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2019 Jリーグ 第12節 埼玉スタジアム2002 湘南ベルマーレ戦

リーグ戦、磐田戦ではミスからもったいない敗戦、ACLアウェーではブリーラムに勝利し、一旦は悪い空気を払拭したかと思われた矢先、遠征の長旅と高温多湿の中での試合がコンディションが影響したか、続く名古屋戦では終始名古屋のペースでゲームをコントロールされた上に完敗、リーグ戦は連敗という形になってしまいました。

週明けの火曜日にはグループステージ突破を賭けた大一番、北京国安戦が控えている状況ではありますが、まずは目の前のリーグ戦で連敗を止めなければならない状況でホーム埼スタに迎えるのは湘南ベルマーレ。豊富な運動量を武器に縦に速いトランジションを繰り返してくる湘南に対して運動量で劣れば一気に試合の流れを持っていかれる危険性もあるなど厄介な対戦相手ですが、これ以上連敗することも許されないですので、ホームでしっかり勝利したいところ。

2019 Jリーグ 第12節 埼玉スタジアム2002 湘南ベルマーレ戦

さて、今日のスタメンは最終ラインに鈴木、阿部、岩波。中盤は長澤、柴戸、柏木、両ワイドにウガ、荻原。ナバウト、マルティノスの2トップという並び。GKは西川。

多少の人の入れ替えは予想されていたものの、その予想を大幅に超えるスタメンの入れ替えでしたね。前節、名古屋戦からは7人が変更。阿部ちゃんを3バックのセンターに、左に鈴木さん、右、岩波さん。ウガを右のワイド、荻原さんを左ワイドで起用、アンカーに柴戸さんを置いて、柏木さん、長澤さんとトライアングルを形成。

システム的には 3-5-2(3-3-2-2)で変更なし。ベンチには久しぶりにファブリシオさんが入って出場機会があればこれが復帰戦。その他、直輝さん、大卒ルーキー岩武さんなどがサブのメンバーに名を連ねました。コンディション的にはフレッシュなメンツになって、運動量が重要になる湘南を相手にどういう戦いができるかに注目。

対する湘南は 3-4-2-1 スタート。選手紹介時には岡本選手が入っていたと思ったらウォーミングアップで何かあったのか、試合開始時にはフレイレ選手が代わりに先発になってました。

湘南が圧倒的な運動量を活かした中盤でのハイプレス→攻守転換から縦に速いサッカーを得意としていることから、前線からのハイプレスで引っかかったり、ウチが無闇に前掛かりになってオープンな展開になると相手に一日の長があり。逆に湘南はボールを持ってもブロックをセットした相手を動かして崩すようなやり方はそれほど得意とは言えないので、プレスのラインを高めに設定して中盤に入ってきたところで強度を持って潰して攻守転換できれば、ショートカウンターから相手の守備がそろいきる前に得点を奪いきるという形は狙えそう。

相手の守り方的にもブロックを作られてボールを持たされてしまうより、湘南のように前からプレスをハメにきてくれる方がスペースもできるしウチとしてはやりやすいかなというところで、狙い的にはあまり前掛かりになりすぎないよう中盤のバランスは取りつつも、全体としては前からプレー強度を高め、中盤で潰しきってショートカウンターという形を数多く出せれば勝機ありといった感じでしょうか。

で、そんな予想通り、試合は立ち上がりから両チームともインテンシティ高く、フォーメーション的にもほぼマッチアップすることから各局面でバチバチにやり合う展開に。

そんな中でも前半にペースを握ったのはウチ。湘南に対して運動量、球際の強度、攻守転換のスピードで引けを取らず、かつバランスを崩さないようにブロックを保持しながら相手のボールが中盤に入ってきたところで素早く、激しくプレスをかけてボールを奪ってはスペースを活かしたショートカウンターを当てるなどほぼ狙い通り。

ウチの攻撃に関しては左サイドを中心に。荻原さんを鈴木さんが後ろから押し出す形で高い位置を取りつつ、マルティノスさんはあまりサイドには流れずに縦にスペースを狙う役割を担い、サイドは荻原さんの突破力を活かす形。ナバウトさんとマルティノスさんが積極的に相手最終ラインの裏を狙い、中盤でボールを奪うと素早く縦に速い攻撃を仕掛けます。局面での1対1が多発する形になったので、そうなれば個の能力で勝るウチにとっては多少有利な展開へ。

その流れで、先制点は22分。右サイドのスペースを長い距離スプリントしてうまく突いたマルティノスさんへウガから絶妙なフィード。これで右サイド深い位置をえぐり湘南のディフェンスラインを下げつつ時間を作ったマルティノスさんから一旦、ペナルティエリア右角のスペースにサポートしてきた柴戸さんにマイナスの戻し。それを柴戸さんが素晴らしい判断でダイレクトに縦に送ったところにはペナルティエリア内に侵入していた長澤さん。長澤さんは相手のマークにあいながらもワンタッチで素早く反転して右足一閃。鋭いシュートはゴール上隅に突き刺さると、これが長澤さんの今シーズン、リーグ戦初得点。

さらにその3分後の25分、今度は中盤で湘南のカウンターが発動しそうなところを長澤さんとマルティノスさんが素早く挟み込むようにプレスかけて奪い返すと、マルティノスさんはそのまま一気に相手ゴールに向かってドリブル開始。

左側を荻原さん、中央をナバウトさん、左サイドを柏木さんが併走する形で選択肢としては3つありましたが、マルティノスさんは左の荻原さんに出すふりをしつつ湘南CBのフレイレ選手をずらしたところで中央でうまくフリーになったナバウトさんへ絶妙なスルーパス。これを受けたナバウトさんが冷静に相手GKの位置を見ながら流し込んで追加点。ナバウトさんにとっては浦和加入後初ゴールということで、長かったですがやっと結果が出てよかったよかった。

早々に2得点してある程度試合は楽な展開になりましたが、ウチが万全で危なげなかったかと言われればそうとも言えない点もあり。ウチの守備ブロックは 5-3-2 だったので、懸念点としては中盤3枚、特に今回はアンカーである柴戸さんの左右のスペース。前線の2枚がうまく中央を切りつつプレスかけてきっちりサイドに追い出してくれればいいんですが、それができなかった際に縦に中央に入れられ起点を作られたりすると、中央3枚の脇のスペースを使われ、これを潰しにワイドやCBが引っ張り出されると、これで生じたCBとワイドの間のスペースを狙われたりという形で崩される可能性があるという点。

実際に前半31分にはこの形からウガと岩波さんの間を使われて湘南の杉岡選手にシュートまで持っていかれるシーンがありました。↓の動画のとおり、これ失点してるんですけども、なんか運のいいことに主審も副審もゴールを見逃してノーゴールの判定になってくれたおかげで命拾いしました(まぁ実際には命拾いにならなかったんですけどね・・・・・・)。全体的にはウチがペースを握りつつもちょっとした守備対応のズレでやられる可能性もあったと言うことでね。

で、ちなみにゴール裏にいた人はわかったと思うんですが、サイドネットがゆれたの見えたので、スタジアム的には「あー失点しちった・・・」って感じだったんですよね。実際に西川さんも失点しちゃったんで、リスタートのためにボールをセンターサークルに戻す感じで特に誰にパスするでもなくボールを前方にぶん投げたのが見えたので、こちらも「切り替え、切り替え~」みたいな感じで顔上げたらなぜかウチが相手のゴール前まで攻め込んでてナバウトさんが相手GKと当たって吹っ飛んでた・・・・・・

主審はゴール正面から見ているので角度的に判断が難しいんですが、副審の位置からはボールがサイドネットに当たって跳ね返ってきたの見えたと思うんですよね。さすがにあそこまではっきりゴールに入ったのを見逃されると相手のこと事ながらキツいなと。

とはいえウチにとってはラッキーな形で相手のゴールが認められず、先に2得点してくれたおかげでなんとかセーフティなリードを保ったまま後半へと折り返し。ちなみにナバウトさんは上記した相手GKとの接触プレーで無念の負傷交代。ファブリシオさんが交代で入り、昨シーズン、9月に負傷離脱して以来の復帰となりました。

相手に幻のゴールがあったとはいえ、2点のリードがあるわけですし、後半の戦い方としては前半の流れのまま3点目を奪いに行くのか、それともある程度引いて受けてでも湘南にボール持たせつつリードを守る策に出るのか、オリヴェイラさんがどちらを選択するのかに注目していましたが、後半立ち上がりは特にやり方を変えず。

それに対して湘南はハーフタイムに大野選手→菊地俊介選手として選手の並びを変えてきますが(4バックに変更して、4-1-4-1 or 4-3-3 に見えました)、この変更と、さらに2点リードで少しゆとりを持って入った感じのウチに対して、前半の誤審の件もあって気合いの入った後半の立ち上がり方をした湘南の勢いが凄まじく、その勢いのまま後半立ち上がり早々にやられます。

47分、前線の人数を増やして一気に押し込んできた湘南に対して一旦はクリアしてしのぎますが、これを再度中盤で奪い返されるとバイタルエリアでボールを受けた途中交代の菊地俊介選手が左足を一閃したミドルシュートは、さすがの西川さんもノーチャンスなゴラッソ。ゴール左隅に吸い込まれてこれでリードは1点に。一気に流れを持っていかれそうなところでしたが何とか踏みとどまるとファブリシオさん、マルティノスさん、荻原さんを中心に攻撃を組み立てていきます。

しかし試合が進むと運動量という点で湘南が徐々にウチを上回り、ペースを握り始めます。そのような状況で、3点目を狙いに行くのか、少し受ける形でもしっかりブロックを作って守りにいくのか、ピッチ上の選手達も判断が難しいだろうなというゲーム終盤。76分にはマルティノスさん→直輝さんとすると、ファブリシオさんを1トップに残して 5-4-1 ブロックへと守備の形を変更しますが、この交代でも3点目奪えなのか、守れなのかの明確なメッセージは見えず。

中盤にフレッシュな直輝さんは入ったものの、全体としての運動量が落ち、ナバウトさんがいなくなってしまったことで前線からの守備もハマらず、中盤以降のラインがズルズルと下がって押し込まれてしまったことでファブリシオさんは孤立状態。そんな中、中盤のスライドが少し遅れた隙を突かれ、左サイドから荻原さんと鈴木さんの間のスペースに斜めにパス通されると、それを受けた湘南、野田選手にペナルティエリア内を深く侵入されたところからマイナスの戻しを菊地俊介選手に合わせられて2失点目。2点のセーフティリードを守れず、試合を振り出しに戻されてしまいます。

これで1点を取りに行かなければならなくなってしまったため、86分には長澤さん→汰木さんとして攻撃のカードを増やしますが、低下した運動量はどうしようもなく、さらにこの状況でオープンな展開に持っていかれると完全に湘南に有利な展開なので見ていても完全に「まずいなぁ」という流れ。結局ウチとしては大きなチャンスもないまま試合はアディショナルタイムへ。ラストワンプレーといったところで、ファブリシオさんのミドルシュートが枠に行ってGKに止められるチャンスは作りますが、ウチにとって最悪のドラマはその直後。

相手GKからのリスタートを左サイドで収められると、この時荻原さんは足攣ってて戻れずだったためここに鈴木さんが出て対応しますが、インサイドハーフの2枚も帰陣が遅れていたことで、鈴木さんが引っ張り出されて人数が減った最終ラインの前には柴戸さん1枚しかおらず、広大なスペースが。

それを見逃さなかった湘南、山根選手が中央でボールを受けると、一気にペナルティエリア付近までドリブルで侵入→そのままの勢いで右足から繰り出したミドルシュートはシュートブロックに入った阿部ちゃんに少し当たったこともあってドライブ気味に西川さんを超えるとゴールに吸い込まれてまさかの逆転。得点と同時に試合終了となって2点リードからの敗戦という最悪の結果になってしまいました。

うーん、どうしたもんでしょうね・・・・・・ 人を入れ替え、モチベーションをうまく高めたことで狙い通り相手を上回って先に2点のリードを築いたところまではよかったんですけどね。後半は相手のシステム変更にうまく対応できず、ペースを持っていかれた挙げ句に3失点の逆転負けというのはさすがにショックが大きいですねぇ。

まぁ終わっちまったことは仕方ないので週明けのACLに向けて切り替えるしかないんですが、火曜日はなんとしてでも結果出さないとさすがに空気がやばいことになりそうなのでちと心配です。

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試合データ

観客: 23,221人
天候: 晴
試合結果: 浦和 2-3 湘南(前半2-0)
レッズ得点者: 長澤(22分)、ナバウト(25分)
警告・退場: ファブリシオ(警告×1/反スポーツ的行為)
主審: 山本 雄大 氏
順位: (暫定)10位(5勝5敗2分/勝点17/得失点差-3)

試合ハイライト

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Yoshiki Kato / burnworks
Yoshiki Kato
埼玉県出身。サッカー、フットサル (観戦 / プレー)、モータースポーツ観戦、格闘技 (主にボクシング) 観戦、インターネット、音楽鑑賞、筋トレ、腕時計収集が趣味。サッカー 4 級審判員、ウオッチコーディネーター(上級 CWC)資格認定者。好物はゼリー、グミ、お酒、ラーメン。