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AFCチャンピオンズリーグ2019 ノックアウトステージ 決勝 第1戦 サウード国王大学スタジアム アウェー アルヒラル戦

リーグ戦の方は過密にってなどもあって色々と難しい状況ではありますが、そこは一旦忘れてアジア王者のビッグタイトルがかかるACLの決勝戦。まずはアウェーでの第1戦。対戦相手はサウジアラビアの強豪、アルヒラル。アルヒラルとは2017年にウチがACLのタイトルを獲った際に決勝で対戦した相手ですが、その時とはメンバーも監督も変わって別のチームになっています。

初戦となるアウェーでの対戦は、とにかく失点を避け、あわよくばアウェーゴール1つでも獲ってこれたら満点。ここのところのリーグ戦を観ているとなかなか得点は難しそうなイメージですが、とにかくホームでの第2戦につながるような試合をして欲しいところ。日本時間では夜中の1時半キックオフという観る方としてはちょっと辛い時間帯での試合となりました。

AFCチャンピオンズリーグ2019 ノックアウトステージ 決勝 第1戦 サウード国王大学スタジアム アウェー アルヒラル戦

写真は公式ハイライトから引用

で、試合終わって早朝に寝て、日曜日は案の定寝過ごして、色々と用事を済ませたりしてたらレビュー書くの完全に忘れました。所謂180分試合の半分が終わっただけの状況ですし、試合から時間が経ってしまったので細部の記憶が曖昧ですが、ひとまず簡単にまとめます。

さて、今日のスタメンは最終ラインに岩波、鈴木、槙野。ディフェンシブハーフに青木、エヴェルトン。ウィングバック、左に関根、右に橋岡。インサイドハーフにファブリシオ、長澤。興梠のワントップ。GKは福島。

サウジアラビア出発直前に行われた川崎戦ではこの試合を考慮して大きくメンバーを入れ替えましたが、その川崎戦から見れば青木さん以外は全員入れ替えという形。負傷して離脱してしまった武藤さんを除けば現時点でのベストメンバーで挑みます。

対するアルヒラルは元フランス代表FW、ゴミス選手をワントップ、トップ下に、イタリア代表FWで対日本代表戦ではゴールも記録しているセバスティアン・ジョヴィンコ選手、さらに現役のペルー代表、アンドレ・カリージョ選手を右のSHに配置した、4-2-3-1。CBには、元FC東京のチャン・ヒョンス選手が名を連ねます。

試合の方はほぼ90分にわたってアルヒラルペース。前半はカウンターから1、2本のシュートシーンがありましたが、特に後半に至っては「ウチ、シュート打ったっけ?」っていう状況。アルヒラルはボール保持能力も高く、攻守にわたってオーガナイズされており、非常にポジショナルでチームとしての質が高かった。結果から言えばよく1失点ですんだな、というくらいの一方的な内容でした。

特に右SHのカリージョ選手は大外に張って幅を使って、マッチアップする関根さんをサイドに留め置きつつ、空けたハーフスペースにSBとの連携で入ってくるような動きが非常に厄介、かつ個人能力でも関根さんを上回っており、ウチの左サイドは試合開始早々から大炎上。これは関根さんだけの問題ではなく、元々ウチの5バックに対して、相手は前線1トップ+2列目3枚に両SBが加わることで数的優位。人数を合わせるためにディフェンシブハーフの青木さん、エヴェルトンさんがサイドに引っ張られると相手ボランチ2枚が中央エリアに侵入してくるし、行かなければサイドで数的不利を作られるという構造的問題。

サイドで数的不利になった際、3バックの両翼がサイドに出るという選択肢も考えられますが、どうしても中央エリアにゴミス選手、さらにセカンドトップのジョヴィンコ選手がいるため3バックは中央エリアを離れたくない。最後の手段はインサイドハーフが気合いでプレスバックしてディフェンシブハーフ脇を埋めることですが、長澤さんはともかく、ファブリシオさんにそれを求めるのは酷。そもそもファブリシオさんを守備のタスクで消耗させるなら彼を先発させる意味もないし...... というまぁここ数試合ずーっと続いてる悩ましい状況がここでも発生しますと。

じゃあウチの右サイドの守備が安泰だったかというとそれもなくて、左SHのアルダウサリ選手はダイアゴナルにハーフスペースへとガンガン入ってくるし、左SBのアルシャハラニ選手はアルダウサリ選手が作ったサイドのスペースをバッキバキにオーバーラップしてくるし、こっちはこっちで大騒ぎ。身体張れる長澤さんとエヴェルトンさんが橋岡さんをサポートしつつ、岩波さんと連携してなんとか決壊しないように抑えてはいましたが、重心は下がって前線に人がいない、長澤さんがポジトラで何とかボール収めても誰もサポートがいない状況になるため、ボール奪取してもアタッキングサードまで運べず、時間経過と共にクリアするのが精一杯という状況に追い込まれてしまいます。

それでもこの日ACL初先発となった福島さんが気合いのビッグセーブを連発し、「終わったぁ」ってシーンを何度も防ぐと(あとマジで死んだっていう状況で青木さんのゴールライン上、魂のクリアもありましたね)、奇跡的に前半は無失点のまま折り返し。

ウチにとってこの試合は引き分けでも十分な試合。なるべく0-0の時間を長くし、チャンスは少なくともカウンターや終盤のセットプレーワンチャンスでアウェーゴールの1つでも獲れたらもう万々歳です。なので苦しいながらも0点で折り返した後半、個人的にはハーフタイムで前半大炎上してた左サイドを修正して欲しかったんですが特に交代策などはなし。

後半に入るとサイドでの攻防で劣勢なだけでなく、ハーフスペースに相手ボランチやCBから縦に入ってくるパスコースも抑えられなくなってさらに苦しい状況に。60分、カリージョ選手とポジションを左右で入れ替え、右サイドに移動していたアルダウサリ選手からハーフスペースで縦にパスコースを作ったジョヴィンコ選手に楔。ワンタッチでオーバーラップした右SBのアルブライク選手に通されると、サイドに流れてきたジョヴィンコ選手に対応するために関根さんが絞っていた関係でアルブライク選手は完全にフリー。

ファブリシオさんが頑張ってプレスバックし、アルブライク選手に対応しますが時すでに遅し。サイドからほぼフリーでクロスを上げられると、逆サイドからゴール前に侵入してきたカリージョ選手に頭で合わせられて失点。このシーンでは中央でおとり的な動きをしたゴミス選手に引っ張られ、福島さんも中途半端に飛び出してしまったことや、岩波さんも後方から走り込んでくるカリージョ選手を全く認識できていなかったことなどが重なり、耐えきることができませんでした。

先に失点してしまうと難しいのがどうこの試合を終わらせるのか。個人的には2失点目を喰らうくらいなら割り切ってこのまま1-0で終わる方が次につながる(それならホームで2-0が優勝条件になりますし、1-0でもまだ延長があります。しかし2失点してしまうとホームで2-0が最低限の条件になってしまうのでちょっと厳しいかなと)かなと思ってまして、72分にはオフサイド判定でゴールが取り消された(多分誤審だったこれマジ助かった)から助かったものの完全にやられた失点シーンがあったりする中でベンチがどう動くか注目してたんですが、74分の交代は長澤さん→杉本さん。

いや、なんですかね。杉本さんが悪いわけじゃないんですが、この采配だと点取りに行くんだなと。しかしこれで興梠さんをインサイドハーフに下げてしまうことになり、そうすると当たり前ですが興梠さんは守備タスクにかなり比重を置かないといけなくなります。で、どこかの試合のレビューでも同じ事書いた記憶がありますが(あとで探したら神戸戦のレビューでした)、シーズン開幕からここまででリーグ戦2得点(両方ともPK)の人と、チームトップスコアラー(12得点)の人を並べて、なんで後者をゴールから遠ざけるんだと。

そもそも、ここまでの70分以上、ウチがサイドからクロスまで行けてる、あとはフィニッシュ、みたいな状況ならいざ知らず、アタッキングサードまでボール持って行けてないような状況でワントップに杉本さん入れて何がさせたいの? という疑問。毎度采配に文句言ってばっかで申し訳ないんですが、意図もわからんし、点取りたいのか守りたいのかもよくわからない中途半端な交代策だなと。守備側に振る、さらに終盤でのセットプレーワンチャンスに賭けるなら明らかに電池切れしていたファブリシオさんを柏木さんに代える、長澤さんがキツそうならそれと同時に柴戸さんを入れて運動量を上げるみたいな方がわかりやすかったと思いますが、その辺は外からではわからない意図があったのでしょう。

85分には関根さん→ウガとしますが、関根さんも前半から続く守備対応でへろっへろだったので妥当。心配していた追加点を喰らうこともなく、なんとか最後まで頑張りきって1-0での敗戦と、ホームでの第2戦に十分希望をつなぐ終わり方をしてくれました。

これでホームでの第2戦は、2-0勝利で無条件優勝、1-0で延長戦突入。逆に1失点すると3-1など2点差以上勝利が必要になってしまいます。つまり絶対に失点せず、まずは先制して1-0にするというのが最初のタスクですね。

ACL、ホームでの対戦っていうと心のどこかで楽観視してしまうところがあるんですが、状況ははっきり言って厳しいです。第1戦でのアルヒラルを観る限り現状ではチーム力はもちろん、局面での個人能力でも上回られている部分が多く、ほぼ過密日程の中、コンディションが整わないままでのアウェーゲームとはいえ、90分間ほぼ何もさせてもらえなかった事実を考えると、失点せず、先に得点するというのは容易なことではありません。

幸いなことにホームでの第2戦までは少し時間も空いてコンディション調整、戦術的な修正を図る時間もあるので、特に大炎上させられたサイドでの守備の仕方などはしっかりとした見直しが必要かなと思います。

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試合データ

観客: 22,549人
天候: 晴
試合結果: アルヒラル 1-0 浦和(前半0-0)
レッズ得点者: -
警告・退場: -
主審: アリ・サバ・アルカイシ 氏

試合ハイライト

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Yoshiki Kato / burnworks
Yoshiki Kato
埼玉県出身。サッカー、フットサル (観戦 / プレー)、モータースポーツ観戦、格闘技 (主にボクシング) 観戦、インターネット、音楽鑑賞、筋トレ、腕時計収集が趣味。サッカー 4 級審判員、ウオッチコーディネーター(上級 CWC)資格認定者。好物はゼリー、グミ、お酒、ラーメン。