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2020 Jリーグ 第7節 ニッパツ三ツ沢球技場 アウェー 横浜FC戦

前々節前節と、鋭いカウンターが持ち味のチームを相手に2失点、4失点と2試合で6失点を喰らう連敗。まぁ相性的な問題もあるとはいえ、開幕から負けていなかったというポジティブな流れを吹き飛ばす感じになってしまいましたが、落ち込んでばかりもいられない今節は、アウェー、横浜に乗り込んでの横浜FC戦。

横浜FCさんは今シーズン、久しぶりのJ1復帰。直近で最後のJ1シーズンとなった2007年は、最終節でこの横浜FCに敗戦したことでウチはリーグ優勝を逃すという悲しい結果になったわけで、その時の悲しみは忘れてねぇぞと、いうことでその時の借りを返す意味でも、連敗を脱出するという点でもアウェーとはいえしっかり勝ちきりたい対戦となりました。

2020 Jリーグ 第7節 ニッパツ三ツ沢球技場 アウェー 横浜FC戦

写真は「DAZN」中継映像から引用

スターティングラインナップ

2020 Jリーグ 第7節 ニッパツ三ツ沢球技場 アウェー 横浜FC戦 スターティングラインナップ

さて、今日のスタメンは最終ライン、CBコンビは久しぶりの先発となる槙野さん、鈴木さんコンビ。鈴木さんは開幕戦以来、槙野さんは今シーズン初スタメンですね。右のSBには橋岡さん、左に山中さんというのはいつも通り。ボランチのコンビは青木さんとエヴェルトンさん、SH右が柏木さん、左が関根さん。2トップには興梠さん、レオナルドさんを配置した 4-4-2。GKは西川さん。連戦ということもあって少しメンバーを入れ替えてきました。

対する横浜FCは、最終ラインに左から袴田、小林友希、星キョーワァン選手、佐藤謙介選手をアンカーに、両翼に松尾選手(左)、マギーニョ選手(右)を配置。手塚選手、中村俊輔選手を2列目に、一美、斉藤光毅選手を2トップとした、3-3-2-2(3-1-4-2)のフォーメーション。守備時には 5-3-2 のブロックを作るので、サイドにはなかなかスペースが生まれにくく、そこをビルドアップの出口に設定しているウチとしてはやりにくい反面、システム的にはマッチアップしないので、うまく空いたスペースを活かせれば・・・・・・ というところ。

Jリーグのレギュレーション変更が浦和に味方するか

今シーズン、新型コロナウイルス感染症の影響でリーグ日程が大幅に変更され、レギュレーションも変わったことで「降格」がなくなりました。このレギュレーション変更はどのクラブにとっても影響はありますが、特に昇格組、しかも横浜FCのような、十何年ぶりにJ1復帰、みたいなクラブにとってはポジティブな影響が大きいと思います。

本来、こういうクラブはJ1に残留することがまずは目標となるケースが多く、そのためには多少、本来やりたいサッカーとは異なっても、確実に勝点を積める、現実的なサッカーをシーズン当初から強いられることがよくありますし、実際に横浜FCは、開幕戦なんかはかなり守備から入るようなやり方をしていました。

しかし、降格がなくなったことで、順位や勝点をそれ程気にせず、本来自分たちが目指すサッカーがどの程度J1のレベルで通用するのかをテストできるという状況に変わりました。これはウチのような「J1にいて当たり前」「J1タイトルが毎年の目標」みたいなクラブにはなかなかそこまで吹っ切れない(降格がなかったとしても、降格圏でシーズンを終わったりすれば恐らく監督は交代させられるし、選手の評価も厳しいものになってしまう)んですが、横浜FCはリーグ再開後、最終ラインから細かいパスをつないで、自分たちがボールを支配してゲームコントロールするというやり方にシフトしています。

で、個人的にはこの横浜FCの変化はウチにとってはやりやすくなったと思っていました。横浜FCは3バックを採用していますし、5バックにして引いて守られ、ウチがボールを持たされる状況になるとそこを崩して得点するのは結構難しいかなと。

しかし、相手がボールを持って出てきてくれるなら、うまく引っかけてカウンターという手が使えますし、現状のウチは自分たちがボールを保持してしまうより、相手にボールを持たせて守備ブロックをセットし、中盤で引っかけてカウンター当てる方が恐らく得点には近い(まぁそれが本意かどうかはまた別の話ですが)という現実があるので、その辺がうまくかみ合えば先手をとれそう。

立ち上がり、前線からのプレスが連動せずピンチを招く

しかし、前半は思ったより横浜FCのビルドアップがスムーズで、ウチはボールの奪いどこををうまく設定できない立ち上がりとなりました。ウチは前線の選手がスイッチを入れる形で、かなり積極的に高い位置から相手最終ラインのビルドアップにプレスをかけにいきましたが、最終ラインがなかなかそれに連動できず、中途半端にラインが上がったところで中盤のスペースを使われると、中盤の中村俊輔選手や佐藤、手塚選手を経由してアタッキングサードに侵入されます。

特にスピードとテクニック斉藤光毅選手をはじめとした横浜FC前線の個人能力による突破は脅威で、特に右サイドは積極的に仕掛けてくる斉藤選手や、松尾、手塚選手といった相手左サイド攻撃ユニットへの対応で大忙し。さらにそこからファーサイド、山中さんの裏のスペースへとマギーニョ選手が侵入してきたところにクロス、みたいな流れでこの辺は横浜FCさん、ウチの弱点をよくわかっていらっしゃるじゃないですか、という感じ。右で橋岡さんを引っ張り出しておいてCBとの間を侵入し、そこからファーにクロスで山中さんの裏を狙うというのは(ウチに限らず4バックの相手に対しては)非常に有効な崩しですが、横浜FCの前線、若手選手は非常にアグレッシブで、クロスを警戒すればそのままドリブルで突破してくるし、何度かやべぇっていうシーンを作られ、そこで失点していれば一気に試合の流れを持って行かれるところでした。

とはいえ、この日先発したベテランCBコンビを中心に、最後のところはしっかり身体を張ってシュートブロックするなり、しっかり守り切ってくれたのもあって、徐々にウチがボールを保持して流れを引き戻します。8分過ぎくらいだったか、ゴール前に侵入した青木さん(?だったと思う)が決定機というシーンを作りますが、まさかのシュートではなく横パスを選択して不発、その流れで逆にカウンター喰らってやられかけるみたいなシーンもあり、チャンスかと思ったらピンチになる素早い展開が続きます。

ウチのビルドアップという点では、本来、攻撃の主軸となる左サイドは、関根さんと山中さんのコンビネーションがまだそれ程成熟されていない点や、インサイドに絞ってプレーしたい関根さんと山中さんのポジションはかぶりがちで、前節同様、山中さんが最前線に出ていってクロスを上げるというシーンはほとんどありませんでした。一方で右サイドからの攻撃は柏木さんがうまくハーフスペースで溜を作ったところで橋岡さんが大外をオーバーラップ、あるいは柏木さんが外に流れたところでハーフスペースを橋岡さんが使うなど、今シーズン、ウチが狙っているサイドの組み立てから何度かいいクロスを上げるところまで行っていて、前半、攻撃面での主軸は右サイド。

左サイドはどちらかというと守備的にしっかりプレスバックしてスペースを埋める、といった役割分担になっていました。逆にそれが左サイドの守備面を強固にしていて、横浜FCが狙ってきた、ウチの右サイドを崩して、ファーサイドでフィニッシュという形を封じる感じにはなりましたけども。押し込んだときは山中さんがインサイドに絞って高い位置をとり、35分くらいでしたか、ミドルレンジから強烈な左足ミドルをお見舞いするなど、要所要所では持ち味を活かしていました。

前述したとおり、前線からのプレスが連動しないケースは多々ありつつも、横浜FCのミスもあったりで、何度かいい位置で奪ってからの効果的なカウンターを喰らわせるなど、前半に関してはほぼ互角といっていい戦い(決定機の数では横浜FCでしたが)。得点こそ生まれなかったものの、お互いに狙いを出した前半だったのではないでしょうか。

後半立ち上がり、ワンチャンスをものにした浦和

前半は拮抗した試合ながら、後半の立ち上がり早々に試合が動きます。

52分、右サイドから中央に絞りつつ、レオナルドさんの落としを受けた柏木さん、横浜FCのプレス2枚の間を抜く縦パスでインサイドに絞ってバイタルエリアでフリーになっていた関根さんに付けると、関根さんがターンした瞬間、絶妙なタイミングでレオナルドさんが相手ディフェンスラインの裏にダイアゴナルラン。ここに関根さんからスルーパスが通ると、左足で振り抜いたレオナルドさんのシュートは、横浜FCゴールに突き刺さって先制点。横浜FC的には悪くない流れで後半に入ったと思いますが、その出鼻をくじく形でいい時間帯に先制してくれました。

ただ、その後少しウチにとってはうれしくないアクシデント。プレー中の着地が体勢的に悪かったのか、興梠さんが背中?か腰を痛めて続行不可能に。61分に杉本さんが投入されます。75分過ぎには前線へのロングフィードに抜け出した杉本さんがさすがの身体の強さを見せつつゴール前まで強引にドリブルで持ち込むと、クロスバー直撃の惜しいシュートを放つなど、追加点のチャンスを狙いますが得点とはならず。

76分には柏木さん→武藤さんとして、武藤さんを右のSHに。さらに87分には関根さん→柴戸さん、レオナルドさん→伊藤涼太郎さんと2枚同時交代すると、伊藤さんを2トップの位置に入れ、中盤をトリプルボランチの形にした上で、右SHの武藤さんを最終ラインの右に落とす 5-3-2 で守備ブロックを形成。1点を守って勝ちに行く策に出ます。

そのまま試合終了かと思われた90+3分、横浜FCの繋ぎでミスが出たところを左サイドで杉本さんがインターセプト。その瞬間一気に前線にスプリントしてきた柴戸さんがハーフスペースでボールを受けつつペナルティエリア内に侵入すると、ファーサイドへのクロスにエヴェルトンさんが頭で合わせて追加点。これで試合は決まりました。あの時間帯にゴール前まで長い距離をしっかりスプリントして入ってくるエヴェルトンさん、その運動量には脱帽です。

ということで、横浜FCを相手に2得点しての完封勝利。アウェーの地ながら連敗の悪い流れを断ち切る戦いをしてくれました。続く第8節は土曜日、ホームに戻っての清水戦ですね。ホームで連勝してよい流れを引き戻しましょう。

試合ハイライト

試合データ

観客: 2,580人(入場 5,000人以下の制限付きマッチ)
天候: 晴 / 気温 26.5℃ / 湿度 90%
試合結果: 横浜FC 0-2 浦和(前半0-0)
レッズ得点者: -
警告・退場: -
主審: 岡部 拓人 氏
順位: 6位(4勝2敗1分/勝点13/得失点差-1)

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Yoshiki Kato / burnworks
Yoshiki Kato
埼玉県出身。サッカー、フットサル (観戦 / プレー)、モータースポーツ観戦、格闘技 (主にボクシング) 観戦、インターネット、音楽鑑賞、筋トレ、腕時計収集が趣味。サッカー 4 級審判員、ウオッチコーディネーター(上級 CWC)資格認定者。好物はゼリー、グミ、お酒、ラーメン。