2021 Jリーグ 第29節 埼玉スタジアム2002 セレッソ大阪戦
週末、せっかくの3連休だっていうのに台風接近みたいないやな天気の中ですが、めちゃくちゃ久しぶり(83日ぶりとのこと)に行われる埼スタでのホームゲームは、Jリーグの第29節、セレッソ大阪戦です。
オリンピックによる中断明けは初戦の札幌戦で敗戦スタートしたものの、そこからここまで公式戦無敗。リーグ戦では第27節の湘南戦こそ引き分けましたが、他は全勝して4勝1分け、その間、天皇杯でベスト8進出、ルヴァンカップでも川崎との2戦を引き分けて準決勝進出と、成績だけをみれば終盤戦に向けて勢いに乗れている状況。
リーグ戦も今節を入れて残りちょうど10節。最終節が近づくにつれて上位チームとの直接対決も連発するためここからが気を抜けないラストスパート。リカさんも今節の前日記者会見で「これからは真実の時間」とおしゃっていましたが、ここまで積み重ねたものをしっかり発揮して結果を求めたいところ。
セレッソ大阪は今節開始時点で勝点「36」の12位と、リーグ戦での順位自体は相手が下位の「勝点3」がマストな試合。セレッソさんとはルヴァンカップの準決勝での対戦予定ですが、まずは前哨戦できっちりぶっ倒してルヴァンカップ前のアウェー2連戦に向けて勢いをつけたい一戦となりました。
スターティングラインナップ
さて今日のスタメンは、最終ライン、左から明本さん、ショルツさん、岩波さん、酒井さん。ダブルボランチに柴戸さんと平野さんを配置。左SHに汰木さん、右に関根さん、トップ下に小泉さん、1トップに江坂さんを置いた 4-2-3-1 スタート。GKは西川さん。サブのメンバーとしては槙野さん、西さん、敦樹さん、達也さん、大久保さん、ユンカーさん、それに彩艶さんが控えます。
前節はベンチ外でお休みとなった平野さんが復帰。平野さんに加え、江坂さん、ショルツさん、酒井さんなど、オリンピック中断期間中、夏の移籍ウインドーで新加入したメンバーにとっては埼スタデビュー戦ですね。
対するセレッソは、最終ライン左から丸橋 祐介選手、瀬古 歩夢選手、西尾 隆矢選手、松田 陸選手。ダブルボランチに藤田 直之選手と奥埜 博亮選手。左のSHに乾 貴士選手、右に山田 寛人選手を配置。2トップが加藤 陸次樹選手、西川 潤選手という並びの 4-4-2 スタート。GKはキム・ジンヒョン選手。
セレッソとの前回対戦はアウェー、長居での第10節。まだユンカーさんらの加入前で、いいサッカーやってるんだけどアタッキングサード以降のクオリティがちょっと足りないよねってレビューなんかでも書かせてもらっていた時期。実際のその試合も自分たちでゲームをコントロールしながら決定機を逃しまくった結果、相手にワンチャンス決められて敗戦っていう内容に結果が伴わない感じの試合でした。
その後ユンカーさんの加入で最後、フィニッシュのところのクオリティが爆上がり→でもユンカーさん頼みになりすぎるのも困るよね→江坂さん小泉さんの前線でここ数試合はワイドの2枚も含めて前線の選手がまんべんなく得点できているという感じの進化を遂げての今節。だからこそ今節は前回対戦同様、しっかり自分たちで試合をコントロールするというのは継続しつつ、しっかり結果につなげたい対戦です。
ほぼ相手に何もさせない90分
得点の形も再現性が見え完成が近づいている予感
セレッソは監督交代があったりで微妙にやり方が変わっているというのもありますが、基本的にはオーソドックスな 4-4-2 で、特に人の配置で優位性を作ってくるようなやり方はしないため(乾選手だけはサイドから中に絞ったりある程度自由に動く印象ですが)、各エリアで個で上回られない限りそこまで崩される印象はなし。
逆にいえばベンチに大久保 嘉人選手、坂元 達裕選手、アダム・タガート選手など局面を個で打開できる控え選手がいることを考えると、選手交代でギアを上げられたときに 0-0 や先制していたとしても 1-0 みたいな僅差で試合が進んでいると、所謂事故みたいな失点が怖い相手でもあります。なのでなるべく早めに先制から追加点を奪って、セイフティな状態で試合をコントロールしたい。
セレッソは立ち上がりから前線2トップを起点に前プレでウチのビルドアップに対する規制をかけにくるやり方。それに対してウチは平野さんが落ちたり、CBが幅を獲ったりと数的優位な立ち位置を作ってプレス回避すると、相手1列目の裏、ボランチ脇のスペース、もしくはサイドを経由してボールを前進させます。
セレッソのボール保持に対しては相手が前を向いてボール保持している時はしっかり 4-4-2 でブロックを作って中央を締めつつ、外に誘導してそこで刈り取る、相手が後ろ向きにボール持ったときは思い切って前からプレスをかけてボールサイドに圧縮、蹴らせて回収。ネガティブトランジション時にも素早く複数人で囲い込み、プレスバックも素早く高い位置での再奪取という狙いも出せていて、セレッソにリズムを作らせない。
その流れで10分に早くも先制。平野さんが最終ラインに落ちてビルドアップをやり直したシーン。ここに相手1列目が規制をかけに出てきた裏で関根さんがうまく中に絞って相手ボランチの脇のスペースに立つと、平野さんからそこにぴったりの縦パス。即座にターンした関根さんの前面には相手最終ラインとよーいドンのスプリントをした中央、小泉さんとその外側で相手CBの背中を獲った江坂さん。
関根さんは鋭い斜めの楔を小泉さんの足元に供給しますが、これをうまく小泉さんがスルー。江坂さんがこれをトラップすると、追いすがる相手SB、松田選手を腕でうまくブロックしながら飛び出してきたキム・ジンヒョン選手のタイミングを外しつつ、その脇をすり抜けるグラウンダーのシュートを右足で流し込みます。
この辺の江坂さんのうまさはさすがといいますか、ルヴァンカップ川崎戦でのゴールなんかもそうですが、ファーストタッチでのボールの置き所、身体をうまく使って相手を押さえ込むスキルとシュートセンス。本当に素晴らしい。
続く12分にも中盤でうまく平野さんが相手の縦パスを引っかけたところから江坂さん→ワンタッチで小泉さんという流れでアタッキングサードに侵入。右のニアサイドから小泉さんが得意の深い切り返しで相手をズラしてクロス→中央でうまくマーク外してフリーになっていた江坂さんの頭という形で決定機を作りますが、相手GKの好セーブにあって得点とはならず。
余談ですが、27分に現地で観ていて個人的にすげぇなって思った西川さんのプレーがあったんですけども、ゴールキックでリスタートのシーン、蹴る瞬間の身体の向きや視線からするとどうみても右サイドの江坂さんあたりをターゲットに蹴ると思ったら、その身体の向きのまま左足アウトサイドに当てて左サイドの明本さんにピンポイントで飛ばしたのは思わず「うまっ」とつぶやいてしまいました。直接チャンスにはならなかったですけども、さすが西川さん。
あと余談ついでにショルツさんも前半30分くらい、あと後半にもあったと思いますが、思い切って前線にドリブルで抜けていくみたいなプレーが出るようになってきていて、チームにも慣れて、自分の持ち味を存分に出し始めたなと。
前半は 1-0 で折り返して試合は後半へ。後半立ち上がりにキム・ジンヒョン選手がペナルティエリア内で繋ごうとしたパスがズレたところをインターセプトした関根さんがダイレクトで無人のゴールに蹴り込むもわずかに枠を外す決定機があってこれは決めといて欲しかったんですが、入りとしては悪くない。
59分、最終ラインでボールを回収、酒井さんから岩波さんにボールが渡った瞬間、中央にポジションを獲っていた汰木さんが相手CB-SBの間をぶち抜くスプリント。ここに岩波さんから絶妙なロングフィードが入ると、つま先で超絶繊細トラップした汰木さんが倒れ込みながらも飛び出してきたキム・ジンヒョン選手の股下を抜く技ありのシュートをゴールに流し込んで追加点。早めの追加点で試合展開的にはかなり楽に。
少し流れ変わったのが62分、セレッソが乾選手→中島 元彦選手、加藤選手→アダム・タガート選手、西川選手→大久保 嘉人選手、山田選手→坂元 達裕選手と4枚同時交代で一気にスイッチを入れてきたタイミング。特にセレッソ右サイドで大外、ワイドに張る坂元選手と、内側を獲る松田選手に明本さんのところで数的優位作られるシーンが何度かあり、セレッソにゴールに迫られます。
ウチも64分に平野さん→敦樹さん、さらに70分には関根さん→ユンカーさん、汰木さん→大久保さんとすると、江坂さんを右に出してユンカーさんと小泉さんが中央での縦関係。大久保さんはそのまま汰木さんがいた左のSHに。
77分には小泉さん→達也さんとして達也さんを右SHに配置すると、江坂さんとユンカーさんを中央で縦関係にして前掛かりになるセレッソに対してカウンターをベースとした戦い方にシフト。
82分には中央でボールを収めた敦樹さんから中に絞った達也さんへの超絶スルーパス一発で中央をぶち抜き、フィニッシュ(シュートは惜しくもキム・ジンヒョン選手に指先で触られて枠外へ)というシーンもあり、汰木さんのゴールシーンもそうですが、SHの選手が中に絞るタイミングとそこに対するチーム全体での意思統一も見え、人が入れ替わっても再現性のある形でフィニッシュまで持っていけている部分はチームの完成度が高まってきていることを感じさせます。
86分にもセットプレーからの流れでショルツさんのクロスからゴール前で完全にフリーになっていた敦樹さんがヘディングシュートを放つものの、またもGKのビッグセーブで得点とはならず。そのまま 2-0 で90分を終え、久しぶりの埼スタ、ホームゲームでしっかり勝利。
再三、キム・ジンヒョン選手の好守に阻まれたシーンはありましたが、狙い通り決定機を多く作り、逆にボールを持たれた時間帯でも相手に決定機と呼べるようなシーンはほぼ作らせず、試合全体をコントロールしてのクリーンシートで勝利。これで勝点も50を突破。「51」として4位~6位が同勝点で並ぶ状況になりました。
ちなみに、3位が狙えそうな戦いをしている中でこんなこと言ってもあまり意味はないですが、今節の勝利で「残留確定」しました。今節終了時点で降格圏17位の徳島の勝点が「23」。残り9試合で獲得可能な勝点が「27」ですから、足しても最大で勝点「50」です。ウチは今節の勝利で勝点を「51」としましたので、理論上降格はなくなったと。って、まぁ数試合前から誰も残留争いなんてウチには関係ねぇって感じになってたとは思いますが(笑)
ということで、次はアウェーでの2連戦。まずはFC東京戦、そして3位争いの直接対決となる神戸戦と続きます。この2試合、きっちり勝って勝点「6」を積めるかは非常に重要ですので、今の勢いを活かして、気持ちよくホームでのルヴァンカップに凱旋して欲しいなと思います。
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試合ハイライト
試合データ
観客: 4,887人
天候:雨 / 気温 23.2℃ / 湿度 90%
試合結果:浦和 2-0 C大阪(前半1-0)
レッズ得点者: 江坂(10分)、汰木(59分)
警告・退場: 明本(警告×1/繰り返しの違反)
主審: 中村 太 氏
順位: 6位(15勝8敗6分/勝点51/得失点差+7)
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