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2021 Jリーグ 第12節 ベスト電器スタジアム アウェー アビスパ福岡戦

リーグ戦、前節は大分を相手に一度は逆転されるも逆転勝利。勢いに乗りそうな勝ち方をしたため期待して迎える5月最初のリーグ戦は、アウェーでのアビスパ福岡戦。

福岡は今シーズン昇格組ですが、4月のリーグ戦は2勝2分2敗となかなかの好成績、かつ直近の2節では、FC東京、サンフレッチェ広島を撃破して2連勝中と、非常に勢いのある状態。順位もウチのすぐ下ということで、アウェーとはいえ負けられない一戦となりました。

2021 Jリーグ 第12節 ベスト電器スタジアム アウェー アビスパ福岡戦

写真は「DAZN」中継映像から引用

スターティングラインナップ

2021 Jリーグ 第12節 ベスト電器スタジアム アウェー アビスパ福岡戦 スターティングラインナップ

さて今日のスタメンは、最終ライン、左から明本さん、槙野さん、岩波さん、西さん。ダブルボランチに柴戸さんと伊藤(敦)さんを配置し、2列目左から、小泉さん、武藤さん、関根さん、1トップに興梠さんを置いた 4-2-3-1 スタート。GKは西川さん。サブのメンバーとしてはウガ、山中さん、達也さん、汰木さん、阿部ちゃん、杉本さん、それに彩艶さんが控えます。

明本さんは山中さんをおさえて左のSBでの先発起用。リカさんは相当明本さんを信頼しているみたいですね。まぁ90分にわたってあそこまでの運動量とプレー強度を出せる人はそういないので特に右サイドに外国人選手をそろえる福岡に対して守備的な強度を上げたいのと、守備からの攻撃参加を考えれば彼をこのポジションでも先発させたいというのはわかる気がします。

対する福岡は、最終ライン左から志知 孝明選手、ドウグラス・グローリ選手、奈良 竜樹選手、エミル・サロモンソン選手。ボランチに田邉 草民選手と前 寛之選手。左のSHに石津 大介選手、右にジョルディ・クルークス選手は新加入選手ですね。最前線は2トップに渡 大生選手、ブルーノ・メンデス選手を配置した 4-4-2。GKは村上 昌謙選手。

立ち上がりに相手を混乱させるも無得点→連携ミスからの失点で福岡ペースに

前半の立ち上がりは完全にウチのペース。左のSBで先発した明本さんを、インサイドに絞ってほぼトップ下のようにポジションを獲った小泉さんのアウトサイドで高い位置を獲らせ、4枚で守る相手最終ラインに対して数的優位を作りだし、押し込むことに成功しました。

右サイドでも西さんと関根さんのレーンを跨いだポジションチェンジはスムーズで、さらに柴戸さんはうまく相手2トップの間にポジションを獲ってスペースで前を向くし、最前線から興梠さんがいいタイミングで落ちつつも興梠さんが空けたスペースには武藤さんや小泉さんがうまく入れ替わって福岡の最終ライン前面のスペースを攻略できていて、シュートまであと一歩というシーンは立ち上がりから5分くらいの間に結構な数作れていましたので、あの時間帯にゴール、せめて決定機の1つ2つは作っておきたかったなと。

福岡はオーソドックスな 4-4-2 ですし、立ち位置で工夫してくるというよりは、かち合った局面での対人の強さや守備強度で相手からボールを奪い取り、前線の外国人選手を起点に縦に速い攻撃というのが持ち味ですから、今節の立ち上がりのようにうまく相手のギャップにポジションを獲ることができれば、相手のストロングポイントである局面での守備強度を無効化しつつアタッキングサードに侵入できます。

一方でこれは以前から書いている課題ではありますが、アタッキングサードに侵入してからの最後、ラスト数プレーの崩しという点ではまだまだ完成度が高くなくて、基本的にはサイドに持って行ってクロスという形に依存する傾向が高いです。まぁこれは普段、山中さんが左サイドにいるときは結構精度の高いクロスが入ってくるし、相手最終ラインの選手構成、簡単にいえば高さによってはそれでも可能性がなくはないですが、今節のように山中さんもいない、福岡の最終ラインはJリーグでも屈指の強固さを誇るとなると、単純なクロスでは、余程ピンポイントで合わない限りは難しいでしょう。

SBからのクロスに逆サイドのSH or SBがフィニッシュ(前半12分辺りに明本さん→関根さんの形や65分辺りの山中さん→西さんでもう一歩ってシーンがありましたね)みたいな形はひとつの狙いだと思いますのでそれが悪いわけではないですし、前半40分くらいでしたか、明本さんの入れた相手ディフェンスラインとGKの間に速いクロスみたいに相手ディフェンスがゴールに向かいながら対応しないといけないシチュエーションを創り出すようなクロスも効果的なんですが、それ以外だとペナルティエリア外の遠いところから入ってくるクロスがどうしても多く、そういうサイドからのクロス以外にも、何度も書いていますがもう少しニアゾーンを狙う動きやそれに連動してペナルティエリア内で相手ディフェンスのギャップを突くような立ち位置が中央エリアで獲れないと相手にとっては対応しやすいのかなと。

この辺、他チームの試合ですが、木曜日に行われた名古屋×川崎戦の川崎の1得点目、登里選手がニアゾーンを獲りに行くと同時に三苫選手の斜めの仕掛け、これに反応するように相手マークを引っ張りながらゴール前中央に入ったレアンドロ・ダミアン選手と、そのダミアン選手が空けた中央スペースにスッとポジションを獲る旗手選手の連動でゴール前に人数をかけた名古屋の守備ブロックをいとも簡単にぶち抜いたシーンなんかは完璧なお手本といえるかと思います。

もちろん川崎の完成度に一朝一夕で追いつくことはできませんけども、各選手の意思が一致し、連動することで相手ディフェンスの対応を遅れさせるプレー速度が生まれるわけで、ウチはまだまだその辺の意思統一、連動性が洗練されていないということ。ここは今年、年間を通した課題になりそうですね。

で、立ち上がりがよかっただけに8分に喰らった失点は本当に痛かった、というかウチにとってはプランを台無しにする失点でしたし、福岡からすれば自分たちの得意な試合展開に持って行けたという点でこれがほぼ試合を決めてしまいました。

流れとしては中盤でのリスタートから福岡の攻撃。これは一旦相手最終ラインまでボールを下げさせるものの、奈良選手から縦に蹴られたロングフィードを左サイド、ブルーノ・メンデス選手に深いところでキープされ、サポートしてきたエミル・サロモンソン選手への落としをダイレクトで中央に折り返しは一旦はじき返すもボール奪取には至らず。セカンドボールを福岡右SBの志知選手に拾われたところから再度ロングボールがペナルティエリア内に進入したブルーノ・メンデス選手に向かって入ってきたところで西川さんが余裕を持ってキャッチ...... と思ったら明本さんと交錯した弾みに痛恨のファンブル。こぼれたボールをブルーノ・メンデス選手に押し込まれてというもの。

「ファンブルした」という結果だけみれば、西川さんらしくないミスでしたね、という話なんですが、あのシーン、ブルーノ・メンデス選手には槙野さんがきっちり競って身体当てていましたし、槙野さんの対応は西川さんにキャッチさせる事を想定した対応の仕方だったと思いますけども、正直そこに突っ込んできた明本さんの対応は西川さんからすれば余計だったかなと思います。結果として西川さんは突っ込んできた明本さんを気にしてキャッチが浅くなったのと、着地点にいた明本さんにぶつかったことでボールを離しちゃうっていうダブルパンチで失点のきっかけを作ってしまいました。

もちろん、明本さんのああいう全力で守備に突っ込んでいく感じ、いいところだと思うんですけども、少し状況を見てあそこは槙野さんと西川さんに任せた方がいいなっていう判断が出来ればよかったかなと。個人的には思います。

「1点を守り切るなら任せろ」っていう相手にそのタスクを完遂されて完敗

福岡からすれば棚ぼたっぽい得点で先制したわけですけども、あの人たち、1点先に奪って、あとはその1点を守り切りましょうみたいなシチュエーションは大得意なんですよね。その得意な形に持って行かれてしまったことで、試合が難しくなったというのもあります。

それでも福岡が単純に引いて守ってくれれば、押し込みつつやりようがあった気もしますが、機をみてはエミル・サロモンソン選手、ジョルディ・クルークス選手がウチの左サイド高い位置に侵入して明本さんの裏のスペースをけん制してくるため立ち上がりほど明本さんが高い位置を獲れなくなったり、中央やバイタルエリアに入ってくるボールに対してはかなり激しく潰しに出てこられるのでそこで潰されるとカウンターを浴びるし、そのプレッシャーを回避するためどうしてもボールを受ける位置が下がってしまうといった流れでボールは保持してるんだけど相手ゴールに近づけないという展開に徐々に持って行かれてしまったのは残念。

正直、球際、局面での1対1ではほぼ福岡に上回られていて、徐々にウチが福岡に対してポジショニングで優位性を保てなくなると、相手の鋭い寄せにミスが増えてという感じで前半終了時点でのDAZN中継におけるスタッツではウチのボール保持率が74%とかになっていたわりに、そこまでウチが一方的に押し込んでた印象は全くありませんでした。

ハーフタイムに柴戸さん→山中さんとしますが、これは柴戸さんが接触プレーで少し痛めた感じだったので大事を取ってのことかと。山中さんを左のSBに入れると、明本さんを1列前に移動させ、小泉さんをボランチに落とします。62分には関根さん→汰木さんとして汰木さんを左のSHに、明本さんをトップ下、武藤さんを右にという感じでポジションをスライドさせます。

インサイドに絞った汰木さんや西さんで内側に相手を引っ張りつつ、大外を使うSBによってサイドを何度か攻略しますけども、前述したとおりそこからのクロスは福岡に片っ端からはじき返される形でクロスの回数のわりにはチャンスと呼べるようなシーンも少ないまま試合は終盤へ。

1点差だし、なんとかワンチャンスと思っていたら、86分にあっさり失点。途中交代で入ってきた福岡、ジョン・マリ選手にペナルティエリア内でボールコントロールされたところから振り向きざまの強烈なボレーシュートを許すと、これはさすがの西川さんも反応するのが精一杯。弾いたボールはバウンドすると無慈悲にゴールに吸い込まれてこれで2失点目。試合終盤の追加点でほぼ試合は決まってしまいました。

西川さんにとってはファンブルして失点、弾いたボールがゴールに転がって失点と色々と厄日な感じになってしまいましたが、前述した通り、1失点目は単純に西川さんのミスと片付けてしまうのはかわいそうな失点でしたし、2失点目もそれは同じ。相手の身体能力がえげつなかったとはいえ、ペナルティエリア内でトラップされ、シュート打てる位置にコントロールされてしまった時点で負けだったなという。

失点をうけて87分には興梠さん→杉本さんとします。交代直後の88分、中央をうまく抜け出した汰木さんからのスルーパスに杉本さんが抜け出してというシーンもありましたが福岡の粘り強い守備を前にシュートまでは持っていけず。その後は大きなチャンスも作れないままタイムアップ。終わってみれば無得点、2失点の完敗となってしまいました。

ということで、ちょっと残念な結果にはなってしまいましたが、これを乗り越えていかないといけないのが今シーズンの浦和。めげることなく攻撃のパターンを増やし、連動性を上げていく努力を積み重ねていって欲しいなと思います。

続く試合はアウェーでのルヴァンカップ、柏戦。ルヴァンカップの方はグループステージが残り2試合。グループステージ突破のためにも次の柏には勝利が必須になります。連戦で人の入れ替えもあると思いますが、よい試合を期待したいと思います。

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試合ハイライト

試合データ

観客: 6,906人
天候: 曇時々晴 / 気温 19.9℃ / 湿度 54%
試合結果:福岡 2-0 浦和(前半1-0)
レッズ得点者:-
警告・退場: 関根(警告×1/反スポーツ的行為)
主審: 村上 伸次 氏
順位: 9位(5勝5敗2分/勝点17/得失点差-6)

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