2020 Jリーグ 第3節 ユアテックスタジアム仙台 アウェー ベガルタ仙台戦
開幕戦となる第1節を消化したところで、新型コロナウイルス感染症の流行により、約4ヶ月という過去に例をみない長期間の中断を経て先週末に再開した2020年のJリーグですが、再開初戦となったホームでのマリノス戦はスコアレスドロー。週が明けて中3日、ミッドウィークの水曜日に行われるのは、第3節、アウェーでの仙台戦。
再開後のリーグ日程は超過密。間にルヴァンカップも挟みつつ、多少の例外はあるものの、基本的には 土曜日→水曜日→日曜日→土曜日→水曜日→日曜日 ・・・・・・ という形での試合日程が12月中旬まで続くという、かなり厳しい日程になっているため、選手起用や交代策でうまく調整しながらコンディションを保たなければならず、試合によってスタメンを大幅に入れ替えるなどの策も必要で、改めて「チーム力」が問われるシーズンとなりそう。
前節のマリノス戦では比較的守備から逆算したスタメンとなっていましたが、非常に運動量が多く、負荷の高かったポジションもいくつかあり、今節の仙台戦ではどのような戦い方になるのか、スタメンも含め注目の1戦となりました。
写真は「DAZN」中継映像から引用
スターティングラインナップ
さて、今日のスタメンは最終ライン、CBコンビにトーマス・デンさんと岩波さん。右のSBに橋岡さん、左に山中さん。中央2列目に柴戸さんと柏木さん、SH右がファブリシオさん、左が汰木さん。2トップにレオナルドさん、杉本さんを配置した 4-4-2。GKは西川さん。
前節のマリノス戦からは2トップの1枚、SHの右、ボランチを1枚変更。マリノス戦は前線からの守備を意識してか、興梠さん、杉本さんというファーストディフェンスがしっかりできる2トップコンビに、SHにも長澤さんを配置、ボランチも柴戸さん、青木さんコンビと、守備強度に振った布陣でしたが、今回は(マリノスに比べれば)ある程度ボールを持てそうな仙台が相手ということで、前節よりは攻撃に振った布陣になりました。
ちなみに、前節フル出場の青木さんはベンチからも外れて完全休養。長澤さんと興梠さんはベンチスタート。
対する仙台は、今シーズン、中断前に開催されたルヴァンカップのグループステージ第1節で一度対戦しています。その時はシステム的に 4-4-2 を採用していたんですが、中断期間中に、新たに 4-3-3 を採用したようで、さらにスタメンも前回対戦からほぼ総入れ替えということで、ここまで変わると事実上、初対戦みたいなノリですね。
立ち上がりから狙いを発揮したのは仙台
試合的に狙い通りの形を体現したのは仙台でした。守備時、4-1-4-1 のブロックを作りますが、コンパクトにブロックを作り、出足も速い仙台の守備に中央のスペースが効果的に使えず。サイドに迂回しても素早い寄せで詰まらせられる。そこで無理に中央に入れたりして引っかかると、仙台は素早く攻守転換して、ハイラインに設定されたウチのサイドバックの裏のスペースを突いてくる、という形で何度かシュートチャンスを作られる流れ。
最後のところは仙台のプレー精度やウチのディフェンス陣の頑張りで事なきを得ますが、ウチからすればなかなか狙い通りの形が作れない時間帯が前半は続きます。左サイドで汰木さんが何度か仕掛けて打開を図りますが、仙台もウチのアタッキングサードでは素早く数的優位を作って対応してくるのでやりずらい。
でも、まぁ仙台はそのシステム上、最終ラインの1列前が1枚でその左右にはスペースがあるため、うまくそこを使えれば、と思っていたところで、20分を過ぎたあたりからは特に杉本さんがそのスペースで非常によいポジショニングをしてサイドからパスを引き出してくれていて、チャンスの数など、試合の流れ的には仙台に持って行かれながらも、ウチも徐々にポゼッションを高めてリズムを作ります。
そして、前半のアディショナルタイム、少し強引気味でしたが、左サイドで縦に仕掛けた山中さんが、深くサイドをえぐったところからの折り返しに、ペナルティエリア内でレオナルドさん。山中さんのクロスを狭いスペースながら胸トラップで収めると、相手CBに寄せられて一旦はゴールに背を向けさせられるものの、うまく身体を預けて相手を押さえ込みつつターン→左足でファーサイドに叩き込む、これぞストライカーというゴールで先制。そのまま1点リードして後半へ折り返し。
後半の失点は仙台の前半からの狙いが形に
1点リードで迎えた後半でしたが、立ち上がり早々の49分に、前半から仙台が狙っていた形で失点してしまいます。
ウチのビルドアップに対して仙台の前線からのプレス。右サイドで詰まらされたところで、少し無理目に中央の杉本さん入れた所を複数人で寄せられてボール奪取されると、仙台のショートカウンターが発動。
高い位置をとっていた橋岡さんが空けたスペースを使われて仙台の赤﨑選手にフリーでボールを持たれると、対応したのはCBのデンさん。デンさんが中央からサイドに引っ張り出され、中央が岩波さん1枚になったところで、赤﨑選手から逆サイドを駆け上がってきた山田寛人選手への絶妙なアーリークロス。岩波さんの裏のスペースで綺麗に合わせられて失点と。もちろん、相手右サイドの山田選手には山中さんが付いていかなければならないわけですけども、まぁあっさりマーク外されてしまいました。
前半、なかなか思い通りの形が作れない中でも、レオナルドさんの個人能力一発で先制したわけですが、後半立ち上がりの早い時間帯に失点して試合を振り出しに戻されてしまうという、ちょっと残念な試合展開。
選手交代から流れを掴んで、最後はエースが試合を決める
ところが、後半の選手交代をきっかけに徐々に流れを引き寄せます。62分、ファブリシオさん→マルティノスさん、柏木さん→長澤さんと2枚同時交代。交代直後の64分にはマルティノスさんの技ありのシュートが相手GK、小畑選手に指先一本のビッグセーブで防がれたものの、もう少しでゴールという惜しいシーンを作ります。
その後も積極的に高い位置をとって裏のスペースに仕掛けるマルティノスさんを中心に、仙台ディフェンスラインにプレッシャーをかけ続けると、68分、満を持して「仙台キラー」こと興梠さんを投入。さらに79分、汰木さん→関根さん、山中さん→ウガと、5枚の交代カードを使い切って左サイドをリフレッシュ。攻勢を強めます。
そんな流れの中、83分、興梠さんが値千金の決勝ゴール。
相手のクリアボールを柴戸さんが高い位置で回収したところから左サイドの関根さんへ。2対1で対応されながらもドリブルで仕掛ける姿勢から、相手ディフェンス2枚の間をうまく抜いて中央でポジションをとったレオナルドさんへのパス。その瞬間、相手ディフェンスを背負いつつも素早く縦にパスコースを作った興梠さんへとレオナルドさんからボールが渡ると、興梠さんは超絶鋭いターンで相手ディフェンスを置き去りにし、振り向きざまの左足一閃でファーサイドに流し込むっていう、まさに匠の技であっさりゴールをこじ開けます。これが決勝点となってアウェーで勝点3をゲットしてくれました。
興梠さん、ボール受ける瞬間、一瞬だけ左足に体重を乗っけて、相手ディフェンスが内側へのターン→右足シュートを警戒して重心が左足に乗った瞬間に逆側にターンしていて、このフェイントターン、興梠さんはよくやるんですが、対応した仙台CBの金選手は、完全に逆をつかれて置いて行かれる形になりましたね。いやほんと興梠さんは恐ろしい子。これで浦和加入後、通算100得点という、前人未踏のゴール記録を樹立。J1での通算150ゴールにもあと「1」ゴールと迫りました。
ということで、内容的にウチの狙い通りだったかといえばそんなことはない試合でしたけども、獲るべき人がしっかり得点してくれたおかげで開幕から負けなしの2勝1分。続く第4節は、中3日の日曜日、ホームに鹿島を迎えての一戦ですが、きっちり勝って勢いに乗りたいものです。
試合ハイライト
試合データ
観客: 0人(リモートマッチ)
天候: 曇 / 気温 22.2℃ / 湿度 87%
試合結果: 仙台 1-2 浦和(前半0-1)
レッズ得点者: レオナルド(45+1分)、興梠(83分)
警告・退場: 柴戸(警告×1/ラフプレー)
主審: 中村 太 氏
順位: 3位(2勝0敗1分/勝点7/得失点差+2)
この記事が気に入ったらサポートしてみませんか?
スタジアムでのビール代にさせて頂きます。