2020 Jリーグ 第34節 埼玉スタジアム2002 北海道コンサドーレ札幌戦(2020年最終節)
長いようで短かった2020年シーズンも今節で最終節。成績以外にも色々と大変なことが多かった今シーズンでしたが、多くの人たちの協力によってサッカー観戦から新型コロナウイルス感染症のクラスタ発生みたいな最悪の事態も起こらず、リーグ戦の試合消化も規定通りクリアして、無事にシーズンを終わることができたことに感謝しつつ、来シーズンに向けて不安と期待の入り交じる最終節となりました。
最終節ということで、今回は久しぶりに埼スタに行ってきました。リーグ戦が一時的に中断した後、再開して観客を入れた最初の試合となった第4節の鹿島戦を埼スタで観戦して、続く第6節の柏戦を埼スタで観戦した後は、リスク管理も含め、しばらくスタジアム観戦は控えようということでここまで自宅でのテレビ観戦にしてきましたが、最終節くらいはスタジアム行ってみようということで、超久しぶりの埼スタ。
ちょうど最終節は企画シートが復活ということで、メインアッパーのテーブル付きシートが販売されていましたので、そこからマッタリ観戦。アッパーからだと試合も全体が観やすいし、テーブルもあるので快適です。企画シートだったので、レッズローズのハーバリウムをお土産にいただきました。
最終節の対戦相手は、北海道コンサドーレ札幌。11月のガンバ戦以降、直近4試合で勝ちなし、4試合で9失点しながら、2得点しかできていないという、かなり厳しい状況で迎えた最終節。相手もミシャさん率いる札幌、しかも順位的には勝点で「10」も離れた下位のチームということで、何が何でも勝ちたかった最終節。せめて最後くらいはいい試合を見せてくれと祈りつつのキックオフとなりました。
話逸れますが、久しぶりのスタジアムはちょっと寒かったです。約半年もスタジアム行かないと身体がなまるんですかね。まぁ試合内容の方もお寒かったので、余計かもしれませんけども...... ということで久しぶりにスタジアム行って、帰ってきて中継を見返す時間もなくこれを書いていますので、ちょっと記憶が曖昧な点もあるかもしれませんが、手短にまとめます。
スターティングラインナップ
さて、今日のスタメンは最終ライン、鈴木大輔さんを中央に、右に橋岡さん、左に岩波さんという3バック。柴戸さんを中盤の底に、右のウィングバックに岩武さん、左に山中さん、汰木さん、エヴェルトンさんを2列目に配置し、興梠さん、杉本さんを最前列に置いた 3-3-2-2(3-5-2)のフォーメーション。GKは西川さん。
3バックを採用する札幌に対して、マッチアップする形の3バックを採用してきました。ちょっと驚きはしましたが、ミスマッチで守備がハマらないとほぼ何もできなくなるっていう現状を考えると、シンプルに相手と立ち位置でそろえちまえば、プレスもぶつけやすいし、そこでうまくカウンター当てられれば、札幌の最終ライン裏にはスペースがあるので勝機あり、という感じの狙いだったのでしょう。自分たちの強みを出しやすいところから逆算すれば、ある程度は合理的な判断かなと思います。
対する札幌は、最終ライン左から福森 晃斗選手、キム・ミンテ選手、田中 駿汰選手。ボランチに深井 一希選手と宮澤 裕樹選手の組み合わせ。ウィングバック左がルーカス・フェルナンデス選手、右が金子 拓郎選手。2シャドーに駒井 善成選手とアンデルソン・ロペス選手を配置し、ジェイ選手のワントップという並びの 3-4-2-1。GKはベテラン、菅野 孝憲選手。
5-3-2 ブロックがハマらず、札幌にペースを握られる序盤
ウチは守備時、ウィングバックの2枚が3バックの外側に落ちる形で5バックを形成。中盤は2シャドーが柴戸さんの両脇に落ちる形で3枚になり、最前列が2トップという 5-3-2 で札幌のビルドアップに対して守備ブロックをを作って待ち構えますが、ボランチが最終ラインに落ちて両ストッパーを入れると4枚回しみたいな形になる札幌に対してウチの前線2トップの守備は数的不利を作られ規制がかからず、さらにウチの守備ブロック2列目の3枚の両脇に相手ストッパーがうまく立ち位置を獲ってくるので、そこで起点作られたところから前線に斜めに入れられることで開始早々から札幌にペナルティエリア内への侵入を許し、ペースを握られる序盤になりました。
どうせ2トップでは相手のビルドアップに規制がかからないので、最初から 5-4-1 にした上で、1トップと連携して相手ストッパーをサイドに追い出すように規制かけて行く方が守備的にはハマるんじゃないかなと思いながら前半を観ていましたけども、前半の飲水タイムでも特にやり方は変えず、立ち位置が変わったなと思ったのは後半に入ってからでしたね。まぁ前半はそれでも失点していないので、間違いだったかというとそんなことはなかったのかもしれませんが。
ただ、3バックで合わせてマッチアップを作りに行ったにもかかわらず、守備的にはほぼハマらないので、恐らく狙いであった高い位置でのポジティブトランジションも発生せず。札幌のアタッキングサードでのミスからボール奪取しても、素早く攻守転換してプレスをかけてくる札幌のやり方に一発目のプレスを外すことができず、ボール保持でアタッキングサードに侵入できないという流れの前半でした。
札幌は攻撃時に選手間の距離をコンパクトに保つことで、ボールロストした瞬間に素早く複数人で囲みに来る守備を持ち味にしていますが、逆に言えば、その一発目のプレスさえかいくぐってしまえばハイラインの裏にスペースはあります。なので、ポジティブトランジション時に素早く正しい立ち位置を獲ってワンタッチパスなどでプレスをいなせれば、札幌を撤退させることが可能ですし、そのスキを突いてカウンターを当てることもできるんですが、現状のウチにはそこまでチーム戦術的なクオリティがないため、ボールを奪っても即座に囲まれてボールロストというシーンが何度も発生。
一方で遅攻ではマンマークで守備の出足のよい札幌を相手にビルドアップもままならず、あとは杉本さんあたりをターゲットに蹴ってセカンドボール回収作戦くらいですが、それもなかなか思い通りに行かずという、なかなかもどかしい試合展開。
興梠さんの交代はアクシデント。武藤さん投入で中盤の守備強度は出たが
30分に興梠さん→武藤さんという最初の交代カードを切りますが、これはアクシデント。興梠さんがジャンプして競った着地でひねったかなんかでしょうか、着地した瞬間に足を気にして交代サインを出したので、ちょっと心配しましたが、ピッチの外に出たあとで自分の足で歩いてたので、とりあえず大きな怪我じゃなさそうってのはひと安心。
興梠さんの代わりに武藤さんが投入され、守備ブロックは汰木さんが最前線にでて、2列目の右に武藤さんが入る形になりました。これでサイドへの寄せが速くなったこともあり、少しだけ札幌のビルドアップを停滞させることができたかなと思いますが、それでも何度か決定機に近いシーンは作られましたし、全体として札幌ペースというのは変わらないまま試合は後半へ。
後半の立ち上がり早々ですかね、クイックリスタートからだったと思いますが、山中さんがうまくサイドを抜け出して逆サイドの岩武さんの頭で先制のチャンスはありましたが、チャンスらしいチャンスといえばそれくらいでしたし、そのチャンス自体も実際には岩武さんには合わず、シュートを枠に飛ばすには至っていませんから、ちょっとチャンス創出が少なすぎましたね。まぁこれは今節だけの課題ではありませんけども。
あ、あと後半に山中さんからのパスで杉本さんが抜け出してシュートまで行ったシーンがありましたけども、あれも惜しかったですね。本来、杉本さんはああいう相手バックライン裏のスペースに、サイドに流れつつ抜け出したりするのがうまい選手ですし、一番得点に近いプレーだと思いますので、ぜひ来シーズンはそういうプレーが多く出るような使われ方をして欲しいなと思います。
で、後半は守備ブロックを 5-4-1 にして、多少守備的にやりやすくなったかなと思った矢先に失点します。
52分、これ、ある意味札幌にカウンター当てられた形なんですけども、左サイドで山中さんと杉本さん(だったと思う)がボールを運ぶもののロスト。ただ、ロストした瞬間はまだウチの選手がボールサイドに寄っていたため、そこから再奪取できるんじゃないかなってことで、全体的に攻め残りっぽい感じになっていました。しかし、その状態で札幌に囲みをブレイク(特に最終ラインから潰しに出た岩波さんが一発で外されたのが決定的でした)されてしまったため、ウチの中盤より前が完全において行かれる形で最終ラインの鈴木さん、橋岡さんに対して3対2の数的優位を作られます。
相手右サイドから一気にドリブルで駆け上がるアンデルソン・ロペス選手には、中央に走り込んだジェイ選手、逆サイドには駒井選手と2つの選択肢がありましたが、ジェイ選手に橋岡さんが付いたため逆サイドの駒井選手は完全にフリー。アンデルソン・ロペス選手からそこにボールが出たところで勝負ありってことで、駒井選手にはゴールに流し込むだけっていうシチュエーションを冷静に決められて失点と。しんどい。
65分にはエヴェルトンさん→阿部ちゃん、鈴木さん→青木さんとしてポジションはそのままに、阿部ちゃんを最終ライン中央、青木さんを中盤の底に投入。さらに76分には岩武さん→武田さん、汰木さん→ウガとし、4バックに戻します。記憶が確かならば、岩波さんと橋岡さんをCBにして、ウガが左のSB、右が柴戸さん。ボランチに阿部ちゃんと青木さんを並べ、武藤さん、武田さん、山中さんを2列目に、杉本さんをワントップにした 4-2-3-1 にしていたように見えましたが、これで1点を追って圧力を高めにいったものの、84分に追加点を喰らって終了と。
ハーフスペースでパスを引き出した福森選手からの横パスに、アンデルソン・ロペス選手がおとりになった裏で田中選手に見事なミドルシュート叩き込まれた形ですが、これ川崎戦で守田選手に喰らったのとシチュエーション的には似ていて、最終ラインが下がって空いたバイタルエリアを使われた形ですけども、ボランチの2枚が両方ともサイドに引っ張り出された状況で、武田さんのプレスバックが遅れたためにバイタルエリアがボッコリ空いた状態になっていて、それに加えて中央でアンデルソン・ロペス選手が非常にうまいおとりの動きをしたために田中選手が完全にフリーで浮いた形になってしました。蹴った田中選手の技術も素晴らしかったですけども。
ということで、最終節も結局敗戦。ラスト5試合勝利なしという結果で今シーズンが終了しました。まだ噂段階で正式な発表はされていませんけども、来シーズン期待通りの監督さんは来てくれるんでしょうか。補強に関してはこのご時世、大型補強みたいのは現実的に難しいと思いますので、次期監督が求めるなかで、ユースからの昇格や若手を中心にうまく足りない駒を補強する形になると思いますが、その辺も含めてシーズンオフの情報を待ちたいですね。
大槻さんもお疲れさまでした
大槻さん体制は、契約満了で今シーズン限りということになりました。期待にこたえるだけの結果が出ず、クラブの長年の功労者である大槻さんがクラブを去る(まぁ別に永遠のお別れってことではないでしょうけども)ことになるのは残念なことではありますが、今シーズンの結果からすれば仕方のないことでしょう。少なくともJ1のトップチームを率いる監督さんとしては(現時点の)大槻さんは力不足でしたし、チームの成績が不振であれば監督が責任をとらなければならなくなるのは仕方のないことですが、一方で誰もなり手のないような厳しい状況で、ある意味火中の栗を拾わせるような形で大槻さんを監督に就任させたクラブにもその責任の一端はあります。
そのためにも、クラブは次期監督さんとしてしっかりとした人を連れてきて、補強等でも可能な限りサポートするということを、行動で示していただきたいものですね。そして、大槻さんが残してくれたものを少しでも次につなげて欲しいなと思います。
ということで、もう気持ちは来シーズンに向かってしまっていますが、来シーズンは問答無用で4チームがJ2に降格するっていう地獄のレギュレーション。新監督に誰が来るにせよ、初年度の現実的な目標は、いかに早く残留圏内を確保できる勝点を積めるか、ってところになると思います。その辺の現実をきちんと見据えつつ、新しい年を迎えましょう。
来シーズンは今シーズンよりも明るい内容のレビューがたくさん書けることを願って、最後のレビューを締めます。今シーズンもお疲れさまでした。
試合ハイライト
試合データ
観客: 19,319人(入場制限付きマッチ)
天候: 晴 / 気温 10.7℃ / 湿度 20%
試合結果: 浦和 0-2 札幌(前半0-0)
レッズ得点者:-
警告・退場: 山中(警告×1/ラフプレー)、杉本(警告×1/異議)
主審: 木村 博之 氏
順位: 10位(13勝14敗7分/勝点46/得失点差-13)
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