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2020 Jリーグ 第5節 味の素スタジアム アウェー FC東京戦

前節は、開幕戦以来、久しぶりに観客がスタジアムに入ってのホームゲーム。鹿島を相手に 1点を守り切って勝利、開幕から負けなしを続行と、(内容はともかく)結果はついてきている状況。続く第5節は、アウェーでのFC東京戦。

FC東京は、第3節で川崎を相手に4失点の大敗を喫したものの、前節は前線に永井選手が復帰したこともあって本来の形を取り戻し、横浜F・マリノスを相手に3得点で勝利。ここまでリーグ戦、3勝1敗と好調。アウェーでのFC東京戦は「ジンクス」的にはウチが長いこと負けなし(2004年以降、負けてないとか)とウチとしては得意な感覚のある対戦とはいえ、そういうジンクスみたいのは結構簡単に破られるものですし、前線に強力な外国人選手を含む、スピードとテクニックのあるアタッカー、タフな守備陣と、決して楽な相手ではないことは確か。

今シーズン、ここまで負けなしとはいえ、現状でやりたいと思われるサッカーが形になっているわけでもなく、ある程度個人の力量頼みで 1点を争うギリギリの試合を勝ち抜いてきたウチが本来の力を試される相手といえます。逆にいえば、ここで勝利できれば鹿島戦に続いて序盤の山を乗り越えたともいえる、注目の対戦となりました。

2020 Jリーグ 第5節 味の素スタジアム アウェー FC東京戦

写真は「DAZN」中継映像から引用

スターティングラインナップ

2020 Jリーグ 第5節 味の素スタジアム アウェー FC東京戦 スターティングラインナップ

さて、今日のスタメンは最終ライン、CBコンビにマウリシオさんと岩波さん。右のSBに橋岡さん、左に山中さん。ボランチのコンビは柴戸さんと青木さん、SH右が長澤さん、左が汰木さん。2トップに杉本さん、興梠さんを配置した 4-4-2。GKは西川さん。

リーグ戦再開以降、CBとして存在感を示していたトーマス・デンさんは連戦を考慮してだと思いますがお休み。代わりにマウリシオさんが久々の先発。ボランチも前節、ゴールという結果を出したエヴェルトンさんをベンチにおいて、柴戸さん、青木さんコンビでスタート。最前線は興梠さんと杉本さんという組み合わせで、前節からは3枚の入れ替え。

デンさんと、マウリシオさん、大雑把に言ってしまえば2人の大きな違いはスピード。デンさんがある程度ハイラインを設定しながらも裏に抜けた相手に対してそのスピードでカバーリングが間に合っちゃうのに対して、マウリシオさんはそういうタイプではないので、そこをどうするのか(マウリシオさんが良くないといっているわけではないです。マウリシオさんにはスピード以外の部分でCBとして優れた部分が多くあります)。

ライン設定はそのままで、リスクをとるのか、それともラインを多少下げてマウリシオさん仕様にするのか、その辺は注目ポイント。まぁネタバレで結論言っちゃえば、前者を選択した結果、2失点目はアダイウトン選手にスピードでぶっちぎられる形で喰らったのでまぁ仕方ないですよねって感じだったんですけども。

対するFC東京は永井選手と、ディエゴ・オリヴェイラ選手の2トップ、左のSHにレアンドロ選手、右に東選手、ボランチに安部選手、橋本選手を配置。最終ラインは左から、小川、森重、渡辺、室屋選手という並びで、4-4-2 のフォーメーション。

前半はある程度狙いを出すももったいない失点

FC東京は、4-4-2 のフォーメーションを採用(前節は 4-3-3 だったのでそれでくるかなと思ったんですが)していましたが、守備時には永井選手を中央に、レアンドロ選手とディエゴ・オリヴェイラ選手が横並びになる 3トップ気味の配置。永井選手は中央に固定し、レアンドロ選手とディエゴ・オリヴェイラ選手がサイドに流れてウチのSBへのパスコースを限定しつつ、永井選手の両脇から2列目の東選手、安部選手がCBのビルドアップに対してプレッシャーをかけてくるやり方を採用していました。

永井選手を最前線での頂点とすると、4-5-1 のように中盤の人を増やして、外に追い込んで詰まらせて奪う→ウチのSBの裏狙い、もしくは、ロングボール蹴らせて最終ラインで回収、といったところが狙いとして見えるやり方をしてきた形。

中盤の守備が厚くて山中さんがインサイドに絞ってもプレーエリアが限定されるし、興梠さんや杉本さんがいいタイミングで中盤に下りてボールを引き出してくれるものの、やはり相手の寄せが早いのでなかなか前を向かせてもらえないし、非常にやりにくい。

とはいえ、ウチも最終ラインには岩波さんっていうかなり精度の高いロングフィードを蹴れる選手がいますし、左サイドの汰木さん、山中さんコンビは多少詰まらされた狭いところでも局面打開できる能力の持ち主、さらにGKの西川さんからのフィードも、最終ラインから中盤をぶっ飛ばして相手守備ラインの裏に一発で付けられるだけの精度を誇りますので、前半はその辺のストロングポイントを活かして何度か相手ゴールに迫ります(12分くらいでしたか、岩波さんのサイドチェンジから橋岡さんがシュートまで行ったシーンなんかは素晴らしかったですね)。

FC東京も、立ち上がりはかなり前から積極的にプレスをかけにきていましたが、前線がプレスに出ていって、それに合わせて最終ラインを上げたところで、いいタイミングで仕掛ける興梠さんあたりに一発で裏に抜け出されそうなシーンを何度か作られると、その後は少し自陣にセットしたところからプレスを開始するという感じで、試合立ち上がりに関してはFC東京の意図を、うまくウチが外した感はありました。惜しむらくはこの時間帯に1点獲れてればねーってところでしょうか。

前半はお互いにチャンスを作る拮抗した内容、各局面で激しいマッチアップが発生する緊張感のある展開ながら、先制したのはFC東京。

前半終了間際の45分、FC東京、CBの森重選手から、右サイド(ウチの左サイド)のワイドで高い位置に張った室屋選手に、絶妙な対角線上のロングフィード。東選手がインサイドに絞ってきていたこともあって少し中のケアを気にして絞った山中さんのポジショニングもあって室屋選手はドフリー。

余裕を持ってコントロールされると、中央に折り返し。このボール自体はギリギリ西川さんの守備範囲でしたし、クリアできるポジションに橋岡さんも戻っていたんですが、室屋選手の入れたクロスが思ったより速いボールだったこともあって西川さんが触りに飛び出すも処理できず、突っ込んできた西川さんとかぶった橋岡さんもクロスの処理をミス、その隙間でディエゴ・オリヴェイラ選手に身体に当てられて押し込まれるっていう、ちょっともったいない失点。

大きなサイドチェンジを起点にチャンスを作るっていう意味ではウチも何度か同様のチャンスを作れていたわけですが、それを先にものにしたのはFC東京でした。1点ビハインドで後半へ折り返し。

勝負に出た交代が結果論的には裏目に

ハーフタイムに汰木さん→関根さんとして、左のSHをリフレッシュ。立ち上がりにその関根さんへのサイドチェンジから惜しいシーンを作るなど、悪くない立ち上がり。

対するFC東京は前半と同じ、中盤を厚くする 4-5-1 ブロックは変わらず、さらに前半の立ち上がり同様にかなり前から積極的なプレスを敢行して高い位置でのボール奪取からディエゴ・オリヴェイラ選手のフィジカルや永井選手のスピード、サイドの室屋選手を活かした鋭い攻撃でウチのゴールに迫ります。

選手交代策で先に大きな手を打ったのはウチ。57分に杉本さん→レオナルドさん、長澤さん→マルティノスさんと前線の選手で交代カードを切ってある程度勝負にでた感はありましたが、結果論ながらこの交代は少し早すぎたし、FC東京が中盤を人数で埋めてプレースペースを限定している状況で、特徴的にスペースが必要なマルティノスさんを投入してしまったことで、FC東京にとってはそこがボール奪取の的になってしまったのが残念。

マルティノスさん、足元でボール受けてどうこうっていう人ではないので、やはりボール受けたときに前面にスペースが欲しい。しかしそこはFC東京守備陣に消されてるのでなかなか持ち味を出せず。それは左の関根さんも同様で、関根さんの方がドリブルで単独打開できる能力は高いものの、サイドで1対1のように見えても、しっかり後ろにサポートが入った状態の数的不利な状況を作られて対応されるのでさすがの関根さんも状況を変えるような働きはできず。

この辺はFC東京の前線、レアンドロ選手やディエゴ・オリヴェイラ選手が守備面でもサボらずしっかりプレスバックするなど、チーム全体として守備意識が統一されていたことが大きいとは思います。

ウチの交代策がハマらず攻撃が停滞する中、FC東京は61分に永井選手→アダイウトン選手として前線に強力な駒を追加します。なんだよこの前線の外国人トリオ。フィジカルモンスター2人にスーパーテクニシャン。しかも守備もきちんとやるし、まじ勘弁してくれという感じですが、まぁなんていうか、これがザ・長谷川健太監督スタイルの真骨頂とでもいいましょうか。

で、残念なことに相手の選手交代は見事にハマります。66分、最終ラインの岩波さんから中央の青木さんに入ったところで青木さんが痛恨のミス。余裕を持ってバックパスするつもりが、まさかのキックミス(芝の関係でイレギュラーしたのかな・・・・・・)でボールを浮かすと、そこにプレスかけてきたアダイウトン選手にあっさにボールをかっさらわれます。

青木さんもボール奪われてやべぇってなったところでカードもらってでも止めりゃよかったんですが、それができなかったことでアダイウトン選手が独走。カバーに入ったマウリシオさんをスピードでぶっちぎると、そのまま右足で冷静に流し込んで追加点。これでほぼ試合は決まってしまいました。

失点後の68分には橋岡さん→エヴェルトンさんとして、柴戸さんを右のSBに移動。中盤にゲームメイクできるエヴェルトンさんを入れて打開を図りますが、最後まで集中を切らさないFC東京の守備に、個人能力頼みのウチの攻撃は機能せず。結局そのまま完封されて敗戦となりました。

「チーム」としての完成度の差みたいなものがはっきり出てしまった形ですが、まぁウチのチーム構築はまだ道半ば。必要以上にネガティブになることはありません。週が明けると水曜日にはホームで柏戦、週末にはアウェーで横浜FC戦と、今シーズンJ2から昇格してきた2チームとの対戦が控えています。どちらも昇格組とはいえ難敵。連敗だけは避けられるように準備をして欲しいなと思います。

試合ハイライト

試合データ

観客: 4,705人(入場 5,000人以下の制限付きマッチ)
天候: 曇 / 気温 23.9℃ / 湿度 88%
試合結果: FC東京 2-0 浦和(前半1-0)
レッズ得点者: -
警告・退場: レオナルド(警告×1/異議)、関根(警告×1/反スポーツ的行為)
主審: 荒木 友輔 氏
順位: 6位(3勝1敗1分/勝点10/得失点差+1)

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Yoshiki Kato / burnworks
Yoshiki Kato
埼玉県出身。サッカー、フットサル (観戦 / プレー)、モータースポーツ観戦、格闘技 (主にボクシング) 観戦、インターネット、音楽鑑賞、筋トレ、腕時計収集が趣味。サッカー 4 級審判員、ウオッチコーディネーター(上級 CWC)資格認定者。好物はゼリー、グミ、お酒、ラーメン。