったってことでそのまま試合終了)。

ということで、前半の出来から考えれば、この試合90分でみるともったいない引き分けっていう感じの試合になってしまいましたが、繰り返すとおり、この準決勝はまだ半分が終わっただけ。準々決勝の川崎戦もそうでしたが、第2戦で勝てばいいだけっていうわかりやすい展開になりました。

第2戦は日曜日。アウェーなので私はテレビ観戦になりますが、文句なしに勝って決勝進出を決めて戻ってきてくれることを祈ります。

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試合ハイライト

試合データ

観客: 8,734人
天候:曇 / 気温 20.8℃ / 湿度 79%
試合結果: 浦和 1-1 C大阪(前半1-0)
レッズ得点者: ユンカー(12分)
警告・退場: 汰木(警告×1/ラフプレー)
主審: 佐藤 隆治 氏

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