2021 Jリーグ YBC ルヴァンカップ グループステージ 第4節 埼玉スタジアム2002 湘南ベルマーレ戦
先週末のリーグ戦では大分を相手に一時は逆転を許しながらも後半の2得点、そして西川「神」のビッグセーブにより逆転勝利。4月公式戦の戦績をここまで6戦中5勝として新しいことに取り組んでいる初年度のチームとしては十分すぎる出来。そんな中迎える今節は、ルヴァンカップ、グループステージの第4節。ホーム埼スタに湘南ベルマーレを迎えて。
4月の公式戦最後の試合。勝って4月をいい形で締めたいというのはもちろん、ルヴァンカップのグループステージ突破のためにも、現在グループステージで首位に立っている湘南(勝点「5」)をホームできっちり倒して我々が首位に立ちたい重要な一戦となりました。
スターティングラインナップ
さて今日のスタメンは、最終ライン、左から福島さん、阿部ちゃん、藤原さん、ウガ。ダブルボランチに金子さんと伊藤(敦)さん、左のSHに汰木さん、右に達也さん、トップ下が伊藤涼太郎さん、ワントップに杉本さんという並びの 4-2-3-1 スタート。GKは鈴木彩艶さん。ベンチメンバーとしては塩田さん、岩波さん、明本さん、小泉ちゃん、柴戸さん、関根さん、興梠さんが名を連ねました。
対する湘南は、3バック、左から田中 聡選手、大岩 一貴選手、山本 脩斗選手。アンカーの位置にオリベイラ選手。左のWBに毛利 駿也選手、右に池田 昌生選手。トップ下、中央2列目に平岡 大陽選手と茨田 陽生選手、2トップに梅崎 司選手と根本 凌選手を配置した 3-3-2-2 のフォーメーション。GKは富居 大樹選手。
湘南の良さを引き出させてしまった立ち上がり。引き分けが妥当な90分
試合自体は引き分けでしたし、試合映像もあまり見返す時間なくこの記事を書いているので現地で観ていて記憶に残った部分だけを簡単にまとめます。
試合立ち上がり、前線から思い切ってプレスに出てきた湘南に対して、ウチはチームコンセプトを貫き、最終ラインからショートパスを繋いで攻略しようとします。湘南は守備時 5-3-2 を基本にしていましたが、ウチのSH、汰木さんと達也さんに対しては、湘南WBの両翼、毛利選手と池田選手がほぼマンマークに近い勢いで迎撃に出てきていて、つまり、湘南のWBがプレスに出てきた状況では 3-5-2 の 5枚+2枚でフタをされてしまう形になるので、サイドで詰まって中央を見てもそこには湘南の選手がいっぱい、誰もフリーの選手がいない、みたいな状況になってしまっていたため、ここで詰まらされたときに単純な横パスや戻しのパスを選択させられると、湘南のプレスを呼び込む形で一気にスペースと時間を奪われてショートカウンターという流れに。
特に立ち上がりの10分くらいはその形で何度かペナルティエリア内からシュートを浴びる状況を作られていて、ウチは湘南のフィニッシュの精度に助けられた点もありますが、湘南としては試合開始早々に一気に圧力かけて先制してしまえという意図が明確でしたし、逆にウチはその圧力をまともに受けてしまったことでペースを握られかけ、苦しい試合の入りになってしまいました。
ウチも彩艶さんが最終ライン、2CBの間にせり出してビルドアップに参加したり、右サイドでウガが少しバランスをとることでなんとかビルドアップ時の数的優位を確保しようと工夫しているようには見えましたが、どうしても湘南の面で押し上げてくるプレスに対してその前面でしかボール保持ができなかったため、低い位置でボールロストするケースが多く、湘南に押し込まれる形で最終ラインが下がる→最前線との距離が遠くなって杉本さんが前線で孤立、みたいな流れになっちゃいましたし、杉本さんを狙ってもサポートがないのでボールも収めようもないし、前も向けないしでなかなか思うように相手の守備ブロック2列目を裏っ返して最終ラインを後ろ向きで守備させるというシチュエーションが作れなかったのが停滞感の要因となりました。
この辺、本来のコンセプトとしては、ボランチやトップ下が素早くポジションを獲って立ち位置でフリーになるっていうのをやらなければならないわけですが、ここがずーっと相手のマークにつかれた状態ではパスの選択肢がなくなり、結果としてマークにつかれたままの状態でボールに寄っていってしまう→ボールホルダーも正直にそこにパスを付けるので湘南からすれば的が絞りやすくボールの狩り場が出来ちゃうって感じの悪循環。
わかりやすく小泉さんや武藤さんなんかがいるとこういう「フリーなところに立つ」っていうことを普通にやってくれるので助かるんですけども、この辺は伊藤(涼)さんやボランチの2枚にとっては課題だったかもしれません。あるいはもう少し前線が相手にディフェンスライン裏のスペースを意識させ、相手最終ラインを押し下げるような駆け引きをしてくれてもよかったのになというのは観ていて感じたところ。
今のウチの「よくない形」みたいのはある程度はっきりしていて、みんながボールを受けにマーク引き連れたまま落ちてきちゃう。ポジショニングで優位性を作れず、マーク付かれた状態でボールを後ろ向きに収めたとしても、結局、まずは相手を剥がすところからスタートみたいになります。これは昨年やっていた形で、局面で相手を上回ればチャンスになるしそうでなければ何にも起こらないっていう流れにいきがち。
リカさんの志向するサッカーはそういう状況でマークにつかれた人の周りが素早くポジションを獲ってパスの選択肢を増やすこと、それによって局面で数的優位を作って相手を上回ることですから、ボールホルダーに近づいてパスを受けようとする動き自体はあってよいものの、その裏で誰かがスペースに立つとか、落ちていった人と入れ替わりで相手ディフェンスラインの裏に仕掛けるとか、そういうオフザボールの動きが活性化しないといけません。その辺に関しては、90分にわたって少し物足りない試合になってしまった感はありました。
とはいえ、前半8分くらいでしたか、左サイドで汰木さん→ウガって大きく展開して湘南のプレスを回避してウガが前進→ウガから杉本さんを狙ったフィードが惜しくも湘南にカットされたシーンや、藤原さんなんんかは何度か最終ラインから杉本さんに対して縦に付けるような鋭いパスを蹴っていて、この辺は湘南のプレスのパワーをうまくいなしながら前進するアイデアとして悪くなかったなと。藤原さんに関しては対人の強さ、空中戦の強さみたいな部分に目が行きがちですけども、リカさんのもとでレギュラーを奪いたければやはりビルドアップの部分で何ができるかをアピールしなければなりません。その意味ではいいチャレンジしてたんじゃないでしょうか。
選手交代で修正はするも決定機には至らず
試合は 0-0 のまま後半へ。ハーフタイムに伊藤(敦)さん→柴戸さん、達也さん→関根さんとしてシステム的にはそのまま人の入れ替え。伊藤(敦)さん→柴戸さんはどちらかというと週末の試合、連戦を考慮しての交代だったようにも思えますが、柴戸さんが中盤のプレッシャーの激しいエリアでしっかりボール保持しつつ関根さんのポジショニングとボール保持力で右サイドを活性化させます。
後半立ち上がり早々に伊藤(涼)さんがバイタルエリアで縦パス受けて前を向いたところから、それを追い越すようにハーフスペースを縦に獲った関根さんへのスルーパスを関根さんが汰木さんに合わせようとしたシーンなんかは大きな決定機で、あれ、多分関根さんは汰木さんがみえたんでシュートをクロスに切り替えたんだと思いますけども、思い切って打ってても面白かったかもねというシーンでした。
58分には阿部ちゃん→岩波さん、さらに71分には伊藤(涼)さん→興梠さん、福島さん→明本さんとして、明本さんを左のSBにして汰木さんと縦関係、前線を興梠さんと杉本さんの2トップにした 4-4-2 で圧力を加えに行きますが、湘南も最後まで身体張ってゴール前は埋めてくるし、決定機っていう部分ではちょっと遠かったですね。
でもまぁ、興梠さんなんかはさすがだなと思わせるプレーを頻発していましたし、先週末のリーグ戦、大分戦を観ていても、徐々にコンディション上がってきてる感がありますので、なんか期待できそう。あと、新加入のユンカー選手がスタジアムにきてたそうですね。まだ登録の関係やチームへのフィットで時間がかかると思いますのですぐに試合にというのは難しいとは思いますが、期待せずにはいられません。
ということで、試合は結局両チーム無得点でのドロー。内容的にも両チームにとってこの結果は妥当だったかなと。もしかすると湘南さん的には前半の立ち上がりで得点できなかったことが悔やまれる感じかもしれませんが、ウチはそこをなんとかしのいで無失点で終えられたのは御の字でした。おかげでグループステージの順位的には首位に立つチャンスを逃して3位に落ちちゃいましたけどね。今のところグループCは大混戦なので次の試合できっちり勝ってグループステージ突破に近づいてもらいたいですけども。
さて、続くリーグ戦は中2日でのアウェー、アビスパ福岡戦。5月のスタートをよい形で切れるように、期待しつつテレビ観戦しようと思います。
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試合ハイライト
試合データ
観客: 4,231人
天候: 晴 / 気温 20.3℃ / 湿度 59%
試合結果: 浦和 0-0 湘南(前半0-0)
レッズ得点者: -
警告・退場: -
主審: 谷本 涼 氏
順位:Cグループ 3位(1勝1敗2分/勝点5/得失点差±0)
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