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2021 Jリーグ 第16節 エディオンスタジアム広島 アウェー サンフレッチェ広島戦

リーグ戦、前節は神戸を相手に試合内容的には劣勢を強いられつつも後半の修正で相手を上回り、2得点、無失点で勝利。リーグ戦の連勝を3に伸ばして勢いが出てきた感がありますが、中3日で迎える第16節は、アウェーに乗り込んでの広島戦。

前節の神戸戦に始まり、今節の広島、次節の名古屋と、順位的に近い、もしくは上位のチームとの対戦が中3日で続く状況ですが、この連戦を抜けると一旦ルヴァンカップ、天皇杯を挟みつつ、湘南、柏と対戦してリーグ戦の前半戦が終了することになります。その意味ではリーグ前半戦の山場。ここでしっかり勝点を積めれば、リーグ後半戦に向けての自信にもつながりますから、アウェーとはいえ、勝点必須の一戦となりました。

2021 Jリーグ 第16節 エディオンスタジアム広島 アウェー サンフレッチェ広島戦

写真は「DAZN」中継映像から引用

スターティングラインナップ

2021 Jリーグ 第16節 エディオンスタジアム広島 アウェー サンフレッチェ広島戦 スターティングラインナップ

さて今日のスタメンは、最終ライン、左から明本さん、槙野さん、岩波さん、西さん。ダブルボランチに柴戸さんと伊藤(敦)さんを配置し、左SHに汰木さん、右に達也さん、トップ下に小泉さん、1トップにユンカーさんを置いた 4-2-3-1 スタート。GKは鈴木彩艶さんが引き続き起用、Jリーグデビューから4試合連続のクリーンシートを狙います。サブのメンバーとしては山中さん、トーマス・デンさん、関根さん、阿部ちゃん、武藤さん、興梠さん、それに西川さんが控えます。

前節からの入れ替えは2枚。小泉さんと柴戸さんを阿部ちゃん、武藤さんに代えて先発と。つまり前節、神戸戦の後半メンバーが今節のスターティングラインナップということですね。

対する広島は、最終ライン左から佐々木 翔選手、荒木 隼人選手、野上 結貴選手。ダブルボランチにハイネル選手と柴崎 晃誠選手。左のWBに東 俊希選手、右に藤井 智也選手。インサイドハーフにエゼキエウ選手、長沼 洋一選手、最前線の1トップにジュニオール・サントス選手を配置した 3-4-2-1 スタート。GKは大迫 敬介選手。

広島は前節のセレッソ戦から3バックに変更して守備のタスクをまずははっきりさせる感じの修正(というか広島はミシャさん→森保さん時代から3バックでの歴史が長く、城福さん体制で4バックに取り組んでいた感じなので元に戻した、というか原点回帰って方が近いでしょうか)をしていますが、今節もこの3バックシステム、5-4-1 でブロックを作りつつ、5バックの利点を活かして2列目、最終ラインがウチの縦の楔に対して強度の高い迎撃に出てくるやり方に苦しめられることになりました。

15分にさい先よく先制するも、広島の守備ブロックを崩せず難儀

前述の通り広島の守備ブロックは 5-4-1 ですが、インサイドハーフがウチのSBに関してはきっちり捕まえにくるし、ウチの両ワイド、汰木さんと達也さんのところは相手両WBがタイトにマークに付いてくるため、ウチのビルドアップ時の重要なポイントであるサイドでの陣地争い(まぁ要するにインサイドに絞ったSHの大外でSBが高い位置を獲れるか)的な部分では、思ったように立ち位置を獲らせてもらえませんでした。

とはいえ前半15分、右サイドで西さんを捕まえにきていた広島、エゼキエウ選手に対して、西さんとうまくポジションを入れ替えて大外レーンでボールを受けた小泉さんから、その瞬間、マーカーである広島の左WB、東選手と駆け引きして内側で裏のスペースを獲った達也さんへのフィードから一発で広島ディフェンスを裏っ返し、佐々木選手を引っ張り出しといての低い弾道のクロスに中央でユンカーさん→一旦は合わずに逆サイドに流れたところに汰木さん間に合ってのダイレクトで折り返し→再度ユンカーさんの右足という流れで先制点。早々に試合を動かします。

ここでもサイドからのクロスに対して逆サイドの選手がしっかりボックス内に侵入しているといった、ここ数試合は徹底されている攻撃時のセオリーが厳守されたことで得点につながりましたが、それにしても直前のプレー、相手選手(荒木選手)との競り合いで引っかけられたぞと抗議するようなジェスチャーをしてたユンカーさん、汰木さんの戻しに素早く対応すると右足でちょこんと当てて相手GK、大迫選手の股下を抜くゴール。

なんかこの人がやるとゴールって簡単に入るんだなと誤解してしまいそうですが、結構な難易度のゴールをたやすく決めるシュートセンス。これでユンカーさんはリーグ戦4戦連発ゴールですね。脱帽です。

しかし先制点後は広島の強固な守備ブロック、ウチが縦に入れたいところに対してしっかりと潰しに出てくる守備に中央、相手にとって危険なエリアでは前を向いてボールを保持できず、サイドも相手WBやサイドに流れるインサイドハーフとの駆け引きで高い位置が獲れなくなると、ボールは保持してもアタッキングサードには侵入できず、中盤で潰されて広島のカウンター、なんとかゴール前でしのいで、というちょっと苦しい展開に。

ところどころ裏に長いボールを供給して広島のプレスを無効化しようと試みますが、ビルドアップを重視してか中盤でボランチ2枚が両方とも低い位置にポジションを獲る感じになってしまったため、ユンカーさんやインサイドに絞ってボールを受ける汰木さん、達也さんの周囲にサポートがいない状態に。結果次のプレー選択が遅れて潰される or ミスって感じでボールロストするシーンが多く見られる流れになってしまいました。

そんな流れの中、23分に喰らった同点ゴールは、ハイネル選手にコーナーキックを直接決められたものですが、まぁこれは蹴ったハイネル選手を褒めた方がいいようなゴールでしたので、彩艶さんを責めるのは酷かなと思います。まぁもったいない失点といえばそうなんですけども。

結局前半に関しては広島の守備ブロックを崩す効果的な方法を見いだせないまま 1-1 で後半に折り返し。

興梠さんの今シーズン初ゴールでリードも、AT同点ゴールで痛み分け

前半は正直うまくいったとはいえない内容でしたので、後半、リカさんがどう修正するかに注目していましたが、立ち上がりこそメンバーの入れ替えをしなかったものの、63分に達也さん→関根さん、伊藤(敦)さん→山中さんとし、右サイドをリフレッシュすると同時に柴戸さんをアンカーにして、明本さんを1列前に、小泉さんと2シャドーっぽい立ち位置を獲らせに行きます。

これで前線の人数を増やし、サイドで高い位置が獲れない分、中央での数的優位を狙いに行く意図を感じましたが、実際には交代後数分で小泉さんの立ち位置はほぼボランチに。中継観ていて、あれ? 4-1-4-1 にしたと思ったけど 明本さんをトップ下にした 4-2-3-1 のままか...... と感じたまま試合が進んだので、これがリカさんにとって意図的だったのか、ピッチ内での判断の結果なのかはちょっと不明。

とはいえ、中盤のマッチアップ的に柴戸さんの1アンカーはちょっとカバー範囲と相手の人数が多すぎる感はあったので、小泉さんが柴戸さんをサポートする立ち位置になったのは必然だったかなとも思います。それにしても柴戸さん、中盤で相手の激しいマークにあって何度もピッチに転がってましたけど、よく90分戦い抜いてくれました。怪我だけはしないようにして欲しい。

最初の選手交代で状況が好転しないと判断したのか、79分には汰木さん→武藤さん、ユンカーさん→興梠さんとして最前線を2トップにするという変化(明本さんが左のSHに移動)を加えると、山中さんの左足を活かして興梠さん中心に相手最終ラインの裏をシンプルに狙う策。これが功を奏して82分、山中さんのフィードを興梠さんが頭で武藤さんに落としたところ、広島、荒木選手のハンドリングを誘ってPKゲット。興梠さんが冷静にこれを決め、今シーズン初ゴールをゲットすると共に、苦しい流れながら再度試合をリードします。

89分には小泉さん→阿部ちゃんとしてベンチからのメッセージは「このまま試合を締めろ」でしたが、アディショナルタイム、左サイドで広島、藤井選手に山中さんが外されたところから押し込まれ、こぼれたボールを途中交代で入っていた広島、川辺選手に強烈なミドル叩き込まれて失点。

これに関しては山中さんの守備対応がちょっとイケてなかったんですけども、まぁ山中さんの守備があれなのは今に始まったことではないのであまりそこを言っても仕方なし(それを補ってあまりある左足が彼の良さですし)。川辺選手のミドルは完璧なコースでしたし、彩艶さん的にはほぼノーチャンスでした。

90分全体を通した試合内容からすれば勝点1という結果は妥当、というか上出来。ただし、2度のリードを勝利につなげられなかったという点で言えば勝点2を失ったともいえる、その辺で評価が分かれる試合になりました。個人的には悪い流れながらも2得点したことや、興梠さんがやっと今シーズン初ゴールを決めてくれた点など、ポジティブな面を評価したいなと思います。

さて、次はホームで名古屋との対戦。現在、勝点「36」で2位に付ける強敵。簡単にはいかない相手ですけども、こういう相手を乗り越えていかなければ上位には食い込めないですし、ホームで熱い試合を期待します。

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試合ハイライト

試合データ

観客: 3,681人
天候: 曇 / 気温 18℃ / 湿度 58%
試合結果:広島 2-2 浦和(前半1-1)
レッズ得点者:ユンカー(15分)、興梠(84分)
警告・退場:岩波(警告×1/ラフプレー)
主審: 今村 義朗 氏
順位: 8位(8勝5敗3分/勝点27/得失点差+1)

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Yoshiki Kato / burnworks
Yoshiki Kato
埼玉県出身。サッカー、フットサル (観戦 / プレー)、モータースポーツ観戦、格闘技 (主にボクシング) 観戦、インターネット、音楽鑑賞、筋トレ、腕時計収集が趣味。サッカー 4 級審判員、ウオッチコーディネーター(上級 CWC)資格認定者。好物はゼリー、グミ、お酒、ラーメン。