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2020 Jリーグ 第10節 埼玉スタジアム2002 サンフレッチェ広島戦

前節は名古屋を相手にアウェーで惨敗し、ああいうひどい試合した後の戦い方というのがとても重要な中で迎えるのは、ホーム埼スタにサンフレッチェ広島を迎えて行われるJリーグ第10節。

他チームはミッドウィークにルヴァンカップのグループステージを戦っていて、ウチは組み合わせの関係で試合なし(まぁ結局、他チームの結果によってグループステージ敗退になっちゃいましたけども)。そのため、前回の試合からは1週間の間隔を空けての試合。広島さんは本来水曜日にルヴァンカップを戦っているはずでしたが、対戦相手だった鳥栖で新型コロナウイルス感染症のPCR検査陽性者が出たとこのことで急遽試合中止。あちらも前節から1週間空いての試合となりましたが、その辺の日程変更なんかがどう影響するかも気になるところ。

超絶な猛暑、キックオフ時間帯でも気温33度とかいう最悪のコンディションで90分をどう戦うのか、その辺にも注目しつつのキックオフとなりました。

2020 Jリーグ 第10節 埼玉スタジアム2002 サンフレッチェ広島戦

写真は「DAZN」中継映像から引用

スターティングラインナップ

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さて、今日のスタメンは最終ライン、CBはトーマス・デンさんに、槙野さんのコンビ。右のSBには橋岡さん、左に今シーズンリーグ戦では初スタメンのウガ、ボランチのコンビはエヴェルトンさんと柴戸さん、SH右が汰木さん、左が関根さん。2トップには武藤さん、レオナルドさんを配置した 4-4-2。GKは西川さん。前節の名古屋戦からは先発5人を入れ替えてきました。

対する広島は、最終ライン、左から、佐々木翔選手、荒木隼人選手、野上結貴選手。ボランチに川辺駿選手と青山敏弘選手。両ワイド、左が前節先発復帰した柏好文選手、右がハイネル選手。前線はワントップにレアンドロ・ペレイラ選手、2列目に浅野雄也選手、森島司選手を配置した、3-4-2-1 のフォーメーション。GKは大迫敬介選手。

リスクを回避した堅い立ち上がりからPKで先制

ウチの入りとしてはかなり慎重な立ち上がりでした。ボールを保持する広島に対して無理に高い位置からはプレスに行かず、ミドルゾーンでしっかり 4-4-2 のブロックを作って待ち構える形をとっていましたし、以前のレビューでも何度か書いている、SBがワイドに引っ張られた際のCBとの間のスペースに関しても、ボランチがしっかり埋める、という約束事もかなり徹底されていました。

そもそもSBがサイドに引っ張り出されないように、相手サイド、特に広島左サイドの柏選手が高い位置をとった場合に、そこに橋岡さんが行くのではなく、関根さんがポジション下げて対応するという形も恐らく狙ってやっていたと思います(柏選手と縦関係になる佐々木選手には武藤さんが規制をかける)ので、その意味では守備から逆算して、まずは失点しないことに重きを置いた戦い方を選択したなと。

その中でラッキーなことに早い時間帯に先制します。

5分、相手の攻撃終わりに最終ラインでボールを持ったデンさんから中央の柴戸さんへ縦の楔。柴戸さんがターンすればここからカウンター発動という場面でしたが、柴戸さんは後ろからのチャージを受けて倒れます。

ファールかなと思ったところでそのボールがそのままウチのレオナルドさんのところに転がったため、主審の飯田さんはアドバンテージジェスチャー(飯田さん、ナイスジャッジでした)、レオナルドさんが時間を作りながらドリブルで持ち上がると、広島、ハイネル選手の両足がそろった瞬間を見逃さず、裏に仕掛けた汰木さんにこれまたレオナルドさんから絶妙なタイミングでスルーパス。

ペナルティエリア内でトラップした汰木さんを送れたハイネル選手がたまらず引っかけると、これがPKの判定。レオナルドさんが冷静に決めて先制。

先制後は気合いのカテナチオ。公開守備練習をお楽しみください状態

冒頭にも書いた通り、この日の気温は33度、湿度も50%を越えており、コンディション的には最悪。高い運動量を保ったまま90分というのは5枚の交代枠を持ってしても恐らく無理。

もともと 4-4-2 でブロックを作って、スライドさせるのが基本となるウチが、早い展開で左右に揺さぶりつつサイドを攻略してくる広島相手にこのやり方で戦い続けるのはちょっと厳しい。

前述したとおり、ボランチがSBとCBの間のスペースを埋めるというタスクを優先した結果として相手中盤、特に相手キーマンである青山選手に対しては規制がかかりにくく、そこを経由してサイドチェンジされたりすると逆サイドもかなりボールサイドに絞っている(例えば広島の左サイドから右に持って行かれた際のウガや汰木さんのポジショニング)ことからボールの出所に対する寄せが甘くなりがち。

広島のワントップ、レアンドロ・ペレイラ選手は高さも強さもあり、クロスの出しどころにプレッシャーがかからず、精度の高いクロスが入ってくるとかなり危険で、実際に何度か「あぁやられた」っていうシーンもあり、そこは我らが「神」西川大先生が気合いのビッグセーブを連発してなんとか失点は免れていましたが、そこは紙一重でした。

で、これは監督からの指示なんだと思いますが、前半の飲水タイム以降、最終ラインに関根さんが吸収される形で 5-3-2 のブロックを作るやり方に変更。

この日は左サイドがウガ、汰木さんという組み合わせだったこと、ウガが守備よりのバランスをとっていたことで左サイドからの攻撃という面では沈黙(でもそれがわかってて、あえて守備的なバランスを重視してウガを先発させたんだと思います)。

かわりに高い位置をとる広島、柏選手の裏を関根さんが狙う形で右からのカウンターというのが唯一の活路となっていましたが、守備時は5バックで最終ラインまで戻って攻撃時にはそこから前線に出て行く関根さんの負荷は相当なものだったと思います。っていうかよく90分やったな関根さん。お疲れさまでした。

とはいえさすがにこのやり方では攻撃に出て行く時間はなかなか作れず、ほぼ一方的に広島にポゼッションされて押し込まれる展開になります。

63分にはレオナルドさん→杉本さん、武藤さん→武富さんとして2トップをリフレッシュ。カウンターで厚みのある攻撃というのはもう期待できないので、雑にでも杉本さんに当てて、そこで時間作ってもらおうという策か。

実際に杉本さんが入ってからは多少前線でボール保持することで守備陣が一息つける時間も作れてよかったと思いますが、杉本さんとしてはこういう使われ方では、得点ってところでいうとさすがに期待薄で、ちょっとかわいそうな感じも。

75分には汰木さん→岩波さんとして岩波さんをデンさんの右に、明確に3バックっぽい並びにしつつ、橋岡さんをサイドに出して、関根さんを1列前に、武富さんを汰木さんがいた左サイドに移動させます。

ここからは最終ラインがウガ、槙野さん、デンさん、岩波さん、橋岡さんという5枚に、武富さん、エヴェルトンさん、柴戸さんを並べ、杉本さんだけを1枚残した 5-4-1 のブロックに変化。完全に守りきる態勢に移行。

とにかくスペースを埋めてというやり方ですが、完全に受けてしまっているので相手のボールの出所にはなかなか規制がかからず、いくらスペースを埋めていたとしてもゾーンで守っている限りはディフェンスの間にポジションを獲られるので、そこに入ってきたときに寄せが遅れると決定機を作られます。

また先にも書きましたが、クロスの供給元にプレッシャーがかからないので、精度が高いクロスが供給されると中ではじき返し続けるのも至難の業。今節は西川さんが神がかったセービングを連発してくれたのでよかったですが、毎回これに期待するのは酷かなと。

広島が70分以降は個で打開するタイプのアタッカーを投入してごり押ししにきたため、逆にウチにとってはスペースを埋めることで対応しやすくなった感はありましたが、結局後半はひたすら公開守備練習のような試合展開(後半、ウチのシュートは「0」)。槙野さんなどベテランが最後までコーチングし続け集中力を切らさず、広島の攻撃をはじき返し続けます。

89分にはウガ→青木さんとして、青木さんを2列目に、柴戸さんをウガの位置に移動させて 5-4-1 ブロックは継続。そのまま開始5分に決めた1点を守り切りホームで勝利。勝点3をゲットしてくれました。

結果がすべてなので文句はないですが・・・・・・

まぁいいんですよ、勝ってるし。特に前節あんなひどい負け勝たしたあとですし、内容とかどうでもいいからまずは勝って自信を取り戻すというのも重要なことです。内容が良くたって結果がでなければチームのマネジメントは難しくなりますし、まずは良い流れを取り戻すきっかけとして今回の勝利は大きいと思います。

ただね、これをスタンダードにされたら困る。相手にボール保持されても人数合わせてブロック作れば何とかなるじゃん、みたいな考えで本来シーズン開始当初に狙っていたであろうコンセプトの完成がなおざりにされ、「勝利」という結果だけを重視した近視眼的なやり方を是とするなら、今シーズンを何の収穫もない無駄な1年として終わらせてしまう可能性も出てきます。

勝利という結果は素直に喜びつつも、続くリーグ戦でどういう戦い方をチームが見せるのか、その点には注目したいなと思います。

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試合ハイライト

試合データ

観客: 4,287人(入場 5,000人以下の制限付きマッチ)
天候: 晴 / 気温 33.1℃ / 湿度 58%
試合結果: 浦和 1-0 広島(前半1-0)
レッズ得点者: レオナルド(5分)
警告・退場: ウガ(警告×1/反スポーツ的行為)、槙野(警告×1/遅延行為)
主審: 飯田 淳平 氏
順位: 6位(5勝3敗2分/勝点17/得失点差-4)

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Yoshiki Kato / burnworks
Yoshiki Kato
埼玉県出身。サッカー、フットサル (観戦 / プレー)、モータースポーツ観戦、格闘技 (主にボクシング) 観戦、インターネット、音楽鑑賞、筋トレ、腕時計収集が趣味。サッカー 4 級審判員、ウオッチコーディネーター(上級 CWC)資格認定者。好物はゼリー、グミ、お酒、ラーメン。