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AFCチャンピオンズリーグ2019 ノックアウトステージ ラウンド16 第2戦 蔚山文殊フットボールスタジアム アウェー 蔚山現代戦

ホームでの第1戦は残念ながらアウェーゴールを2発も喰らう敗戦ということでちょっと状況的には厳しいわけですが、この程度の点差で諦めるようなやつはいないってことでのぞむアウェーでの第2戦は韓国は蔚山文殊フットボールスタジアムにて。まぁ残念ながら現地には行けないので日本から念を送るわけですけども、現地は朝からかなり激しい雨が降っていたようで、試合開始時点でも大雨。ピッチコンディションなど色々と気になるところ。

ウチのラウンド8進出条件は、2-0 での勝利、もしくは3点以上獲れば点差に関係なく勝利で文句なしの突破。2-1 勝利の場合は延長・PK戦へ突入と。当然ですが引き分け、敗戦の場合はその時点で今季ACLは終了となります。

AFCチャンピオンズリーグ2019 ノックアウトステージ ラウンド16 第2戦 蔚山文殊フットボールスタジアム アウェー 蔚山現代戦

写真は「日テレG+」中継映像から引用

さて、今日のスタメンは最終ラインに岩波、マウリシオ、槙野。中盤は青木、エヴェルトン、両サイド、ウィングバックの左に山中、右にウガを配置。武藤、興梠をインサイドハーフ、ファブリシオの1トップという並び。GKは西川。

ファブリシオさんは昨年の第25節、セレッソ大阪戦で負傷、左膝前十字靭帯損傷および、内側半月板損傷で全治7か月の診断を受けて長期離脱していましたが、ここに来ていきなりのスタメン復活。マルティノスさんをACLの登録から外してでも彼を選手登録していたのはこういう状況での得点力に期待してのもの。ここで使わなきゃいつ使うんだというタイミングで復帰がかないましたね。

その他にもベンチには肉離れで戦線離脱していた橋岡さんも戻り、欠けていた戦力が徐々に戻ってきた感じ。第1戦からのスタメン変更は杉本さん→ファブリシオさんを含めて3枚。第1戦では森脇さんを右で起用し、後半ウガを投入という形でしたが今回はウガが右で先発。3バックの中央が鈴木さん→マウリシオさんと入れ替えが行われました。

システム的には 3-4-2-1。ファブリシオさんはスタートポジションとしてはワントップ、興梠さんがシャドーに入っていたように見えましたが、試合経過の中でファブリシオさんがボールを受けに落ちるケースが多く、実際には興梠さんがワントップのような形でプレーしていました。後半は興梠さんがワントップに入っていたので試合経過の中で入れ替えたのか、単に私が試合開始当初ぼーっとしてて見まちがえたのか・・・

それはさておき、まずウチに課せられるのは早い時間帯に「2点獲る」っていうタスク。このタスクがクリアできないと話にならんということで、予想としては前半からガンガン行くしかないよねというところ。逆に引き分けでいい蔚山現代がスロースタートしてくれるとウチとしては前半に勢いを出しやすい。とはいえカウンター狙いの相手にあまりバランスを崩しすぎれば思う壺というところで立ち上がりから目が離せない試合となりました。

蔚山現代は第1戦からスタメンを4枚変更。ワントップに第1戦ではベンチスタートだったエースのネグラン選手。パク・ヨンウ選手をアンカーポジションに置いた 4-1-4-1 スタート。センターバックはオランダ人の長身DF、ブルトハイス選手とユン・ヨンソン選手のコンビ。守備時には 5-3-2 にしてブロックを引くやり方ですが、予想通りかなり守備から入る形で前からはプレスをかけてこず、そのおかげで前半立ち上がりからウチが押し込んで試合の主導権を握ることができました。

基本的には相手ディフェンスラインの2列目、3枚のところの両脇にスペースがあるため、ここのスペースに青木さん、エヴェルトンさんがポジションをとる→相手前線2枚に対して3枚で数的優位を作ったところから槙野さん、岩波さんが高い位置に出ていくことで相手を自陣に押し込みつつ青木さん、エヴェルトンさんのところにパスをつける→インサイドハーフ経由、もしくはそのままサイドのウガ、山中さんといった形で相手を中央に寄せて広げてとうまく崩しながらクロス、もしくはフィニッシュまで持っていく良い入り方をしましたが、これは立ち上がり10分くらい。この押し込んでる時間帯に点が獲れたら最高だったんですがそこをしのがれると、縦に入れにくくなったところでボールは持てるものの決定機とまではいけない時間帯が続きます。

ファブリシオさんもボールが来ないので落ちちゃうんですが、その時に青木さんやエヴェルトンさんとのポジションの入れ替えなどがそれ程スムーズに行われないため、単に前線に人が足りないみたいな状況になってしまっていて、その辺はちょっともったいなかったかなと。とはいえミドルレンジからのパンチ力のあるミドルシュートやゴール前でシュートコースがあれば積極的にシュートを狙っていくなど、ファブリシオさんがいることで攻撃面は活性化し、リーグ戦含め、7月以降の後半戦に期待が持てる復帰戦となりました。

ウチとしては早いところ1点が欲しい、とはいえ何度か蔚山現代に鋭いカウンターを喰らってヒヤッとさせられるなど、バランスはあまり崩したくないという状況。しかし焦れずに相手を押し込んで我慢の展開の中、41分にウチの絶対的エースが完璧な仕事をしてくれます。

右サイドで岩波さんからのボールを受けたウガが相手との1対1で縦への仕掛け。この仕掛けで相手DFがボールを見た瞬間にうまく相手の背中をとって中央でフリーになった興梠さんへウガからの絶妙なクロス。これをしっかり頭で合わせると、ボールはゴール左隅に流し込まれて先制。前半のうちにまずは1得点して勝ち抜けに希望を繋ぎます。前半はこのままウチが1点リードで折り返し。

後半、残るタスクはあと1点。しかし蔚山現代もハーフタイムにインサイドハーフのキム・ソンジュン選手を下げるとキム・ボギョン選手を投入して2トップ、4-4-2 の形へ。守備ブロックも 4-4-2 にすると中盤2列目のスペースを消しつつウチのビルドアップにプレッシャーをかけてきます。

蔚山現代としては 1-0 で終わる分には問題ないわけで、このスコア差をなるべく長い時間キープして、もう1点必要なウチが終盤リスクを取って出てきたところでカウンターから1点奪うなりできればOKという感じだったのでしょう。しかしこの受け身があだになりましたね。

61分、蔚山現代はワントップのネグラン選手を下げ第1戦でやられたファン・イルス選手を投入。4-3-3 に移行しますが、これに対して66分、まずは動きの鈍ってきたファブリシオさんに替えて杉本さんを投入。さらにその9分後、大槻さんが思い切った交代に出ます。75分、岩波さん→長澤さんとして4バックに。マウリシオさん、槙野さんのCB、ウガと山中さんをSBに、長澤さんを中央の興梠さんと武藤さんを両脇、2列目に配置した 4-2-3-1 にフォーメーションを変更。ウガと山中さんを押し上げると、相手SBをサイドで押し込みにいきます。

この流れの中から80分、右サイドでボールを持ってバイタルエリアまで侵入したマウリシオさんからクロス。これを中央で杉本さんがおとりになりつつ、ファーサイドから絶妙なタイミングで入ってきた興梠さんがまたしても頭で合わせてこれでこの日2得点目。さすがエースの活躍で、試合は一気にウチがトータルスコアでリードする展開に。

4バックにして相手サイドを押し込んだことでマウリシオさんがあの位置まで上がってくることができたのも大きかったですし、中央に高さのある杉本さんがいたことで相手DFは完全にそこに引っ張られる形で、あえて遅れて突っ込んできた興梠さんを全く捕まえることができずの被弾。選手交代がバッチリ当たった瞬間でした。この得点直後の83分にウガ→森脇さんとして再度3バックに戻してウチは試合を締めにいきます。

これで前に出てくるしかなくなった蔚山現代ですが、逆に相手が出てきてくれればこちらにもトドメを刺すチャンスが。87分、中盤でうまく相手のプレスをいなした興梠さんから左サイドスペースに走り出した山中さんへのパス。山中さんからのクロスにゴール前で杉本さんがフリー。シュートの選択肢もあったとは思いますが、杉本さんはペナルティエリア中央にマイナス気味の落としを選択。ここに後方から走り込んできたエヴェルトンさんが合わせたシュートは試合を決める3点目。

一時はアウェーゴール2つの差をつけられた状態から、アウェー 3-0 での勝利で文句なしの勝ち抜けを決めるという、完璧な試合を見せてくれました。ACLでウチが見せるこの勝負強さ、蔚山現代の皆さんの記憶にも深く刻まれたことでしょう。ウチは○点獲って勝たないとダメみたいな状況に異常に強いんすよ。

ということで無事ベスト8進出を決めてくれました。これで東地区のベスト8(準々決勝)進出チームは、日本からウチと鹿島、中国から広州恒大、上海上港となりました。7月2日に組み合わせ抽選会で準々決勝の対戦カードが決定しますが、まぁできれば日本勢同士、ベスト8で潰し合うのは避けたいので、中国勢のどちらかとというのが組み合わせ的には面白いですね。

とりあえずACLはこれで8月までしばらく間が空きます。今週末、日曜日はアウェーで大分戦、翌週、水曜日に天皇杯を挟んで週末にはホームで仙台戦と続きますので、この勢いを止めないよう、リーグ戦の方もしっかり勝って上を目指して欲しいです。

試合データ

観客: 3,140人
天候: 雨
試合結果: 蔚山現代 0-3 浦和(前半0-1)
レッズ得点者: 興梠(41分)、興梠(80分)、エヴェルトン(87分)
警告・退場: ファブリシオ(警告×1)、マウリシオ(警告×1)
主審: ハミス・アルクワリ 氏

試合ハイライト

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