2019 Jリーグ 第31節 エディオンスタジアム広島 アウェー サンフレッチェ広島戦
先週アウェーで行われたACLの第2戦は見事な勝利で決勝進出を決め、ACLに関しては素晴らしい結果がでていますが、今週は一旦現実に引き戻される残留争い真っ只中のリーグ戦、ミッドウィークの火曜日に行われるのはアウェーでの広島戦。この試合は、ACL日程との関係で第31節が前倒ししての開催となります。
ここからしばらくは地獄の連戦。今節のアウェー広島戦が終わると、中2日で金曜日にはアウェーで鹿島戦。それが終わると中3日、週明けの火曜日にはホームで川崎戦。川崎戦が終わるとすぐにチームはサウジアラビアに移動して中3日で土曜日にACL決勝の第1戦。ACLの第1戦を乗り越えれば一旦代表戦ウィークで中断を挟みますが、ACL決勝の第1戦という重要な試合が控える中でリーグ戦の3連戦、しかも対戦相手は全て上位チームというなんかの嫌がらせですかという日程。
前節終了時点でウチの勝点は「35」。確定ではないですが例年の残留ラインを考えると、残り試合であと勝点「6」、つまり最短で2勝分、もしくは1勝3分けくらいの戦績が欲しいところです。そう考えると今節と続く鹿島戦、理想はここで2勝、最低でも1勝1分けくらいを狙いたい。この直近2試合で勝点を積めれば、サウジアラビア行き直前に開催されるホーム川崎戦は多少メンバーを落として最悪捨てて(捨てるって言うとちょっと言葉は悪いですが)でも主力組のコンディションを整えるために使えます。そのためにも今節は何としても勝利で終わりたい試合となりました。
写真は「DAZN」中継映像から引用
さて、今日のスタメンは最終ラインに岩波、鈴木、槙野。ディフェンシブハーフに阿部、エヴェルトン。ウィングバック、左に関根、右に橋岡。インサイドハーフにファブリシオ、長澤。興梠のワントップ。GKは西川。
残念ながらこの大事な時期に青木さんが右足関節内遊離体(所謂「関節ねずみ」ですね)で離脱。全治とリハビリを考えると今シーズンはちょっと難しいでしょう。さらに武藤さんが大分戦で肩を痛めて離脱とこれも非常に痛い(現時点でまだクラブからの正式発表がないため、どの程度の離脱になるかも不明)。ということでこの2人の代わりに阿部ちゃんとファブリシオさんを先発させてという形。ベンチには久々のマルティノスさん、柏木さんもここ数試合ベンチには入っていて彼のコンディションも終盤戦に向けて気になるところです。
対する広島はドウグラス・ヴィエイラ選手をワントップに、川辺選手、森島選手のインサイドハーフ、両翼に柏選手とハイネル選手、ボランチに稲垣選手と青山選手を配置。3バックは左から佐々木選手、荒木選手、野上選手の 3-4-2-1。GKは大迫選手。システム的にはウチとマッチアップする形で所謂ミラーゲーム。
前回、ホームでの対戦時には 4点叩き込まれる大敗を喰らってこれが決定打になったかこの試合の数日後にオリヴェイラ監督との契約解除を発表。大槻さんになってからは今年初の対戦とはいえ、相手は勝点50で4位につける上位チーム。今のウチの状況を考えると非常に難しい相手であることに変わりはありません。
基本的にウチも広島も守備時には 5-4-1 ブロックを作るやり方。1トップ、2インサイドハーフのプレスに対しては、ボランチが最終ラインに落ちることによって4枚で数的優位を作ってのビルドアップも同様ですが、お互いに前から無理にハメに行くと前線が引っ張り出されたところで中盤のディフェンシブハーフ脇のスペースを使われるのはわかっているため、かなり慎重な入り方になりました。特にウチは先に失点したくないこともあってか、相当慎重に入ったように思われます。
ただ、同じ 5-4-1 ブロックを作りながら、広島が最終ラインの細かい上げ下げでしっかり中盤をコンパクトに保ちつつ、さらに前線も連動して縦のパスコースを消してサイドに追い込んでサイドに詰まったところで刈り取るっていう組織された守備ができているのに対して、ウチは特に2列目の守備の立ち位置、連動性はお世辞にも良いとは言いがたい状況。
前で相手のパスコースを限定できないので後ろもなかなか高い位置に上げてくることができず、中継を観ている限りベンチからはコンパクトにしろという指示がかなり飛んでいたようですが、その指示とは裏腹に前が少し出て行ってしまうとそれに連動しない最終ラインとの間でコンパクトネスが失われ、中盤にスペースができることで、相手最終ラインから一発でインサイドハーフやワントップに縦の楔を付けられるシーンを何度も見させられるはめに。
最終ラインの前で楔を受けて前を向かれてしまうと最終ラインは引いて受けるしかなく、それで後ろが重たくなるとポジティブトランジションしても後方からの押し上げがない状態で前線が孤立し、ボールロストを繰り返すことで攻撃が停滞という悪循環。広島のインサイドハーフがライン間でバンバン前向くのに対してウチのインサイドハーフがなかなか相手のライン間でボールを受けられず、まぁ今の順位、戦績を考えれば仕方ないんですけども、現実に引き戻されるな...... という試合展開。
もう少し立ち位置で幅を取るとか、相手の守備陣形を動かすポジショニングをして欲しいんですけども、ウチの両翼は結構中に入って来たがるし、結果として相手ディフェンスも集約させちゃって縦に付けたくてもスペースがないっていう感じでした。
とはいえ、ゴール前の最後のところでは何とか人数をかけて守り切り、やばいシーンを何度か作られつつも西川さんの神セーブなどもありつつ無失点のまま後半へ折り返し。3バック(5-4-1 守備)の相手を崩す場合、とにかく焦りは禁物。地道にボールを左右に動かして、相手ディフェンスラインにズレを生じさせたところで仕上げというのがセオリー。その意味ではかなり押し込まれてシュートも2本しか打てないような苦しいながらも前半を無失点で耐えたことは及第点。
後半は少しウチがギアを上げてプレーのインテンシティが向上。出足を速め、簡単に相手に前を向かせないようにというところから多少流れを押し戻しますかにみえましたが、それでも前半同様、相手の縦の楔を限定できずにチャンスを作られる流れで徐々に押し込まれはじめると、チャンスを多く作るのは広島という苦しい展開に。しかしよくない流れの中でもクロスバー先生がいい仕事したりして広島が得点しあぐねているところで予想に反して先制したのはウチ。
75分、相手の攻撃を中盤で奪ってポジティブトランジション。数的には相手の方が1枚多い状況ながら、いい位置でカウンターが発動し、その流れでファブリシオさんがミドル。これは相手GKの大迫選手に弾かれますが、興梠さんがペナルティエリア内で素早く再奪取すると左サイドをペナルティエリア角にサポートしてきた関根さんへ。関根さんはすぐ横にいた長澤さんとのパス交換でペナルティエリア内に侵入しにいく動きを見せますが、長澤さんはそのままターンして中央にカットイン→そこに最終ラインから猛然と駆け上がってきた岩波さんが。
長澤さんからの横パスを受けた岩波さんは冷静にトラップしながらペナルティエリア内に侵入すると、狙いすましたコースに右足でシュートを流し込んでこれが待望の先制点。まさかここで岩波さんがという驚きもありつつ、値千金のゴールを決めてくれました。
得点をうけて80分に関根さん→ウガと選手交代のカードを切ります。広島の柏選手がウチの得点後に右サイドにポジションを変えていたこともあって、ここを明確に抑えに行く目的があったのかなと。
残り時間10分程度で1点のリード。ウチとしてはうまく時間を使ってこのまま1点差を守り切りたいところ。ボール保持したらサイドに持っていって時間を使いつつ、相手ボールの時はしっかりブロックを作ってゴール前を人で埋めるという形で残り時間数分、アウェーでの勝点3が見えてきますが、ここで不運なオウンゴール。
広島、川辺選手に中央をドリブルで持っていかれたところから左に流れた途中交代、レアンドロ・ペレイラ選手へのラストパスを、気合いでプレスバックした橋岡さんがクリアしようとしたらまさかの自分ゴールにゴラッソ叩き込むっていう...... まぁあれです、必死にクリアしようとした結果なので彼を責めても仕方なし。運が悪かったですが、残り数分というところで試合は振り出しに戻ります。
結局試合はそのまま1-1で終了。アウェーで勝点1をゲットという結果になりました。90+1分の長澤さん→柴戸さん、90+4分の興梠さん→杉本さんという交代も、何か流れを変えたいというよりは守備固めと時間稼ぎだったと思いますので、大槻さん的にも勝点1は十分な結果と認識しての采配でしょう。もちろん、勝点3が直前まで見えていた試合だけに悔しさもありますが、上位チームを相手にアウェーで勝点1は決して悪くない結果。ポジティブにとらえて続く鹿島戦に備えたいところです。
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試合データ
観客: 6,710人
天候: 晴
試合結果: 広島 1-1 浦和(前半0-0)
レッズ得点者: 岩波(75分)
警告・退場: 鈴木(警告×1/反スポーツ的行為)
主審: 上田 益也 氏
順位: 暫定9位(9勝12敗9分/勝点36/得失点差-12)
試合ハイライト
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