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2021 Jリーグ 第31節 ノエビアスタジアム神戸 アウェー ヴィッセル神戸戦

前節の勝利で直近のリーグ戦、7試合では負けなしの6勝1分けの好成績。前節久しぶりに失点したねって言われるくらい守備面でも安定し、ウチとしてはほぼ完璧な流れの中迎える今節は、現在勝点で並び、上位を直接争うヴィッセル神戸との対戦。

所謂「6ポイントマッチ」になるわけで、ここで勝ってこそ、今までの好調が順位という結果として表れる重要な試合。アウェーとはいえしっかり勝って帰ってきたい一戦となりました。

2021 Jリーグ 第31節 ノエビアスタジアム神戸 アウェー ヴィッセル神戸戦

写真は「DAZN」中継映像から引用

スターティングラインナップ

2021 Jリーグ 第31節 ノエビアスタジアム神戸 アウェー ヴィッセル神戸戦 スターティングラインナップ

さて今日のスタメンは、最終ライン、左から明本さん、ショルツさん、岩波さん、酒井さん。ダブルボランチに柴戸さんと平野さんを配置。左SHに汰木さん、右に関根さん、トップ下に小泉さん、1トップに江坂さんを置いた 4-2-3-1 スタート。GKは西川さん。サブのメンバーとしては槙野さん、西さん、敦樹さん、達也さん、大久保さん、ユンカーさん、それに彩艶さんが控えます。

ということで、スタメンも控えも前節と変更なしですね。良いときはいじらないの鉄則に則り、ここまでよい流れを作ってきたメンツで重要な上位対決にのぞみます。

対する神戸は、最終ライン左から酒井 高徳選手、トーマス・フェルマーレン選手、菊池 流帆選手、山川 哲史選手。中央、アンカー気味の位置にセルジ・サンペール選手、その両脇を佐々木 大樹選手、郷家 友太選手が固めるトリプルボランチに近いような中盤に、アンドレス・イニエスタ選手がその前面に配置されサンペール選手と縦関係(所謂中盤がダイヤモンド型になる配置ですね)。最前線に大迫 勇也選手と武藤 嘉紀選手という強力な2トップを並べた 4-3-1-2 スタート。GKは飯倉 大樹選手。

DAZN の中継では神戸の予想フォーメーションが 4-2-3-1、大迫選手をワントップに、2列目にイニエスタ選手、両SHに武藤選手と郷家選手、サンペール選手と佐々木選手のダブルボランチという配置になっていましたが、試合開始してみると実際には大きく並びが異なりました。

立ち位置の優位性を封じられ、個の対決に持ち込まれて完敗
まぁこういう日もありますよね

神戸のやり方はかなり綿密にウチをスカウティングしてきたのではないかと思われるものでした。

2トップの大迫選手、武藤選手が積極的にウチのビルドアップに対してプレスをかけ、まずは時間を奪う。本来ならその時、出てきた2トップの背中で平野さんや柴戸さん、そこが消されるなら小泉さんや江坂さんが2列目から落ちてスペースを使うのがウチの常套手段ですが、神戸は2トップのプレスは裏っ返されるを前提に、その背中をトップ下のような配置にしたイニエスタ選手、そして後方からイニエスタ選手の背後を圧縮するように立ち位置をとるサンペール選手と佐々木、郷家、両選手の部分で徹底的にスペースを消して平野さんや小泉さんが使いたいスペースを消し、そのエリアでぶっ潰してはショートカウンターのような自分たちによって最前線の個の力が活きる形に持ち込まれてしまいました。

前線では江坂さんのところにフェルマーレン選手がきっちり出てきて自由にさせてくれないし、中央にスペースがないことを嫌ってサイドを経由しようとすれば2トップまでガッツリプレスバックして同サイドに圧縮してくるので常に1対多数の数的不利な状況にされてボールを前進させることができず......

サンペール選手と中央に置いた中盤の守備ブロックは左右へのスライドも素早く、最終ラインから出てくるSBと連携して即座にサイドのスペースを消しに来るため、酒井さんや明本さんが高い位置に進出することもできず、インサイドに絞ったSHの周辺もスペースがない。こういう状況では左右に大きな展開で相手のスライドがずれるのを狙うくらいしか打開策はないですが、ウチの中盤にはそこまでミドル~ロングレンジでのパスを一発で蹴れる人もいないため手詰まりの様相。

一方神戸のビルドアップに関しては2CBの間にGKの飯倉選手が入る形での3枚回し。この時点でウチの 4-4-2 ブロックの最前線、江坂さんと小泉さんの2枚に対して相手は3枚回しと数的優位なのでプレスはハマらず。じゃあってことでそこを同数にするために関根さんが出ていくと、神戸の左SBに入った酒井高徳選手はワイドに張りつつ出ていった関根さんの裏のスペースをけん制、同時に幅を獲ることでウチの守備ブロックを左右に引っ張りつつ、1列目守備ラインの裏にサンペール選手、ウチのボランチ周辺の中間ポジションにイニエスタ選手がうまく立ち位置をとってくることもあってうまくプレス回避されると、本来ハメたいウチの前線プレスが全くハマらず撤退させられる形に。

局面での1対1を多く作られてしまうと個の能力で分があるのは悔しいけれど神戸の方。

7分の失点も、前線からプレスをハメにいっている中でうまく回され、中央のサンペール選手にボールが入ったところを関根さんが抑えに行くも、逆に空けたスペースを酒井高徳選手に使われてフリーで持ち出されると、ハーフスペースを獲った佐々木選手に少し岩波さんが引っ張られたことで生まれた2CBの間に絶妙なタイミングでダイアゴナルランされた大迫選手へのグラウンダーのパス→ダイレクトで合わされてという形でしたが、さすがのショルツさんもただでさえ先に優位な立ち位置を獲られている状況で大迫さんとよーいドンの競争させられ、さらにドフリーの酒井高徳にあれだけ時間を与えて余裕を持ってパスを選択されてしまうとなかなか抑えきるのは難しい。

2失点目はイニエスタ選手のフリーキックがエグかったのでゴール自体は彼の個人能力を褒めるしかないのですが、きっかけとなったファールは最終ラインでの繋ぎから相手の前プレに引っかけられてミスり、ボールを奪われたところで慌ててファールという形でしたし、3失点目も狙われているとわかっていながら西川さんから小泉さんのところに無理に付けにいってボール奪取され、後ろ向きに守備をさせられたところでぽっかり空いたバイタルエリアからイニエスタ選手のミドル。これもシュートブロックした柴戸さんに当たってコースが変わるという不運はあったものの、きっかけは自陣でのミスから相手にショートカウンター発動されてというもの。

で、こういう自陣でのミスはある程度は仕方ないものですし、チャレンジした結果ボールを失うこともあるでしょう。実際に他の試合でも同じような失い方して、結果的に失点しなかったというだけで危ないシーンはいくつかありましたし、今回はそれが全部神戸の得点につなげられちゃったということで、ある意味不運な面もあったとは思います。

とはいえ、あれだけ個の能力に優れた選手が多いチーム相手だと、こういう一個のミスを見逃してもらえず失点に直結するっていうのはあるというか、対戦相手のレベルが上がれば当然起こるわけで、これはこの先控えている上位対決でも同じ。

サッカーは相手があるものなので、ウチの出来がどんなに素晴らしくても、相手にそれを上回られれば負けるものです。今回は神戸の組織されたハイプレスにうまく対処できなかったことでミスを誘発され、さらにそこに相手の圧倒的な決定力がかち合ってスコアだけ見ればボコられた形になってしまいました。

「今節は人数うまくあわせられてガッツリ高強度のプレスをぶつけられることで自由を奪われうまく行きませんでした」と書いてしまえばそれだけの話なんですけども、本来はこういう状況でもうまく立ち位置を獲って相手のプレスを外すのがコンセプトのサッカーを目指しているわけですから、もうワンランク上に行かないと行けないってことでしょうね。

今までは立ち上がりに多少うまく行かなくても、そこを無失点で耐えて飲水タイムなり、ハーフタイムまでしのげば、うまく修正してというのがウチの強みのひとつでもあったわけですけども、今回はその一旦しのいで...... を許してもらえず、流れが悪い中で序盤に一気に2失点、さらに少し流れを取り返しそうってところで3失点目までいってしまったことでゲームプランもクソもない状況になってしまいましたし、後半も立ち上がりになんとか1点返して、さぁこれからってなったところで即座に4失点目を喰らってっていう感じで流れを掴ませてもらえませんでしたね......

長いシーズンを考えればこういう「今日は何やってもダメな日」ってのは出てくるものなので今日はそういう日だったと思ってあとは酒でも飲んで寝ちまった方がサポとしては精神安定上、健全ですが、チームはしっかりと今回うまくいかなかった要因を分析して、次につなげて欲しいなと思います。

もうなんか途中からレビューじゃなくなってる気もしますが、この1試合の大敗で何か今までやってきたことが全否定されるようなことでもなく、何かうまく回るようになってきたなと思ったら新しい壁が出てくるなんてのは人生でもサッカーでも同じ事。まだシーズンが終わったわけでもなく、上位を狙えるチャンスが消えてなくなったわけでもありません。

まずは続くルヴァンカップ準決勝を突破できるように切り替える部分は切り替えて、次に備えましょう。

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試合ハイライト

試合データ

観客: 7,923人
天候:晴 / 気温 26℃ / 湿度 49%
試合結果:神戸 5-1 浦和(前半3-0)
レッズ得点者: 小泉(49分)
警告・退場: -
主審: 木村 博之 氏
順位: 5位(16勝9敗6分/勝点54/得失点差+4)

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