2020 Jリーグ 第11節 パナソニックスタジアム吹田 アウェー ガンバ大阪戦
前節はホームでサンフレッチェ広島を相手に、前半、早い時間帯にPKで得た1点を守り切っての勝利。8月の公式戦、初勝利となりましたが、ミッドウィークの水曜日、中3日で迎える第11節は、アウェーでのガンバ大阪戦。
ガンバは第10節終了時点で6勝2敗1分、勝点19で(暫定)3位につけています。ガンバの前節は鳥栖戦でしたが、急遽中止となったことでそれがコンディション的にプラスに働くか、マイナスに働くかは未知数。とはいえ、ウチは勝点的に、勝てば順位が入れ替わる試合ということで、何とか勝利を掴み、連勝で勢いに乗りたい一戦となりました。
写真は「DAZN」中継映像から引用
スターティングラインナップ
さて、今日のスタメンは最終ライン、CBはトーマス・デンさんに、槙野さんのコンビ。右のSBには橋岡さん、左に前節今シーズン初スタメンから連続でのスタメン起用となるウガ、ボランチのコンビはエヴェルトンさんと青木さん、SH右が長澤さん、左が関根さん。2トップには武藤さん、レオナルドさんを配置した 4-4-2。GKは西川さん。
前節は長澤さんがベンチにも入っていませんでしたが今節は復帰。さらに負傷で離脱していた興梠さんもベンチに入り、ひと安心といったところ。
対するガンバは、最終ラインに左から昌子源選手、三浦弦太選手、髙尾瑠選手を並べた3バック。矢島慎也選手をアンカーポジションに、藤春廣輝選手(左)を小野瀬康介選手(右)ワイドに配置。2列目に井手口陽介選手と小野裕二選手、2トップに宇佐美貴史選手と渡邉千真選手を並べた 3-5-2(3ー1ー4ー2)のフォーメーション。
立ち上がりに形を作ったのはガンバ、しかし先制点は浦和
ガンバはボール保持時、最終ラインのビルドアップは3枚、ウチの2トップに対してアンカーの矢島選手と3バックの4枚で数的優位を作り、守備ブロック1列目を越えてくる形。両ワイドを左右に大きく張っておいてウチのSHとSBの中間ポジション、もしくはSBの横にポジションを獲りつつ、ウチがスライドするとハーフスペースに2列目から井手口選手や小野選手が入ってくるというやり方でアタッキングサードに侵入してきます。
守備時には左ワイドの藤春選手が最終ラインに落ちる形で 4-4-2 ブロックを作るため、ウチからすれば攻撃時には相手とマッチアップ、守備時にはミスマッチという感じで少しやりにくい入りでしたが、ウチは前節同様、無理に高い位置からプレスのスイッチを入れず、まずはスペースを埋める形で対応。相手が最終ラインからGKまで戻した際に可能ならレオナルドさんと武藤さんがスイッチを入れてプレスをかけに行く、というやり方で開始早々の前半4分、相手のミスを誘ったところから長澤さんのシュート(惜しくも昌子選手にブロックされる)で決定機を作るなど、守備からリズムを作ります。
ウチは守備時 4-4-2 ブロックですので、どうしても幅をとるガンバに対して左右に大きく展開されるとスライドが遅れた時にピンチになりがち。実際、前半7分くらいに中央から左サイドで藤春選手へと展開されたところからファーサイドへのクロスに井手口選手の頭という形で左右に振られてシュートまで持って行かれてたシーンもあり、この形を繰り返されると面倒くさいなという印象でしたが、この日のガンバはアタッキングサードでの精度を欠き、結局前半に関して決定機といえば、前半10分過ぎにガンバ右サイドで髙尾選手から縦→井手口選手のワンタッチフリックに抜け出した小野瀬選手のドリブル→中央を上がってきたフリーの宇佐美選手に渡ったところからミドルシュート喰らってクロスバー直撃したシーンくらいと、抑えるところはしっかり抑えて試合を進めることができました。
そんな中で先に試合を動かしたのはウチ。24分、橋岡さんから中央に絞った関根さんに強烈な縦パス。これをしっかり収めた関根さんが一気にドリブルでゴール前に迫ると右サイドに流れていたレオナルドさんにパス。ペナルティエリア内でボールを受けたレオナルドさんは切り返しからシュートを打つと見せかけて~の、中央でフリーになっていた関根さんに優しいパス。これを関根さんが右足で蹴り込んで先制。
得点のきっかけは相手のビルドアップに対して前線からプレスのスイッチ入れたところで相手にミスさせてボールを回収→縦にパスコースをうまく作った関根さんと、それを見逃さなかった橋岡さんの素晴らしい縦パスという流れから。いい時間帯に先制点を奪ってくれました。
相手のミスから追加点を奪って試合を決める
先制して守りに入ってしまうのか、もう1点を積極的に奪いに行くのか、という点でこの後の戦い方が重要ですが、この日はラッキーなことに34分、ガンバが最終ラインで凡ミスやらかしてくれたおかげでレオナルドさんのPKゲットから追加点が生まれます。
ウチの攻撃で関根さんが倒されましたがノーファールの判定、ガンバが最終ラインでボールを奪取して、ゆっくりビルドアップを始めようとしたところでガンバの高尾選手(だったと思う)が何を血迷ったか中途半端な位置に横パス蹴ってこれを長澤さんが回収→その瞬間ペナルティエリア内に裏抜けしたレオナルドさんに浮き球のパスを通しますが、これがガンバ、藤春選手の腕に当たってPKの判定。レオナルドさんが冷静に決めて追加点。これで試合はかなり楽になりました。
2点リードを奪った後は、無理に前から行かずにしっかりブロックを作ってスペースを埋め、ガンバの侵入を阻みつつ時間を使って2点リードのまま後半へ折り返し。
ハーフタイムにガンバは遠藤保仁選手、アデミウソン選手を投入。藤春選手を左のSBに、遠藤選手と井手口選手をボランチに置いた 4-4-2 に変更。攻守でマッチアップする形に。前半、ウチは武藤さんがうまくアンカーの矢島選手の横のスペースでボールを引き出してくれたおかげで前線で溜めが作れていたので、中盤で人数を合わせることでここの修正を図ったか。とはいえ、マッチアップする形にしてくれれば対人に強い選手が多いウチとしてはタスクがはっきりします。
あとは前節みたいな、単純に引いて耐えるだけ、みたいな状況にならないようにだけどうコントロールできるか、という点に注目しようと思っていたら57分にまたもガンバがありがたいミスをしてくれて武藤さんの今シーズン初ゴールが生まれます。
ガンバがボール奪取してポジティブトランジションした矢先、昌子選手が何でもない横パスを盛大にミスってくれたおかげで難なくウチがボール奪取してカウンター。中央の長澤さんが左サイドから走り込んだ武藤さんに絶妙なパスを通すと、ガンバ守備陣はその手前でポジションをとったレオナルドさんに引っ張られたか武藤さんは全くのノーマーク。フリーでボールを受けた武藤さんは相手ディフェンスのシュートブロックを冷静に誘っておいてからの、股を抜く左足のグラウンダーシュートをファーサイドネットに突き刺すと、これでほぼ試合を決める3点目。素晴らしい。
60分にコーナーキックから井手口選手のダイレクトボレーとかいうとんでもないゴラッソを喰らいますが、まぁあれは井手口さん褒めた方がいいようなゴールでしたし、さすがの西川さんも反応が遅れるくらいの強烈なシュートでしたので仕方ないかなと。
2点のリードを保った状態で、64分には関根さん→汰木さん、武藤さん→杉本さんとして前線をリフレッシュ。67分にはエヴェルトンさん→柴戸さんとして閉店準備に入ると、80分にレオナルドさんを下げて岩波さんを投入、前節同様、3バックにして守備ブロックを 5-4-1 へ。パトリック選手を投入してブロックの外からでも積極的に放り込んでくるガンバの攻撃をはじき返し続け、2点差を守り切っての勝利。連勝で勝点を「20」に乗せ、順位も暫定ながら 4位まで上げてくれました。
前節のレビューでは、ほぼ90分、自陣に引いて守りっぱなしみたいな消極的な戦い方に対して、勝ったことは素晴らしいけど、このやり方をスタンダードにしてもらっては困るんですよね、と書きました。その意味で今節、どういう戦い方ができるのかに注目していたわけですが、ボール保持の状況で本来の狙いが出せたかは別として、タイミングを見計らった積極的な守備から相手のミスを誘って3得点、試合のクローズのみ、前節で手応えを得た守備戦術を採用して守り切るという、自分たちからゲームをコントロールしにいく積極性と、割り切った堅守をうまくバランスした戦い方をしてくれたんじゃないかなと思います。
今節なんかは顕著でしたが、今のウチは自分たちでボールを無理に保持しようとせず、ある程度相手に持たせた上で要所を締めて(要所を締め損ねた結果大量失点して負けた試合もありますが)ボール奪取、バランスを崩した相手の隙をトランジションのスピードで突くような戦い方をした方が良さが出てしまうため、それが本来のシーズン当初から目指しているコンセプトなのか、と言われると何か違う気もしますが、この戦い方に再現性があって、狙って良さを出せるのであればそれはそれでよいかなと。
次節以降、神戸、大分、とボール保持を戦術の主軸にしているチームとの対戦が続きますので、この流れが継続できるのか、注目したいなと思います。
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試合ハイライト
試合データ
観客: 4,721人(入場 5,000人以下の制限付きマッチ)
天候: 晴 / 気温 31.9℃ / 湿度 25%
試合結果: G大阪 1-3 浦和(前半1-0)
レッズ得点者: 関根(24分)、レオナルド(34分)、武藤(57分)
警告・退場: 杉本(警告×1/反スポーツ的行為)
主審: 笠原 寛貴 氏
順位: 4位(6勝3敗2分/勝点20/得失点差-2)
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